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2014年04月23日

マンガ 行動経済学入門

マンガ 行動経済学入門
友野 典男 明治大学友野(行動経済学)ゼミナール生
PHP研究所
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マンガ 行動経済学入門
友野典男、明治大学友野(行動経済学)ゼミナール生/著 (PHP研究所) 2011年
1,200円+税



【概要】
彼氏にふられて衝動買いに走る、今時の女子大生、感咲ココロ。歩道橋で足を踏み外した時、出会ったのは経営コンサルタントを営む世速アタルだった。アタルの会社にアルバイトとして採用されたココロは、事務所のプリンターを買いに出かけて高額のプリンターを買ってしまう…。(「BOOK」データベースより)

ゼミ生が分担して文章を書いている。



【動機】
行動経済学に興味があるのでその一冊目として手に取った。



【所感】
マンガ、そして詳しい解説という形式で読みやすい。
マンガの主人公が行動経済学を通して成長していくので共感できる。



【抜粋】
●本書では、ヒューリスティック、囚人のジレンマ、プロスペクト理論、保有効果など行動経済学の要となるものに絞り、詳しく解説しています。(p.13)

☆普通の経済学ではすべての人が合理的な行動を取るが、実際の社会では心理的要因の影響を受けて非合理的な行動を取ってしまうことが多い。それを研究するのが行動経済学だ。



●人の好みや選択って時間の経過とともに逆転しがちなんだ。(p.30)

☆これがついつい先延ばしにしてしまうメカニズム。いつもギリギリにならないと動かないのは、効率的にやって後の苦労を減らすことより目先の楽しさや満足感を過大評価してそっちに飛びついてしまったから。同時に、コツコツ進めれば得られるプラスの面を実際よりも過小評価してしまう。つまり、遠近法と同じで、人のこころは、近い満足は大きく、遠い満足は本当は大きくても小さく見えてしまう。だから人は目先の満足に飛びつきがちだという。




●行動経済学でいう「非合理性」とはランダムな行動傾向のことではなく、合理性という枠からはずれるという意味ですが、一定の傾向があり、予測可能な行動のことなのです。(p.43)

☆非合理性とはランダムではなくて、予測可能。行動経済学を学べば株にも役立ちそう。



●ここで次の問題に5秒で答えてください。
「ノートと鉛筆を買ったら合計110円で、ノートは鉛筆よりも100円高い値段でした。さて、鉛筆の値段はいくらだったでしょうか?」(p.45)

☆直感で答えると間違えやすい。これは人間の脳はシステム2(分析力)よりもシステム1(直感力)が大きく支配しているからだ。そして普通の経済学では、経済人は超高性能のシステム2のみを持っているという前提で書かれている。



●極端回避性は、マーケティングにもよく使われます。「松・竹・梅」「特上・上・並」の中で、竹や上を選ぶという心理に心当たりはないでしょうか。(p.57)

☆だいたい人は真ん中を選ぶようだ。



●もう払っちゃって取り戻すことができないお金とか時間とかを「サンクコスト」っていうんだよ。(p.147)

☆もう返ってこないんだから諦めたほうがいい時もある。




●「あと10分しか残ってないのか……」と悲観的になる時もあれば、「まだ10分も残っている!!」と楽観的に感じる時もあります。(中略) そうした判断や選択を決定づける心理的な「フレーム」の表現が違うことによって別の判断や選択が導かれることを、「フレーミング効果」と呼びます。(p.154)

☆フレーミング効果。誘導尋問とか。アンケートや統計のウソなど。



●フレーミングすることによって個人・社会全体の行動や思考が戦略的に誘導され、大きな政治的・経済的影響を及ぼす危険性もあるため、私たちは常にフレーミング効果を意識して、主体的に情報を把握していく必要があります。それにはフレーミングされた情報を、同一の意味を持つ別の情報へと意識的に変換して捉え直すことが有効な手段になるでしょう。(p.159-160)

☆何を映すか(何をフレーミングするか)によって印象は変わる。「逆に言えば」ってよく言うけど、逆に言うことによって見方ががらりと変わる。



●「サンクコスト」(あるいは埋没費用)とは簡単に言うと、過去に支払ってしまって、もう取り戻すことのできない費用(お金や時間など)のことです。(p.164)

☆もう払っちゃったから、行かないともったいないよね、というのがサンクコスト。



●では、どちらを選択するのが合理的でしょうか。それは、(つまらない)ライブ会場を出て(途中で抜け出して)2時間を他のことに有効に使うことです。しかし、大半の人はチケット代の5,000円をもったいないと感じて、ライブを見続けてしまうのではないでしょうか。(p.165)

☆株の損切りなどもそうだな。サンクコストを諦めればたいていの場合は得になる。



●ここで、質問です。6年間でもらえる賃金は同じですが、「はじめは低く徐々に賃金が上がる」パターンと、「はじめは高く徐々に賃金が下がる」パターンではどちらを選びますか?(p.188)

☆これはすごい話だ。人は給料が下がっていくのが嫌だという心理的な理由により、必ずしも合理的な方を選択するわけではない。
はじめにもらった高い賃金を何かに投資すれば利益を生む可能性があるし、仮に途中で退職することになってもそれまでに高い賃金が得られるのに。
損失回避性により、徐々に賃金が下がることは損失と考えてしまうようだ。



●目先の小さな利益に目を奪われて、後で得られるはずの大きな利益を失ってしまうのです。(p.190)

☆また出てきた先延ばしのメカニズム。
人の意思決定や満足感などは時間の影響を少なからず受けている。
ならば、時間の影響を少なくすればいい。つまり今すぐにやればいい。





【アクションプラン】
・同じ著者の 『行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)』 も読んでみたい。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
行動経済学に興味を持ったら。
経済学に興味がある方だけじゃなく、
今までの経済学が退屈だなと感じていた方にも。

posted by macky at 19:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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