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2014年09月14日

飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ



飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ
井村和清/著 (祥伝社) 2005年



【概要】
「死にたくない。生まれてくる子の顔を見たい…」不治の病に冒された青年医師が、最後まで生きる勇気と優しさを失わず、わが子と妻、両親たちに向けて綴った感動の遺稿集。(「BOOK」データベースより)


【動機】
田坂広志 『なぜ、働くのか』 で紹介されていたので。


【所感】
限りある命の大切さ。




【抜粋】
●数日後、母は難聴に陥ってゆきました。
「もうカナマイシンはやめて下さい。完全に耳が聴こえなくなってしまいます」
 何度も頼んでいる母の姿が思い出されます。看護婦さんが筋肉注射を射ちにやってきます。
「それ、カナマイシンでしょう。お願いですから射たないで下さい」
「カナマイシンじゃないですよ、ビタミン剤だから、心配しなくていいですよ」
 と言いながら、射っていたのはやはりカナマイシンでした。(p.64)

☆ここ、怖いな。
その薬を使うと悪くなることが分かっていて医者に訴えているのにハハハと笑ってすまされる。



●大切なことがあります。それは、私の恩師のひとりで、リハビリテイション専門医、博多節夫先生から教わった事なのですが、いえ、簡単なことなのです。それは、
「決して後ろを振り返らないこと」
 ということなのです。(p.105)

☆手足や目や耳を失った人が以前はよかったと思っているとリハビリが全く進まないらしい。リハビリは失った手足が生えてくるのを待つことではなく、障害を受け入れ、それを他の健全な部分で補っていくことだという。



●現在の医療制度の一番悪い点なのですが、病院の収益は、どのような患者さんをいかに早くより良く治したか、に対して与えられるものではなく、何人の患者さんに対しどれだけ多くのクスリや検査が投与され行われたか、によって与えられるようになっています。(p.125)

☆たしかに、早く治してしまうと儲からないっておかしなシステムだなぁ。



●こんな幸せな病人はいるでしょうか、身にあまる思いやり。(p.141)

☆読んでいるうちに、こんなに幸せな病人はいない、うらやましいと感じるが、生きているだけでそれよりも幸せなのだと気付く。



●無理なことばかり頼んで、すまない。31、まだ死ねない。あと5年。這ってでも生きたい。
 しかし、肺の肉腫は日一日と増大している。(p.180)

☆平々凡々と暮らしていたら5年とかあっという間だが、近いうちに死ぬとわかっていたら、生きている間になんとかしたいと思う。そういう気持ちとまだ若いのにという無念が伝わってくる。著者は5年どころかこのわずか1週間後に亡くなった。



●あたりまえ
こんなすばらしいことを、みんなはなぜよろこばないのでしょう
あたりまえであることを(p.185)

☆あたりまえのことがあたりまえにできなくなってはじめて
そのありがたさに気付く。
それを最後の最後に教えようとしてくれているのだ。



●彼はしばらくためらったあとで、一通の手紙を黙って差し出しました。主人からの手紙です。(p.217)

☆全て知っていたのだ。知らないかのようにふるまう。つらいだろうなぁ。



●私は、徳洲会病院の院長先生へ手紙を書きました。主人が再発したこと、ぜひともお力になっていただきたいこと、そして、このことは夫には内緒にしてほしい――という趣旨の手紙です。けれどもいざポストの前に立ちますと、主人には主人なりの考えがあってのこと、主人の思いやりを大事にしよう、そして私に隠していることが、いつか笑い話で終わりますように、……そう思い、その手紙はとうとう出さずじまいに終わりました。(p.218)

☆意地と意地のぶつかり合いというのはよくあるが、これは思いやりと思いやりのぶつかり合い。



●事務長から、井村先生の悪性腫瘍が肺に転移し、それも一ヵ所でなく両肺の数ヵ所にも及んでいることを本人から告白された、との報告を受けたのは、その直後のことであった。(p.228)

☆みんな知っていたのだ。それで徳洲会の理事長徳田虎雄さんは本を書くことを強く勧めていたのか。




【アクションプラン】
・いかに死ぬか。死ぬ前にやっておきたいことをどんどんやっておきたい。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
死生観を身に付けたい時に。



【結論】
遅かれ早かれ、命には限りがある。
大事に使おうと思った。

posted by macky at 17:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 体験記・手記 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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