2018年06月13日

日の名残り

日の名残り
カズオイシグロ/著 (早川書房) 2001年 (単行本は1994年)
760円+税


【動機】
白熱教室でカズオイシグロ氏の講義を見て興味を持っていた。

そのカズオイシグロ氏がノーベル文学賞を受賞されたということで読んでみた。



【所感】
ノーベル文学賞というたいそうな肩書きがついてるからとっつきにくいものかと思いきや、

とても読みやすい文体だった。


イギリス人は皮肉屋だというが、なるほどほんとに皮肉屋だなぁ。

ミスター・スティーブンスとミス・ケントンの会話が皮肉たっぷりで楽しい。

日本ではこういう皮肉を立て続けに言う人はあまりいないが、もしいたら思わず笑ってしまうだろう。


著者のカズオ・イシグロさんは執事のことにやけに詳しいな。

なんでこんなに詳しいんだろう。

イギリスで実際に執事をやってたのかな?



執事の仕事ぶりが完璧であればあるほど、悲劇になっていくという構成がおもしろい。

ある意味、一番の皮肉だと思った。





【概要】
品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。(「BOOK」データベースより)


日の名残り (ハヤカワepi文庫)
カズオ イシグロ
早川書房
売り上げランキング: 832





【抜粋】
●悲劇を語りながら、ユーモアを忘れない。わたしはその余裕のある態度を望み見て、イシグロが川端康成にではなくディケンズに師事してゐることを喜んだ。(p.361 丸谷才一氏による「解説」より)

☆川端康成にではなくディケンズ・・・これはどういう比喩なんだろう。教養のある人だと、ピンとくるのだろうが。また時間のある時に調べてみよう。





【アクションプラン】
・映画もあるみたいなので観てみたい。

・なるべくあとから後悔しないような生き方をしよう。もし後悔するような生き方をしてしまったら、そのときは小説のネタにしよう。



【Amazonレビューより】
・5つ星のうち5.0 深い余韻につつまれる見事な傑作 2015年10月17日
カズオ・イシグロの3作目の長編である。素晴らしい作品だった。

英国の執事が主人公である。ソールズベリーの館。新しいアメリカ人の主人に仕える老いたスティーブンス。ミス・ケントンからの手紙。車で旅に出たスティーブンスは、長年仕えたかつての主人であるダーリントン卿の時代に想いをはせる。途中で立ち寄った地の人々との交流と過去の回想がクロスオーバーしながら、物語は淡々と進む。

登場人物たちの微妙な心の揺れをとらえた緻密な描写。2つの世界大戦と館での出来事。かつて執事であった父親。多くの使用人たち。出入りする人々。プロフェッショナリズム。ミス・ケイトンとのやりとり。作品を貫く品格。よく錬られた構成。美しい夕暮れ。

面白いとか、エキサイティングだとか、泣けるとか、そういうのではないかもしれない。しかし、読み終えて、静かだが、確かで、深い余韻に包まれた。1989年にブッカー賞を受賞したという。それだけのことはある。見事な傑作である。以前読んだ「わたしを離さないで」も、とても良い作品だった。この作家はいつかノーベル文学賞をとるだろう。(Edgeworth-Kuiper-Beltさん)

☆「わたしを離さないで」も読んでみよう。




【この本が愛読書の有名人】





【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:






▼以下、ネタバレあり
続きを読む
posted by macky at 23:57 | Comment(0) |  -海外小説 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする