2016年01月09日

ボクの一生はゲゲゲの楽園だ

『ボクの一生はゲゲゲの楽園だ』
水木しげる/著 (講談社) 2001年


【概要】
マンガ 水木しげる自叙伝(全6巻)
水木サンが79歳のときに描いた自叙伝。

(参考)
・神秘家水木しげる伝(角川) (動機:「ゲゲゲの女房」で挿入されてた絵は「水木しげる伝」(講談社漫画文庫)だがそれはライブラリに無い。そちらは「僕の一生はゲゲゲの楽園だ」の文庫化したもので全3巻。)
・僕の一生はゲゲゲの楽園だ


つまり、本書を文庫化したものが「水木しげる伝」(講談社漫画文庫)というわけである。




1巻 誕生から少年時代。

2巻 10歳〜20歳。就職、美術学校、戦争。

3巻 戦争。21〜24歳。

4巻 戦争。戦後の混乱期、紙芝居、貸本マンガなど。25〜39歳。

5巻 結婚。40代、50代。売れっ子漫画家として多忙な時期。

6巻 還暦後。南方など世界各地を旅する。60代、70代




【動機】
水木サンの本を乱読中。


【所感】
読み始めるとすぐに、
「あれ? これ読んだことがあるぞ」

それもそのはず、

本書は、『コミック昭和史』 や 『のんのんばあとオレ』 などから拾い集めたものをベースにして作ったものだそうです。

全6巻まるごと自叙伝なのでボリュームがあり読み応えがある。


水木サンの自伝が面白いのは、自身をすごく客観的に見ているところ。
たとえば軍隊でも、こうしたら殴られるだろうなというようなことを平気でやっている。
そしてそれを客観的に見てマンガにしているのだ。
相手がなぜ怒ってるのかもよく分かっているしちゃんとマンガに描けてるのに
マンガの中の水木サンは全く分かってない。
いつもマイペースなのだ。そこがおもしろい。


それにしても、
味方が全滅したときに士気が上がったといって喜んでいる国が戦争で勝てるわけがない。


巻末に他の漫画家の方が解説を書いているが、
その中の一人、矢口高雄さんの話がおもしろかった。
漫画家を夢見ながら銀行に勤めていた矢口氏はなんとか作品を描き上げて「ガロ」に応募したが、無念のボツ。
理由を聞くために上京すると、編集長の長井勝一さんに「絵が下手」と切り捨てられた。
そのときに水木サンを紹介されたので仕事場に行ってみると意外な言葉が。
「うまいよ。キミはホントにうまいよ」

「でも、長井さんには下手だと言われました」

「何を言ってるんだい、ボクは絵描きだよ。その絵描きがうまいと言ってるんだ。長井さんは絵描きじゃない。キミは、その長井さんとボクのどっちを信用するんだい」

このとき水木サンに出会わなければきっぱりとマンガを諦めていたかもしれないという。


矢口さんって誰だろうと思って調べてみたら「釣りキチ三平」の作者だった。
これにはビックリ。超有名な漫画家である。

水木サンって本当に色々な人に影響を与えててすごいなぁと改めて思った。


「釣りキチ三平」以外にも。「マタギ」「マタギ列伝(全5巻)」というマンガもあった。
マタギの文化には興味があるのでいつか読んでみたい。


5巻にその矢口さんがアシスタントとして入ってきている(笑)

「センセ ゼヒ アシスタントに・・・・・・」

初登場でいきなりヌッと出てきてなぜかカタコトの日本語(笑)


他にも豊川というアシスタントが入ってきて、才能はあるのに傍若無人という書かれ方をしてたのでどうなったのかなぁと気になってたら、どうやらあの後すぐにのたれ死んだようです。

ドブ川に死す - 男の魂に火をつけろ!



戦争中にいつもビンタしていた軍曹と戦後ばったり出会い、意気投合して南の島に旅行に行ったりしてなかなかおもしろい。
ビンタされた腹いせに靴をクソまみれにしたり、クソまみれのご飯を装ったり、そういうのも笑い話になるのかな。


6巻は空想の世界や精神的な話が多くてイマイチだった。


4巻では、戦後の混乱期に食べるために苦労してた時期が描かれている。
色々な運命のめぐり合わせが感じられておもしろい。

米屋、魚の配給業、美術学校に通いながらリンタク(三輪タクシー)事業など、
そして街頭募金の旅に出た。
神戸の水木通りにある旅館に辿りつき、そこを格安で買うことに。
部屋を貸すと紙芝居画家がやってきた。
それが縁で紙芝居を始める。なかなか売れずに質屋に通う毎日。
結局、アパートは手放すことに。
その後、西宮に引っ越すがなかなか売れず(このときに「墓場の鬼太郎」を描いている)、
貸本マンガ家になろうと東京に上京。昭和32年の頃である。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木サンのことをもっと知りたい人に。





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(130214 読了)
posted by macky at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・コミックス | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする