2015年12月31日

敗走記

敗走記  (講談社文庫 み 36-12)

敗走記
水木しげる/著(講談社文庫) 2010年 (単行本は1991年)


【概要】
水木さんの戦争体験をもとにフィクションを交えて描かれたマンガ。短編集。
「敗走記」「ダンピール海峡」「レーモン河畔」「KANDERE」「ごきぶり」「幽霊館長」の6編。

「敗走記」は、真山という親友の体験談をもとに作ったと書いてあるが、『水木しげるのラバウル戦記』 を読むとこれは自分の話だということが分かる。

「幽霊館長」は 『白い旗』 の「田中頼三」と同じくルンガ沖夜戦が題材。

「ごきぶり」は水木さんのお兄さんから聞いた話だそうだ。


【動機】
以前、本屋で見かけて気になっていて、水木さんの戦記物をまとめて読んでみたいと思っていたので。


【所感】
「敗走記」は、魚雷を受けて沈没した船から脱出した兵士が命からがら仲間のところに逃げ伸びる話。ハラハラドキドキの展開。体力勝負のサバイバル。

「ダンピール海峡」は沈没した船から軍旗を守り抜く話。イカダで漂流してるところに敵の襲撃があったりしてスリルがある。水木さんの描くイカダはいつも気持ち良さそうで乗ってみたくなる。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木さんの戦記物をまとめて読みたい人に。





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(120830 読了)
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2015年12月30日

総員玉砕せよ!

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

総員玉砕せよ!
水木しげる/著 (講談社文庫) 1995年 (単行本は1991年)


【概要】
水木さんの戦争体験をもとにフィクションを交えて描かれたマンガ。
舞台はパプアニューギニアのニューブリテン島である。


【動機】
以前、本屋で見かけて気になっていて、水木さんの戦記物をまとめて読んでみたいと思っていたので。


【所感】
玉砕した後に生き残った者は死に場所を探さないといけないというのがなんとも不条理でやりきれない想いがつもる。
当時の日本は戦略とか戦術よりも精神論だけで押し通していたのがよくわかる。

前半は軍隊の日常が描かれており、とても貴重な資料である。
現在の漫画家で当時一兵卒として戦争を体験した人というのは数少ないのではないか。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木さんの戦記物をまとめて読みたい人に。




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(120829 読了)
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2015年12月25日

被差別の食卓

被差別の食卓 (新潮新書)
上原善広/著 (新潮社) 2005年
680円+税


【動機】
メリークリスマス! クリスマスといえばチキン! チキンといえばケンタッキー!

ケンタッキーは黒人のソウルフードとして有名だ。

ちょうど今、ジプシー(ロマ)、インドなども研究しているので手に取った。





【概要】
大阪のある被差別部落では、そこでしか食べられない料理がある。あぶらかす、さいぼし…。一般地区の人々が見向きもしない余り物を食べやすいように工夫した独自の食文化である。その“むら”で生まれ育った著者は、やがて世界各地にある被差別の民が作り上げた食を味わうための旅に出た。フライドチキン、フェジョアーダ、ハリネズミ料理―。単に「おいしい」だけではすまされない“魂の料理”がそこにあった。(「BOOK」データベースより)



被差別の食卓 (新潮新書)
上原 善広
新潮社
売り上げランキング: 2,701




【抜粋】
●南部で知り合った黒人女性と雑談をしていたとき、何気なくわたしは「どうしてフライドチキンがソウルフードになるのか、ぜんぜんわからないんですよ」とつぶやくと、彼女は「あら、そんなこと簡単よ」と、自分の手をひらひらさせながらこう答えてくれた。「ほら、鶏の手羽ってあるでしょ。フライドチキンが奴隷料理だったというのは、あの手羽先をディープ・フライしていたからなのよ。白人農場主の捨てたと鶏の手羽先や足の先っぽ、首なんかを、黒人奴隷たちはディープ・フライにしたの。長い時間油で揚げると、骨まで柔らかくなって、そんな捨てるような所でも、骨ごとおいしく食べられるようになる。焼くほど手間はかからないし、揚げた方が満腹感あるしね」(p.19-20)

☆フライドチキンは黒人のソウルフードというのは有名だが、その理由は白人が捨てるような所もディープ・フライにすることで骨まで食べられるようになるということらしい。ケンタッキーで言えば、「サイ」の部分が黒人が食べるところとよく言われるけど、この本だと、それは書いていない。

ちなみにケンタッキーフライドチキンは太い骨は無理だとしても、小さな骨は全部食べられる。そういうところも、人気の秘密だ。



●ハリネズミがロマ固有の食べ物であるのは、さまざまな欧州ロマのルポや研究を見ても、間違いのないことだ。欧州では、ハリネズミを食べるのはロマだけなのだ。そのためにハリネズミは「ロマの豚」と形容されることもある。(p.84)

☆ハリネズミがロマ固有の食べ物というのは知らなかった。



●使った古い脂はヘッドという固形脂に加工される。スーパーなどでステーキを買ったときに付いてくるあの脂である。(p.196)

☆あの脂ってこうやって作っていたのか。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
 
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2015年12月24日

自分を変える読書術

自分を変える読書術 学歴は学〈習〉歴で超えられる (SB新書)
堀紘一/著 (SBクリエイティブ) 2015年


これはと思った人は出身高校を尋ねるそうだ。
無名校から東大に行った人を評価。
そういった人は環境を変える力がある。

つまり努力の人、読書家である。ノムさんなどもそう。


福沢諭吉は春秋左氏伝を11回通読して好きなところは暗記した。

先日読んだ「7回読み」に通じるところがある。



自分を変える読書術 学歴は学〈習〉歴で超えられる (SB新書)
SBクリエイティブ (2015-12-04)
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2015年12月23日

ヒジュラ―インド第三の性

ヒジュラ―インド第三の性 (写真叢書)
石川武志/著 (青弓社) 1995年
2,000円+税


【動機】
不可触民―もうひとつのインド』 を読んで興味を持った。



【所感】
ヒジュラという存在を初めて知った。

日本では何割くらいの人が知ってるのだろうか?



【概要】
女でもなく男でもない、聖にして俗、神につかえ、石つぶてを浴び、春をひさぐ者―ヒジュラ。混沌の大地インドに住まう第三の性が、瞠目の写真と平明な文章が形づくる空間のなかの実像を呼ぶ。(「BOOK」データベースより)



ヒジュラ―インド第三の性 (写真叢書)
石川 武志
青弓社
売り上げランキング: 633,500




【抜粋】
●カルカッタを見ずしてインドを語ることはできないと、人はいう。このインドの縮図のようなカルカッタは西ベンガル州の州都であり、デリー、ボンベイ、マドラスと並ぶ四大都市のひとつである。 (中略)
バングラデシュ独立時に膨大な数の難民がカルカッタに流れてきて人口が爆発的に増えたというが、難民たちがそのまま定住したためにカルカッタは街全体がスラムと化し、いわば世紀末的様相を呈することになった。(p.12)

☆カルカッタは街全体がスラムだとは知らなかった。もともとはイギリス統治時代の首都。人口密度がインドで一番多い。



●ヒジュラとはウルドゥー語で、「半陰陽、両性具有者」を意味する。日本には「ふたなり」などという言葉もある。つまり、ヒジュラは女性器と男性器を併せ持った存在とされており、インド特有のカースト制度からは外れた特異な社会に生きる人々のことである。ヒジュラ自身は自らを生まれながらの半陰陽だと主張するが、実際には先天的な半陰陽者、すなわち真性半陰陽者はきわめて稀であり、少年期から青年期にかけてヒジュラとしての自覚を持った者が去勢してなるケースがほとんどである。(p.13)

☆インドにはヒジュラと呼ばれる人がたくさんいるらしい。



●二十世紀初頭のイギリス統治時代、インドの首都はカルカッタからデリーに移された。その折、市の南部に新たな街が都市計画に従って建設された。それが現在の首都ニュー・デリーである。これに対して、ムガール帝国時代の首都だった旧市街はオールド・デリーと呼ばれるようになった。(p.58)

☆ムガール帝国時代の雰囲気が残るオールド・デリーとは対照的にイギリス統治時代に作られたニュー・デリーは近代都市。

ムガール帝国(首都:デリー[=オールド・デリー]) 
→英領インド前半(首都:カルカッタ) →英領インド後半(首都:ニュー・デリー)

カルカッタで反英運動が強くなったから首都を移転した。その後もカルカッタは反英運動の一中心であり続けた。



●ボンベイにインドでも最大の売春地帯、カマティプラ地区とフォークランド・ロードがある。
 インド亜大陸西岸のやや北に位置するボンベイは、八百万人の人口を抱える大都市だ。アラビア海に面した地理的な好条件から外国とのかかわりの歴史は長く、古くから貿易港として発展し続けてきた。(p.169)

☆インドで最初に高層ビルが建てられ、貧富の差が激しく、インド最大の売春地区があるボンベイ。
ちなみに、ボンベイ(ムンバイ)はインド最大の都市である。





【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
インドについて知りたい時に。

 
posted by macky at 23:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする