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2012年07月06日

大人のケンカ術

『特上カバチ!!』公式副読本 大人のケンカ術──「ホーリツ的に正しい」逆襲の作法

大人のケンカ術
田島 隆/著 (講談社) 2010年


【概要】
『特上カバチ!!』公式副読本である。
著者は「カバチタレ」「特上カバチ!!」「極悪がんぼ」などの原作者で海事代理士・行政書士の田島隆氏。
副題は、「ホーリツ的に正しい逆襲の作法」


【動機】
今、「極悪がんぼ」を読んでいて、田島隆氏に興味を持ったので。


【所感】
前半は著書の自伝となっている。さまざまな苦労をしてきて、それが漫画にも生かされている。そして後半はさまざまなトラブルに対する法律的なアドバイス。普通の法律相談よりもちょっと裏側に入っている。


【抜粋】
●司法書士や行政書士の世界では、事務所に雇ってもらうには、まず都道府県ごとにある司法書士会や行政書士会に履歴書を送る。すると、補助者(資格を持たない専門アシスタント)を募集している先生が、その履歴書を見て「これは」と思った人間にオファーしてくる。つまり、一次試験が書類選考で、二次試験が先生との面接試験のようなシステムだった。そんな仕組みだとは露知らず、直接電話してしまったのだが、どの事務所でも、僕が中卒だとわかったとたんに断ってきた。(p.53)

☆中卒じゃなくても大卒でも断られるだろう。


●ゼロゼロ物件とは敷金・礼金なしですぐに入居できるが、家賃の支払いが滞るとすぐに鍵を取り換えられて締め出され、一定期間のうちに家賃を払いに行かなければ、荷物も処分されてしまうというもの。結婚式の写真や親の位牌まで捨てられ、泣いている人も少なくない。(p.79)

☆ゼロゼロ物件、最近増えているが、そこまでひどい状況だとは知らなかった。「礼金とか要らないよ!」ってなんだか借主に優しいようなイメージなので、「家賃滞納? そんなものある時払いでいいよ」ってイメージに結び付けてしまうんだろうな。


●自己破産すると、借金がチャラになる代わりに、持ち家を含む全財産を失う。
 庶民にとってはマイホームは一生に一度の買い物。「家を手放すなら離婚する」という奥さんの決意が透けて見えることもある。そんな場合は、個人再生手続きという制度を利用すれば家を失わなくて済む。(p.82)

☆借金の一部(借金が3000万円以下なら、100万円〜300万円)を払えば残りの借金は免除され、家も残るそうだ。
個人再生手続きは、過去7年以内に自己破産した人は利用できないので注意。


●個人再生手続きは、平成13(2001)年4月から始まった制度なので、知らない人も多いかもしれない。じつは国というものは、法律の新設や改変を官報に載せるだけだから、法ができたり変わったりしても一般には周知されにくいのだ。(p.84)

☆新しい法律や、法改正には疎いからこれからもっとアンテナを広げたい。


●初めて法律関係の本を読んだのは中学二年生のときだ。たしか、「未成年者の法律」というようなタイトルのハウツー本で、・・・(中略)・・・「未成年者は親の許可なしで仕事をやれるのか」「未成年者は、親が『同居しろ』と言っているのに親と離れて住めるか」などといった内容は、まさに僕が意図していたものだったので、ぼろぼろになるまで何度もくり返し読んだ。(p.90-91)

☆私が法律関係の本を初めて読んだのは、やはり中学生くらいで、民法のマンガだったように記憶している。未成年でも結婚すれば成年とみなされるのかぁとか興味深く読んだ。


●差し押さえ通知を送る銀行の数が多ければ多いほど、効率は悪くなる。たとえば債権額が10万円で、差し押さえ通知を10ヶ所の銀行に送るとしたら、「債権額÷銀行数」で、一銀行一万円ずつに債権を分けなければならない。この場合、仮に相手の預金が100万円ある口座でも
、そこからは一万円しか取れないことになる。・・・(中略)・・・結局のところは、素直に「ごめんなさい」と言う人間ほど毟り取られることになる。法律は無力ゆえ、取りやすいところから取ろうとするのだ。(p.95-96)

☆差し押さえってそんなに大変だったのか。取りやすいところから取るというのはどこでもそうなんだろうな。「お人よしほど損をする」のが法律の正体。これも知らないと損をする。


●この整理屋と結託しているのが、漫画にも登場させた「整理屋提携弁護士」だ。老齢の弁護士さんや「ヤメ検」(検事を辞めた人)が多くいるといわれている。(p.133)

☆弁護士が整理屋と裏で繋がっているとは恐ろしい。借金に苦しんで藁をもすがる思いで弁護士に相談したらさらにむしり取られるのか。よくポストの中に「借金を払いすぎてませんか?」って弁護士のちらしが入ってるがあれは信頼してもいいのだろうか? 裏で結託しているかどうかまでは見抜けない。さらに最近では、返還された過払い金額を弁護士が教えてくれないというトラブルも多いらしい。


●内容証明は、報酬1万円に実費というのが、当時の僕の事務所の相場だった。弁護士だと報酬だけで5万円、どんなに安くても3万円はかかる。A子さんが尻込みしている様子なので、「報酬と実費で7500円ちょうどでいいや」と考え、そう言うと、「ああ、それで済むならお願いします」と言ってくれた。(p.149-150)

☆強制わいせつ罪に対する慰謝料請求。とりあえず内容証明だけなら1万円くらいで済む。


●こうした骨肉の争いを回避するには、遺言を残すことだ。それなりに財産があって相続人がいるなら、元気なうちに遺言書をつくり、相続人たちに公表しておくべきである。・・・(中略)・・・前もって遺言の内容を知らされていれば、たとえ自分の取り分が少なくても、「しようがないな。まあいいか」と、それなりに受け止められても、切羽詰ってから「おまえの取り分は少ないが我慢しろ」と言われれば、むしょうに腹が立ってくる。(p.169-170)

☆相続人にも心の準備が必要ということか。前もって知らされることで本当に相続トラブルが減るのかどうかがポイント。


●裁判というと、何ヶ月も何年もかかる泥沼の争いというイメージがあるが、簡易裁判所では60万円以下の金銭をめぐる争いについてのみ、一日で判決を出してくれる。これを「少額訴訟」という。(p.212)

☆貸す金額が60万円を超えるときは借用書を公正証書にしておけとよく言われるが、これは60万円を超えると少額訴訟ができないからである。


●いまの僕は、『特上カバチ!!』の連載を抱えながら、海事代理士と行政書士として活動するほかに、法科大学院に入学して「学問」としての法律を学んでいる。(p.215)

☆アウトプットとインプットの流れがスムーズ。すごいなぁ。体力があるなぁ。


【アクションプラン】
・身近な法律Q&Aなどの本を一通り読んでみたい。 →完了



【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
「カバチタレ」「特上カバチ!!」「極悪がんぼ」の読者におすすめ。


(120706 読了)
posted by macky at 23:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 法律 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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