2016年02月09日

堤清二が義明に頭があがらない理由―西武王国の読み方

堤清二が義明に頭があがらない理由―西武王国の読み方 (カッパ・ビジネス)
上之郷利昭/著 (光文社) 1985年
650円+税


【動機】
京の花いちもんめ』 を読んで興味を持った。


一週間前の2/2に元プロ野球選手の清原容疑者が覚せい剤で捕まった。その原因の一つが元西武オーナー堤義明氏の寵愛だといわれている。

ちょうど西武について調べているときだったので驚いた。




【所感】
西武というグループの強さをあらためて知った。



【概要】
苗場、富良野。リゾート開発において「西武が出てくれば、町が栄える」という神話をつくった堤義明。西武百貨店の悲願、銀座進出を果たし、脱“流通”志向の事業拡大で、弟を脅かす堤清二。王道と覇道。「王国」を支える二人の異母兄弟が、なぜ、対峠しなければならないのか? 日本のレジャー産業を担う「西武王国」の未来がわかる一冊。(「BOOK」データベースより)







【抜粋】
●西武グループは清二が率いる「流通グループ」と弟・義明が率いる「鉄道グループ」から成り、この二グループが両輪となって一大コンツェルンを形成しているのである。 (中略)
昭和45年、父・康次郎の七回忌に、西武グループでは義明が鉄道・不動産・漢興の分野を担当し、清二は流通・製造部門を担当するという「分野調整」が行われた。さらに、ともに相手のテリトリーを侵食しないという紳士協定も結ばれたという。(p.14-15)

☆積極的に攻めて拡大し続けた兄・清二と、父から譲り受けた12兆円ともいわれる莫大な資産をもとに手堅く経営した弟・義明。実に対照的。



●義明は故・池田隼人元首相に可愛がられたが、その池田首相から生前、
「このままいったら、いずれ土地に規制をかけねばならないようなことになるだろう」
 という話を聞いている。
(中略)
「国土計画は父が箱根、軽井沢の不動産を手掛けてできた会社で、社員の9割までが不動産屋ですが、現在の売り上げ約二百億円のうち75%パーセントが観光事業で、不動産は25パーセントしかない。
 私は昭和44年、土地税制が改正になった前後から、いずれ不動産事業への雪崩込み減少が生じるから、早く撤退すべきだと宣言していた」
 父親から不動産を受け継ぎ、自分で買いあさる必要がないからこそ言える強みだろうが、堤義明は父親の時代の不動産から、それを元にした観光事業へと脱皮を図ったのである。(p.62-63)

☆義明が、バブルに踊らされずにむしろ不動産から撤収していたのは池田隼人の影響が大きい。

義明氏の手堅い経営は、西武ライオンズの森監督にも通じるかもしれない。
在任9年で8度のリーグ優勝、6度の日本一である。

監督就任は1986年からで、ルーキーの清原を4番で使い続けた。



ウィキペディアを見ると、

清原和博をルーキーイヤーの年から、周囲の批判に抗してスタメンで使い続けたのは森の強い意向による。コーチ陣や野球評論家の多くは清原を二軍でしばらく鍛えることを主張していた。しかし森は清原のスター性からして、華やかな実戦舞台で使い続けた方が伸びるというふうに判断した。開幕当初は不振だった清原であるが、次第に森の期待に答え始め、ついに新人王を獲得、プロ野球を代表する選手になっていく。清原は今なおこのときの森の起用を深く恩義に感じており、今でも森とは家族ぐるみでの付き合いが続いている。2005年の森の野球殿堂入りのときは祝賀式にかけつけ、一番に森に対し祝辞を述べている。

しかし当時打撃コーチだった土井正博は「今だから何でも言えるけれど、清原を二軍スタートさせようと言い張ったのは森さん自身。ところがオーナーのバックアップがあると知ったら、ガラリと態度を変えて、自分が我慢して使ったと言う。毀誉褒貶の激しい人だった」と語っている。また土井は4月下旬に清原の門限破りが発覚した時、ミーティングで最初に森が「ケジメだから下に落とさなければ」と発言した時、土井一人が反対最終的に当時コーチだった近藤昭仁が擁護してくれる事で残留できたと述べている 。



と書いてあった。

おもしろい。





【アクションプラン】
・森 祇晶 『監督の条件 決断の法則 (講談社プラスアルファ文庫)』 を読んでみたい。

・森 祇晶 『二勝一敗の人生哲学―最後に勝つための条件 (講談社プラスアルファ文庫)』 を読んでみたい。






【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
西武や清原に興味がある人に。



■関連記事
堤オーナーに溺愛されて 清原容疑者の“やりたい放題”伝説 - 日刊ゲンダイ
(2016年2月7日)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/174860


お堅い話 - 腰痛にきく腰博士・猫の手ブログ
http://blog.koshihakase.com/?eid=3434

野球は技術力には限界がある。その先は頭で考えるしかない。そこから先がプロの世界なんだよ。技術の先には頭脳と感性が必要なんだよ。でも清原は若いときに教育されていないから考えないし感じない。人間の最大の悪は鈍感であると言うが、まさにそのとおりだよ。覚醒剤は悪いと知りながら手を出すのは鈍感以前の問題、バカとしか言いようがない。バカと同時にやはり若いときの教育だね。


☆まったく同じことを考えてた。やっぱりすごいな、ノムさんは。

 
posted by macky at 21:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドキュメンタリー | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする