『
会話もメールも 英語は3語で伝わります』
中山裕木子/著 (ダイヤモンド社) 2016年
1,500円+税
【動機】
世界一受けたい授業で紹介されていて興味を持った。
【所感】
受験英語は無駄だったと気づかされる本。
英語を10年以上勉強してきてしゃべれる人がほとんどいないのはなぜかがよくわかる本。
それはこの本の考え方が欠落していたからだ。
英語はコミュニケーション手段なのでできるだけシンプルに3語でわかりやすく話した方が伝わる、というのは目から鱗だった。
この本を基礎にして勉強し直したい。
ある程度英語力がある人がこの本を読んだら発想の転換をすることですぐにしゃべれるようになる。
英語力がない人でもこの本をもとに勉強すれば遠回りすることなしに最短距離でしゃべれるようになるだろう。ただし目的が試験に受かることならばこの本はあまり役に立たないだろう。あくまで実践で使える英語を目指す人に有用である。
【概要】
メディア掲載レビューほか
難しい英文も“3語"で表現すれば簡単に 21万部売れた英語本のシンプルな方法論
タイトルの「3語」とは、学校で英語を少しでも学んでいれば見覚えがあるだろう、「主語・動詞・目的語」(SVO)のこと。たとえば、「私は新製品の企画を行っています」という文章を「I am making a plan for new products.」と訳しても、文法的には間違いではない。だが本書がすすめるのは、「I plan new products.」と訳す発想だ。文法的な正しさ、内容の正確さは同じ。しかし、よりシンプルで伝わりやすい。英語を母語としない人が迷いがちな、冠詞や前置詞といった要素も文章から減らせている。極めて明快かつ実践的なロジック。こうした内容が、英語学習の初心者から、文法偏重の詰め込み教育で身につけた知識の一歩先を目指す人まで、幅広い層に支持され、ヒット作の多い英語学習書の中でも頭ひとつ抜けた売れ行きを見せている。
「著者はもともとTOEICで950点くらいのスコアをお持ちだったそうなのですが、就職してみると自分の英語がまったく仕事では通用せず、その後、特許翻訳という特殊な業務に携わるようになってさらに苦労されたそうなんですね。そうした中で、難しかった英文がSVOを使うと簡単になる経験をされた。本書の内容は、とてもきちんとしたバックボーンを持った人が、苦しみの中で編み出した方法論なんです」(担当編集者の中村明博さん)
タイトル詐欺のような本も多いジャンルだが、本書は別物と見て間違いない。
評者:前田 久
(週刊文春 2017.06.08号掲載)
内容紹介
★テレビ、雑誌で話題沸騰! 30万部突破の英語本
★日本テレビ系「世界一受けたい授業」に著者出演!
(2017年2月25日、7月8日)
★週刊文春「文春図書館 ベストセラー解剖」文法の優等生にこそお薦め
(2017年6月8日号)
★オリコンニュース「英語学習本『英語は3語で伝わります』異例の初TOP3入り」
(2017年7月20日)
「短い」英語が知的でスマート!
× My job is an English teacher.
○ I teach English.
「主語・動詞・目的語」の3語でOK!
これなら話せる! だから楽しい!
海外旅行、観光案内に効果抜群!
英文メールもスラスラ書けるようになる!
「3語」の組み立てパターンも徹底解説!
新しい文法、単語、構文の暗記はいりません。
これが、英語習得の最短ルートです!
★難解な英語から生まれた「3語の英語」
著者の中山氏は、「特許翻訳者×技術英語講師」
であり、特殊で難しい英語と日々格闘していました。
「文法的には正しい、でも伝わらない」。
そんな英語をたくさん見てきました。
英語漬けの日々を送る中、著者は1つの結論に達します。
内容が複雑であればあるほど、それに見合った
複雑な英文を組み立てるのではなく、
実はその逆であると。
どんな複雑な文であっても、
SVO(誰かが、何かを、する)で表現することが、
「最も伝わる英語」であると確信したのです。
本書は、そのテクニックをあますところなく、お伝えするものです。
★本書の構成
第1章:「日本人の英語」が伝わらない理由
「be動詞を使いすぎる」「イディオムにこだわる」etc
英語を組み立てるとき、
日本人が陥りがちな問題について説明します。
第2章:「3語の英語」は動詞が決め手
動詞の使い方をほんの少し変えるだけで、
一気に伝わる英語になります。
第3章:これでOK! 「3語の英語」の組み立てパターン
「4つの主語」と「基本動詞・応用動詞」をもとに、
3語の英語の組み立てパターンを徹底解説!
第4章:「3語の英語」に情報を足していく
微妙なニュアンスの調整、あるいは、より多くの情報を
伝えるための方法論を紹介します。時制、助動詞、副詞etc
第5章:実践! 「3語で伝える」ために、ここはバッサリ捨てましょう!
「学校英語」を捨て去り、「3語の英語」をマスターするための
実践トレーニングを行います。
★本書の4つの特徴
(1)新しい文法、単語、構文の暗記はいらない
「3語の英語」はとてもシンプル。意識するのは、複雑な構文を避けて、
あらゆる文を「誰が(または何が)、何を、する」に組み立てることです。
(2)「3語」の組み立てパターンがわかる
「3語の英語」の組み立て方を解説します。
「使える4つの主語」「基本動詞」「応用動詞」を紹介し、
英文を組み立てる練習の場を提供します。
実は、9割の英語は「5パターン」で伝えられます。
(3)日本人の「難しい英語」とさようなら
日本人が陥りがちな伝わりにくい英語表現を例示し、それらの使用をやめ、
気持ちよく「3語の英語」を使い続けることを目指します。
(4)ブレイク&スキルアップ
「3語の英語」を踏まえた「正しく明快に伝えるコツ」
「深い理解を目指すための英語にまつわるこぼれ話」を随所で取りあげます。
★「3語の英語」の例
※×は、日本人に多い「正しいが、伝わりにくい英語」の例です
× It is impossible for me to take this job. →文が長く、冗長
〇 I can't take this job.
× There is a problem. →他人事のような印象を与える
〇 We have a problem.
× I found his plan attractive. →構文が複雑で、文法的に誤りやすい
〇 I like his plan.
× He makes use of information on the Internet.→イディオムのせいで、文が長い
〇 He uses information on the Internet.
× English can be used by anyone. →受動態は語数が多く、弱い印象を与える
〇 Anyone can use English. (Amazonより)
中山 裕木子
ダイヤモンド社
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【抜粋】
●have to、had better との比較
You msut help her. /彼女を助けてあげなよ。
You have to help her. /彼女を助けないといけない。
You should help her. /彼女を助けてあげたら。
You had better help her. /彼女を助けてあげないと、困ったことになるよ。(p.148)
☆細かいニュアンスの違いがわかりやすい。
had better は命令的な印象も与えるので、目上の人に対しては使わないようにするとか
こういう実践的なことをもっと学校で教えたらいいのにと思った。
●「もし私があなただったら、会社を辞めると思う」
If I were you, I would leave the company.
*仮定法過去でif節にbe動詞を使う場合、過去形は主語に関係なく were となります。(p.150)
☆そんなルールあったかな、と思って「
総合英語Forest」をひもといてみた。
仮定法では、主語の人称や数に関係なく、be動詞には were を使うことができる。
[注意] 口語では、主語が1人称単数および3人称単数の場合、wasも使われる。(p.313)
確かにあった。もうすっかり忘れてた。
あと、なぜ助動詞を過去形にしたら丁寧で控えめな表現になるのかと思っていたら、仮定法とみなしているからだとか。
そういえば、そんなこと聞いたことがあったかも。
●関係代名詞の非限定「,(コンマ)which」は、「ちなみに」という情報を加えます。この表現には次の利点があり、便利に使えることがあります。
<利点1:理由を「ゆるく」あらわすのに便利>
<利点2:「ついで」の情報をゆっくり加えるのに便利>(p.180)
☆関係代名詞の which が会話ですごく使える!
【アクションプラン】
・126ページからの動詞一覧を完ぺきに覚えて使いこなそう。
【Amazonレビューより】
・5つ星のうち5.0 英語の本質を端的に説明し尽くした良著 2017年5月2日
この本は英語をこれから勉強する中学生から、留学を経験した私のような大人まで、誰が読んでも確実に効果が得られる本だと思います。
まず本書の中でも明記されている通り、アイディアそのものはネイティブが勉強する "Technical Writing" の技法から来ています。それを日本人にも分かりやすくまとめ直したのが本書だと理解するといいでしょう。どういうことかというと、"Technical Writing" は「誤解を生まない表現」「端的でスピーディーに理解される表現」を第一とする合理的な考え方として確立している書法だということです。
つまり、それを目的とする人・それを欲している人以外にはあまり効果がありません。例えば受験英語をやっている人や、ある種の雑誌や文学作品の英語を知りたい人です。そういう人はこの本ではなく別の本を読んだ方がいいでしょう。
しかしほとんどの日本人が必要とするのは「実際に伝わる英語表現」「素早く英語をアウトプットする方法」です。これを目的とする人・それを欲している人には強力なガイドブックになること間違いなしです。例えば、ビジネスで海外にメールを打つ必要のある人や、海外旅行で現地の人とスムーズにコミュニケーションしたい人などです。もちろん "Technical Writing" そのものである英語マニュアル制作や、英語でのレビュー書きにも役立ちます。
かくいう私もアメリカの大学留学を経て、現在もアメリカの企業や友人とメールを日常的にやりとりしています。しかしネイティブは驚くほど端的な表現で要件を伝えて来ます。それに驚きつつも、根がまじめな日本人である私はていねいな英文で返事を書きます。もちろん格好いい立派な文法を駆使して(笑)
しかし、誤解を生むことが多々あるんです。本当に。怒られたりするのではないですが、何度かメールをやりとりしている間に「あれ?これはちょっと違うニュアンスで伝わっていたんじゃないか?」なんて思うことなんてしょっちゅうです。受験英語なんてできても実戦ではとんと役に立ちませんよホントに。やりとりが面倒臭くなるだけ。
この本を読んですぐに英語の書き方を改良しました。すると明らかに以前よりスムーズに意思の疎通ができるようになりました。なにより英文を書くストレスが減りました。時間を見てメール仕事を後回しにせず、すぐに済ませてしまえるようになったのもストレス軽減に繋がっています。
さらにこれ以上を知りたければ、アメリカのアマゾンから英語で書かれた "Technical Writing" 関連の本を買えばいいので、今探しているところです。新たな意欲が湧いてきたところです。
低評価をしている人はこの本の本質を誤解しているようですが、これから買う人が不安に思う場合は本屋で一回読んでみるといいと思います。決して「全ての英語を3語で表現する方法」とか「全ての表現を3語にまとめた例文集」とか「胡散臭いブロークン英語推奨本」とかではないです。むしろその逆です。ごちゃごちゃと文法知識で頭でっかちになっている人の受験英語脳をリセットするような「方法論」が説かれた本です。例文も簡単ながらリアルで、日本語だと長くなるニュアンスをきっちり短文に収めた良い例文ばかりです。
本来はこういう考え方を基礎として英語を勉強するべきなんだろうな、と日本の英語教育の馬鹿らしさに改めて気付かされる本でもあります。(daftfunkさん)
【この本が愛読書の有名人】
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【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
英語は基本的なことはだいたいわかるのにいざ外国人を前にするとほとんどしゃべれないという人におすすめ。
【結論】
英語は3語で伝えよう。