2009年03月09日

書きあぐねている人のための小説入門

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)

書きあぐねている人のための小説入門
保坂和志/著 (中公文庫) 2008年

小説にはネガティブな磁場があるという。

「『じゃあ、また』と言って、彼は歩いていった。」

と書くだけで、小説の中では「じゃあ、また」が
二度と来ないように感じられてしまう。

あるある、と思った。
なぜネガティブな磁場があるのかはわからないが、
小説とはそういうものらしい。




【面白い小説とは】
「面白い小説」のほめ言葉として、
よく「一気に読んだ」というのがあるけれど、
だからそれはほめ言葉ではない。


そういう小説は、人生観や世界観が変わることは無く、
一気に読んで、満足感や達成感を味わうだけだという。

面白いけど読み終わることが目的になって
結局、何も残らないということか。

保坂氏のいう本当に「面白い小説」とは、
最初の一行を読んだら、次の行も読みたくなり、
気が付いた時には最後の行まで読んでいたという
そんな小説。

この違いは少し難しいが、
「一気に読んだ」というのは仕事を効率的にこなした
というニュアンスがあるのかもしれない。

そういえば、残りページ数を計算して
読み終わる時刻を予想したりしてしまうことがある。

逆に、あまりに面白くて読み終わるのがもったいなくなり
途中で読むのをやめてしまった本もある。

あとで、あの時一気に読んでおけばよかったなどと思うのだが
面白い本というのはそういうものかもしれない。

保坂氏は、田中小実昌著『ポロポロ』という作品を挙げて
早く読み終わりたい小説と、ずっと読み続けていたい小説の違いを
わかりやすく説明している。


また、立ち止まって、自分の経験に
照らし合わせながら読めるのが小説であり、
読み終わってあらすじをまとめたりするのではなく
読んでいる最中に読み手の実人生と響き合っている時間こそ
小説を読むということらしい。

その時間を生み出す為に、作者は細部に力を注ぐ必要がある。

だが、テクニックについては、何冊も小説を読んでいれば
誰でもそこそこ身に付くもので、それで十分だとしている。

これは、「小説の書き方マニュアル」という本をいくら読んでも
小説を書けるようにはならないというメッセージであり、
本書はそれらの本とは一線を画している。



【小説の書き方】
1日2時間小説を書くことができればそれで十分だ。
2時間あれば3枚かける。
1日3枚書ければ、1ヶ月で90枚になる。
200枚くらいの小説なら下書きに2ヶ月、
推敲と清書で1ヶ月、
3ヶ月もあれば1本書けてしまう。


小説を書くのは簡単。
小説は誰でも書ける。
技術も新たに身につける必要は無い。

ただ、「小説とは何か?」を常に考えながら書く必要がある。

10冊しか小説を読んだことが無いのに書こうとするのは無謀だが、
100冊、200冊と読んでいると、相当量のテクニックは無意識のうちに
蓄積されていて、意識せずとも自然と出る。

排除しようと思っていても嫌でも出てしまうのが
テクニックというものらしい。

出し惜しみをせずに最初の1作に全てを注ぎ込む。
2作目に備えて出し惜しみをしていると、2作目は無い。


また、書く前から結末を決めて、
逆算しながら書くのは良くないとしている。

なぜなら、「小説とは書きながら自分自身が成長するもの」であり、
あらかじめ結末を決めていると
本来のダイナミズムを欠いた予定調和的な動きに
ならざるを得ないからだそうだ。

書きながらある程度のところで結末を考えておかないと
矛盾が出てきそうで不安になったりするが、
登場人物が好き勝手に演じ出し、
そのつじつまを合わせていくことが小説を書く楽しさでもあり
作者の成長に不可欠な部分なのかもしれない。


評価:★★★☆☆
posted by macky at 23:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 実用書・ハウツー本 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月02日

人生を変える80対20の法則

人生を変える80対20の法則

人生を変える80対20の法則
リチャード・コッチ (著), 仁平和夫 (翻訳)
阪急コミュニケーションズ (1998/5/1)

効果の上がる20%の場所を見極めて
そこに戦力を集中させると80%のリターンが得られる。

論語に言う「過ぎたるは及ばざるが如し」
何でもやりすぎはよくないと言うことか。

「あれもやらないと、これもやらないと」と
100%を目指した結果、結局は何もできない。


---
「時間が足りないということはない。むしろ時間は余っている。
時間の20%を有効に使いさえすればいいのだから。」

「過ぎ去った時間は失われた時間ではなく、
また戻ってくる円環体的なものだから大切な20%に目を向け、深めよう。」



まず、やることリストのうち
重要なこと、絶対にやる必要があるものを20%選ぶ。
残りの80%は削る。

もし、切り捨てるのができないなら、
期限を設けて、
「いついつまでにやらなければ諦める」というのもよさそう。
いざ捨てるとなったらもったいないと感じるからだ。

そうやって、やることを絞っていけば、
他にもっと重要なことがあるという気がしなくなるかも。

「光陰矢のごとし」
「時は金なり」
を否定。


フォン・マンシュタイン将軍「ドイツ将校団について」
将校には四つのタイプがある。
1.怠惰で無能――放っておいても害にならない
2.勤勉で有能――どんな細かいことでもきちんと分析する優秀な参謀
3.勤勉で無能――始末に終えないので即座に除隊を命じる
4.有能で怠惰――最高の位につけるのがいい


評価:★★★☆☆
posted by macky at 23:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする