2012年10月17日

勉強力

勉強力

勉強力
齋藤孝/著 (海竜社) 2009年
1,000円+税

【概要】
35歳からが学びの旬! 力まない、完璧を求めない大人のための勉強法。教養を身につける勉強力こそ人生最大の武器。

【動機】
古本屋で見つけて。


【所感】
齋藤孝氏の本はモチベーションが上がる。




【抜粋】
●この「GPS機能」は、古代ギリシアの昔からあった概念です。「メタフィジックス=形而上学」という学問がありますが、これはある事柄をメタ、つまり一つ上の視点から認識するもので、まさに人が備える「GPS機能」を指しています。(p.25)

☆仕事ができる人は、一つ上の次元から自分の仕事を俯瞰し、それが何のための作業なのか、その目的を達成するプロセスはどうなっているのか、ほかの社員の仕事とどう関わっているのかなどを見通したうえで、自分のやるべき仕事が何であるかを認識する能力、それを「GPS機能」と呼んでいる。自分が何を分かっていて何をわかっていないかを客観的に見つめることで、メタな認識を得ることができる。


●ちゃんと勉強をして、向上心を持って仕事に取り組む人は、ちょっとがんばるだけでかなり目立つ存在になれるということです。
 全体を見通して、いま自分がやるべきことがわかっていて、上司のリクエストを先回りするようにパパパッと動く。それができる人は少数派なだけに、上司から引き立てられる可能性が高く、
「出世を望まなくても出世してしまう」
 と言ってもいいくらいです。(p.46)

☆勉強が「集中して考える」という作業を続けるためのある種のトレーニングになっている。



●「仕事中にボーっとしていないで、常に周囲に目を配り、いち早くリクエストを察知して動く」ことを意識し、さらに「何か新しい知識を得たい」「最速・最短で成果を出すための工夫をしたい」という向上心を持って仕事に取り組めるようになるために、おススメしたい方法があります。
 それは、「仕事ノート」をつくることです。
 たとえば、「部全体がどんなふうに動いているのか」を知りたいとしたら、ノートに簡単な組織図を書いて、みんなの動きを観察する。その一方で、お昼どきや飲み会、外出時など、折を見て課長や部長に「いま、どういう仕事をされているんですか?」「ずっとお出かけされてましたが、何の打ち合わせだったんですか?」などと聞いてみる。
 そうして得た情報をノートに整理していると、自分が部署の仕事の流れのなかでどの部分をやっているかが明確化されます。
 同時に、仕事をよりスムーズにスピーディに進めて、いい結果を出すにはどうすればいいかを考えて工夫するようになるし、自分に不足している知識や能力を認識して勉強しようという意欲も高まります。
「仕事ノート」に書き込みをするだけで、仕事ぶりが格段に変わってくるはずです。
「仕事ノート」がいわば自分の知的好奇心を支えるアイテムになるわけです。
 さらに大事なのは、そういう意識を持続させること。常に携帯し、いつでも書き込んだり、見直したりできるようにしておくといいでしょう。
 私の場合は赤・青・緑の三色ボールペンを常に何本か持ち歩き、何か思いついたり、使えそうな知識・情報を仕入れたりしたときなど、内容に応じて色分けしてノートに書き込んでいます。
 とくに大事しているのは自分のアイデアやコメントを緑色で書き込むことです。これがあとで生きてきます。(p.47-48)

☆「仕事ノート」を携帯して、すぐに書き込むようにする。




●自分の考えや企画を図にしたり、複雑な事柄を単純化して本質をつかんだり、座標軸を使って思考したりするには、数学的素養が役立つ。文科系の人にとって数学は敷居が高いかもしれないが、楽しく学べる本がたくさんある。数学的思考は日常の仕事にも役立つので、ぜひ教養の一つの柱としてください。オススメ本は次の三冊。

丹羽敏雄『数学は世界を解明できるか―カオスと予定調和』(中公新書)
数学がいまの世の中にどう役立っているかを、わかりやすく論じている。

藤原正彦・小川洋子『世にも美しい数学入門』(ちくまプリマー新書)
数学者の藤原正彦と作家の小川洋子の対談。数学が苦手な人でも、すんなりと数字の世界に溶け込んでいける。

マーカス・デュ・ソートイ『素数の音楽』(新潮クレスト・ブックス)
美しくて神秘的、謎に満ちた数である素数。2,3,5,7,11,13・・・・・・「数の原子」と呼ばれる素数に取り憑かれた数学者たちの挑戦を、マーカス・デュ・ソートイが描く。訳は富永星。(p.51-52)

☆読んでみたい。


●湖人は終生『論語』を愛し、教育に生かそうとした人。『論語』に書かれていることをすべて咀嚼して自分の血肉とし、完全に消化しきった状態からいくつかの短編を仕上げました。(p.55)

☆『論語』は読んだことがあるが、下村湖人の『論語物語』は何度か読もうと思いつつ、読んでなかった。今回またモチベーションが上がったので読んでみたい。齋藤氏の紹介文は本当に読みたくなる。


●最初に「今日の一枚はこれです」と絵が映し出されたときは「ああ、これね」という感じ。とりたてて好奇心は動きません。
 ところが、謎解きを見て最後にもう一度、同じ絵が映し出されたときは、もっと深い感動が得られるのです。(p.110)

☆「美の巨人たち」というテレビ番組。説明を読んでたらちょっと観てみたくなった。


●映像というのはとても入りやすいし、「おもしろいな、知識が増えたな」という実感は得られます。でも反面、何か物足りない。その映像をつくるときの大元になった本があるはずだから、それを読んでもっと勉強したい、という気持ちに駆られるわけです。
 つまり、映像で芽生えた興味を、活字による深い勉強へとつなげていくスタイル。(p.119)

☆テレビは時間に比べて情報が薄いから見ないほうがいいという人もいるが、それではもったいない。私もテレビは勉強の導入としてはよくできていると思う。テレビを見てもっと詳しく知りたくなったら自分で本などを読んで勉強する。そのとっかかりになるのである。


●「自然な感性で学び取れる」ことなど、実はそう多くはないのです。(p.122)

☆分かる人にはわかる。分かる人にだけわかればいい、というスタンスから、ほとんどの人が分からないのだから分かるように補足説明を入れようというスタンスへ。



●私が推奨したいのは、「評論をつるはしにして、小説を深く掘り下げて読む」ということです。
 まだ評論が少ない現代小説では少々ムリがありますが、古典に属する文学作品なら、この方法でかなり知性がアップする楽しみが味わえます。(p.126)

☆ここでいいう評論とは、たとえば江川卓『謎とき「罪と罰」』(新潮選書)という本など。せっかく○○をしたのだから、ついでに○○もやっておこう。そうすることで芋づる式に教養が増える。



●「詩っていうのは意外と簡単なんだよ。自分でもよくわからない言葉のつなぎ合わせをするだけで、勝手に意味が生まれてきたり、読む人に思いもよらないような解釈をしてもらえたりするんだ」(p.129)

☆なるほど、詩が簡単に書けそうだと思えてきた。ちなみにこのセリフは、ゲーテがエッカーマンに語ったもの。『ゲーテとの対話』もいつかは読みたい本の一つ。


●その読書感をたとえるなら、カフェバーで熱心に話しこむ“トッププロ二人組”にたまたま居合わせた感じ。どちらの分野にも素人の自分は二人の話の輪には入れないけれど、なかなか聞けない話を“盗み聞き”できたようなオトク感があります。(p.139)

☆ここは緑色の線を引きたいところだ。対談本のライブ感が伝わってくる。ここで紹介されていた『佐藤可士和×トップランナー31人』という本も読んでみたい。一瞬、マラソンの本かと思ったがそうではない。



●自分が興味を感じたことに対して、どんなふうに知識を広げていくか。あるいは、いろいろ勉強したことによって、どんな知識網が出来上がったか。そういったことを認識するために、
「自分自身の感覚・認識をセンターにした偏愛マップ」
 を描いてみることをおススメします。(p.192)

☆早速マインドマップで作ってみると、以前作った勉強したいものリストのような感じになった。既に学んだもの・身に付いたものも一緒に書いていくと知識の広がりが感じられて楽しいかも。


●ネット上では、学校の先生でも研究者でもない一般の人がたくさん、自分の好きなことを勉強して、その成果をブログやホームページ等を通して発言しています。
 彼らのもとには、同じように意欲的に勉強する人たちが集まり、コミュニケーションを形成している場合も多々あります。(p.222)

☆勉強したことをブログでまとめたり、同じテーマの人が集まったり、そういうアウトプットの場があると、さらに勉強のモチベーションが上がる。



【アクションプラン】
・「美の巨人たち」を観てみる。 →観た。

・この本で紹介された本をいくつか読んでみたい。
丹羽敏雄『数学は世界を解明できるか―カオスと予定調和』(中公新書)

藤原正彦・小川洋子『世にも美しい数学入門』(ちくまプリマー新書)

マーカス・デュ・ソートイ『素数の音楽』(新潮クレスト・ブックス)

下村湖人『論語物語』(講談社学術文庫)

渋沢栄一『論語と算盤』(国書刊行会)

ニーチェ『人間的、あまりに人間的』(ちくま学芸文庫)

ニーチェ『悲劇の誕生』(岩波文庫など)

ウェンディ・ベケット『シスター・ウェンディの名画物語―はじめて出会う西洋絵画史』(講談社)

齋藤孝『齋藤孝のざっくり!美術史』(祥伝社)

内田園生『セザンヌの画』(みすず書房)

中野京子『怖い絵』(朝日出版社)



【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
勉強してみたいんだけど、何から始めたらいいか分からない人に。

posted by macky at 23:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強術 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする