
『21世紀サバイバル・バイブル』
柘植久慶/著 (集英社) 2004年 (単行本は 2001年)
【概要】
この一冊があなたの生命と財産を守る! 台風、地震、噴火などの天災。熊、猿などの動物被害。全てを焼き尽くす火災。マラリア、エボラ出血熱などの伝染病と風土病。航空機事故、鉄道事故、海難事故。強盗、通り魔、ストーカーなどの犯罪。カード詐欺、ネット詐欺。さらには各種テロ、核・化学兵器攻撃――あらゆる危機への対処法を伝授する究極のマニュアルが、待望のハンディーサイズで登場。
著者はフランス外人部隊やグリーンベレーに所属していたという柘植久慶氏。
シリーズ第4版の文庫版である。
【動機】
基本的なサバイバル術を身に付けたい。
【所感】
大災害が起きたときなどは助け合いがもちろん必要だが、
少なくとも自分の身は自分で守るという意識は必要だ。
人に頼る前に自分でできる備えくらいはやっておこうという本。
コンパクトにまとまっており、読みやすい。
大事そうなところに線を引いて見やすくしたり、書き込みをしたりして知識を補充していくのも楽しい。
【抜粋】
●航空会社の格差は、搭乗してみると一目瞭然である。台湾の遠東航空などは、シートベルトがなかったり、座席が元の位置に戻らなかったり、欠陥だらけだった。これは危険な会社だと思っていたら、その一ヵ月後にまったく同じ路線で、作家・向田邦子の搭乗機が墜落、全員死亡という事故が発生した。1981年のことであった。(p.112-113)
☆運といえばそれまでだけど、ちょっとした危機管理意識が明暗を分ける。
●ボゴタを出発する朝、私は空港の待合室でカリ行きの便を見送り、その15分ほどのちメデジン行きの便に搭乗したところ、カリ行きの便が爆破されたのである。107人の乗員乗客は全滅で、どうやら乗り合わせた5人の政府高官と補佐官たちが狙われたらしかった。(p.287)
☆なぜ見合わせたかというと、カリに先に行く予定だったが、急にメデジンに先に行きたくなったからというそれだけの理由である。運がよかったという話だが、本能的に避けたのかもしれない。
●アフリカや東南アジアと同様、人口の爆発的な増加に悩むのは、中央アメリカと南アメリカ――中南米諸国である。これからの国家はすべて、産児制限を禁止するヴァティカンによるその教義が元凶だとも言えるカトリックを国教としており、国力に不相応な過剰な人口を抱え、教育すら満足に受けさせられない。(p.303)
☆そういえばカトリックは人工中絶を容認しないが、それがため人口増加につながるというのは考えてみれば至極当然だが、あまり意識してなかったな。インドや中国の人口増加の陰に隠れていたのかも。
中国は一人っ子政策とかで規制しているが、インドは野放しである。これは貧困層の多さや乳幼児死亡率の高さ、ヒンズー教の教え、一党独裁でないことなどが原因だが、生活レベルが今後もっと上がれば出生率は下がるかもしれない。出生率が減っても医療レベルが上がるからしばらくは人口増加が止まらない。ちなみになぜ中国とインドの人口が多いかというと、貧しいけど食べ物が豊富だからである。
【アクションプラン】
・ミニライターを小さなビニール袋に入れてカバンに。
・SWATベストを古着屋で探してみる。
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
文庫本なので持ち運びに便利。こういう本を一冊は手もとに置いておけば心強い。
何度も繰り返し読んで、いざというときにすぐに使えるようにしておきたい。
(120825 読了)