2013年04月17日

上司は部下より先にパンツを脱げ




【概要】
副題は、「リクルートで学び、ベンチャーで試し、社長となって確立した99の仕事術」



【所感】
タイトルだけを見ると、キワモノっぽくて、なんのこっちゃ?と思うかもしれないが、
意外と(?)しっかりとした仕事術の話で、なかなかおもしろく読めた。

言葉のセンスがあって、定義付けがうまく、説得力のある文章だと感じた。とても読みやすい。


【抜粋】
●「二十四時を超えてからの仕事だけが脳ミソに筋肉をつける」。(中略)そして現在、飯の種として私の脳ミソに刻まれている知識、技術、思考体系のほぼ100%は、リクルート時代に二十四時以降にした仕事だけで培われたといっても過言ではないでしょう。(p.58)

☆二十四時を過ぎると、疲れもたまってきて効率が落ちてくるかもしれないが、ここで頑張った分が脳の筋トレになると思うと力が入る。


●ここ数年、人材育成の有効な手法としてコーチングが注目されています。コーチングとは、上司が部下に答えを教えるティーチングの対極とされ、質問を通じて部下が自分の頭で考えることを促進するコミュニケーションの技術です。「こういう場合はこうしろよ」と答えを教えるのではなく「どうしたらうまくいくと思う?」と問いかけ、部下に考えさせる。(p.64-65)

☆コーチングにも、最近興味があるので、注目していきたい。コーチングはティーチングの対極とのこと。


●その際、重要なのが、コンテンツ(内容)の対語であるコンテキスト(背景・文脈)。先にあげたように物語で語るためには、ぶっきらぼうなポイントの要約だけでは不足です。一見関係なさそうな周辺情報や背景、文脈など行間を埋めるコンテキスト情報が大切なのです。(p.77)

☆最近、「Doit」を始めたのだけど、そのなかに「コンテキスト」という項目があって、どういう使い方をしようかと思っていたところなので、なるほどと思った。ちなみに抜き出した箇所は、著者が「スピリッツ」という社内報の編集をしていたときの話。「営業受注ドキュメンタリー」で紙面は埋め尽くされていたそうである。ノウハウがいっぱい詰まっていて、配られると同時にみんな一斉に読んでいたらしい。






●ハードワークで知られるリクルートですが、当時のコンサルティング室メンバーの働き方は会社一といってもいいほどの異常なハードワークでした。それこそ、山のように仕事の依頼はある。しかしそれをこなせるコンサルタントはわずか三〜四名、といった状態でしたから、一日二十四時間をフルに使ったとしてもこなせる量ではなかったのです。しかもその実態といえば、ノウハウや経験はほぼゼロ。受注してから提供するサービスの方法をその後で一から独自に考える、といった有様でしたから、一つ一つに膨大な時間がかかったのです。・・・(中略)・・・ 一つの企業の受注が決まるたびに、関連する学問書籍を数十冊買い込み、心理学や社会学、哲学、言語学などの根源的な学問までさかのぼりながら組織変革の手法を検討していきました。これで残業が増えないはずはありません。私たちは週のうちの三日は徹夜、など珍しくないくらい仕事に打ち込んでいました。(p.105-106)

☆こういう話を聞くのは楽しい。モチベーションが上がる。


●当時のコンサルティング室メンバーはまさにY理論100%の状態。徹夜につぐ徹夜で心身ともに疲労困憊していた私たちは、しかし仕事が楽しくて、楽しくて仕方がなかったのです。(p.106-107)

☆これは分かる気がする。Y理論とは性善説的に人間を解釈し、「人間は本来働きたがる生き物で、自己実現のために仕事を楽しみ、時には責任を自ら負う」という考え方である。仕事が楽しくて楽しくて仕方が無い状態、まさにフロー状態(没頭する瞬間の高揚感を感じる状態)にあったといえる。


●「あのな、小倉。先方へはおまえのことを 『ベテランのコンサルタントで、人事制度についても十分詳しい』 と伝えておいたからな(中略)まあ、ベテランということにしておいて、実際顧客に迷惑をかけんように、猛スピードで勉強してくれよ」(中略)クライアントとのミーティング前夜には人事制度の本を山のように積み上げ、片っ端から読破しノートにまとめる。先輩の残してくれたわずか一部だけの前例資料を穴があくまで読みふける。そして先方が突っ込んでくるであろう質問を自ら問答集の形で準備しながら、ミーティングに臨むことを一年間繰り返したのです。(中略)
 私の場合、まさにこのオーバー・エクステンションが個人内で起きました。有無を言わさず顧客の期待に応えざるをえない状況を作り出されることで、短期間に猛烈な学習をする機械が起きたのです。経営の神様と呼ばれたジャック・ウェルチがGE社で実践したストレッチ(背伸び)もほぼこれと同意だと思われます。(p.111-112)

☆ストレッチとは、GE社のCEOであったジャック・ウェルチが提唱した概念。従来の改善では達成不可能な目標を設定して、まったく新しい発想や革新的方法を創造し、劇的に結果を改善し目標を達成すること。

簡単そうな目標とムリそうな目標、どちらがいいかいつも考えるが、ムリそうな目標を設定しても後回しにするのが当たり前になるのでは意味がなくて、それをなんとかしようと工夫することが大切なのだろう。自らハードルを上げて、それを乗り越えることで成長する。プロになる前からプロとしてふるまうことも重要。



●マーケティング用語にクリティカル・マスという言葉があります。「ある一定の値を超えると爆発的に普及していく商品サービス普及率の臨界点」を指します。例えば携帯電話は普及率が17%を超えてから利便性(ネットワーク外部性)が増し、爆発的に普及したといいます。(p.139)

☆クリティカル・マスに達するまでは緩やかにしか上昇しないので、そこが辛抱のしどころというわけである。中途半端でやめるから効果が出ない。クリティカル・マスを超えたところから一気に爆発する。このイメージを持ってるのと持ってないのとでは全然違う気がする。


●指導は信頼ポイントをプラスにするのではなく、むしろマイナスにする信頼を失う行動である、と自覚し痛みを感じながら、ポイントを取り崩すのです。(p.181)

☆これはうすうす感じていたことだが、あらためて言葉にされると思わず唸ってしまう。人にものを教えるのはとても難しい。人にアドバイスをしたがために恨まれたり嫌われたりした人もたくさん見てきた。結局、わざわざアドバイスをして恨まれるよりは、カーネギーも言ってるようにいいところを見つけて褒めてあげた方が喜ばれる。もちろん教えてといわれれば喜んで教えるが、わざわざ自分から指導するようなことはしない。

でも、信頼を高めたあとなら、信頼を失うことを覚悟した上でアドバイスするのはいいということだ。やっぱり難しいなぁ。



●先にあげた「目標必達」のような「べき論」をそのまま伝えても、メンバーは焦るだけでやる気になりません。そうではなく、目標を達成した先にあるワクワクするような未来、達成した先にメンバーがどう成長し、どのような姿になるかといった明るい未来を示さなければならないのです。(p.228)

☆目標を達成した先にあるワクワクするような未来を想像する。これは本当に大事なことだと感じた。目標がやりたいことからやらなければならないこと、義務に変わってしまうと、たしかに焦るだけだ。その先にあるワクワクをリアルに想像する。





【アクションプラン】
・もっとスピードをつける。E=1/2×m(質量)×V^2(スピード)

・クリティカル・マスをもっと意識する。

・目標を達成した先にあるワクワクするような未来を想像する。
(ワクワクするような明るい未来像=ビジョン)


【評価】
評価:★★★★☆
posted by macky at 23:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする