2012年03月26日

すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術
高橋政史/著(クロスメディア・パブリッシング) 2011年


【概要】
すべてのことをシンプルに紙1枚にまとめてしまおうという画期的な本。
次の7つのフォーマットが紹介されている。

Format 1
 3分間でどんな難題も整理でき、思考力や仮説力を磨く「Sの付箋」
 「誰の?」「何が?」「どのようにして?」「どうなった?」「で、要は何が言いたいの?」

Format 2
 電車の中などの隙間時間でプレゼン資料が完成する「16分割メモ」
 うすい水色や緑で枠を書くことによってアイディアが出て来やすくなる。

Format 3
 1冊15分で、本の内容をまとめてしまう「キラー・リーディング」

Format 4
 3tトラック1台分の資料を4畳半にスリム化した「1枚引継ぎマップ」
 これは要するにマインドマップ。

Format 5
 会議時間が1/2になる「マッピング・コミュニケーション」

Format 6
 企画書や報告書がロジカルに変わる「1・2・3マップ」
 「1メッセージ」「2W1H」「3の法則」

Format 7
 説得力のあるプレゼンができる「物語プレゼンテーション」



【所感】
読みやすい文章であっという間に読めるが、それを自分のものにするにはフォーマットに沿って何枚か実際に書いてみる必要がある。

「16分割メモ」は今使ってるA6キャンパスノートに線を5本引くだけで使えるからとても簡単だ。適当な紙に書いてもいい。

「キラー・リーディング」も面白そうなシステムだ。質問から入った読書などに効果を発揮するだろう。石井貴志氏の「1分間リーディング」との使い分けが必要。

「1・2・3マップ」をさっそく使ってみた。1つのプロジェクトについて、思いつくままに埋めていったのだが、実に見やすい表があっという間に出来上がった。

「物語プレゼンテーション」は小説を書くときにも使えそう。オープニングとエンディングがあって、間の第二幕には3つの壁(困難)が待ち受けている。それを乗り越えることでエンディングに向かうわけだ。


【抜粋】
●そもそも整理とは何か。端的に言えば、「複雑なことをシンプルにする」こと。これが整理の本質です。(p.14)

☆まさにこの一言に尽きる。


●この上司は何をしたか? それは、問題に対しての仮説をつくり、それに沿って素材を分け、重要な素材を見極め、捨てる素材を決めていったのです。そのステップを踏んだだけで、何をどうしたらいいかわからない、先がまったく見えない状態から一気に抜け出すことができました。(p.28)

☆仮説を立てれば仕事は早くなる。この仮説を立てるためのメソッドが「Sの付箋」で、どんな仕事をやるときにも必ずやっておくべきツールだという。


●まず本を読む前に、キラー・リーディングに必要な第1ステップは「問い」です。「問い」とは、著者に聞きたいこと、その本を読むことで得たい目的のことです。(中略)「問い」はより具体的にする必要があります。「問い」の設定は、たとえるならGoogleの検索キーワードを入力するのと同じことです。(p.68-69)

☆「キラー・リーディング」では、著者に何を問うかが全て。「Google検索」のイメージ。
「問い」を設定したら、5分間で16個のキーワードを抜き出し、残りの10分でザーッと読みながらキーワードを3つに絞り込む。そして最後に1メッセージを導き出して終了。


●創造より「退屈」。仕事の成果を上げたければ、仕事はルーティン(繰り返し)化する。仕事のほとんどがルーティン化、つまり朝会社にやってきてやることが決まっていて、それを決まったやり方でやっていると、勝手に成果が上がる退屈な組織である必要がある。と、ドラッカーは言っています。(p.77)

☆時間割を作って失敗するのは、せっかくノってきたときに中断して他の事に取り掛からなければいけないからだが、時間はアバウトでやる順序だけを決めていればルーティン化できるかもしれない。


●「全部を今ここで話してくれ」。これは豊田喜一郎氏のひと言です。アメリカの自動車産業の視察からもどった喜一郎氏の友人の学者が「くわしくは報告書にまとめて提出するから」と言ったことへの返答です。(p.138)

☆ついつい後で時間を取ってまとめようと思うけど、できるだけ早くその場で対処することによって回転が速くなる。そのためのフォーマットが「1・2・3マップ」。このマップを一瞬で描けるようになっておくととっさのときに役に立つ。「1メッセージ」を中心に描き入れ(相手に一番伝えたいこと、提案、キャッチコピーなど)、「2W1H」(What? Why? How?)を「3の法則」で埋めて、最後に「で、何からやればいいの?」という答えを「1action」に入れる。


●映画『ジョーズ』のひと言は、「美女がサメに襲われる映画」というものでした。(p.173)

☆一番伝えたいことをたった1つに絞込み「1メッセージ」にする。いいプレゼンはひと言で伝わる。
紹介文にも使える。「○○(自社の商品)」を1メッセージで言うと?
そのメッセージがありふれたものではなく、オリジナリティにあふれ、興味を惹き付けるようなものだと最適。


【アクションプラン】
・7つのフォーマットのスキルを身に付ける。それぞれ最低1枚は書いてみる。

・「キラー・リーディング」を毎日やってみる。1日1冊15分。専用のノートを作ってみるのもよろしかろう。後から見るために作るのではなく、練習帳というか、訓練的な意味合いで。30枚綴じで60ページ、約2ヶ月。


【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
応用するのは自分次第。そのために基本となるシンプルなフォーマット。
このフォーマットを自分で1から完成させる手間を考えるとすごくお得感がある。
フォーマットを完全に自分のものにするまではいつも身近に置いておきたい。
そして何か問題があるたびに、どのフォーマットを使おうかと思い悩むのだ。



■関連サイト
著者高橋政史さんの公式サイト
http://mindmap.2-d.jp/

1枚の学校
http://creative-management.jp/

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2012年03月15日

獄中記

獄中記 (岩波現代文庫)

獄中記
佐藤優/著(岩波書店)
061206 単行本発行
090416 文庫本化

【概要】
2002年5月14日から2003年10月8日。512日間の勾留生活で学術書を中心に250冊読んで思考を深める中で綴られた62冊の獄中ノートを五分の一ほどに圧縮したものである。主に弁護団への手紙と外務省の後輩へのメッセージからなる。

【動機】
この本を読もうとしたきっかけは何だったかな。
今となっては思い出せないが、結構以前から読みたいと思っていた本である。
と思って調べてみたら、500日ほど前に水野俊哉 『法則のトリセツ』 (徳間書店、2009年)を読んだのがきっかけだった。

【所感】
知識の幅が広く、退屈せずに読める。一文読むごとに、「そうそう、ちょうど知りたかったことなんだ」と立ち止まって考えてしまうのでけっこう時間はかかる。気になるところに付箋をつけていってたら、付箋だらけになってしまった(笑)。おそらく歴史に残る名著になるだろう。哲学などをもっと勉強してからまた読んでみたい。


【抜粋】
●それから語学の勉強を始めた途端に紙の使用量が極端に増えた。A4判で1日70-80枚も紙が必要になる。裏を用いれば半分で済むのであろうが、頭にきちんと叩き込むことを考えるならば、罫紙あるいはマス目のある表だけを使いたい。(中略)ところで、江戸時代までは日本でも本は今よりずっと大切に取り扱われた。現在身辺にある本はパンフレットを含め10冊であるが、辞書が2冊含まれているので、当時の基準からすれば大変な贅沢である。(p.32)(6/18)

☆未決勾留者が房内で所持できる書籍・雑誌は3冊以内、宗教経典、辞書、学習書については特別の許可をとれば、追加的に7冊まで所持することができる。これを拘置所では「冊数外」と呼ぶ。それにしても1日80枚ってすごい量だ。


●日本社会を活性化させるためには、強者をより強くして、機関車の役割を担わせるという発想です。(p.39)(6/20 弁護団への手紙―11)

☆「小泉改革」において格差社会が広がったのは、そういう狙いがあったということ。


●それにしても紙を多く使う生活です。1日、A4判罫紙を50-60枚使い、ボールペンのインクは1週間でなくなります。(p.46)(6/26 弁護団への手紙―15)

☆ダイソーでA4レポート用紙を買ってこようかな。たしか80枚くらいあったはず。語学の練習用に。ボールペンのインクが1週間でなくなるというのもすごい。

●いろいろな文章を綴ったり、哲学書を読んでいると、『岩波国語辞典』(5万7千語)では対応できないことがあり、『広辞苑』(23万語)が欲しくなりました。宗教経典・教育用図書も7冊までしか所持できず、現在、枠がいっぱいですが、『岩波国語辞典』を領置しようと思っています。辞書については「大は小を兼ねず」で、小型辞典にはそれなりの便利さがあるのですが、仕方ありません。私本3冊、宗教経典・教育用図書7冊、パンフレット10冊の枠を効率的に活用し、いかに知的世界を構築するかというのも面白い作業です。(p.51) (7/1 弁護団への手紙―18)

☆知的世界の構築という表現がおもしろい。


●今回は、国策捜査の手法について、私なりの見方を記しましょう。国策捜査の場合、「初めに事件ありき」ではなく、まず、役者を決め、それからストーリーを作り、そこに個々の役者を押し込んでいきます。その場合、配役は周囲から固めていき、主役、準主役が登場するのはかなり後になってからです。ジグソーパズルを作るときに、周囲から固め、最後のカケラを「真っ黒い穴」にはめこむという図式です。役者になっていると思われるにもかかわらず、東京地検特捜部から任意の事情聴取がなかなかこない場合は要注意です。主役か準主役になっている可能性があります。(p.63-64)(7/10 弁護団への手紙―26)

☆今でこそ、国策捜査はあって当然という認識が一般的だが、当時はなかなか見抜けなかった。


●週末に日露関係のレポートを書き進めようとしたのですが、どうも気が乗らず、ペンが全然先に進みませんでした。知性には、能動的知性と受動的知性があると言いますが、現在、私の能動的知性は一時休止状態の様です。こういうときは、もっぱら受動的知性に頼る語学の勉強に集中することが得策と思い、この土、日は、約10時間ずつドイツ語に取り組んでいました。いましがた、6月12日に手許に届いたドイツ語文法の教科書を終えました。メモがA4判罫紙249枚になりました。大学で1年半かけて消化する教科書を33日間で終えたわけですから、なかなか効率的です。ドイツ語からは約17年離れていましたが、かなり思い出してきました。(p.65-66)(7/14 弁護団への手紙―28)

☆頭が働かないときには語学でもやろうというのは私もよくやります。17年も離れていたのに約1ヶ月でドイツ語の文法を終えたというのもすごい。外交官として外国語を自在に操っていた佐藤氏の勉強方法は参考になる。拘置所の中なので音読やリスニングができないが、文法の勉強ならはかどりそう。


●外に出て、将来家を建てることになったら、東京拘置所の独房にそっくりの小部屋を作り、思索と集中学習用の特別室にしたいと考えています。それくらい現在の生活を気に入っているということです。(p.69-70)(7/18 弁護団への手紙―32)

☆本が好きな人にとって、拘置所は楽園のようなものなのかも。


●それからB5判コクヨのノートで差し入れ可能ないちばん厚いものを3冊お願いします。実は、取調担当検事が「手控え」用にB5判コクヨの100枚ノートを持っているのですが、これが羨ましくて仕方がないのです。私が購入できるのはアピカの40枚ノートで、これが何とも言えず貧弱なのです。以前の手紙にも書いたと思いますが、囚人になると欲望は小さくなるのですが、文房具と食品に対する執着は強くなります。以前、大室先生にコクヨの60枚ノートを差し入れていただいたことがあるので、甘える次第です。(p.76)(7/28 弁護団への手紙―38)

☆この願いは叶わなかったようだ。近くのホームセンターなどに見に行ったら、60枚よりも100枚の方が手に入りやすかった。


●その後、三時間睡眠を切る日々が3カ月も続きました。充実した日々でしたが、これが今回の国策捜査を作り出す遠因になったのだと思います。(p.128)(9/11 弁護団への手紙―69)

☆9.11以降3時間睡眠で3ヶ月、国のために働いた結果が逮捕、か。


●私は、後半の人生で、国策捜査の対象となったというこの経験を、政治的な言葉ではなく、神学的あるいは哲学的な言葉で、わかりやすく、面白く解明したいと考えています。そのためには3−4年の学術的な訓練が必要になります。(p.138)(9/15 弁護団への手紙―71C)

☆長期的な見通し。「いつかやりたい」ではなく、だいたいの期間を書くことで見通しが立ちやすい。


●拘置所内でどれくらい学術書を読んでいるか、チェックしてみました。逮捕後1カ月は、本を読むどころではなかったので、結局3カ月で14冊(語学書を除く)を読んでいます。月平均5冊、1冊平均400頁として月に2000頁、1日当たり、70頁弱になります。400字詰め原稿用紙に換算すると140枚程度です。外にいる頃は一晩でこの10−15倍の文書を読んでいたと思いますが、独房内で現在読んでいる本は、相当難しく、頭に入り難いので、この程度が私の能力の限界なのでしょう。(p.145)(9/23 弁護団への手紙―74C)

☆外にいる頃は10−15倍(1日700頁〜1000頁くらい)ってすごい。しかも、外にいるときって、外交官としての仕事をしながらということだから。


●真実の対立図式は、政治サイドから困難な課題が与えられた場合、
@「成果は出なくてもよいから、リスクを冒さず、ルーティンワークで済ませる」と考えた外務官僚と
A「リスクを冒してでも成果を出すために全力を尽くす」と考え、実践した少数の士気の高い外交官(外務官僚ではない)との対立なのです。
つまりAである我々にとっては、「不作為」こそがこそが国益を毀損すると考え、リスクを負担しつつ走ってきたのです。(p.150)(9/25 弁護団への手紙―76A)

☆たしかに、何もやらなければ捕まることも無いだろうけど・・・。捕まるのを覚悟で国のために危険を冒す方が魅力的だ。死力を尽くした上で、後の判断は歴史に任せる。


●永山氏に対して私がいちばん違和感をもつのは、同氏に責任感が完全に欠如していることです。責任感は、学習能力や表現力、判断力とは全く位相を異にする概念です。帝王学では、あえて責任感の欠如した人物を作ります。金正日に対してわれわれが違和感を覚えるのも金正日の拉致問題に対する責任感が極めて希薄だからと思います。しかし、北朝鮮のこのシステムが、日本の近代天皇制のコピーであることに気付いている日本の知識人がどれくらいいるかということです。(p.167)(10/13 弁護団への手紙―86E)

☆帝王学では、あえて責任感の欠如した人物を作るというのが印象的。


●私が学術書を精読するときは、同じ本を3回、それも少し時間をおいて読むことにしています。
第一回目、ノートやメモをとらず、ときどき鉛筆で軽くチェックだけをして読む。
第二回目、抜粋を作る。そして、そのとき、内容を再構成した読書ノートを作る。
第三回目、理解が不十分な箇所、あいまいな箇所についてチェックする。
このような読み方をすると、10年経っても内容を忘れることはまずありません。(p.169)(10/13 弁護団への手紙―86E)

☆佐藤氏の読書術。


●私も外にいるときには速読で1日1500−2000頁は書物を読むようにしていました。私の場合、速読とはペラペラと頁をめくりながらキーワードを焼きつけていく手法です。目次と結論部分だけは少しゆっくり読みます。対象となるテーマが馴染みのものならば、500頁程度の学術書ならば30分、一般書ならば15分あれば読めます。そしてワープロで、読書メモ(これには20分くらいかかる)を作ります。こうすると1日で1500−2000頁くらいの書物を読むのもそう難しくありません。ただし、対象についての知識の無い本については不可能です。どんな本でも斜めに読むことができるという意味での速読法はないと思います。まずは背景となる知識(「教養」)がどの程度あるかが問題になります。この「教養」をつけるという作業が本当にたいへんです。だから今回は拘置所において「教養」の幅を広げることを目論んでいるのです。(p.175-176)(10/16 弁護団への手紙―88@)

☆この考え方自体は、「1分間勉強法」と全く同じかも。


●よく獄中体験は人の思想に影響を与えるといいますが、私の場合は、ほとんど(というよりも全く)影響を受けていません。いろいろな書物を読んだ印象では、獄中体験により、思想(というよりも思索のパターン)は二極分化するようです。
その一。ひどく内政的になり、これまでの自分を否定し、多くの場合宗教に帰依する(ドストエフスキー、亀井勝一郎等)。
その二。意固地になり、自己を絶対化する。(戦前の共産党の非転向者、現在の過激派、永山則夫等)。
私はそのどちらにもなりませんでした。仮に私にかけられている嫌疑が死刑相当の事件ならば、実存的傾向がもう少し強まるのでしょうが、たとえ実刑になっても「いつかは外に出られる」と思っているからでしょう。(p.201-202)(11/4 弁護団への手紙―97I)

☆田坂広志さんが 『なぜ、働くのか』 (PHP文庫)の中で、死生観を得るために「戦争」「投獄」「大病」のいずれかを経験する必要があると言ってたけど、この場合の「投獄」というのは死刑相当の投獄であろう。明日死ぬかもしれないという体験を通して深い覚悟が得られる。


●諜報エリートに事故はつきもので(だいたいの場合、工作中に摘発される)、一度このような事故に巻き込まれると無事生き残っても再び諜報の世界の第一線で働くことはできません。このような人たちは多才ですので、あえて組織に残ることに固執するものはまずいません。自分の力で、学者、芸術家、作家になる例が多いです。稀にビジネスマンになる人もいます。そして、その人たちは自己の第二の人生では過去についてほとんど語らないので、その人がかつて諜報の世界でどれだけの仕事をした人物なのかということを周囲の人々は全く知らずに時が流れていくのです。(p.206)(11/8 弁護団への手紙)

☆芸術家かぁ。


●諜報の世界では、正確な知識を持って活動しないと工作が失敗する可能性が高いので、諜報機関員はいずれも知(真理)に対しては畏敬の念を抱いています。(p.208)(11/9 弁護団への手紙―100C)

☆知に対して誠実でありたいとする価値観。


●昨日 『太平記』 から引用した右小弁俊基の獄中生活で、読みたい本(経)があるので、それが終わるまで処刑を待ってくれというのは、いかにも知識人的だと思うのです。(p.211)(11/15 弁護団への手紙―104B)

☆将来のために読んでおきたいというのではなく、死ぬ前に読んでおきたいというのがおもしろい。まさに今を生きるという心境。


●以前から申し上げているようにロシア人は物事の本質を捉えることにかけては類い稀な能力があります。(p.212)(11/18 弁護団への手紙―105@)

☆ドイツ人との対比が面白い。論理を徹底的に詰めていくが本質を逃がしてしまうドイツ人と、本質をつかまえることは上手だが、それをロゴス化することが苦手なロシア人。


●「鈴木代議士が恐くて、言うなりになっていました」という外務省関係者の検面調書は、まさに「私は馬鹿者です」と言っているのと同じです。(p.280)(4/9 弁護団への手紙―174@)

☆馬を鹿と言うのは本気でそう思っているわけではなく、権力に屈しているということ。


●昼のNHKラジオ・ニュースが白装束集団に対し、電磁的公正証書原本不実記載・同行使の容疑で、警察が強制捜査を行ったと報じていましたが、これは国策捜査そのものだと思います。(p.285)(5/15 弁護団への手紙―192A)

☆そういえば、白装束って以前話題になっていたけど、どうなったんだろう? 時間のあるときにでも調べてみたい。ちなみにパナウェーブ研究所は2006年に千乃裕子代表が72歳で亡くなって自然消滅しているようである。


日本のマスコミがアンタッチャブルな理由
http://www.carlos.or.tv/essay-j/jpmedia.html


長くなってきたのでこの辺で。






【アクションプラン】
・哲学・思想を一通りざっと勉強してみたい。

・佐藤優氏の他の著書も読んでみたい。特に 『国家の罠』 を読む。(さらに 『自壊する帝国』 )

・永山則夫 『無知の涙』 を読んでみたい。 →読了(140718)


【評価】
評価:★★★★★
こんな人に、こんな時におすすめ:
歴史、宗教、哲学・思想、語学、外交、諜報、官僚、政治、拘置所、勉強術、ユダヤ、イスラエル、ロシア、国策捜査のいずれかに少しでも興味があれば必ず得るものはある。


(120315 読了)
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2012年03月08日

海に沈んだ故郷

海に沈んだ故郷(ふるさと)―北上川河口を襲った巨大津波 避難者の心・科学者の目

海に沈んだ故郷(ふるさと)―北上川河口を襲った巨大津波 避難者の心・科学者の目
堀込光子、堀込智之/著 (連合出版) 2011年


【概要】
副題は、「北上川河口を襲った巨大津波―被災者の心・科学者の目」


【動機】
東日本大震災から1年を機に。


【所感】
貴重な体験記。


【抜粋】
●震災前から気になっていたことがありました。長面海岸の飛砂防備林の赤松林の前に、長さ800メートル、幅100メートルの砂浜が広がり、宮城県内有数の海水浴場がありました。2000年頃から、長面海岸の砂浜の流失が始まりました。2005年には海岸線が飛砂防備林のそばにせまり、海水浴場は閉鎖され、飛砂防備林の前に砕石を積む護岸工事が始まりました。・・・・・・(中略)
八戸、宮古、釜石、大船渡、鮎川、相馬の地盤が1960年頃から年間数センチメートルの割合で下がり続けています。いずれも今回の東北地方太平洋沖地震で大きく地盤沈下したところです。・・・・・・(中略)
また、なぜ小名浜だけが沈降から隆起に変化したのかもよく分かっていません。(p.195〜198)

☆50年前から地震の予兆が現れていたらしいです。



【評価】
評価:★★★☆☆


120308 読了
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2012年03月07日

ツイッターの超プロが教える Facebook仕事術

ツイッターの超プロが教える Facebook仕事術

ツイッターの超プロが教える Facebook仕事術
樺沢紫苑/著 (サンマーク出版) 2011年
1,500円+税


【概要】
Facebook。ちょっと今ブームみたいだし、とりあえずやってみるかというときにこの本を読めば大体のことがわかる。


【動機】
いざFacebookをやろうとしたけど、あまりよくわからなかったので、とりあえず樺沢さんの本でも読んでみようということで。
なぜ樺沢さんかというと、Gメール導入でお世話になったから。


【所感】
一読した感想としては、Facebookはかなり便利そう。本名を出してビジネスでバリバリ稼ぎたい、セミナーでどんどん交流したいって人にとっては便利で魅力的なツールだと感じた。でも、本名が基本なので日本ではあまり普及しないだろう。おそらく数年で廃れていくのではないか。

ところで、樺沢紫苑さんって本当に本名なの?・・・と思ってプロフィールを見てみたら、佐々木信幸さん。うわ、本名じゃなくてもいいんだ!! ならば話は違います。ネットの本名(偽名)がOKならばきっと普及する。俄然やる気が出てきました。



【抜粋】
●500人のファンがいると、かなりの盛り上がり感が出てきます。(中略)そして、1000人のファン数があると、かなり大きなFacebookページとして認識されるようになります。(中略)ファンが1000人を超えると、その後ファンは勝手に増えていきます。(中略)私の個人的経験でいえば、ファン数500人から1000人に増やすのが一番大変でした。1000人を超えると、おもしろいように増え始めました。ですから、広告を使ってファンを増やす場合、最初の1000人を集める部分で広告を使うのが、最も費用対効果が高いと思います。私の場合、500人から1000人に増やすのに2ヶ月かかりましたが、1000人から2000人に増やすのは1週間しかかかりませんでした。(p.156〜158)

☆1000人を超えるとあとは勝手に増えていくらしいから、ファン数はとりあえず1000人を目標にする。


●Twitterは新しい人と知り合うのに非常に優れており、Facebookは知り合った人との関係性を深めるのに非常に適していると実感します。(p.168)

☆ツイッターとフェイスブックの違い。どちらが優れているというのではなく、使い分けるようにする。


●「ブログで○○についての記事を更新したので読んでください」「メルマガで○○についての記事を配信しますので、登録して読んでください」と、ウォールに投稿します。興味のある人だけが、ブログやメルマガを読みます。この「興味のある人だけ」というのが重要です。同じ情報でも「興味のある人」にとっては「貴重な情報」、「興味のない人」にとってはただの「売り込み」になるのです。(p.198)

☆なるほど、ワンクッション入れることで興味のある人だけを引っ張ってこれるのか。確かに「興味のある人」にとっては「貴重な情報」だ。宣伝の仕方もいろいろあるなぁ。もっと効果的な宣伝、売り込み方法、プロモーションの仕方についても勉強したい。



●私が考える「ブランディング」の定義は、「凄い」と思わせることです。「この人は凄い」「この商品は凄い」「この会社は凄い」。こうした強烈なポジティブな感情が先にあって、人・商品・会社への「信頼」が生まれてきます。
・・・・・・(中略)
インターネット・メディアでブランディングをしていくためには、何をすればいいのでしょうか? 答えは簡単です。徹底した情報出し。それ以外にありません。
・・・・・・(中略)
ブランディングというと華々しいイメージがありますが、作業自体は地味です。ネット上のいろいろな場所に露出し、プラスの評価を得ることがマイメディア・ブランディングです。Facebook 上に優良コンテンツを上げ、いろいろなところに露出させる。これが全てブランディングに繋がります。(p.232〜244)

☆ちなみにブランディングとは、企業が顧客にとって価値のあるブランドを構築するための活動を指す。ブランディングをやってると思えば、楽しい作業に早変わり。何事も戦略です。


●しっかり取り組めば、必ずそれを見ている人がいて、評価する人も現れます。ごまかしなしの実力勝負、ガチンコ勝負の世界がFacebookです。しっかりと頑張れば、じわじわと、しかし確実に効果が得られるのがFacebookです。(p.238)

☆見てる人はしっかり見ているというのはけっこう励みになるかもね。


●まずおもしろい情報を発見したり、役に立ちそうな話を思いついたら、Twitterでつぶやきます。同じことに関連して、2つ、3つとつぶやきます。
例えば、映画を1本見たら3回くらい連続で、異なる感想、所見をツイートします。その3ツイートを1つの文章にまとめて、Facebookに投稿します。Facebookの投稿文字制限は420文字と、Twitterの140文字のちょうど3倍なので、Twitter3回分の投稿をまとめると、ちょうどFacebookに収まるのです。
さらに、文字数をふくらませ、画像を付けられる場合は画像も付けてブログに投稿します。そして、それをさらにリライトして、メルマガを発行します。
このように、同じネタで3回、コンテンツをリサイクルして使うのです。蓄えられた日々のコンテンツを基に、セミナーや講演会をする。さらに、蓄積されたコンテンツをまとめ、リライトして本を出版する。結果的に、1ネタで5回以上のリサイクルをしています。それぞれのメディアごとに文字数も変わってきますし、改行の場所や語尾なども変わります。(p.301)

☆ツイッターをネタ帳として使ってるのが面白い。私は140文字の中で文章を練り上げて1つのツイートに1時間以上かけることもあるけど、その場にたまたまいる人が一瞬見るくらいなんだよな。それは分かってるんだけど、やはりあとからツイログで振り返られるというのが、結果的にログを残す的な使い方になってしまうんだろうな。



【アクションプラン】
・フェイスブックを本格的にやってみたくなった。

・ツイッターに関しても、使い方を見直す。(フェイスブックとの使い分け)


【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
Facebookをやってみたいけど、難しそうだと感じている方に。

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2012年03月06日

影響力の武器

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ/著、社会行動研究会/訳(誠信書房) 2007年


【概要】
情報化社会で入ってくる情報量が増えるほど
それに対処するためにますます自動的な反応をしてしまう。



返報性: 人はお返しをせずにはいられない。

コミットメントと一貫性: 人は一度決めたことや自分で言った言葉、書いた言葉の通りに行動しようとする。たとえそれが本心じゃなくてもだ。

社会的証明:  人は自分に似ている人のマネをしようとする。周りがやってるから正しいことに違いないという思い込み。サクラ。

好意: 人に好かれるためには、賞賛すること。いいニュースばかりをもたらす。身体的魅力はハロー効果を生じさせる。自分と似た人に好意を感じる。快適な環境の中で接触を繰り返すことによって好意を高める。

権威: 権威や肩書きには盲目的に従う。

希少性: 残りわずか!期間限定!・・・など、希少価値をもたせる。


この6つの影響力の武器について、例を交えて解説している。その威力はすさまじい。
策略で相手をはめるのはズルいことだと思ってたのが間違いであったことに気付かされた。
むしろ円滑なコミュニケーションに必須のスキル。


【動機】
心理学を勉強してみようと手に取った。


【所感】
スーパーで食べ物を試食販売している人は
6つの影響力を駆使していると言えるかもしれない。

試食はまさに返報性を期待してのものだし、(人によっては試食したら買わないといけないと思う人もいる)、
試食の品を渡すときに簡単な質問(たとえば○○は好きですか?など)をすればコミットメントを引き出すことができ、
周りで同じように試食している人が一人でも買えば、自分も買うのが正しいことだと思い(社会的証明)、
店員さんができるだけ好意をもたれるように接客し、
その品物自体に「○○さんオススメ」や「○○さん直伝の味」などと書いてあれば権威になる。
どんどん売れて残りわずかになると、ますます人は欲しくなる(希少性)。

個人的には、「コミットメントと一貫性」と「社会的証明」の項目が興味深かった。



【抜粋】
●最初の好意が小さなものでも、お返しとしてもっと大きな好意を引き出すことができるのはなぜなのでしょうか。重要な理由の一つは、恩義の感情が明らかに負担を感じさせるものであるということです。私たちの多くにとって、恩義を受けている状態というのはとても不快なものです。ずしりと肩に食い込むこの重荷を下ろしてみたいという気にもなります。(p61)

☆こちらが全くお返しを期待せず好意でやっても相手からしたら負担を感じて不快になることもある。このバランスがコミュニケーションの難しいところ。


●「拒否したら譲歩」法は、こちらの望みどおりに人びとを同意させるだけでなく、実際にその要求を実行し、将来も要請があれば志願するように仕向けるようです。なぜこのテクニックを使うと、騙されて承諾した人がもう一度承諾するようになってしまうのでしょうか。・・・(中略)・・・譲歩をされた人はそのお返しに自分も譲歩をする傾向があります。しかし、譲歩という好意に二つの副産物があることはあまり知られていませんし、私たちも検討してきませんでした。取り決めに対してより大きな責任を感じることと、それに満足感を抱くことです。(p81)

☆確実に断るような大きな要求を出して、相手がそれを拒否した後、それよりも小さな、もともと受け入れて欲しいと思っていた要求を出す。これを「拒否したら譲歩」法、またの名を「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」という。相手も影響を与えて(例えば値段を下げさせたと思って)満足しているというのがおもしろい。


●しかし、セーラは以前にも増してティムに夢中です。選択を迫られたことによって私にはティムしかいないことがわかった、セーラはそう言っています。(p100)

☆これには驚かされた。「結婚をしたっていいし、なんだったら酒もやめる」と迫られて、恋人を棄ててティムを選んだのに、その選択の前提となっていたはずの条件が何も満たされたなったにもかかわらず、彼女は幸福になった。(コミットメントと一貫性)


●「僕は今夜はお金を払うつもりはなかったんだ。・・・(中略)・・・だけど、君の友人が話し始めたとき、お金をすぐに払った方がいいと思った。そうしなければ、家に帰って彼の言ったことをまた考え始めてしまって、そうしたらもう決して申し込まなくなるって思ったんだ」(p108)

☆心理学を勉強していたら、「えー?そんなことが起こるの?」ということがある。この件もまさにそうだ。不眠症が治るなどの怪しいセミナーに参加してるときに質疑応答で矛盾点を追求したら指導者が行き詰ってしまった。その直後、申し込みが殺到したというのである。


●そこには取り消しのきかない文章として行動が記録されているので、自分が確かにしてしまったことと一貫性を保つように信念や自己イメージを変えてしまったのです。(p128)

☆書いた言葉には生命が宿る。たとえ疑ってても本当になる。中国人が捕虜となったアメリカ人に中国(共産党)に好意的なことを書かせることによって徐々に意識改革させていった方法がおもしろい。いかにも中国らしい。自主的に書くことを拒否した場合には、既にノートに書かれてあることを書き写すだけでも効果があった。こんなに簡単に意識改革できるのなら、成功をイメージさせるような文章(たとえば、「私は成功する」など)を毎日書き写すだけでもすごい効果がありそう。頭の中でただイメージするのと、実際に書くことにこれほどの違いがあったのかと驚かされた。(p128)


●フラタニティが、市民サービス活動を加入儀礼に取り入れることを拒否したのも、中国人が価値あるものよりもささやかな賞品を選んだのも、まったく同じ理由からだと思います。自分の意思で行った行為であることを参加者が認めることを望んだのです。(p151)

☆賞品をささやかなものにすることによって、賞品に釣られてそれをやったのではなく、自分から進んでやったと思わせる効果がある。新人いじめは、苦労してその組織に溶け込んだということで組織の価値を高める効果がある。つまり、「何かを得るために大変な困難や苦痛を経験した人は、同じものを最小の努力で得た人に比べて、自分が得たものに対して価値をおくようになる」。


●「すみません、今、あるコンテストに参加しているんですが、勝つためには、まさにあなたのような美しい女性の助けが必要なんです」。・・・(中略)・・・「何てことなの。この男にキスして、さっさとここから立ち去ろう」。・・・(中略)・・・厄介なことに、男はキスの後でこうたたみかけてきたのです。「キスがお上手ですね。でも、私が本当に参加しているのは雑誌の定期購読者を何人獲得できるかを競うコンテストなんです。あなたは積極的な方ですよね。この雑誌の中に興味があるものはありませんか?」(p178〜179)

☆たたみかけるのが大事。一度小さなコミットメントをしてしまうと、人は一貫性を保ちたいという気持ちから二番目の要求にもあっさりと応じてしまう。(この事例の場合は要求は通ったけど後から後悔させているので使いどころに注意)


●車の運転手は突然ハンドルを切って立木や対向車に突っ込むこともできます。(p233)

☆事故死の何割くらいが自殺なのだろうか。自殺記事の後に、交通事故が跳ね上がるという(3〜4日後が最も多い)。その中には自殺も多く含まれているのでは?という推察。自殺が大きく報道されることによって、同じような境遇の人の自殺を誘発させるのだとか。(社会的証明)


●いかなるリーダーでも、集団の全てのメンバーを一人の力で完全に説得できるものではありません。しかし、強力なリーダーなら、集団のかなりの割合の人を説得できると考えてよいでしょう。そして、集団のかなりの数のメンバーが納得したという生の情報が、それ自体、他のメンバーを納得させるのです。したがって、最も影響力のあるリーダーというのは、社会的証明の原理が自分に有利に働くようにするためには集団の状況をどう整えればよいのかを知っている人なのです。(p247)

☆「社会的証明」をうまく使えるのがリーダーの資質かも。全員を納得させる必要はない。

●ジョーンズが霊感を受けたように見えたのは、まさにこの点なのです。彼の優れたところは、人民寺院の共同体をサンフランシスコの都会から赤道に近い南米の僻地に移すことを決めた点にあります。そこは、不確かさと極度の類似性という条件がそろっていたので、他のどこよりも社会的証明の原理を自分のために操作することが容易な場所だったのです。・・・(中略)・・・群れの心理を操ることは容易なことです。何人かのメンバーを自分が望む方向に向けておきさえすれば、残りの人々はおとなしく、そして機械的に従うものです。(p247)

☆大勢の前で講演をするときでも目の前にいる2、3人に話すようにすればいいとよく言われるが、それも同じことだろう。大勢の中の一人に反論されるんじゃないか?と思ったら怖くて何もしゃべれないけど、実際はそんなことはなく、その他大勢は機械的に従うだけというのはシンプルかつ的確だ。


●純然たる賞賛は、それが正確でなくても効果を持ちました。好意的な評価は、それが真実であれ偽りであれ、そのお世辞を言う人に対して等しく好意を生じさせたのです。(p283)

☆間違っててもいいからとにかく褒めろ。そうすれば人に好かれる。徹底的に褒めろ。(あまりに露骨だとかえって反感を買うが)。望ましくない評価は与えてはいけない。(その人の成長のためにはプラスかもしれないが、嫌われるかもしれないリスクを犯してまで言う必要は無い)。つまり、お世辞は思っている以上にとても有効なのである。


●あなた自身の経験を思い出していただきたい。もし、あなたが正しい答えを知っているのに教師が誰か他の児童を指したとすると、あなたはおそらく、その子どもが間違った答えを言って、自分の知識を示す番が回ってきたらいいのにと願ったことであろう。もし、あなたが名前を呼ばれたのに間違ってしまってしまったり、競って手を挙げることができなかったならば、おそらく答えを知っていたクラスメートを妬み、怒りを感じることであろう。(p287)

☆これはとてもよくわかる。子どもの時を思い出すと、答えを知っているのにわざと知らないふりをしていた。それは本能的に妬みを避けようとしていたのだろう。でも、知っているのに知らないふりをするというのは結構ストレスなんだよね。失敗した子どもが成功した子どもに対し嫉妬や不快の念を覚える教育システム。


●接触によってもたらされる親密性は強い好意を生み出すのが普通ですが、接触に不快な経験が伴う場合には逆効果になってしまうということです。(p295)

☆ただ機会を増やせばいいというわけでも無い。


●人間には、不快な情報をもたらす人を嫌う傾向があります。たとえ、その人が悪い知らせの原因ではないとしてもです。その知らせと結びついているというだけで、私たちの嫌悪感を刺激するのです。(p301)

☆できるだけ、いいニュースだけを人に話すようにする。悪いニュースは自分からは振らないようにする。あの人はいつも悪いニュースを運んでくると思われるのはまずい。


●改善しつつあった経済的・社会的状況が急激に悪化の方向に転じたときに、革命は最も起こりやすくなるそうです。(p405)

☆人は失いゆくものに対して、より価値を求める。(実質的には価値は全く変わらないにもかかわらず)
そういえば、残り1つとかになったら高くても慌てて買おうとするけど、レジで並んでるときに、
その商品が大量に入荷されたらもうちょっと安くなるまで待とうとする。
子どもに反抗されたかったら、気まぐれに自由を与えればよい。


●最後に笑ったのは、誰もが欲しがったものを手に入れ損なった者である。(p418)

☆競売で値がつりあがるのは、自分のものと思ったものが失われるという恐怖を味わっているからである。敗者が勝者のように見え、勝者が敗者のように見えるからおもしろい。


●私の弟リチャードは学生時代、承諾誘導の方策を駆使し、たいていの人がこの単純な点を見過ごしてしまいがちなことを巧みに利用して金を稼ぎ、自活していました。実際、この方策というのが実に効果的で、金を稼ぐために週末にほんの数時間働くだけで、残りの時間は勉強に当てることができたのです。(p422)

☆その方法というのが、誰かが新聞紙上で売り出した中古車を数台買っておいて、それに洗車をして、翌週末に決められた額だけを上乗せして新聞を通して売りに出すというもの。彼は三つのことを知っておく必要があった。第一に車についての十分な知識、第二に、買い手の感情を刺激するような新聞広告の書き方、そして第三に、希少性の原理の使い方。リチャードは三つの全てをどうすればよいか知っていたという。
優れた広告を書く術を知っていたので、日曜の朝には見込みのある買い手からの電話がひっきりなしにかかってくる。来てもらう時刻を約束するのだが、これをすべて同じ時刻にする。この策略こそが、後で承諾を引き出すための布石になる。

●たいていの場合、最初の見込み客が現れ、車をいろいろ調べ始めます。そして、汚れや欠陥を指摘したり、値引きする気はあるのかといったり、車を購入する際の一般的な手順を踏んできます。しかし、二人目の買い手が駆けつけるに至り、その場の心理が一転します。他者の出現によって、その車を入手できる可能性が突如として制限されてしまうのです。たいていは最初に来ていた者が、うかつにも競争心を燃え上がらせ、「ちょっと待ってくれ、俺の方が先に来ていたんだ」と、自分に買うかどうかを決める優先権があることを主張します。(p422〜423)

☆二人目が現れるだけで立場が逆転しているのがよくわかる。


【アクションプラン】
・「「みんなの意見」は案外正しい」という本は社会的証明に関する本であろうか。一度読んでみたい。

・「若きウェルテルの悩み」を読む。(「ウェルテル」効果:とくに若年層は自殺報道の影響を受けやすい。これも社会的証明の一つである)  →読了(120420)

・「影響力の武器 実戦編」を読む。 →読了(120720)


【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
知り合いにはあまり薦めたくない本。こっそりと読みたい。

そんなバカな。私だったら引っかからないなぁ、と思うようなこともたくさんあった。
でも、私が引っかからないといってみんなが引っかからないとは限らない。
ついつい、自分に置き換えてそんなのは通用しないと思ってしまうけど、
世の中の人って意外と自分が思っているよりアホなのかもしれない。
という冗談はさておき、この本に書かれているようなことは
自分がモノを売る側に立ったときだけでなく、日常生活においても役に立つであろう。

でも、ここに書かれてあることを全て鵜呑みにすることは、それこそ権威に盲目的に従うことに他ならない。
posted by macky at 23:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする