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2013年10月05日

灘校・伝説の国語授業 本物の思考力が身につくスロ−リ−ディング



灘校・伝説の国語授業
橋本 武/著 (宝島社) 2011年
1,300円+税



【概要】
先日101歳で天寿を全うされた伝説の元灘校国語教師・橋本武先生が初めてその授業の詳細を公開した本。

橋本先生が行う「スローリーディング」とは、『銀の匙』 (中勘助/著)を3年かけて読むもの。

教え子には、現東大総長(濱田純一氏)・副総長、前最高裁事務総長(山崎敏充氏)、弁護士連合会事務総長、大手ホールディングス社長ほか日本のリーダーたちが多数存在している。


副題は、本物の思考力が身につくスローリーディング。




【動機】
橋本先生の国語授業に興味があるので。



【所感】
前回、 『〈銀の匙〉の国語授業』 を読んだときに期待していたものと違ったと書いたが、私がイメージしていたのはこういう本だったのかもしれない。そう思わせてくれる本だった。

この本に書かれているほとんどの内容について興味があることだったのでとても楽しく読めたけど、中には興味がわかない人もいるだろう。自分が興味を持ったことに寄り道するというのが本筋なので、そういう人は自分で興味が持てることに寄り道すればいいと思う。

実際の授業では、興味を持てない人にも興味を持てるような話し方をなされるのかもしれないが、それは本書では完全には再現できない。だからそういう意味では、授業を再現する本というよりは、知っておくと役に立つ雑学的な本になっている。

寄り道の仕方も書いてあって楽しめた。
たとえば、なんで干支をやってるんだろうと思ったら、文中で「丑紅の牛」が出てきたからだと分かったり、それだけでもワクワクしてしまう。なるほど、ここから寄り道したのか。こういうところも普通に読んでたらさっと流してしまうだろうな、とか。



自分の子どもの頃を思い出してみると、小学校3、4年のときの先生がこういう先生で、例えば「魚偏の漢字を集めましょう」とか言ってた気がする。そしてその時に集めた漢字をいまだにほとんど覚えているから、この本を読んで、あぁ、あの先生もいい先生だったんだなぁと今さらながら気付いた。



【抜粋】
●節句とは、季節の変わり目などに、飾り物をしたりお供え物をしたりして、お祝いする年中行事のことで、このなかでも特に有名なものを五節句といいます。それが人日(1月7日・七草の節句) 上巳(三月三日・桃の節句) 端午(5月5日・菖蒲の節句) 七夕(7月7日・星祭り) 重陽(9月9日・菊の節句)の5つですが、それぞれの節句に行われる風習をより詳しく調べていけば、多くの国語に関する知識を身につけることができます。(p.28-29)

☆これはほんの一例だが、こういう感じで寄り道していく。
こういう知識ってどれくらいの人が常識として身に付けてるんだろう?
人日(じんじつ)や上巳(じょうし)という言葉は私も初めて聞いたが、ほとんどの人が馴染みがないのでは。



●京の夢大阪の夢=夢物語をするとき、言いはじめにつける言葉。(p.197)

☆これも初めて聞いた。


調べてみると、

小学生向きの諺です。 京の夢大阪の夢(きょうのゆめおおさかのゆめ) 【意味】 夢...
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q149089584

ベストアンサーに選ばれた回答
katuo6_12さん

京の夢大坂の夢(きょうのゆめおおさかのゆめ)
夢の話をする前に唱える言葉。
夢の中では<立身出世>も<蓄財>も思うままである、というところから付けられた語。
昔話の「今は昔」に通じるもの。
江戸いろはガルタの「京」に書かれた言葉。
★「京の夢」は、公家になり官位を昇りつめる<立身出世の夢>。
「大坂の夢」は、豪商になり巨万の富を得る<蓄財の夢>。
いずれも、『盛者(じょうしゃ)』を目指そうとする希望。
盛者は権勢の盛んな人、栄えている人。
明治・・少年よ大志を抱け・・・
戦前・・末は博士か大臣か・・・
その時代の大志と夢です。・・・


なるほど、京の夢は「立身出世の夢」で、大阪の夢は「蓄財の夢」か。
それを知った上で寝る前に唱えて眠ると、楽しい夢が見られそうだ。



●健康法らしいものといえば、60年にわたって生酵母を愛飲していることでしょうか。
 お酒を造るための酵母をお湯で割ってジュースのようにして飲んでいるのですが、これでだいぶ体調が維持されているかと思っています。(p.204)

☆ご自身のいろはかるたでも、「な 生酵母愛飲つづけ六十年」と書いておられます(笑)
60年飲み続けるってすごいな。どんな味がするのだろう。




【アクションプラン】
・何か1冊決めて、「スローリーディング」してみる。やっぱり小説がいいのかも。ちょっと難しそうだなというレベルの小説。研究ノートを作ってわからない語句とかも徹底的に調べたり、寄り道して気になったことをどんどん調べていったり。

・その1冊以外はなるべく速読&多読で。(何でもかんでもスローリーディングしていては時間がいくらあっても足りない)



【評価】
評価:★★★★☆



【結論】
ずっと読んでいて気付いたことがある。
それは、「この時の主人公の心情はどういうものだったか」というのがほとんど無いことだ。
国語の授業、特に小説といえば、そればっかりだったような気がする。

posted by macky at 23:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 「銀の匙」関連 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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