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2012年07月11日

憎まれ役

憎まれ役 (文春文庫)

憎まれ役
野中広務、野村克也/著 (文春文庫) 2009年 (単行本は2007年)


【概要】
境遇が似ているお二人である。
お互いに京都の田舎に育ち、苦労を重ねて這い上がり頂点近くに登りつめた。仕事が趣味で、小泉純一郎と長嶋茂雄という天才肌の強烈なライバルにも恵まれ(?)、情報力や分析力を武器に戦うところもイメージが重なる。


【動機】
野中さんもノムさんも興味があるのでそのお二人の対談ということで興味を持った。


【所感】
対談かと思っていたら少し違うので最初はあれ?と思った。
野球と政治が似ているというのも面白い視点だ。
野中さんが大の野球好き(しかも阪神ファン)というところもすんなりと入り込める要因となっている。
そんなところからこの対談は実現したようだ。
年齢は野中さんの方が10歳上だがお互いに尊敬しあっていて読んでいて気持ちがいい。

野中さんは情報力や分析力で他を圧倒していたが、政治家を引退した後でも選挙に関する分析など全く衰えていない。



【抜粋】
●93年〜2001年の9年間に巨人に移籍した主力打者は――。
94年、落合博満(中日四番打者)
95年、広澤克実(ヤクルト四番打者)。同年、ハウエル(ヤクルト五番打者)
97年、清原和博(西武四番打者)。同年、石井浩郎(近鉄四番打者)
00年、江藤智(広島四番打者)
01年、吉永幸一郎(ダイエーDH)(p.48)

☆そうだ、このあたりからプロ野球が面白くなくなってきたんだよな。四番打者が次々と巨人に移籍していって。


●当時の巨人は、チーム打率、防御率ともにリーグの最低に近かった。そんなチームを川上さんは、常勝軍団に仕上げたのです。
川上さんは、『ドジャースの戦法』(ロサンゼルス・ドジャースの元GMアル・カンパルス著)という書物を教科書にしたそうです。(p.60)

☆何を教科書にするか。チーム打率はリーグ最低でよく似ていたが成績は常に上位というドジャースをお手本とした。そのドジャースの戦法とは、少ない得点をチームプレイで守り抜くという、守備力を重視した戦法であった。


●危機管理に優れた人物が勝負に強いのは、古今東西の歴史が証明しています。(p.62)

☆V9の偉業を成し遂げた川上監督の「負けない野球」。うぬぼれや油断などの人間の弱さ、ちょっとしたミスが敗戦に繋がる勝負の怖さを誰よりも知っていた。


●格差社会というと、貧富の差がある社会と誤解する人がいるようです。資本主義の世の中ですから、努力をした人が認められ、金銭的に恵まれることは悪いことではありません。そうではなく、格差社会とは、いったん貧しい家庭に生まれたら、二度と這い上がれない社会を意味します。(p.76)

☆そういう意味では、平等社会とも違う。だんだんと格差社会になりつつある。貧富の差があること自体は悪いことではないという意見には賛成だ。そこに共通しているのは頑張れば報われる社会である。格差社会じゃなければ希望はある。


●父は、日中戦争(1937〜45)が始まると召集され、しばらくして現地で戦病死してしまいました。同じ町に住んでいる父の戦友の話では、宣城で不衛生な食べ物によって赤痢にかかったそうです。それは、昭和13年(1938)、私が三歳のときでした。(p.81)

☆ノムさんは貧しい家で苦労したというのは知っていたがその詳しい身の上話は初めて知ったのだが壮絶だ。


●第一次安倍政権の公明党への配慮のなさは、参議院選挙の惨敗を招きました。(p.121)

☆野中さんは自民党が公明党と組んだことにより「負けない」政治という大戦略を作り上げたと分析している。勝負は準備の段階で決まっている。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
野中さんやノムさんに興味がある人なら楽しめる。

 
posted by macky at 22:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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