王様の速読術 斉藤英治/著(ダイヤモンド社)-心に残った部分-
「本は宝じゃ。しかし、読みもせず、積んでおいても役には立たぬ。
読みこなすことで、自分の家来として大いに役に立ってくれるのじゃ」
「王様は、家来から必要な情報を最小限の時間で汲みとらなくてはならぬ。
優秀な家来をたくさん持てば、もたらされる情報の質も高くなって、
ムダは無くなる」
「王様として限られた時間だけ、家来に会う。
家来はその時間の中で、もっとも重要な情報だけを私達にもたらす」
「古典的な本は、世界中の人たちが読んでおる。
どこへ行っても通用する知識なのじゃ」
「自分に必要な本を見つける術を持ち、
その本からだれよりもすばやく、効率的に必要な情報を手に入れる術を持てばどうかな?
自分に今必要な本は全部読めるはずじゃ」
「『読む時間が無い』などと戯れ言を言っている場合じゃない。
短い人生だからこそ、チャンスが少ない世の中だからこそ、
本という家来を味方にしなされ。優秀な家来を選びなされ。
家来は多い方がいいに決まっとる」
「本を自分の家来にする方法は簡単だ。読めばいいのである。
そして、その本に何が書いてあったか、そこから自分は何を得たかを確認できればいい。
そこから得た知識を磨くことで、知識はやがて知恵になり、英知へと発展していく」
「家来を選ぶときに間違ってしまい、さらにその家来を使いこなす時にも失敗していては
いくら時間をたっぷり使って本をたくさん読んだと豪語しても、実際には役に立たぬ」
「本を読むことが目的ではないので一字一句読む必要は無い。
読書は情報を得て、それを知識として身につけることが目的なのじゃよ」
「1冊の本と付き合う時間を30分と決めてしまう」
■第一段階 プレビュー(5分)
「この本を読む目的」をはっきりさせる。つまり戦略を立てる。
表紙やカバー、帯、目次、パラパラとめくって図表などを眺める。
必要そうなページを発見したら付箋をつける。
前書き、後書き、解説などもざっと目を通す。
■第二段階 全ページ写真読み(5分) 2ページを2秒くらいのペースで。
全ページ平等に見るので、プレビューで見逃していたものを発見できる。
プレビューでは意識的に設定したキーワードを探すが、
写真読みでは、本から訴えてきたキーワードと
自分の中にある潜在的なキーワードをひたすら感覚で受け止める。
何冊も実践を重ねると写真読みの技術は上達し、
より多くの情報が得られるようになっていく。
すぐにでも読んでおくべき部分はどこなのか把握できる。
読む必要が無いと判断したら、ここで読むのをやめる。
本屋での立ち読みで読むべき本を選ぶのにも使える技術。
パレートの「二八の法則」(わずか2割の人たちがその国の富の8割を所有している)を適用すると、
本全体の重要部分である2割を読むことでその本の情報の8割が得られる。
20%の時間で80%の理解を目指すと、効率は精読(100%の時間で100%の理解)の4倍になる。
逆に言えば、残りの20%を得るのに80%のコストがかかりるので、
ここを捨てることで16倍も効率が良い。
■第三段階 スキミング法(20分)
スキミングとは、さっとすくい取る、ざっと読み取るといった意味。
大海原の上を舞う鳥のように、滑空しながら海面を見渡す。
そして魚の気配を見つけたら急降下していく。
そして大切なところを速度を落としてきちんと読む。
これを繰り返す。
この段階では、平等主義より公平主義で謁見する。
今必要な情報だけを得る。必要になればまた会えばよい。
情報の価値に応じて時間を公平に配分する。
一字一句、平等に読んでいたら時間が無駄になるだけではなく、
価値のある部分も同じように通り過ぎてしまう。
読み終えて、「うーん、でも本当に読んだといえるのかなあ」
と不安になるかもしれないが、安心してよい。
本と言う家来は、読み終わった後も、あなたのそばにいる。
本棚でもいいし、積み上げておいてもいい。
とにかく、そこで家来はじっと次の出番を待っているのである。
なんと頼もしいことだろうか。
「家来は多いほうがいい。
これからどんどん、そうした優れた家来を増やしていくことじゃよ。
そして、忘れそうになったら時々眺めてみる。読み返してみることじゃ」
読み返すのも簡単である。20分ほどスキミングすればいいだけのことだ。
5分の写真読みでもいいかもしれない。こうして、知識が増えていくことを実感できるだろう。
そして、王様であることが楽しくなるに違いない。
(080627 読了)