2014年02月04日

風姿花伝

風姿花伝 (岩波文庫)
風姿花伝 (岩波文庫)
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世阿弥
岩波書店
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風姿花伝
世阿弥/著 (岩波書店) 1958年 (1400年頃に書かれた。初出は1909年)



【概要】
一般に「花伝書」として知られる 『風姿花伝』 は、亡父観阿弥の遺訓にもとづく世阿弥(1364?‐1443)最初の能芸論書で、能楽の聖典として連綿と読みつがれてきたもの。室町時代以後日本文学の根本精神を成していた「幽玄」「物真似」の本義を徹底的に論じている点で、堂々たる芸術表現論として今日もなお価値を失わぬものである。(「BOOK」データベースより)

世間に知らせるために書いたのではなく、子孫に伝えるために書いた秘伝書。
『風姿花伝』 はその最初の一冊。



【動機】
「100分de名著」で紹介されていたので。


【所感】
「住する所なきをまず花と知るべし」
同じ所にとどまっていては人を感動させることはできない。
常に自分を更新せよ。(イノベーション)


「初心忘るべからず」
是非、時事、老後と3つの初心あり。

時時の初心忘るべからず。

34、5歳で絶頂期。それからは後継者を育てよ。
35歳でトップに立ってないとダメ。
このときにトップに立ってないなら考えよ。

世阿弥、けっこう厳しいこと書いている。



「持節感当」
物事を行うには、タイミングが大事。


「序破急」(静かに入る、高まる、クライマックス)
この順番どおりにやればいいというのではなく、
観客がすでに盛り上がっていれば、序からやる必要はない。
観客を見ながら「かるがると機を持ちて」臨機応変にやれるのがライブのいいところ。


「目前心後」
目は前を見ているが、心は後方にあって、自分を客観的に見ている。


「離見の見」
観客席から見た自分の姿を意識することにより、
本当の自分の姿を見極める。


「秘すれば花」
秘密兵器を持っていることすら隠すべきである。
そしてここぞという時に出す。
出してしまえば秘ではなくなるので、すぐに次の花を用意しておく。


「男時、女時」
伸びて盛んになりうまくいく時を男時(おどき)、
停滞してうまくいかない時を女時(めどき)という。
相手が男時の時はあえて勝負しない。
たとえ今が女時であったとしても、
男時は必ずくるから、その時に備えて準備しておくように。



など、世阿弥にはよく知られる言葉がたくさん出てくる。




【抜粋】
●近来、萬人のもてあそぶところは、推古天皇の御宇に、(聖徳太子)、秦河勝に仰せて、かつは天下安全のため、かつは諸人快楽のため、六十六番の遊宴をなして、申楽と号せしより以来、代々の(人)、風月の景を假りて、この遊びの媒(なかだち)とせり。(p.10)

☆wikipediaを見ると、 <河勝は猿楽の祖でもあり、能楽の観阿弥・世阿弥親子も河勝の子孫を称した。現在、楽家として知られる東儀家は河勝の子孫であるといわれている。> とある。秦河勝は猿楽の祖であり、世阿弥の祖先でもあったようだ。

ちなみに、世阿弥の時代、能は猿楽と呼ばれていたそうだ。

世阿弥は大和猿楽と呼ばれる流派に属していた。
彼らが得意としていたのは鬼能。
鬼に扮して地獄の恐ろしさを人々に伝えるもので、お寺の祭りなどで演じることが多かったという。

そんな大和猿楽を劇的に変えたのが世阿弥の父・観阿弥だった。
観阿弥は歌や舞を積極的に取り入れ、無骨だった大和猿楽を華やかなイメージに一新させた。




●三十四、五
この比(ころ)の能、盛りの極めなり。ここにて、この條々を極め覚(さと)りて、堪能になれば、定めて、天下に許され、名望を得つべし。もし、この時分に、天下の許されも不足に、名望も思ふほどもなくば、いかなる上手なりとも、未だ、誠の花を極めぬ為手(して)と知るべし。もし極めずば、四十より能は下がるべし。(p.18-19)

☆34、5歳くらいが頂点で、それまでに世間に認められなければ、成功することは難しいということ。
当時は平均寿命が50歳くらいだったとはいえ、現代でも通じるものがあるかもしれない。




●申楽、神代の始まりといふは、天照大神、天の岩戸に籠り給ひし時、天下常闇になりしに、・・・(中略)・・・その時の御遊び、申楽の始めと云々。(p.61)

☆天照大神を天の岩戸から出そうとして天のうずめなどが踊ったりしてたけど、それが申楽、つまり能の始めだったのか。



●「我はこれ、大国秦の始皇帝の再誕なり。日域に機縁ありて、今現在す」と云ふ。帝、奇特に思し召し、殿上に召さる。成人に従ひて、才智人に越え、年十五にて大臣の位に昇り、秦の姓を下さるる。「秦」と云う文字、「はだ」なるが故に、秦河勝これなり。(p.63)

☆河勝は秦の始皇帝の末裔なので秦河勝と名乗った。そして秦氏が本拠地としていたところが現在の京都の太秦である。



【アクションプラン】
・年齢を重ねるとできることが増えるような気がするが、
40歳を過ぎれば能力が下がるということをもっと意識する。後回しにしない。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
現代語訳が付いてないのでこの評価。



【結論】
物事を行うには、タイミングが大事。
自分であらかじめ決めた事をそのままやるのではなく、場の空気を読んで判断する。

 
posted by macky at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 古典 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする