TOPビジネス書 >1テーマ5分でわかる世界のニュースの基礎知識

2011年04月20日

1テーマ5分でわかる世界のニュースの基礎知識

「1テーマ5分」でわかる世界のニュースの基礎知識

「1テーマ5分」でわかる世界のニュースの基礎知識
池上彰/著 (小学館) 2010年



【概要】
タイトルの通りの本である。
世界各国のニュースを1つのトピックにつき5分程度読めばだいたいわかるような構成。
テレビで解説していることなどとも重複しているので、復習としてさらりと読める。


【動機】
本屋で立ち読みしてて目に留まった。
こういう時事ネタはどうせ読むなら早めに読んだほうがいいだろうということで。
といっても1年遅れだけど(笑)


【所感】
池上さんはご本人もおっしゃってるようにTVに出るのはおまけで、文章を書くのが本業らしい。
でもそんなに文章がうまいとは思えない。
TVでの解説があまりにもうますぎるからかもしれないが、やっぱりそちらの方が天職に思える。


●フセイン政権時代、国際テロ組織アルカイダは一切イラクに入り込めませんでしたが、政権が崩壊し、治安組織が解体されたことで、難なくイラクに集結。イラク国内が混乱に陥るように、シーア派とスンニ派を挑発し、これが殺し合いに拍車をかけました。(p40)

☆アメリカはブッシュ政権時にイラクを攻撃、フセイン政権を崩壊させた。ここからイラクが泥沼化。イラクの治安組織を解体したことで宗教対立に火がつき、内戦状態に陥った。つまり、アメリカがフセインを倒したことでアルカイダがイラクに集まってきたという図式。ちなみにアルカイダ(創設者=オサマ・ビンラディン)の基地はイエメン。

イラク・フセイン政権時
イラン(シーア派) ⇔ イラク(スンニ派)、アメリカ

イラク・フセイン政権崩壊後
イラン(シーア派)、イラク(シーア派) ⇔ アメリカ


――なぜ、アメリカはフセイン政権を倒したのか?
イラクがクウェートに侵攻したから。

――なぜ、クウェートに侵攻したのか?
イラン・イラク戦争の債務支払いのため。石油資源をめぐって。

――なぜ、アメリカはもともとフセインをバックアップしていたのか?
イランと戦わせるため。

この構図って、ロシア(旧ソ連)と戦わせるために育てたアフガニスタンのタリバンと同じかも。
最終的にアメリカに牙を向くところも。


イラン・イラク戦争は、イラン対アメリカとも言えるわけで
そもそもホメイニ師のイスラム革命(1979年)で王政が崩壊し、イスラム原理主義の民主化、
つまり親米から反米に転じたことがきっかけとなってます。
それは現在も続いていると見るべきか。

そして今エジプトやチュニジアを中心に沸き起こっている民主化運動も
基本的には同じような気がするので、争いの火種がどんどん蒔かれているような、
そんなことを考えてしまいます。

数年後、アメリカがエジプトを攻撃してピラミッドを破壊していくところを想像するとそら恐ろしいですね。
これからの世界はますますイスラムか非イスラムかで分けられる世界になりそう。

以前は、資本主義VS共産主義
これからは、キリスト教VSイスラム教


●中国の軍隊の名称は「人民解放軍」。「中国軍」と名乗ればいいようなものですが、まだ「開放」しなければいけない「人民」が残ってるんですねぇ。どこだと思いますか? そうなんです、この「人民」とは、もちろん台湾の人民なんですねぇ。台湾を「開放」して初めて、毛沢東の「中国統一」の夢が叶うのです。(p82)

☆ちょっとテレビっぽくしてみました。


●空母は、攻撃型の艦船です。大量の戦闘機や爆撃機を時刻から遠く離れた海域へ運ぶことができるからです。自国防衛のためなら、戦闘機はいくらでも自国領土から飛び立てますから、空母は必要ありません。空母を保有するということは、「遠く離れた他国を攻撃する能力」を獲得したことを意味します。中国海軍がいったん空母を持てば、台湾攻撃の態勢が整います。(p88)

☆空母を持つということは他国を攻撃する意思があるということ。ちなにみに空母の正式名は航空母艦。年間維持費は1隻で1兆円くらいするらしい。旧日本軍では「飛龍」や「鳳翔」などが有名。


●ウイグル人はトルコ系の民族で、顔の彫りが深く、一見して漢民族とは異なることがわかります。多くがイスラム教徒で、モスクからアザーン(礼拝の呼びかけ)が流れ、羊肉を焼く臭いが流れる街角は、どう見ても中東そのものです。(p91)

☆新疆ウイグル自治区は「東トルキスタン」に当たる。この地区は石油や天然ガスが豊富なため、中国からの独立はなかなか認められない。ちなみに西トルキスタンは、カザフスタンやキルギス、タジキスタンなど。「トルキスタン」とは、「トルコ人の国」のこと。


●さすが中国人。ラマダンなど無関係に営業中でした。中は外国人観光客で大賑わい。「海外で食事に困ったら中華料理店に行けば、とりあえず食べられるものがある」とはよくいわれることですが、ラマダンにも当てはまりました。(p154)

☆ドバイもイスラム社会なので1ヶ月に渡ってラマダン(断食月)があるそうです。太陽が出ている間は一切の飲食ができない。ちなみにイスラム諸国では、ラマダンの1ヶ月に消費される食べ物は、他の月より多くなるというから驚きです。禁じられるほど欲求が増す?


●私も北京のホテルに滞在中、試しに「法輪功」で検索してみたところ、中国政府による「法輪功批判」のサイトにしか接続できませんでした。(p160)

☆中国はサイバーポリスが3万人もいて、24時間監視しているそうです。


田母神氏への痛烈な批判など、テレビでは言えないようなことも書いてある。
●歴史を学んでない好例が、一時マスコミの話題になった田母神論文である。「日中戦争は侵略戦争ではない」「我が国は日中戦争に引きずり込まれた被害者」との論文をアパグループ主催の懸賞に応募して更迭された田母神俊雄・前航空幕僚長は、その後の記者会見で「政府見解に意を唱えられない国は北朝鮮と同じ」と発言。航空自衛隊の最高幹部の確信犯的発言に、何をかいわんやと呆れます。(p273)

☆テレビでは影響力が大きすぎて、言いたいことが言えないからテレビから引退したのかもしれない。
というわけで、これから出版される本ではますます池上さんの主張も楽しめそうです。

日中戦争が侵略戦争かどうかはともかくとして、制服組が政府の見解に異を唱えることがケシカランと言ってるわけです。
戦前の日本軍の暴走の反省から、制服組は、(国民が選んだ)政府の見解に則って粛々と行動すること。これが、制服組が背広組に従うという文民統制(シビリアン・コントロール)であり、田母神氏の行動は太平洋戦争の教訓を蔑ろにする行為だと批判しているわけです。


【アクションプラン】
・映画「グアンタナモ、僕たちが見た真実」が観たい。

・映画「ブッシュ」が観たい。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人におすすめ:ここ数年の国際ニュースをさらっとおさらいしたい人に。
時事ネタなので読むと決めたならできるだけ早いほうがいいです。
そして、時事ネタなので何度も読むような本ではないです。


110420
posted by macky at 23:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック