2015年03月02日

不良録

不良録 関東連合元リーダーの告白
石元 太一
双葉社
売り上げランキング: 126,621


不良録 関東連合元リーダーの告白
石元太一 /著 (双葉社) 2012年
1,200円+税



【概要】
六本木“芸能人脈”から海老蔵事件、上原美優の死、後輩・伊藤リオンの素顔、俳優デビュー、そして組織の実態まで…いま明かされる「関東連合の真実」。(「BOOK」データベースより)



【動機】
いびつな絆』 を読んでおもしろかったので。



【所感】
関東連合のイメージが少し変わった。




【抜粋】
●暴走族に入ってからは、学校へ行くどころか遊ぶことさえままならなくなった。当然、アルバイトでカネを稼ぐことなんてできない。バイトなんてやっていたら、すぐさま家を飛び出して襲撃に出掛けることができないからだ。(p.72)

☆暴走族って暇な人が集まって走ってるというイメージだったけど、全然違ってた。忙しかったのか。
同じように自分では忙しいと思ってても傍から見たら時間を浪費しているように見えるかもしれない。
本当にそれをやる価値があるのかどうか冷静に見つめ直したい。
そうしないと、忙しい中で何も成し遂げられないまま人生はあっという間に終わってしまう。



●「石元、お前いくつになった」

「18です」

「もうそろそろ現役も引退だな。次の頭を誰にするか、お前が決めろ」

 その瞬間、得も言われぬ爽快感と解放感に全身が震えた。やっとこの終わりなき襲撃のプレッシャーから解放される。丸1年にわたるブラックエンペラー総長としての活動はこれで卒業だ。 (中略) オレは新宿の路上で単車にまたがり一人ガッツポーズを繰り返した。(p.93-94)

☆ここにすべてが集約されているだろう。
OBの力が強く、総長といえども、OBには逆らえない。
暴走族を好き勝手に楽しんでやっているというよりは、まるで苦行のようだ。



●現役時代はいつ先輩から呼び出しがあるかわからないため、プライベートの時間はほとんどなかった。たとえ寝起きで自宅にいても、先輩から電話がかかってくればすっ飛んでいかなければならない。だが、現役を退いて以降は、逆に後輩をいつでも呼び出せる立ち位置に変わった。(p.94)

☆暴力が必要なときはいつでも後輩を呼び出せる立ち位置。
これこそがOBの特権だろう。

厳密にいえば、暴走族「ブラックエンペラー」の総長は卒業だが、関東連合はいまだ現役という感じかもしれない。

そういえば、『いびつな絆』 にも、<警察やマスコミは「元関東連合」とか「関東連合OB」という呼称を使って我々を定義しようとしているが、当の本人たちは自分たちの名称である関東連合に「元」はつけない。 (中略) 暴走族の関東連合とは意味合いが違うのだ。自分たちと世代が離れた関東連合のOBとも、もはや別物だと思っている。> とある。


●襲ったうちの一人がいびきをかいて眠りはじめ、ちっとも目を覚まそうとしない。オレたちは病院で治療を受ければすぐに意識を取り戻すだろうと、仕方なく病院の前に放置して去った。(p.100)

☆いびきをかくって脳が損傷しててかなりヤバい状態だ。
結局、放置された男は死亡した。いわゆるトーヨーボール事件。六本木クラブ襲撃事件と同じく人違いによる殺人事件である。
当時未成年だった主犯の石元氏は青森の特別少年院に送られ約2年をそこで過ごした。


●俳優・的場浩司さん主演の映画 『ドンを撃った男』 を初めて観た瞬間、映画に描かれた世界観と的場浩司さんの演技力の虜になった。以来この映画は幾度となく鑑賞し、とうとう原作本(山田勝啓著 『ドンを撃った男―大日本正義団・鳴海清の死線』 洋泉社)まで読んだほどだ。(p.166)

☆コミック版の 『実録狂弾ヤクザ伝ドンを撃った男大日本正義団鳴海清 (バンブー・コミックス)』 は読んだことがある気がする。

映画も観てみたい。



●そんなオレに、思わぬ話が舞い込んできた。映像制作会社の人から声をかけられ、俳優デビューできることになったのだ。またとない大きなチャンスだと思った。自分の可能性をすべて試し、何ごとも貪欲に挑戦していこうと前向きな気持ちになった。
 2012年7月現在、公開時期が未定につき詳細は公表できないのだが、竹内力さんや小沢仁志さんが出演する映画 『Scramble 抗争の死角』 で俳優デビューさせていただいた。(p.169)

☆わずか2か月後の9月2日、著者は六本木クラブ襲撃事件を起こし、逮捕された。
10代の不良たちを横道から救い出してあげることが使命だとか、恩返しだとか、いくらいいことを言っててもこれでは説得力がない。




【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
関東連合についてはあまり書かれていなかった。
石元太一被告人についてもっと知りたい時に。

 
posted by macky at 23:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドキュメンタリー | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月01日

遺書

遺書 ~関東連合崩壊の真実と、ある兄弟の絆~
瓜田純士
太田出版
売り上げランキング: 8,215


遺書 ~関東連合崩壊の真実と、ある兄弟の絆~
瓜田純士/著 (太田出版) 2014年
1,200円+税



【概要】
初めて明かされる真実。関東連合が唯一敗北した、「伝説の兄弟たち」の物語。(「BOOK」データベースより)

副題は、関東連合崩壊の真実と、ある兄弟の絆。


「六本木クラブ襲撃事件」いわゆるフラワー事件で対立構造にあった二つのグループの狭間で揺れ動く著者による暴露本。



【動機】
工藤明男 『いびつな絆』 を読んでおもしろかったので。



【所感】
内部にいるものしか知り得ない情報がたくさんあって、関東連合について詳しく知ることができる。



【抜粋】
●僕が他校の不良をボコボコにして、服をひんむいて、校庭に座らせる。そういうときM嶋くんは、決して加わらない。校門近くの自販機で、缶コーヒーを買っている。そしてシメられた不良に渡して、静かに言う。
(中略)
 なんでコーヒーをおごるのかと訊くと、シメた後に優しくしておけば警察に駆けこまれないで済むからだという。よくそんなところまで頭が回るなぁと思った。M嶋くんには「純士、おれが一番重要な役割をやってるんだからな。おれに感謝しろよ」と何度も言われた。(p.31)

☆中学生でこんなことまで考えるとは。こういう頭の良さは大人になってからも存分に発揮されてるようだ。人をうまく使い、しかも感謝される。



●泰一郎と孔次朗のお祖父ちゃんはフィリピン人で、有名な武道の達人だった。格闘術や逮捕術を日本の警察に教えたという、歴史上の人物らしい。
 そして兄弟の父親は、プロのキックボクサーで、現役時代はタイ国でも活躍したという。(p.132)

☆関東連合の宿敵、K村兄弟は格闘エリートの申し子だったという。



●これは誤解されているようなので強調して書くが、つまり見立くん、M嶋くん、Nくん、Kくん、Tくんら「22代目永福町ブラックエンペラー」メンバーは、立場的には全員同等だった。彼ら「22代目永福町ブラックエンペラー」のメンバーは、Nくんが住吉会系の暴力団に入り、TくんやK・Yくん(7代目宮前愚連隊)は山健組、そして見立くんは弘道会の看板を使い、M嶋くんは芸能ビジネス関係と、仲間内で連携し合いながら、あらゆる世界へコネクションを広げていった。
 彼らこそが、関東連の中でも一番重要な、幹部メンバーだ。(p.188)

☆関東連合の中心人物らはフラワー事件が起こるまで一切報道に名前が出ることは無かったという。



●これはあまり報道されていないが、見立くんは関東連メンバーでひとりだけ高校に進学している。それも偏差値70以上で、毎年東大にも10人以上合格者を出している杉並区の超進学校だ。 (中略)
 そんな見立くんが本気で悪事と金儲けに精を出した結果、関東連の闇金業や芸能ビジネスは億単位の利益を上げるところまで成長した。(p.210)

☆偏差値70以上ってすごいな。
どこにエネルギーを傾けるか。



●結局、襲撃に加わった関東連のメンバーはチャッピーくん、カンジくん、あとは下っ端の石本太一と百井茂だけだった。(p.211-212)

☆『いびつな絆』 によると、主犯格である見立被疑者が率先して殴ったことになってるが、著者は読んでないのだろうか?




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
関東連合についてもっと知りたい時に。

 
posted by macky at 21:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドキュメンタリー | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする