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2014年05月09日

だから、あなたも生きぬいて

だから、あなたも生きぬいて
大平 光代
講談社
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だから、あなたも生きぬいて
大平光代/著 (講談社) 2000年
1,400円+税



【概要】
著者は、中学2年のとき、いじめを苦にして自殺を図る。その後、坂道を転げ落ちるように、非行に走る。16歳で、「極道の妻」になり、6年間、その世界に生きる。現在の養父・浩三郎さんに出会って、立ち直り、「猛勉強」の末に、29歳で「司法試験」に合格する。現在、少年犯罪を担当する弁護士となって、4年たつ。涙もいっぱいでるけど、元気もたくさんでる本です。(「BOOK」データベースより)

人生のどん底から生まれ変わり弁護士になった大平光代氏の自伝。


文庫化もされているようだ。
だから、あなたも生きぬいて (講談社文庫)




【動機】
与沢翼さんが人生を変えた本として紹介されていた本。


【所感】
描写がとても具体的なことに驚いた。

子供の頃とかも、細かいことまでよく覚えているなぁ。

おっちゃんこと大平浩三郎さんがいい味。
まさにおっちゃんのおかげで著者は立ち直れたのだ。


それにしても、軽い気持ちでいじめた相手がこんなに壮絶な人生を送っているとは思わないだろうな。
著者の場合、自分からつらい方向へと突っ走ってた気もするが。

「え? なんで?」ということもたくさんあった。




【抜粋】
●駅前のゲームセンター。当時、流行っていた“コール・ミー”や“卑弥呼”という曲が大音響で鳴り響いていた。奥のほうで、家出少女や無職の少年がたむろしている。私は、ゲームセンターの入り口にあるインベーダーゲームの台に座り、ポケットから小銭入れを出して百円玉を取り出した。(p.82)

☆どんな曲だろうと思ってちょっと調べてみたけどわからず。
聴けばわかる有名な曲なのだろうか?



●「うち、これから“かんかん”(少年鑑別所のこと)に行くけど、たぶん“ほごかん”(保護観察)で帰れると思うねん。出たら一緒に遊ぼ」「ええよ、どこで会う?」(p.94)

☆留置所でたまたま出会った人と仲良くなるシーン。
ウラのつながり。こうやって簡単に仲間が増えていく。

著者は最終的に弁護士になってるから、
不良から弁護士になる人のバイブルになるかも、この本。

そしてこうやって裏のことがわかっている弁護士は
不良少年少女の心情もよくわかり大きな武器となりそうだ。



●「お姉さんは、いつ頃から美容師になろうと思ってたん」

「中学生のときかな」

「なんで美容師になろうと思ったん」

「人をきれいにするの好きやったし、それに手に職をつけておくほうがいいと思ったから」

私は、生き生きと話すお姉さんに惹かれた。そして、

<手に職かぁ、美容師もええなぁ〜。そうや美容師になろ>

私は、美容師になってやり直そうと思い、美容学校受験の準備をした。(p.98)


☆中学生で手に職かぁ。えらいなぁ。

著者は美容師の勉強をして無事合格。
さっそく担任の教師に報告したが冷たくされ、すっかりやる気を失ってしまう。

あぁ、子どもってこうだよなぁと思いながら読んだ。

親や先生が全てだから、親や先生の影響がとても大きく、
いい先生に当たるか悪い先生に当たるかでその後の人生が大きく変わってしまう。

そして「あの時先生の態度が…」と人のせいにしてしまい悪循環に。




●反発しながらも、いつも、真剣な顔をして、「今からでも遅くない、やり直しなさい」と言う大平さんに、
<おっちゃんに会いたい。会って話をしたい>
という気持ちが次第に強くなっていった。(p.131-132)

☆親身に話を聞いて真剣に説得してくれるおっちゃんに次第に心を開いていく。



●「今さら立ち直れったって、なにを寝言言うてんねん。口先だけで説教するのはやめてくれ。そんなに立ち直れって言うんやったら、私を中学生の頃に戻してくれ」
と言ってしまった。
それを聞いた大平さんは、このとき、初めて大声をあげた。

「確かに、あんたが道を踏み外したのは、あんただけのせいやないと思う。親も周囲も悪かったやろう。でもな、いつまでも立ち直ろうとしないのは、あんたのせいやで、甘えるな!」

と、ほかのお客さんが、カップを落としそうになるぐらいの大きな声と迫力で……。

<おっちゃん……いつも穏和なおっちゃんが、あんな大きな声で……>(p.132)


☆今まで人のせいばかりにしていたけど、結局は自分が選んだ道だということにこのとき気付いたようだ。この瞬間、著者は生まれ変わったのだ。たぶん薄々はわかってたんだろうけど、人のせいにすることによって逃げ道を作っていたのだろう。自分は不幸に甘んじてもいいんだと。でもそれではいつまでも立ち直れない。

おっちゃんは、親や周囲が悪かったことを認めてくれて、さらにそれでも自分で道を開かないといけないと教えてくれた。



●「だったら、復讐をしたらええやんか、でもその方法を誤ったらあかん。もし相手に危害を加えたり、陥れたりする方法で復讐したら、傷つけてしまった相手は二度と元に戻れへんし、自分自身にも跳ね返ってくる。それよりも、最大の復讐は、自分が立ち直ることや。そして、なにか資格を身につけなさい。たとえば、もし憎い相手が簿記の三級の資格を持っているなら自分は二級を取りなさい。相手が二級なら自分は一級。そうすると相手を追い越したことになって気持ちもすっとするやろうし、自分のためにもなる。これも立派な復讐とちがうか」(p.141)

☆最大の復讐は、自分が立ち直ることっていうおっちゃんの言葉が身に沁みる。いいこと言うなぁ。



●「テレビで放映されることで、今にでも自殺しようと思っている子どもたちが思いとどまってくれたり、不幸にして道を踏み外してしまっている子どもたちが、自分もやる気になったらできるんやと思って頑張ってくれたら、それでええのんとちがう……」
「…………」
「みっちゃんが、こうやって弁護士になれたんも、大平さんや応援してくれる人がおってくれたからやろ。おかあちゃんは大丈夫や。明日にでもテレビの人によい返事をし………」(p.243)

☆世間体ばかりを気にしていた母親がこんなことを言うとは、意外だった。
今まで辛い思いをしてきたからこそ、その経験が人の役に立てるのならと思えるのかもしれない。

だから、あなたも生きぬいて、と。




【アクションプラン】
・武器を使いこなす。足りないなら身に付ければいい。

・ボイスレコーダーを勉強に使ってみる。



【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
人生どん底だと感じていてこれからやり直したい人に。「今こそ出発点」

復讐したいと思ったときに。復讐したい人がいるときに。

思春期の子供を持った親に。




【結論】
頑張っても報われないのは社会や環境が悪いのではなく、
持ってる武器を自分が最大限に生かそうとしてないから。

武器を身に付け、それを使いこなせば、なんでもできる。

posted by macky at 21:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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