2016年01月12日

悪魔くん(少年マガジン版)

悪魔くん (Gekiga Etoile)
水木しげる/著 (チクマ秀版社) 2007年 (初出は1966年)
1,520円+税


【概要】
少年マガジン版の「悪魔くん」

テレビドラマの放送に合わせて連載されたもの。

主人公の名は、山田真吾。



【動機】
貸本版の 『悪魔くん』 を読んだので。


【抜粋】
●いよいよ悪魔を呼び寄せる段階にきたんだ。

光輝(ゾハル)の書、魔法大全・・・

創造(イエジラ)の書・・・

どれもまちがいだ!

ただ、今から300年前のファウスト博士の著書だけが本当であることがわかった。(p.8)


☆こういったユダヤの書が出てくると神秘的だ。




【所感】
悪魔が出てきたところであれっ?と思った。

貸し本版のヤモリビトがここでは悪魔メフィストに。

こういう一貫性のなさから見ても、当時の貸本というのは消耗品なのかなと思う。
つまり、後世に残るものと思ってなかったと。
さらには、売れるために必死で設定を変えていったともいえる。
その苦労の跡が窺い知れる。

それがまた復刻版のおもしろさでもある。


「悪魔くん」はいろいろあるが、本書が一番退屈だった。


どうでもいいことだが、悪魔メフィストが「僕ラーメン」のギャグでおなじみの芸人・狩野英孝さんに似ている気がする。



【評価】
評価:★☆☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
テレビ用ということで、子供向けである。

巻末に「悪魔くん 単行本リスト」が詳しく載っている。





■関連記事
水木しげるの本一覧


(130319 読了)
posted by macky at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・コミックス | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月11日

悪魔くん(貸本版)

悪魔くん―貸本版

悪魔くん―貸本版
水木しげる /著 (チクマ秀版社) 2007年 (初出は1963年)
1,960円+税


【概要】
水木サンの無名時代の貸本である。
原版(三分冊のセット)は数年前にヤフオクで40万円くらいで取引されていたようだ。
本書はその完全復刻版。

水木サンが貧乏のどん底時代に描かれたもので
貧乏に対する怒りを作品にぶつけている。



悪魔くんはいろいろあってわかりにくいが、
amazonで詳しい方が整理されていたので参考にしたい。

 「悪魔くん」には次の4シリーズがあります。

1 貸本版「悪魔くん」 … 結末に寂しさの漂う仕上がりです。「悪魔」が最も頼りない。(悪魔くんの名は松下一郎)

2 悪魔くん復活「千年王国」…悪魔くんが復活する部分がラストに書き加えられます。悪魔は野獣っぽく 強そうになっています。集英社、汐文社版は全3巻。

3 「がんばれ悪魔くん」…悪魔くんに山田真吾という本名がつき、アニメ風の子供キャラクターになります。悪魔の姿は前2シリーズのヤモリビトになり、メフィストと名前が付きます。魔力「絶対零度」はこのシリーズから。全2巻。

4 最新版「悪魔くん」…テレビアニメ化されたものを水木プロでコミック化した物です。悪魔くんのキャラがさらに丸顔になり、悪魔はメフィストジュニアに変更します。また、十二使徒のキャラがはっきりし、必殺技も持ちます。全3巻。

 その他:長編「ノストラダムスの大予言」でも主要キャラクターをつとめます。

 今回の復刻は、1の内容のものです。「水木しげる貸本傑作大全2」や朝日ソノラマの「貸本漫画傑作選」に収録されたことがあります。




『悪魔くん世紀末大戦』 の巻末の解説でもわかりやすくまとめられている。

 山田慎吾こと“悪魔くん”と悪魔メフィストが妖怪・怪物・悪魔・怪獣を毎回やっつけるテレビ版は、「少年探偵団」「風小僧」のような東映少年ドラマの系譜に連なる作品で、水木しげるワールドとは無縁。

 少年マガジン版は、第一部がテレビ化を意識しすぎ、第二部は貸本作品「火星年代記」のリメイクにすぎない。

 少年ジャンプ版(『悪魔くん千年王国』)は東考社版を底本としつつ、エピソードを膨らまして完結させているが、途中、大阪万博などが絡み、連載当時の「現代性」を出そうとするあまり、却って水木作品の「超時代性」と融合せず、木に竹をついだような印象となってしまっている。

 その点、最初の貸本版――東考社版には、水木しげるの「素」が出ているところが素晴らしい。




「がんばれ悪魔くん」と少年マガジン版が同じものかな。

要するに、大きく分けて、貸本版とテレビ版と少年マガジン判と少年ジャンプ版(千年王国)の4つがあり、
その中の貸本版をもとにして新たに描かれたのが 『悪魔くん世紀末大戦』 である。




【動機】
水木サンの著書を乱読中。


【所感】
誤字がやたらと多い。

(全く同じ内容で
校正したものが角川文庫にあります)→ 『貸本まんが復刻版 悪魔くん  (角川文庫 み 18-16)』2010年


小学2年生なのに大人よりもはるかに頭がいいという設定はおもしろい。
古代の魔法書などを紐解いたりして設定は凝っているが、
それらを生かしきれてないのはもったいない気がした。

そもそも大金持ちの社長の息子である悪魔くんが貧乏人を救いたいと思うようになった動機付けが弱い。世の中を恨んでるわけでもなさそうだし。何のために悪魔を呼んでいるのかわからないまま終わってしまった。

もともと5巻の予定が、不人気のため3巻で打ち切りになったため中途半端な感じはぬぐいきれない。




最大の敵のあまりにあっけない最期に思わず笑ってしまった。

主人公ですらあっけなく死んでしまう。


●人生ははかない・・・・・・

人間はたいていどんな力を持っていても、あのカラスのようにもろく死んでゆくのだ。

そして死んだら生は永遠にかえってこない・・・・・・

自分というものは永久にかえってこないのだ。


この命のある間、人生は楽しまねばウソだ・・・・・・

そのためにはまず金がなくてはいかん・・・・・・

それともうひとつ重大なこと、すなわち自由がなくては。

「悪魔くん」の束縛から逃れなくては。(p.380-381)


☆印象に残ってるのがこの部分。

人生は短いから、生きている間をもっと楽しもうと。

このマンガに出てくる人はみなあまりにもあっけなく死んでゆくが、
そこには命の儚さというメッセージが込められている気がする。



さらに詳しく知りたいって方は、
こちらのブログもオススメです。

日本人とユダヤ人と悪魔くん - マガジンひとり
http://blog.goo.ne.jp/wag18470/e/06068e2b7750b0a1ec6d1d5477c253d3




【アクションプラン】
・『悪魔くん千年王国』 を読む。(十二使徒が全て揃うらしい)

・ゲーテ 『ファウスト』 を読む。

・『薔薇十字の覚醒』 も読んでみたい。



【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木サンのファンの方。
魔方陣、カバラ主義、パラケルスス、バラ十字会、八仙などに興味のある方。


「すると 『魔方陣』 を解くためには・・・・・・」

「カバラしかありません」

「 『カバラの術』 では解けなかったんだ」

「そんなはずはありません」

「太古に悪魔みずからが悪魔を呼ぶ鍵としてカバラを示したといわれているが・・・・・・。数千年にわたるカバラの研究から何物も生まれてはいないではないか」

「では 『ゾハルの書』 は」

「ハハハ 『光輝(ゾハル)の書』 はただ 『地球上にもっとも重要なものが隠されている。それは何千年か後に東方の島国に神童が生まれるまでは隠されるに違いない』 という予言をしたというだけのことだ」

「 『魔法大全』 は」

「『魔法大全』 は専門的ではない。私はむしろ 『創造(イエジラ)の書』 に秘密が隠されていると思う」

「ゲロゲロ」

「あきらめるのはまだ早い。エジプトのツタンカーメン王の墓所から五頁分発見されている。それだけではない。ソロモン王の墓所から六十九頁分出ているはずだ。それと残りは印度の古代寺院の地下室に粘土板(タブレット)に刻まれて出てきている」

「現在一頁分も残っていないといわれているが」

「数千年前 『死ぬことのできぬ男』 という名前の者が、日本がまだヤマタイ国といわれていた頃、密かに渡って全文を粘土板(タブレット)に刻んで地価に埋めたといわれている。だから昔の著名な悪魔の使徒は密かに日本に渡来して皆日本で死んでいる。それは 『魔方陣』 を解くものは 『創造(イエジラ)の書』 しかないことを物語っているのだ」





■関連記事
水木しげるの本一覧


(130228 読了)
posted by macky at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・コミックス | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月10日

ねぼけ人生

ねぼけ人生 (ちくま文庫)

ねぼけ人生 (ちくま文庫)
水木しげる/著 (ちくま文庫) 1999年新装 (単行本は1982年、1986年に文庫化)


【概要】
水木サンの自伝。出生から現在までよくまとまっている。


【動機】
水木サンの著書を乱読中。


【抜粋】
●そのうち、年齢も二十歳に近づき、戦争もきびしくなってきた。いつ召集になるかもしれない。そんな時、河合栄治郎編「学生と読書」という本に、エッケルマンの「ゲエテとの対話」という本が必読書としてあげられているのを知った。岩波文庫のこの本を買って読んでみると、はなはだ親しみやすく、人間とはこういうものであろうという感じがする。・・・(中略)・・・後に軍隊に入る時も、岩波文庫で上中下三冊を雑嚢に入れて南方まで持っていった。(p.76)

☆水木サンが「ゲーテとの対話」を愛読書としていたのはよく知られているが、そのきっかけとなった部分が描かれている。「ファウスト」は何回くりかえしてみてもわからなかったという。


●ところが、第二作、第三作を持っていくにつれて、林社長は払いを滞らせるようになった。昭和二十六年頃の二百円といえば、やっと一日の日当で、一巻描き上げるのには二日か三日かかる。その上、払いが遅れるのではたまらない。(p.151)

☆今の価値に直すとしたら、20〜40倍くらいくらいかな。


●僕は、ここで、「東真一郎」というペンネームで一冊やることになった。(p.170)

☆こういうペンネームも使っていたとは知らなかった。売れないときはいろんなペンネームを使い分けるものだ。



●東考社で、僕は好きなようにやっていいと言われ、僕や桜井氏を苦しめている貧乏を打ち砕く魔法の話を考えた。セリグマンの「魔法」(平凡社)を読んでいると、中に、ものすごくたくさんの魔法の話が出てくる。ああ、昔から、人間は、幸福になるために、こんなにたくさんの魔法を考えていたのだなと思い、この本とゲーテの「ファウスト」をヒントに、ノート二冊分のストーリーを作って「悪魔くん」を開始した。(p.199)

☆代表作「悪魔くん」はゲーテの「ファウスト」などが元になってたのか。




【所感】
コンパクトにまとまっていてわかりやすかった。
文章なので、マンガでは分かりにくかった部分もしっかり補充されている。


多忙時代の水木サンってどういう生活をしてるんだろうって思っていたら、
とある日の一日が紹介されていた。

4:00 就寝

9:00 起床(5h)
    ネーム(セリフ)修正、仕上げなど

10:00 〆切 原稿渡す
     食事しようとしたら来客
 
15:00 やっと食事にありつける
     次の原稿に取り掛かる

19:00 次の〆切。原稿を渡して、もう一つ〆切があるのを思い出す。

23:00 もう一つの〆切
     何もできてないので外に散歩。
     畑で野グソしたり、警察に職務質問されたり...




【アクションプラン】
・『悪魔くん』 を読む。

・ゲーテ 『ファウスト』 を読む。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木サンの自伝としては一番よくまとまっている気がする。



■関連記事
パパイアの食べ方

水木しげるの本一覧


(130227 読了)
posted by macky at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 体験記・手記 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月09日

ボクの一生はゲゲゲの楽園だ

『ボクの一生はゲゲゲの楽園だ』
水木しげる/著 (講談社) 2001年


【概要】
マンガ 水木しげる自叙伝(全6巻)
水木サンが79歳のときに描いた自叙伝。

(参考)
・神秘家水木しげる伝(角川) (動機:「ゲゲゲの女房」で挿入されてた絵は「水木しげる伝」(講談社漫画文庫)だがそれはライブラリに無い。そちらは「僕の一生はゲゲゲの楽園だ」の文庫化したもので全3巻。)
・僕の一生はゲゲゲの楽園だ


つまり、本書を文庫化したものが「水木しげる伝」(講談社漫画文庫)というわけである。




1巻 誕生から少年時代。

2巻 10歳〜20歳。就職、美術学校、戦争。

3巻 戦争。21〜24歳。

4巻 戦争。戦後の混乱期、紙芝居、貸本マンガなど。25〜39歳。

5巻 結婚。40代、50代。売れっ子漫画家として多忙な時期。

6巻 還暦後。南方など世界各地を旅する。60代、70代




【動機】
水木サンの本を乱読中。


【所感】
読み始めるとすぐに、
「あれ? これ読んだことがあるぞ」

それもそのはず、

本書は、『コミック昭和史』 や 『のんのんばあとオレ』 などから拾い集めたものをベースにして作ったものだそうです。

全6巻まるごと自叙伝なのでボリュームがあり読み応えがある。


水木サンの自伝が面白いのは、自身をすごく客観的に見ているところ。
たとえば軍隊でも、こうしたら殴られるだろうなというようなことを平気でやっている。
そしてそれを客観的に見てマンガにしているのだ。
相手がなぜ怒ってるのかもよく分かっているしちゃんとマンガに描けてるのに
マンガの中の水木サンは全く分かってない。
いつもマイペースなのだ。そこがおもしろい。


それにしても、
味方が全滅したときに士気が上がったといって喜んでいる国が戦争で勝てるわけがない。


巻末に他の漫画家の方が解説を書いているが、
その中の一人、矢口高雄さんの話がおもしろかった。
漫画家を夢見ながら銀行に勤めていた矢口氏はなんとか作品を描き上げて「ガロ」に応募したが、無念のボツ。
理由を聞くために上京すると、編集長の長井勝一さんに「絵が下手」と切り捨てられた。
そのときに水木サンを紹介されたので仕事場に行ってみると意外な言葉が。
「うまいよ。キミはホントにうまいよ」

「でも、長井さんには下手だと言われました」

「何を言ってるんだい、ボクは絵描きだよ。その絵描きがうまいと言ってるんだ。長井さんは絵描きじゃない。キミは、その長井さんとボクのどっちを信用するんだい」

このとき水木サンに出会わなければきっぱりとマンガを諦めていたかもしれないという。


矢口さんって誰だろうと思って調べてみたら「釣りキチ三平」の作者だった。
これにはビックリ。超有名な漫画家である。

水木サンって本当に色々な人に影響を与えててすごいなぁと改めて思った。


「釣りキチ三平」以外にも。「マタギ」「マタギ列伝(全5巻)」というマンガもあった。
マタギの文化には興味があるのでいつか読んでみたい。


5巻にその矢口さんがアシスタントとして入ってきている(笑)

「センセ ゼヒ アシスタントに・・・・・・」

初登場でいきなりヌッと出てきてなぜかカタコトの日本語(笑)


他にも豊川というアシスタントが入ってきて、才能はあるのに傍若無人という書かれ方をしてたのでどうなったのかなぁと気になってたら、どうやらあの後すぐにのたれ死んだようです。

ドブ川に死す - 男の魂に火をつけろ!



戦争中にいつもビンタしていた軍曹と戦後ばったり出会い、意気投合して南の島に旅行に行ったりしてなかなかおもしろい。
ビンタされた腹いせに靴をクソまみれにしたり、クソまみれのご飯を装ったり、そういうのも笑い話になるのかな。


6巻は空想の世界や精神的な話が多くてイマイチだった。


4巻では、戦後の混乱期に食べるために苦労してた時期が描かれている。
色々な運命のめぐり合わせが感じられておもしろい。

米屋、魚の配給業、美術学校に通いながらリンタク(三輪タクシー)事業など、
そして街頭募金の旅に出た。
神戸の水木通りにある旅館に辿りつき、そこを格安で買うことに。
部屋を貸すと紙芝居画家がやってきた。
それが縁で紙芝居を始める。なかなか売れずに質屋に通う毎日。
結局、アパートは手放すことに。
その後、西宮に引っ越すがなかなか売れず(このときに「墓場の鬼太郎」を描いている)、
貸本マンガ家になろうと東京に上京。昭和32年の頃である。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木サンのことをもっと知りたい人に。





■関連記事
水木しげるの本一覧


(130214 読了)
posted by macky at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・コミックス | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月08日

のんのんばあとオレ コミックス版

のんのんばあとオレ (講談社漫画文庫)

のんのんばあとオレ (講談社漫画文庫)
水木しげる/著 (講談社) 1997年


【概要】
水木サンの自伝をもとにした少年時代のマンガ。


【動機】
水木サンの著書を乱読中。

ちくま文庫の 『のんのんばあとオレ』 を以前読んだので。


【所感】
ちくま文庫の 『のんのんばあとオレ』 を以前読んだが、
異なるエピソードがたくさんあって楽しめる。

こちらの方がファンタジー色が強い。


【抜粋】
●「能ある鷹は爪を隠すという。それを見抜けなかった不明が恥ずかしい。今まで君に投げつけた罵詈雑言の数々どうか許してくれ」

「先生、恥じないでください。先生のお言葉は愛のムチでした。それがあったればこそ、いまのボクがあるのです」(p.56)

☆テストでいつも5点くらいしか取れなかった水木少年が、妖怪の力を借りて、ある日突然全教科満点に!
そのときに水木少年が言ったセリフがこれ。実に堂々としたものだ。


●「これ赤鬼、近頃、天井がカタゴトうるさいがあれは何じゃ?」「はいエンマ様、あれはチカテツという新種のネズミでございます」「なに、ネズミ? 化け猫に命じて捕らえさせる」「化け猫はエンマ様にひげを切られて魔力を失ってしまいました」「ううむ・・・・・・それなら夏目漱石を呼べ」「え、誰?」「なんだ知らんのか」「我輩は猫である」「ああそげな小説あったなあ」「教養にはちと欠けるがおまえはなかなかシャレがわかる。卵焼きをやろう」(p.106)

☆弁当を届けてくれた息子(水木少年)と話す父親のシーン。なんだかほのぼのとしてていいなぁ。


●「つまらんチンプなお化けばっかりでなんの参考にもならん」・・・(中略)・・・「15銭丸損じゃ」(p.132)

☆絵を描くための参考に。お化け屋敷に入る目的が明確にあって普通の小学生とは違うなぁ。


●「どうしても死ぬなら死んだってええ。けどまあ死なん方がええだろうな。肝心なことはこんなことで恋愛に消極的になったりしないことだ」「男にとって女は教師だよ。学校なんかじゃ教われないいろんなことを教えてくれる。学校なんかやめてもええが女に恋することをやめたらあかん」(p.324)

☆失恋して(告白すらしてないが)自殺しようとした長男に向かって父親が説得するシーン。かっこよすぎる(笑)


●「勉強で生きて行くんじゃなくて絵を描いて生きて行きたいんだが」「そげか。ほんならこれをやろう」「何?」「開けてみたらええ」「油絵の道具だ! どうしたの? こげな高い物」「大阪で前に買うておいたんだ。いずれ絵描きになると言いだすと思っちょったけん」「わかっちょったの?」「うむ、そこがわしの想像力豊かなところだ」「ありがとう。ほしかったんだ」「眠くなければ一晩でも二晩でも起きてたらええ。わしはのびのびと寝させてもらうけん」「おやすみなさい」(p.396-397)

☆かっこいい! このままドラマで使えそう(笑)



●しげーさんは、何がホンモノで何がニセモノか直観でわかるコドモなのだ。
 こういうコドモは、概して学校の成績はよくないものだ。コドモはたいがい、学校で教えてくれることより、もっとムズカシイ、高度な問題を考えているものだが、そうしていると学校の成績は上がらない。(p.405)

☆南伸坊さんの解説より。

私自身、学校の勉強ができるかできないかは頭のよさとあまり関係ないと思っているので、ここのところは興味深かった。何によって頭のよさは決まるのか。それは目的意識かもしれない。

とりあえず勉強しておけば何かの役に立つだろうっていうのと、明確な目標があってそれを実現するために勉強するというのは全く違うと感じた。

一方で、学校の勉強は基礎知識だから、知らないうちに役に立っているという面もある。つまり学校の勉強を否定するのではなく、学校の勉強を何に生かすか、いかに役立てるかということに意識すればもっと効果が上がるだろう。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木サンのことをもっと知りたい人に。





■関連記事
水木しげるの本一覧


(130118 読了)
posted by macky at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・コミックス | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする