2010年06月03日

闇将軍 ―野中広務と小沢一郎の正体

闇将軍―野中広務と小沢一郎の正体

闇将軍―野中広務と小沢一郎の正体
松田賢弥/著 (講談社) 2003年


●――執行部も内閣も退陣。いったい、誰が次の総理になるのか。小渕か。

「そりゃあ、小渕でも大変だよ。支えなくてはならない。
でも、小渕に落ちる。落ちていく。今やらなかったら、(小渕は)あとはない」

――小渕で大丈夫か。かなり状況はきびしいし、乗り切れるのか。梶山はどうか。

「梶さんは本人が固辞していることもあるが、総理にふさわしくない。
血糖値の高いときと低いときの、上げ下げが激しいんだ。
それが躁と鬱の激しさとなって出てくる。
鬱のときは手も震えるようだ。
中尾栄一も言っていたが、とても外国には出せない。無理なんだ。
その体調が問題なんだよ」

――河野(洋平)はどうか。

「ない。自民党は彼を認めない」

――宮沢喜一の名前もあがっているが。

「戻しちゃダメだよ。それを認めちゃいけないよ」

――海部(俊樹)は?

「ハア? 全然(問題外)」(P62)


☆印象に残っているのはこの部分。
橋本龍太郎の後継首相を決めるときの舞台裏で
妙に生々しい。


●国会で、野中と激しい応酬をした民主党の菅直人は、
野中を「役にはまりすぎる人」と評し、十八〜十九世紀フランスの政治家、
ジョセフ・フーシェになぞらえた。(P81)

☆状況に応じて右にも左にも身をかわす。
敵対していた小沢と握手して自自連立政権を作る場面。
小沢の牙を抜く為に内部に取り込むという発想がすごい。


●野に放っておいたら、菅(直人)を担いでなにをしでかすか、
わかったものではない。
小沢は、たとえ少数勢力になっても牙を持っている。そこが危ない。(P97)

☆小沢と野中の駆け引きがおもしろい。
野中は小渕政権維持の為に動き、
公明党を取り込むための前準備として自由党・小沢を取り込む。
小沢は与党になれるということで思惑が合致し
お互い私情を捨ててタッグを組む。



そもそも野中さんの敵は自分で作った仮想敵のような気がする。
京都府議会議員時代にも蜷川府知事を批判したりと
格上の相手を攻撃してのし上がっていく
一種の処世術として利用していたのかも。


評価:★★★☆☆
posted by macky at 23:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする