2015年12月10日

齋藤孝の天才伝2 サン=テグジュペリ

サン=テグジュペリ―大切なことを忘れない「少年力」 (齋藤孝の天才伝)
齋藤孝/著 (大和書房) 2006年 
1,400円+税


【動機】
齋藤孝の天才伝1 ユング』 がおもしろかったので。


【所感】
齋藤孝氏が独自のツールを使ってサン=テグジュペリを切り込んでいく。

正直、最初は退屈だなぁと思いながら読んでいたのだが、齋藤孝氏の読ませる力によってぐいぐい引き込まれていった。



【概要】
斎藤孝が天才の秘密を読み解く人物伝シリーズ第2巻。「星の王子さま」を生んだ詩人のロマンティック人生! パイロットとして生きながら「人間にとってもっとも大切なこと」を追求し続けた誠実なる天才の秘密がわかる一冊。(「MARC」データベースより)







【抜粋】
●サン=テグジュペリがもし飛行士にならなかったら、文学者としてほとんど目が出なかったと思います。
 彼は飛行士であり、文学者であるという、いわば二足のわらじを履いています。といっても、ふつうにいわれるように二種類の職業を持ったという感じではありません。二足を一足として履きこなした点に、この人のオリジナリティがあります。(p.48-49)

☆仕事と小説家の二足のわらじというのがポイント。たしかに本を読むとこの人、本業は何をやってる人なのだろうと気になることがある。その職業でしか書けないことが必ずあるのだ。



●かつては、経験しなくても書けるほうが偉いという考えが根強かったと思います。しかし、現代においては、ノンフィクションやノンフィクション的な小説など、いろいろと実際の体験をした人の言葉のほうが力があり、尊重されるところがあります。(p.50)

☆小説が書けるような経験がもっとしたい!



●サン=テグジュペリは飛行士としては傑出した存在ではありませんでした。しかし、飛行士仲間にはギヨメなど素晴らしい友達がいました。
 彼は自分もその仲間に入れたことが嬉しくて仕方ないのです。自分のことは誇らなくとも、彼らのことを誇りたい、彼らのようなすばらしい人間と友人になれたことこそ自分の誇りである、という感じです。
 そして、彼らのパワーや経験を、自分が霊媒師のように文章にすることによって、彼らの世界を広く世に知らせるメッセンジャーとしての役割を果たしました。(p.66)

☆このような誇りに思いたくなるような友人を見つけたい。そしてそれを文章にしたい。そのためにはもっと友人のいいところを見なくてはならない。仲間に加わることで誇りに思うような人たちを見つけて仲間に入りたい。



●離れているのに通じ合うような関係性に、サン=テグジュペリは非常に魅力を感じています。それはニーチェがめざしたところと共通します。べたつかないで、しかもお互いの友情がしっかりと確立している関係です。
 ニーチェはワーグナーとの友情について「星の友情」と名づけています。
(中略)
 サン=テグジュペリはニーチェを愛読していて、大きな影響を受けています。だから、彼は友情といっても、馴れ合って群れてしまうようなことは嫌いなのです。(p.67)

☆ニーチェの本も読んでみたい。



●『星の王子さま』 が人々に根源的に訴えるのは、そこにロマンがあるだけではなく、モラルが秘められているからです。だれでも本当はモラルというものを必要としています。
 ただ、一般にモラルにあふれたものは平凡になりがちですが、この作品にはオリジナリティがあります。それはサン=テグジュペリがこの作品に、自分の全人生をそそぎ込んでいるからです。(p.82)

☆『星の王子さま』 のような童話が書きたい。そのためにはもっといろんな経験がしたい。小説もたくさん読んでおきたい。



それより僕のネクタイを直しておくれ。君の小さなハンカチをおくれ。そこに僕は 『星の王子さま』 の続きを書く。物語の終わりに、王子さまはそのハンカチを王女さまにあげるんだ。君はもう棘のあるバラじゃなくなるだろう。いつまでも王子さまを待っている、夢の王女さまになるんだ」(p.113)

☆なんと愛のある別れ方なのだろうか。すばらしい。



●さて、オリジナル版が出たということで凝りもせずにまた買ってみました。今回は、これは失われたもののお話なのだと思いました。何かを失った人が、自分の中にまだ生きている「それ」のことをずうっと考えているのです。(p.120-121、吉野朔美「ユリイカ」2000年7月号/青土社より抜粋)

☆何度か読むうちに「あっこれは○○について書かれたものなのだ」と気付くような物語が書きたい。




【アクションプラン】
・仕事と小説家の二足のわらじ

・誇りに思いたくなるような友人を見つけたい。そしてそれを文章にしたい。そのためにはもっと友人のいいところを見なくてはならない。仲間に加わることで誇りに思うような人たちを見つけて仲間に入りたい。

・ニーチェ 『ツァラトゥストラはこう言った』 を読んでみたい。

・『星の王子さま』 のような童話が書きたい。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
星の王子さま』 が好きな人に。

 
posted by macky at 21:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 哲学・思想 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする