2015年06月29日

強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!

強火をやめると、誰でも料理がうまくなる! (講談社+α文庫)
水島 弘史
講談社
売り上げランキング: 37,013


強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!
水島弘史/著 (講談社) 2013年 (単行本は2010年)
648円+税



【概要】
「火」「塩」「切り方」――たった3つのルールで、美味しくなる!

「料理の常識」は根拠のない思い込みだらけ! 強火で肉を焼いても、うまみはとじ込められない。家庭のコンロは「火力が強すぎる」。野菜を弱火で炒めても水っぽくならない……気鋭のシェフが研究を重ねて辿り着いた、科学的に正しくて、そして誰もが本当に美味しく作れる料理の真髄! 特別な調理器具は一切不要。2000円のフライパンと100円ショップの包丁だけで、感激の味を誰でも再現できるのです。基本のルールはたった3つ。そう、もう料理に工夫はいりません!

※本書は2010年2月に小社より刊行された、『美味しさの常識を疑え! 強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!』を文庫化したものです。(Amazonより)



【動機】
TVで水島先生をお見かけして。

というか、もともとこのタイトルは気になっていた。



【所感】
料理の新常識ともいえるかもしれない。




【抜粋】
●冷たいフライパンに玉ねぎを入れてから、油をまわしかけて火にかけるんです(p.22)

☆もうこれだけでも、料理がうまくなった気がする。
今までの常識と全く違う。手順が大事。いきなりフライパンを火にかけてはいけない。



●反対に火が弱すぎると、焼き色がつく前に、肉から水分がどんどん流出してしまいます。流れ出た水分を吸って、水っぽくブヨブヨとした食感になったり、焼き色がつくころには細胞内の水分がなくなって素材が固くなったりしがちです。(p.54)

☆強火はダメっていうけど、弱火で鮭を焼いても水分が飛んでパサパサのかちかちになったことがあるよーと思っていたら、それは火が弱過ぎとのこと。
弱火から中弱火がベスト。フライパンに火が付くくらいが中火。ギリギリ付かないくらいが中弱火。



●よく煮込み料理にするときは、「肉の表面に軽く焼き色をつける程度でよい」といわれますが、これでは不充分。食べられる状態まで、しっかり火を通すことが必要です。中まで火が通っていれば、素材の収縮や煮くずれを防止することができるため、あとからいくら煮込んでも、固くなったりパサパサになったりすることがないのです。(p.104)

☆これはなんとなく経験的にそうかなーって思ってたこと。理論的に説明されて納得!
でも、後から煮込むからいいかって適当に最初焼いてしまうんだよね。
ちなみに、焼き色を付けるのに強火にする必要はない。


●現在は、「うまみたっぷり」こそ、よしとされる傾向がありますが、うまみとはだしの味であり、だしの味が強くなればなるほど、美味しく感じるためには塩分量も増やさなければなりません。(p.137)

☆うまみがあればその分塩分が減らせるとよく言うけど、逆なのか。そういえば、だしがききすぎてマズいと感じる時があるけど、塩分が足らないのかもしれない。




【アクションプラン】
・トンカツなどの揚げ物も試してみたい。

・小さな泡立て器を買ってみよう。(ハンバーグのソースを混ぜるのに)



【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
玉ねぎを切ったら涙が出る人に。



【結論】
料理は切り方、火加減、塩加減で決まる。
 
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2015年06月25日

なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか?

なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか? (プレジデントムック)
野地 秩嘉
プレジデント社
売り上げランキング: 300,747


なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか?
野地秩嘉/著 (プレジデント社) 2010年
952円+税



【概要】
「餃子の王将」初の書籍化! 6年連続最高益更新のナゾを解く!
『キャンティ物語』 『サービスの達人』 などのベストセラーで知られるノンフィクション作家、野地秩嘉とプレジデント編集部が、「30カ月連続 既存店全店黒字」という同社の好調の秘密を「初めて」解き明かした異色ビジネス書。

●店ごとに名物メニューがすべて違う
●カット野菜は使わず、店でキャベツを切る
●損覚悟で「割引チケット」を配りまくる
●赤字でもボーナスを年3回出す
●「皿洗い」をすれば定食をタダにする
●店長の「数字力」がダントツに高い
●ライバルより営業利益率が高い

と、いうように王将は「会計」の視点で見ると実に「学ぶべき点」が多い。
また、店長と店員たちの絆が強く、それが経営を支えている。よって「人材育成」という意味でも事例の宝庫といえる。
こうした「人づくり」の秘密について、大東隆行社長のロングインタビューや成績好調店舗ルポ(仙台、横浜ほか)などを通して知ることができる。
さらに、「王将」は、関西地区では“ソウルフード"として根強い人気を誇り、これが全国に広まりつつあり、さらなる行列を生み出している。
こうした王将の魅力を5人の「王将文化人」の取材によって浮き彫りにした。
日本画家で京都造形芸術大学学長の千住博氏、人気芸人のケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ、グラビアアイドルの山崎真実、
そしてグルメ雑誌 『dancyu』 町田編集長が「どこがスゴイのか」を分析。他のビジネス書とは完全に一線を画す内容になっている。
加えて、付録としてデフレ不況でもバカ儲けしている経営者(ツタヤ、ポイント、ココイチ)などのトップインタビュー、さらに「名物メニューマップ」「王将料理 『人気ベスト10』」なども掲載。
まさに「楽しくて役に立つギョーザ経済学」に仕上がっている。(Amazonより)



【動機】
「餃子の王将」の魅力に迫りたい。



【所感】
ブラックマヨネーズのインタビューが載っていたが、「え、そこまで?」と思わず唸った。





【抜粋】
●ファミリーレストラン、居酒屋など外食産業の経営に造詣の深い公認会計士、柴山政行氏はそうした「チェーンらしくないところが消費者にウケている」と考える。(p.20)

☆柴山政行 『「餃子の王将」決算書で、儲けのポイントがサクッとわかる』 も読んでみたい。



●一般に、ひとりの新規客を獲得する営業コストは既存客を呼ぶよりも5倍のコストがかかるといわれています。 『一対五の法則』 です。また、5%の既存顧客が流出してしまうと、店の粗利は25%落ちるともいわれる。これが 『五対二五の法則』。(p.29)

☆今流行りのランチパスポートとかは新規客を呼び込むのに成功している。消費税増税に便乗して15%上げた店(これくらい値上げしてる店が多かった)は既存客が5%流出(実際はもっと流出してるかもしれないが)して、店の粗利が25%も落ちるのか。値上げしたことでかえって経営が苦しくなっているのかもしれない。



●記録にあたって、気をつけるべきなのが、支出の費目をなるべく細かく分類すること。(p.32)

☆家計簿を作る上でも参考になる。分析しやすくするのが目的。




●それより三年前、加藤は京都御所の近くに、居抜きで買った中華料理店「王将」をオープンしたものの、経営がうまくいかず、すぐに閉店せざるをえなかった。(p.42)

☆1号店って京都御所の近くだったのか。

餃子の王将社長射殺事件』 を読んで、伏見かと思っていた。立命館中・高校ってもともとは御所の前にあったのか。

ちなみに、立命館中・高校は昨年から長岡京市へ移転した。伏見の校舎には 『スクール☆ウォーズ』 で有名な伏見工業高校が移転してくる予定だという。




吉田 大阪には二週間に一回とか、三週間に二回ぐらい帰るんですけど、あんまり腹が減ってなくても、いましか餃子の王将を食べられないと思って、必ず食べてますね。(p.50)

☆ブラマヨの吉田さんらしいリップサービス。

1年に1回とかならわかるけど、10日〜15日に一回って・・・(笑)
ついこの間食べたばかりやん!ってなるわ。




吉田 中国にロケで行って餃子を食っても、餃子の王将のほうがうまかったりする。もし餃子の王将が中国に進出しようとしたら、中国は国を挙げて阻止すると思います。(p.53)

☆うわっ、王将の大東社長が殺害された理由はこれかもしれない。



【アクションプラン】
・柴山政行 『「餃子の王将」決算書で、儲けのポイントがサクッとわかる』 を読む。

・支出の費目をもっと細かく分類してみる。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
王将が好きな人に。王将って何?って人も。

posted by macky at 21:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経営学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月24日

おくのほそ道

おくのほそ道 (講談社文庫 古 5-1)
松尾 芭蕉
講談社
売り上げランキング: 697,223


おくのほそ道
松尾芭蕉/著、板坂元/訳、白石悌三/訳 (講談社) 1975年 (刊行されたのは1702年)
460円+税



【概要】
旅に生き旅に死んだ俳聖芭蕉の、日本の紀行文学中の最高峰といわれる 『おくのほそ道』。素竜清書本を底本とし、現代読者のために読みやすく表記を改め、随所に創見をとりいれた脚注補注と現代語訳を付した。巻末には近代の作家の筆になるゆかりの地の紀行随筆を数多く収め、類書にない魅力ある1巻とした。


【動機】
100分de名著でやっていたので。


【所感】
とりあえず現代語訳だけ、寝る前に少しずつ読んでいった。

地図も折り込まれていて場所を確認できる。



【抜粋】
●月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人なり。(p.11)

☆有名な冒頭。「月日は永遠の旅人であり、行く年来る年もまた旅人である」という意味。
いつごろからか、漂泊へのあこがれを抑えることができなくなったという。

当時の旅は死を覚悟して行くものだったというのが印象深い。



●そもそも、すでに多くの古人によって言い古されたことであるが、松島は日本第一の美景の地であって、中国の洞庭湖や西湖にまったく劣らない。(p.115)

☆思えば、東日本大震災の少し前に初めて松島を訪れたのだが、実に見事であった。

現在、どこまで復旧しているであろうか?




●「松島や 鶴に身を借れ ほととぎす」  曽良(p.39)

☆「松島の夜を鳴き渡るほととぎすよ、ここ松島では、せめて古歌にあるように「鶴の毛衣」でもまとって鳴いてくれ」  曽良

子供の頃、クイズの本を読んでいたら、松尾芭蕉が松島に訪れて、感動のあまり、「松島や ああ松島や 松島や」という俳句を詠んだ。○か×か、というような問題があって、それをいまだに覚えている。

正解はどっちだったんだろう?


ちなみに、今調べてみると、あながちでたらめでもなく、
確かにそういう句は存在するようだ。


芭蕉について
http://www.bashouan.com/puBashous.htm

「松島や ああ松島や 松島や」の句が広く知られ、これが芭蕉作と言われることがあるが、実際は、江戸時代後期に相模国(神奈川県)の狂歌師・田原坊が作ったもの。仙台藩の儒者・桜田欽齊著「松島図誌」に載った田原坊の「松嶋やさてまつしまや松嶋や」の「さて」が「ああ」に変化し、今に伝えられている。


こんな難しい問題を小学生に出してたのか。


実際の芭蕉はあまりの絶景に言葉を失ったようだ。



【アクションプラン】
・時間のある時に古文の原文や解説を読んでみる。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
旅や俳句が好きな人に。

 
posted by macky at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 古典 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月21日

橋下徹現象と部落差別

橋下徹現象と部落差別 (モナド新書 6)
宮崎 学 小林 健治
にんげん出版
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橋下徹現象と部落差別
宮崎 学、小林健治/著 (にんげん出版) 2012年
940円+税



【概要】
橋下徹氏に対する差別キャンペーンを徹底批判する。「政治家橋下徹」の本質を明らかにするために、その「血脈」=出自を結びつけて論じるなど、ジャーナリズムとして、決してやってはならないことだ。反橋下派リベラル知識人とメディアは、このキャンペーンの差別性をなぜ見抜けなかったのか。(「BOOK」データベースより)


2012年10月26日号から始まった佐野眞一と週刊朝日取材班(今西憲之・村岡正浩)による「ハシシタ・奴の本性」という連載記事(第1回で打ち切りとなった)に対する批評。



【動機】
先日行われた大阪都構想を問う住民投票で、橋下氏がわずかの差で敗れ、政治家引退を表明した。
橋下徹厳象とは何だったのか?



【所感】
橋下氏が被差別部落出身だとしても日本を良くするなら支持して、悪くするなら支持しない。そこに尽きると思う。




【抜粋】
●平松支持者の「橋下はあかんわ。品がない」(40代女性)という声に対して、「やっぱり橋下やで、同和やどうのこうのいわれてもめげへん。えらいやっちゃ。跳ね返すだけの強さを持ってる。そんな奴やないと、世の中は変えられへんわ」(30代男性)という声が、橋下に投票した人たちの気持ちをよくあらわしているように思えるんだよね。こういう共感が強く働いたんだろうと思う。(p.107)

☆結局ここに全てが現れていると思う。
橋下氏の政策がいいか悪いかではなく、橋下が好きか嫌いかで論じられている。橋下氏を支持している人は橋下が差別されても跳ね返した、かわいそうだという論調だ。

日本をホントによくしたいとかそういう議論がほとんどなかったのが残念だ。




【アクションプラン】
・大阪都構想など、橋下氏が何をやろうとしていたのかを調べてみたい。
そして橋下引退の後、大阪は、そして日本はどうなるのか想像してみたい。




【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
本の内容はいいと思うけど、当たり前すぎることを延々と書いている気がした。

posted by macky at 18:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月18日

餃子の王将社長射殺事件

餃子の王将社長射殺事件
一橋 文哉
KADOKAWA/角川書店
売り上げランキング: 63,637


餃子の王将社長射殺事件
一橋文哉/著 (角川書店) 2014年
1,600円+税



【概要】
2013年12月19日早朝、王将フードサービスの社長・大東隆行氏が本社前で何者かに射殺された。1年経っても捕まらない真犯人とその黒幕を、関係者への極秘取材から明らかにする!(Amazonより)

創業家一族、暴力団、中国マフィア…その裏にあったものとは? 事件から一年、犯行理由も犯人も依然不明―超難解事件の真相に迫る渾身ノンフィクション! (「BOOK」データベースより)


著者は「一ツ橋のブン屋」 こと一橋文哉さん。




【動機】
王将事件の真相が知りたい。



【所感】
京都と闇社会』 で語られていた内容と被るが、より詳しく切り込んでいる。



【抜粋】
●「私は、いわゆる中国残留孤児(帰国者)として、1980年代に日本にやって来ました。父親は日本の農家の出で、国の勧めで開拓団として満州に渡り、そこで麦とか高梁(コーリャン)を作っていましたが、満州で召集されたそうです。私が生まれたときには、既に出征した後でしたので、父親の顔などは全く覚えておりません。後で知り合いの方に聞いた話では、南方の方に送られて戦死したそうです」(p.16)

☆そういえば昔、中国残留孤児というのが話題になった気がする。よく考えればあれはもともと日本人だったのか。



●警察庁は04年から未解決事件の犯行現場に残された毛髪や体液などのDNA型(遺留DNA型)をデータベース化している。そして、翌05年には逮捕された容疑者のDNA型も加えられ、遺留DNA型は約3万9000件、容疑者DNA型は約46万7000件に達している。
 この遺留DNA型を容疑者DNA型と突き合わせた「遺留照会」による一致は8,000件近くに上っており、逆に容疑者DNA型を遺留DNA型に照会する「余罪照会」による一致は約2万3000件もあり、まさに捜査の切り札となっている。(p.59)

☆そんなにDNA鑑定って浸透していたのか。鑑定自体もややこしいのかと思ってたら、10億分の1グラムという微量でも鑑定できるというから驚きだ。



●福島県の東京電力福島第一原子力発電所の爆発・放射性物質漏れ事故後、高濃度の放射線を浴びる危険に晒されながら現地で除染や後片付けなどを行う現場作業員として、大阪市西成区のあいりん地区などにいる日雇い労働者や、多重債務者など“ワケありの人々”を大量に送り込む道筋を付けた一人でもある。(p.68)

☆あいりん地区の日雇い労働者が福島原発に行ってたのか。

ちょっと調べてみたらこんな記事を見つけた。

最高で日当5万円。大阪・西成あいりん地区で“原発作業”求人が人気? [2011年05月21日]
http://wpb.shueisha.co.jp/2011/05/21/4631/



●科警研が弾丸の線条痕を鑑定した結果、使用されたのは米国の銃器メーカー「コルト」社が製造・販売した25口径自動式拳銃「コルトM1908オート」と判明した。(p.79)

☆小型のおもちゃのような拳銃。体内に入った時に止まって苦しませるように弾頭を横に削り取る加工をしていたという。



●王将は1967年、福岡県出身の故・加藤朝雄氏が京都・四条大宮に1号店を開いたことでスタートし、順調に業務を拡大した。が、93年の朝雄氏急死後、三代目社長に就いた長男・潔氏が遺訓に反して不動産投資など多角経営に走って失敗。約470億円もの有利子負債を抱えて倒産寸前まで追い込まれ、退陣した。
 2000年に後任社長となった創業者の義弟である大東氏は、思い切った資産売却と不採算店閉鎖を進めて就任二年で黒字化に成功した。(p.89)

☆そういえば、王将は2000年頃から急に味がよくなった。



●四条大宮店を開店する3年ほど前。朝雄氏は京都市内の別の場所、ちょうど立命館中・高校前で中華料理店を開業していた。商売を止めて転出した店舗を居抜きで借り、前の店の屋号をそのまま借りてオープンしたのだ。その前の店の屋号が「王将」であったから、本当の「王将」第1号店は、その店を指すと言ってもいいだろう。(p.101)

☆「王将」誕生秘話。



●そこで大東氏は「うちも柱になる商品を作らなければあかん」と考え、調理業務を主に朝雄氏に任せ、自分は洗い場を担当しながら、空いている時間は積極的に店周辺の市場調査に出かけたり、同業他店に入って味付けやメニュー、価格設定、店内の雰囲気とインテリアなどを研究し、顧客の流れを調べた。勉強の日々と言ってよいほど自分の目で見て、耳で聞き、体験し続けた。
 そして、朝雄氏とともに1日16時間以上働き、家に帰らず、店の床に簀の子を敷いて寝泊まりしながら、「王将」のセールスポイント作りに取り組んだ。(p.102)

☆こういうのを聞くとモチベーションが上がる。



●クルマ社会を念頭に置いた大東氏が「王将」の大番頭として手腕を存分に発揮したのは77年8月、京都市伏見区にオープンした城南宮店と、78年3月に同じ伏見区に開業した国道大手筋店でのことだった。(p.106)

☆濃い目の味付けとボリュームで勝負した。そして店員の明るい挨拶で元気な雰囲気を演出。こうした戦略が功を奏し、すぐに同業他店と拮抗するまでに売り上げを伸ばすことに成功した。



●三代目社長が率いる王将はその前者、即ち、より一層の合理的経営を推進する道を選択した。全店舗での均一商品・均一サービス提供との経営方針に転換し、工場で調理・加工した食材を各店に送る「工場一括生産方式」の全面的採用に踏み切ったのだ。(p.116-117)

☆徹底的な合理化をして味が落ちて客が離れるパターン。
王将のラーメンとか当時は食べれたものではなかった。



●その中でも、新入社員に対する研修は「地獄のような5日間の合宿研修」(元「王将」従業員)として知られ、それを体験してすっかり嫌気が差し、早々と辞めていくエリート幹部候補生も現れたという。(p.145)

☆そんなに王将の研修がきついとは知らなかった。

王将と言えば、ぼやーっとした店員が5人くらいいて、その中にやたらとハキハキした人が1人くらいいるイメージだったけど、
ちょっと店員を見る目が変わるかも。


研修の動画を見つけた。常務の渡辺直人氏(現社長)が研修をやっている(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=WOm8tEciWss


すごっ! でもなんかいい人そうだ。渡辺常務。



●ただ、新規開店といっても用地を購入して、店舗を建てればいいというものではなく、官公庁や保健所などの公的機関はもとより、地元商店街、そして、地元を仕切る有力者や暴力団にも根回しをするなど様々な努力・工夫が必要であった。(p.161)

☆暴力団にも根回しをしないといけないのが面倒だなぁ。結局、凄腕で顔の広い仲介役がいないとスムーズにことが運ばないそうだ。



●12年12月、金沢市の繁華街・片町にある「王将」金沢片町店(当時)内で、十人の男性客が突然、服を脱ぎ出して全裸になり、店員らの制止を振り切って、カウンター席に座って記念写真を撮るなどして騒いだ。そして、そうした“乱痴気騒ぎ”の写真をインターネットで公開し、全国のネットユーザーの間で大きな問題となった。(p.163)

☆まさかこの事件が王将社長殺害事件に絡んでくるとは思いもよらなかった。
この男たちは近くのショーパブに勤めるホストで、
ショーパブ側が以前から出店計画を進めていた場所に、「王将」が先に進出したため、嫌がらせをしていたようだ。



●「ショーパブの元オーナーら幹部数人が半グレ集団 『怒羅権』 のメンバーになったんや。あの六本木のクラブ襲撃事件で有名になった半グレ集団 『関東連合』 と盟友関係にある連中や。メンバーは首都圏中心やが、昔は暴力団と乱闘したり交番を襲撃するなど凶暴な連中が多く、呼びかければすぐ、仲間が百人単位で集まってくるらしいで。それじゃ、相手が悪すぎるわ。 『王将』 も店を閉めざるを得んかったわけや」(p.164)

☆「怒羅権」は在日中国残留孤児二、三世の子弟らが1987年に作った暴走族グループ「華魂(ドラゴン)」がルーツとされている。
閉店に追い込まれた王将は、ショーパブの経営者らを相手取って、13年秋に損害賠償請求訴訟に踏み切った。
それから二カ月もたたないうちの社長射殺。



●しかし、そんな中でも捜査本部が特に関心を抱いたのが、改正暴対法と暴排条例の施行後も、暴力団が堂々と活動している九州北部地方であった。・・・(中略)・・・
 そして、大東社長が射殺された翌日、地元の漁協組合長が何者かによって銃弾四発を立て続けに撃ち込まれ、死亡した射殺事件の現場でもあったのだ。(p.166)

☆いろんなところで繋がっている。
どの事件も関係ないように見えて、実は裏では繋がっているのかもしれない。



●もともと北九州市は「近代ヤクザ発祥の地」と言われ、「政府や警察当局など何するものぞ」という気概を持った若者たちが溢れていたという。
 明治初期、この地には時の明治政府を近代国家に返信させたエネルギー源の一大拠点・筑豊炭鉱があり、そこで掘り出された石炭を積み出し港まで運搬する船を操る“川筋者”を統率したのが、火野葦平著 『花と龍』 (岩波現代文庫)で主人公・玉井金五郎組長の敵役として登場する吉田磯吉親分であった。
 彼の子分が神戸市に移り、沖仲仕(貨物の積み降ろしに従事する港湾労働者)を仕切る組織を設立。これは従来、単なる「博打打ち」でしかなかったヤクザが生業を持ち、近代ヤクザに生まれ変わったことを意味している。そのような時に現れ、やがて港湾荷受人を差配する組織を興したのが山口春吉・山口組初代組長であった、という流れである。(p.170)

☆山口組誕生の歴史が簡単に説明されている。
近代ヤクザもともと北九州から興ったというのは知らなかった。



●警察庁や福岡県警の捜査資料によると、工藤會は1949年に工藤組として結成され、市から委託された競輪場の警備を柱に急成長を遂げた。しかし、63年に小倉、門司など五市が合併して北九州市が誕生すると、その巨大な経済圏を狙って山口組が進出を始め、工藤組との間に数多くの激しい抗争事件が勃発した。(p.175)

☆もともとは競輪場の警備だったのか。



●貴司氏は今でも「王将」の上位にランクされる大株主で、約26万7000株を所有している。順当に行けば、毎年2,000万円余の配当収入を得られることになり、自立生活を送るという約束を守らなくて良くなった現在、生活費や活動資金には事欠かないはずである。(p.198)

☆王将創業者・加藤朝雄氏の孫である。今も失踪中なのだろうか? 現在の株価が4,300円なので、資産価値は11億円以上もある。



●そんな“かわいそうな子供たち”を救済し、戸籍を得る手段を講じたり仕事に就かせたりして、人間らしい生活を送らせようと活動している地下組織が「黒道」だという。(p.209)

☆メンバーは中国で厳しい弾圧を受けているキリスト教系地下教会の司祭や信者が多いらしい。
中国公安省はこの地下組織「黒道」を黒社会の一員とみなし、黒社会(闇社会)、黒客(ハッカー)とともに「三黒追放」を叫んで徹底的な取り締まりを行っているという。



●「黒道」が戸籍を獲得する手段として主に行っている活動は、黒い子供たちの身分を偽って就学生や研修生などの名目で日本に送り込んだり、日本人の協力者に偽装結婚や偽装認知させ、新たに日本国籍を取得させるなどの、言わば犯罪行為である。(p.210)

☆日本には中国人スパイが多いと言うが、「黒道」が絡んでいるのかもしれない。



●日本人が中国で商売を始めるには、店舗や事務所を開設する土地の取得はもちろん、さまざまな許認可を得るため、進出先の地方政府の役人や中国共産党の幹部などへの根回しが必要です。そのためには現地のコーディネーターとして“いい人材”を確保できるかが重要で、その人物がどれだけ人脈や情報を持っているかで成功か失敗かが決まります。まさにコーディネーターの腕前次第なだけに、多少の資金と時間が掛かっても、敏腕コーディネーターと現地の情報網を駆使して積極的に動くしかない。まさに手を拱いているわけにはいかないのです」(p.220)

☆中国で商売を始めるのに一番大事なのが、現地のコーディネーターとして“いい人材”を確保できるかどうか。



●この企業舎弟の証言によれば、「王将」側と地元マフィアの間の交渉は、チャイニーズマフィアとしては珍しく、長期間にわたって粘り強く行なわれたという。そして、特別成功報酬を含む仲介料の請求や、その他の約束事の履行要求も執拗に行われてきた。そうした“異例ずくめの交渉経緯”を踏まえての在日の代理人による直接交渉だったのに、中国経済界や黒社会(闇社会)の商習慣や内部事情に疎い「王将」側の経営陣、特に肝煎り事業を妨害されて怒り心頭に発していた大東氏は、マフィア側の要求を断固、拒否してしまったのである。
 そのため、さすがのマフィアも“堪忍袋の緒”が切れて、凄腕のヒットマンを送り込んできたのではないか、というわけだ。(p.224)

☆中国進出ってめんどくせー!



●日本で「チャイニーズ・マフィア」と言って最初に思い出すの台湾、香港マフィアだろうか。この二大組織は古くから暴力団と交流を持ち、麻薬や拳銃の密売を行ってきたし、日本に進出して都内の新宿や池袋をはじめ、横浜や名古屋、大阪、福岡などで勢力を拡大し、時には暴力団とも抗争を繰り広げてきた。
 1972年の日中国交正常化後、現在の中国政府が台湾に代わって表舞台に登場すると、黒社会でも台湾マフィアに代わって上海マフィアが台頭し、そこに福建、広東省のマフィアが加わった。特に不法入国者を労働力として必要とする暴力団側の要請もあり、密航者の輸送と世話で潤った「蛇頭」を支配した福建省マフィアが一大勢力となった。(p.226)

☆その後、中国の経済発展によって国民の経済水準が向上し、出稼ぎで来日する必要が無くなり、さらに日本側が中国人に対するビザを大幅に緩和したこともあって、密入国する者がいなくなり、「蛇頭」は不要となった。代わりに人気を呼んだのが日本人との偽装結婚あっせん仲介であり、そのビジネスを担ったのが中国東北部を拠点とする東北マフィア。



●この分野で東北マフィアが圧倒的に強かったのは、その構成メンバーの多くが中国残留孤児二、三世か、親族などの関係者であったからだ。そして、彼らの親族や仲間たちが中国残留孤児帰国者と二、三世として既に日本に渡って生活しており、日本国籍を有するだけに偽装結婚の相手には事欠かなかったからである。(p.227)

☆あやしげな中国人と偽装結婚する人なんかいるのかと思ったらいた。中国残留孤児だ。(9割が偽物だという。そしてほとんどの人が日本語がしゃべれず生活保護を受けているという)。中国で生まれた戸籍のない子ども(黒核子)とどんどんくっつけて日本国籍を取得していく。最近やたらと中国人が増えてきたと思ったらそういうことかもしれない。

ちなみに中国の無戸籍者は約4000万人ともいわれていて、日本の人口の半分にも達する勢いだ。



●中国東北部はかつて「満州」と呼ばれた遼寧、吉林、黒竜江省の三省にまたがる広大な土地に、豊かな農産物と、石油を中心とする良質な地下資源を産出する。
 首都・北京に近く、交通の便が良い。天然の良港が揃っていて漁業や造船業が盛んで、原潜基地を配備するなど中国人民解放軍の海軍の重要拠点でもある。(p.228)

☆満州には石油もあったのか。第二次大戦中の日本はなぜ東南アジアに石油を求めて進出したのだろう?と思って調べてみたら、当時はまだ満州では石油が発見されてなかったようだ。



●ただ、中国は北京は北京、上海は上海といった具合に地域ごとに発展するため、中国全土で一斉に支店網が完備などという芸当はあり得ない。上海ではどこに行っても店があるが、北京に行ったら全く見かけないなどという風景はごく普通である。(p.231)

☆中国では1号店をどこに出すかがすごく重要なファクターとなる。



●「あの 『抱きつきのリン』 は中国残留孤児の 『リン』 さんの姉が若くして産み落とした女の子の子孫にあたる人物で、“生まれてきてはいけない人間”として 『黒道』 が庇護していたのを、東北マフィアのボスが拾い上げ、女殺し屋として育てたんやないか」(p.239)

☆王将社長を暗殺したと言われる 『抱きつきのリン』 は黒核子だった。



●今はどこに行っても、中国人だらけ。ビジネス、観光、現地で働く男も女も皆、中国人や。だから、どこにもチャイニーズマフィアがいる。奴らとうまく折り合わなきゃ生きていけんが、いきなりマフィアと差しで付き合うのは難しいから、現在の華僑とか中国系の半グレ連中とは仲良くせにゃならん。言葉の問題もあるし、結構気を遣うんでしんどい仕事やけど、ゼニ儲けのためと開き直ってんのや」(p.248)

☆海外進出するためにはチャイニーズマフィアとうまく折り合わないといけない。厳しい世の中だ。それと現地の日本人を中心とした顧客をいかに掴めるかがカギ。



●そのタイに代わり人気ナンバー1になったのはマレーシアだ。治安が比較的良好で、気候も落ちついていて、物価は日本の3分の1程度。首都クアラルンプールや観光地のペナン島なら日本語で受診可能な医療機関もあり、ロングステイを希望する日本の中高年層の「滞在したい国」ではタイを抑え、8年連続でトップを占めている国である。(p.249)

☆ビックビジネスがゴロゴロしていてマネーロンダリングの拠点でもあるシンガポールへも陸路で簡単に行き来できるので暴力団にとっても魅力。最近、そのマレーシアを凌ぐほどの人気を誇っているのがカンボジアだ。非常に安い学費で学べる日本語学校を設立し、貧しい農村部などから集めた若い男女を肉体労働者やホステスとして日本に送り込む人が急増しているという。政治体制が整っていないので、政治家や官僚、警察幹部、軍上層部などに賄賂をばらまき、接待漬けにしておけば何でも要求が通るそうだ。



●そのため、これまでのような活動が出来なくなると、チャイニーズマフィアや中国政府関係者、中国共産党幹部らと連携し、日中、いや国際犯罪シンジケートの結成を目指し、その“闇のパイプ役”を果たそうと暗躍しているという。(p.256)

☆六本木クラブ襲撃事件をきっかけに「関東連合」とともに準暴力団に指定されてしまった「怒羅権」は、国内での活動が制限されてしまったので、国際犯罪シンジケートの結成を目指すという。より地下に潜ってしまった感じだ。



●14年10月からは中国の期限切れ鶏肉問題や食品汚染問題に加え、円安によって国内産と海外産の価格差が縮小化したため、餃子の主要食材を国産化するなど積極的な経営姿勢を打ち出し、ファンには好意的に受け止められている。(p.267)

☆なるほど、円安の影響もあったのか。というか、今までは国内産じゃなかったのか。



●それに大東氏の後を継いだ渡辺直人・四代目社長は創業者・加藤朝雄氏を崇拝し、社員個々の意欲や突進力、従業員の結束力と忠誠心といった精神的な力を重視するタイプで、「大東二世」と呼ばれており、「王将」を狙う企業舎弟が最も嫌うタイプの経営者だ。
 それゆえ闇社会との激突必至の情勢なのである。(p.267)

☆何のために大東社長を殺したのかということを考えた時に、殺害で終わりじゃなく、殺害をスタートだとすると、これによって会社が大きく変わってしまう可能性があったのだが、「大東二世」と呼ばれる人ならば今まで通りの王将が期待できそうだ。客としてはおいしい料理が手ごろな値段で食べられるかどうかが最も気になるところ。





【アクションプラン】
・火野葦平著 『花と龍』 を読んでみたい。




【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
王将事件の真相が知りたい人に。

 
posted by macky at 23:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする