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2014年08月27日

第二集 きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記



第二集 きけ わだつみのこえ
日本戦没学生記念会/著 (岩波文庫) 1988年


【概要】
在学中の学生が学業中断を強制され戦場に動員されたのは1943年12月、戦局が破滅的様相を色濃くし始めた時期であった。彼ら学徒兵が死と直面しつつ思索をかさねて遺した手記は、だれも消し去ることの出来ぬかけがえのない記録である。(「BOOK」データベースより)


【動機】
きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記』 を読んだので。


【所感】
こちらは階級が上の人の分も載っている。




【抜粋】
●いろいろと持ってきた本も、荷物になるので、つぎつぎと捨てて、今はただ漱石の「草枕」だけ持っている。このごろ少し暇があるので何度も読み返している。兄の手元には本らしいものはこれ一冊だ。「草枕」のかもし出す香りは、およそ南国の香りとかけ離れたものだが、なぜか何度読んでも飽きない。(p.319)

☆死ぬ直前に「草枕」。弟への手紙より。


●「ドイツ戦没学生の手紙」に感銘の深かったあまり、日本の学徒がいかに戦っているかをぜひとも知ろうと思い、河野通次の、「学生兵の手記」というのが三省堂から出ていたので、これなど代表的なものであろうと思って買ってきた。二、三ページ読むと、もはや耐えられなかった。虚飾と傲慢が、ひどい悪臭を放っており、戦場において当然打ちくだかれてくるべきものを、かえって歪曲したまま昂じさせて、しかも、得々としてこれを発表する厚顔、彼が無意識裡に誇っているインテリ兵とはいったい何だ。そんな意識が潜在しているというそのことが醜悪千万なことなのである。(p.337)

☆「ドイツ戦没学生の手紙」を読んでみたい。


●まだまだ患者は続出しそうである。戦友のために身を粉にして奉仕すべき防疫戦の陣頭に立たねばならぬ。
 そういういそがしさの中に、一昨日、昨日と読んだ塚本(虎二)氏の「聖書知識」やヒルティの「眠られぬ夜のために」のわき出て尽きざる滋味を懐かしむことができる。今や、愛惜措くあたわざる座右の書々を、戦陣に携えて枕とすることの許されるようになった身の幸やいかに!(p.343)

☆このわずか数日後に感染して亡くなっている。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
死生観について考えたい人に。
posted by macky at 23:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 体験記・手記 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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