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2015年03月03日

関東連合

関東連合:六本木アウトローの正体 (ちくま新書)
久田将義
筑摩書房
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関東連合:六本木アウトローの正体
久田将義/著 (ちくま新書) 2013年
780円+税



【概要】
六本木界隈で事件が起こると、あるいは芸能スキャンダルがあると、必ずと言っていいほど、あるグループの関与が取り沙汰される。捜査当局から、ついに準暴力団と規定された関東連合だ。いったい彼らは何者なのか。なぜそれほど影響力を持てるのか。数々の事件の背景には何があるのか―。捜査当局はもとより、関東連合幹部、暴力団関係者を直撃。さらに、暴走族、チーマー、ギャングと変遷した昭和・平成の不良少年シーンを、著者の実体験も交えて辿る。綿密な取材・分析から見えてきた、新しい反社会的なネットワークの正体に迫る。(「BOOK」データベースより)


【動機】
工藤明男 『いびつな絆』 を読んでおもしろかったので。



【所感】
歴史が好きなので楽しめた。
だが、関東連合の実態についてはあまり掴めなかった。



【抜粋】
●戦後の渋谷の闇社会を描いた作品に本田靖春著 『疵―花形敬とその時代』 がある。また戦後の六本木の闇社会を描いた作品にロバート・ホワイティング著 『東京アンダーワールド』 がある。(p.11)

☆読んでみたい!


●たとえばアウトローでも、ヤクザの歴史などは資料に載っている。その始祖は江戸時代に遡って幡随院長兵衛となっている。旗本奴と町奴との争いから誕生したのがヤクザの始まりとされている。幕末の大親分、清水次郎長の話も資料化されている。群馬が生んだ博徒の人気者、国定忠治もしかり。また、室町時代は足軽が町のアウトローだったようだ。(p.30)

☆幡随院長兵衛というのは初めて聞いた。
ちなみに、ヤクザの歴史は資料があるが関東連合は資料が無いので取材が大変だったという話である。


●後に、マッドスペシャルのOBらは国防青年隊という右翼に転身するのだが、一説によると、議員秘書だった渡邉氏が関東連合の結成を働きかけたのは、当時盛んだった左翼運動を抑えるために暴走族を対抗組織としてまとめようとしたためだという話も聞く。その説も、マッドスペシャルが右翼団体を作ったことに鑑みると、あながち間違いではないと言えるのではないか。(p.36)

☆共産党を倒すために政治家が暴走族を作ったというのは驚いた。



●ドキュメント映画の傑作、柳町光男監督 『ゴッド・スピード・ユー!/BLACK EMPEROR』 で全国に名前が知られ、またその映画に主人公的存在で登場する三代目(二代目説あり)のE総長も著書 『土曜しか俺たちにはない』 を上梓したりした。
 さらに、 『ゴッド・スピード・ユー!』 でE総長に問い詰められるシーンが印象的な本間優二氏はのちに俳優となり中上健次原作・柳町光男監督 『十九歳の地図』 の主人公に抜擢され、数々の映画やドラマに出演した。(p.36)

☆観てみたい!



●ブラックエンペラーの本部は「総長の地元」になる。従って、下北沢や永福町、千歳台、横浜、三軒茶屋だったりと、いろいろ移動する。(p.40)

☆ブラックエンペラーの頭に地名が付いているのはそういうわけだったのか。
つまり別のチームというわけではない。


●彼らはある程度の年齢になったら暴走族を引退していく。不良少年の荒々しさを保ちながら。問題は「不良少年」を卒業してからだ。
 「少年」が取れて本物の「不良(ヤクザ)」になるのか、それとも一般人になるのか。(p.42)

☆今まで、「不良」=「不良少年」の意味で使っていたから、「少年」が取れて本物の「不良(ヤクザ)」になるというと違和感がある。そもそもヤクザのことを不良なんて言うのか? 「コンビニで不良がたむろしている」って聞いてヤクザがたくさんいる場面は想像しにくい。



●喧嘩シーンでリアルなのは、やはり 『ホーリーランド』 (森恒二著)だと思うが、カテゴリーとしては不良漫画ではなく格闘漫画に入るだろう。 (中略)
 一方でリアルを求め続けている漫画もある。これはもはや、体験談を描いているのではないかと思うのが 『爆音列島』 (高橋ツトム著)だ。僕が取材できなかった大井・品川を拠点とした暴走族「ZERO」のメンバーが主人公だが、現在四十代後半の元メンバーであろう作者が、当時の暴走族の心理と生活を描いていて、興味深い。(p.59)

☆これも読んでみたい。



● 『スクール☆ウォーズ』 という、不良少年がラグビー部に入り更生していくストーリーで、実在する京都のラグビー強豪校伏見高校をモデルにしたテレビドラマがヒットした。(p.65-66)

☆実在?? 調べてみると、伏見工業高校は来年四月に統合され、その歴史に幕を下ろすことになるらしい。
なんというタイミングだ。



●ちなみに1990年代の渋谷ストリートシーンの主役たちが映像で見られる貴重なDVDがある。タイトルは 『代打教師 秋葉、真剣です!』 である。主役は当時、売り出し中の吉田栄作。 (中略)
関東連合を世田谷の地から復活させ、六本木へ進出する足がかりを作ったA氏。前出・AMGのK氏、ブラックエンペラー所属、喧嘩の強さで有名だったM氏。宇田川警備隊を武闘派にした三代目リーダーのN氏。つまり関東連合関係の主役級がエキストラで起用されていたのだ。(p.91)

☆『破戒の連鎖』 に出てきたが、改めて本書を読み直してみたら、こちらにも出ていた。観てみたい。


●PBB、TOP-Jなどの巨大チームは依然、都内に留まり、不良少年たちに対して影響力が大きかったが、実質関東連合の影響下にあったとされている。とくに渋谷で言えばTOP-JのリーダーのI氏と、2013年5月に銃刀法違反等で逮捕された住吉会系幹部田丸大容疑者の二人が突出していた。彼らをモデルとしていた漫画が 『TWO突風!』 (作・藤井良樹、画・旭凛太朗)のようだ。(p.120)

☆実在の人をモデルにした漫画まであるのか。


●ロアビルと言えば、フラワー事件の前に、もうひとつ大きな事件が起きている(複数の事件の舞台になるのは、まるで新宿歌舞伎町、風林会館のようだ)。ロアビルに入っている居酒屋で起きた事件。巨大イベントサークル「スーパーフリー事件」である。(p.148)

☆早稲田大学生らが常習的に強姦をしていたことで衝撃的な事件だった。



●――関東連合は無視できない存在ですか?

「一時期は無視できなかった、正直。暴排条例とかの隙間に入ってきて」

――どんなシノギをしてました? 振り込め詐欺とかは抜きにして。

「一番無視できなかったのは芸能関係をやってたとこじゃないかな」

――関東連合はケツ持ちがいろいろで、どこを相手にしていいか分らないですよね。

「オレら本職から見たら一番やりにくい相手だわ。話を持っていくとこは最後まで出てこないし、下手に追い込むと警察が出てくるし。でも警察があそこまでデカくした様なもんだよ」

(中略)

――関東連合にはもう魅力はないですか?

「ないな、あそこまで締め付けられて。面倒見て、得はもうしないだろ」

――今は何に魅力感じます?

「オレオレ(詐欺)ももう駄目だしな。貧困産業も頭打ちだしな」

――抗争はしたくないですか?

「前より懲役重いし、出所して昔みたいに金が貰える時代じゃないしな。ただ役が上がるくらいで。出所したら浦島太郎になって余計きつくなるだけだろ」(p.201-203)

☆本職にインタビューしている。
暴排条例などにより時代は変わりつつあるようだ。
関東連合にももう魅力は感じないという。




【アクションプラン】
・『疵―花形敬とその時代』を読んでみる。

・『東京アンダーワールド』 を読んでみる。

・『ゴッド・スピード・ユー!/BLACK EMPEROR』 を観てみる。

・『十九歳の地図』 を観てみる。

・『ホーリーランド』 を読んでみる。

・『爆音列島』 を読んでみる。

・『代打教師 秋葉、真剣です!』 を観てみる。



【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
関東連合やチーマーの歴史が知りたい時に。

 
posted by macky at 23:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドキュメンタリー | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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