『モモ』
ミヒャエル・エンデ/著、大島かおり/訳 (岩波書店)
800円+税、2005年 (単行本は1976年)
【概要】
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語。
【動機】
『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』 で紹介されていたので。
『時間管理術』 で紹介されていたので。
【所感】
ひらがなが多くて読みにくい。読むのにやたらと時間がかかる。
そういえば小学校の時、あまり本を読まなかったのは
児童向けの本はひらがなだらけで読みにくかったというのもある。
【抜粋】
●「なあ、モモ、」とベッポはたとえばこんなふうにはじめます。「とっても長い道路をうけもつことがあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、こう思ってしまう。」
しばらく口をつぐんで、じっとまえのほうを見ていますが、やがてまたつづけます。
「そこでせかせかと働きだす。どんどんスピードをあげてゆく。ときどき目をあげて見るんだが、いつ見てものこりの道路はちっともへっていない。だからもっとすごいいきおいで働きまくる。心配でたまらないんだ。そしてしまいには息がきれて、動けなくなってしまう。道路はまだのこっているのにな。こういうやり方は、いかんのだ。」
ここでしばらく考えこみます。それからようやく、さきをつづけます。
「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな? つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸(いき)のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。」
またひと休みして、考えこみ、それから、
「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」
そしてまたまた長い休みをとってから、
「ひょっと気がついたときには、一歩一歩すすんできた道路がぜんぶおわっとる。どうやってやりとげたかは、じぶんでもわからんし、息もきれてない。」
ベッポはひとりうなずいて、こうむすびます。
「これがだいじなんだ。」(p.52-53)
☆作業量が膨大なタスクを目の前にしたときは細分化する。
●「おまえをつくりだしたのはわれわれだ。おまえはゴム人形さ。われわれが空気を入れてふくらましてやったのだ。だがわれわれをおこらせるようなことをしたら、また空気をぬいてしまうぞ。それとも、いまのようになれたのは、おまえのそのけちな才能のおかげだとでも、ほんきで思っているのか?」(p.258)
☆なんだか現実にありそうな話だ。
現在売れているミュージシャンでも本当に才能があって売れている人がどれだけいるだろうか。
また才能があるのに空気を膨らませる人がいなくて売れてない人がどれだけいるだろうか。
●不安と心ぼそさがはげしくなってその極にたっしたとき、その感情はとつぜんに正反対のものに変わってしまったのです。不安は消えました。勇気と自信がみなぎり、この世のどんなおそろしいものがあいてでも負けるものか、という気もちになりました。(p.329)
☆そういうことがあるのかなぁ。
そういうことがあるって知ってるだけで、今後、不安なときでも乗り越えられそうな気がする。
「失うものは何も無い!」って開き直るみたいな感じかな。
【アクションプラン】
・ 『エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」』 を読む。
・ 『ネバーエンディング・ストーリー [DVD]』 を観る。
【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
小学5〜6年生用なのでひらがなが多く読みにくい。大人用のがあってもよさそう。
(というか、むしろ大人向けの本のような気がする)
日頃、時間が無い、時間が無いと言ってる人に。
【結論】
節約した時間で何をするかが大事。
(ただ節約するだけでは、最初から無いのと同じこと)