2019年11月21日

作詞入門―阿久式ヒット・ソングの技法

作詞入門―阿久式ヒット・ソングの技法 (岩波現代文庫)

作詞入門―阿久式ヒット・ソングの技法
阿久悠/著 (岩波現代文庫) 2009年 (単行本は1972年)
900円+税

【概要】
1960年代後半から1980年代前半にかけて活躍し、ヒットメーカーとして君臨していた阿久悠(1937-2007)が30代半ばで書いた本。
5,000曲以上もの作詞を手がけ、シングルの総売上枚数は6,828万枚で作詞家歴代1位である。

【動機】
古本屋で見かけたので手に取った。


【所感】
「作詞法なんてものは、ほんとうのところ、教えるものでもなければ、教えられるものでもない」というとおり、
作詞入門というタイトルではあるが、こうすればできるというような作詞の方法論ではない。

「また逢う日まで」ばかりで、「津軽海峡・冬景色」の話とかが無いなぁと思っていたら
それもそのはずで、「津軽海峡・冬景色」(1976年)が世に出る前に書かれた本である。
他にも220〜221ページのリストを見ればずらりと有名な曲がこの本が書かれた後に作られている。
つまり、様々な有名な曲を生み出す前にこのような本(つまり、ヒット曲の生み出し方みたいな本)を書いているということに驚かされた。

ヒットにこだわって売れる詞が書けたのはもともと広告代理店でマーケティングを学んだからだとか。


【抜粋】
●あなたに必要な体力があるかどうかのテスト
21.一日五時間以上の睡眠を必要とする人はマイナス
(中略)
23.一日に五つの打ち合わせ、二つの立会い、三つの創作、実働18〜19時間をこなすスタミナのない人はマイナス。(p.6)

☆売れっ子になるとそれだけ忙しいということだろう。


●海の向こうでビートルズが生まれ、リバプール・サウンドが世界を席巻した。それまでは新しい歌といえば、ことばとメロディだけで考えていればよかった。そこに、サウンドというものがいきなりとびこんできたのである。(p.63)

☆ビートルズが入ってきたことの衝撃が書かれている。リバプールの片田舎で世界を驚かすようなサウンドが生まれるなら、世界一のマンモス都市東京でそれができないはずはないという発想がおもしろい。


●歌謡曲の詞には、常に新しいということが要求される。新しいということは、今までになかったということである。今までにあったかなかったかを知るためには、現在使われているさまざまな形、約束事を知っておかなければならない。そして、今までになかったということの真の意味を知らなければ、決して新しいものは生み出せない。
 今までになかったということは、未発見ということの他に、あってはいけないという理由も含まれているのだ。
 アマチュアが新しいと称するものは、たいてい後者であることを考えておいた方がよい。
 常識はつまらない。しかし、非常識はなおつまらない。超常識であるために、基本篇をおさらいしてみたいと思う。(p.145)

☆本屋で見かけたときに目に留まったのがここだ。歌謡曲だけじゃなくて色々なことに言えると思う。基本篇をおさらいって書いてあったのでじっくり読んでみたが、そんなにたいしたことは書かれてなかった。ごくごく当たり前のこと。うーん。


●乱読のすすめ
 だれもがいうことであるが、とにかく、本を読むことである。読む前に選択しないで、読んでから選択することをすすめる。
 日本人というのは、読みもしない前に、合うとか、合わないとか勝手によりわけるくせがある。そのくせ、読んだものは無条件に信じてしまうのだ。
 逆の読み方を身につけるのがいいと思う。いうなれば、ディスポーザーのような胃袋を持つことである。何でもこなしてしまわなければならない。
 活字を主食とする怪物にでもなったつもりで、食って食って食いまくることである。文学書よし、哲学書よし、時刻表から旅行案内、漫画、土地の契約書、何でもいいのである。いつか生きたことばになって、よみがえってくるはずである。(p.162-163)

☆とにかく、たくさん本を読む。このブログ的にはここの部分が一番おもしろいところかも。


●この見えない飢餓にボールをぶつけて、ああ、それそれといわせるのが歌なんですよ。(p.214「ボクの歌謡曲論」より)

☆社会が何を望んでいるかを意識する。ちなみに「ボクの歌謡曲論」は1997年に書かれたものである。




【アクションプラン】
・youtubeで色々と聴いてみた。
また逢う日まで /尾崎紀世彦
ピンポンパン体操
白いサンゴ礁 /ズー・ニー・ヴー
白い蝶のサンバ /森山加代子
銀座・おんな・涙 /美川憲一 ・・・ナシ
いつまでもいつまでも /ザ・サベージ (寺尾聰)
フリフリ /ザ・スパイダース (堺正章、井上順など)
モンキー・ダンス /ザ・スパイダース
ブラインド・バード /モップス (鈴木ヒロミツ)
朝まで待てない /モップス
港町シャンソン /ザ・キャラクターズ
恋はいま死んだ /森山加代子 ・・・ナシ
ざんげの値打ちもない /北原ミレイ
ひとりの悲しみ /ズー・ニー・ヴー ※「また逢う日まで」と全く同じメロディーだ(笑)
さよならをもう一度 /尾崎紀世彦
おふろのかぞえうた (詞:高田ひろお、曲:茅蔵人(佐瀬寿一))
おふろのかぞえうた (詞:阿久悠、曲:小林亜星)
パジャママンの歌
波止場町 /森進一
この愛に生きて /クールファイブ (前川清)
京都から博多まで /藤圭子
港町ブルース /森進一(なかにし礼作詞)
或る日突然 /トワ・エ・モワ(山上路夫作詞)
渡り鳥いつ帰る
涙 /井上順之


☆ほとんど知らない曲ばかりだった。


・『成吉思汗の秘密』 を読む。ベッドディクティブ。資料を集めてベッドの上で推理する。イメージトレーニング。






【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:



(121120 読了)
posted by macky at 23:38 | Comment(0) | 実用書・ハウツー本 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする