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2015年06月04日

福島第一原発収束作業日記

福島第一原発収束作業日記: 3・11からの700日間 (河出文庫)
ハッピー
河出書房新社
売り上げランキング: 79,724


福島第一原発収束作業日記: 3・11からの700日間
ハッピー/著 (河出書房新社) 2015年 (単行本は2013年)
830円+税



【概要】
事故後の福島第一原発の中では一体何が起きていたのか? 政府の隠蔽と怠慢、東電の事故収束作業工程表の欺瞞、劣悪な労働環境…東日本大震災が起きた二〇一一年三月十一日からほぼ毎日ツイッター上で発信された、事故収束作業にあたった現場作業員による貴重な「生」の手記。(「BOOK」データベースより)



【動機】
原発関係の本を乱読中。



【所感】
現場作業員の生の記録。貴重な本。



被曝と隣り合わせ。

じわじわと線量ゲージが上がっていき、

越えてしまうとゲームオーバー。

日本のために命を削る戦いに参加している作業員たち。

何も知らされないまま目の前の作業に没頭する作業員たち。


でしでし言ってる場合じゃない。

いや、言わないと辛すぎるのだ。




【抜粋】
●わかってる人が多いと思うけど、みんなにお願い。マスクは外から帰って来たら、玄関の外でビニール袋に入れるか、外側を内側に折り曲げて捨ててね。絶対に再使用しちゃだめだよ。それと玄関の外で服と髪の毛も埃落とすみたいにパタパタしてね。家に入ったら、すぐ手洗いとうがいを忘れずに!あと放射性物質は髪の毛に吸収されやすいみたいだから、子供さんには帽子かぶらせてね。以上、今日の豆知識でした。(p.66-67)

☆マスクの正しい使い方が書いてある。



●被曝量が心配です。あまり多く被曝すると長期間の作業ができなくなるからなぁ。まだまだやらなきゃならない事いっぱいあるから、1Fサイトに詳しい人がいなくなるのは、今後の作業に必ず支障があるはずなんだ。線量大事に使いたいけど…、現場はなかなか難しいんだ。詳しい人がいないと、図面見せても初めて入る人は多分その場所にもたどり着けないし、ましてや対象の配管なんか見つける事できないと思うよ。

 オイラも初めて入った時は迷路歩いているような感じだったもんなぁ。特に1Fは、結構古いプラントだから改造もいっぱいやってて、配管なんかどこ通ってるか分かんないのたくさんあるんだ。だから建屋に詳しい人はとても貴重な人だから大事にして欲しいんだけどね。(p.78-79)


☆線量を大事に使うという表現が切実さを物語っている。



●まず影響を受けたのは賃金の問題。原発事故の「緊急作業」は名目上終了した事になり、作業員単価や危険手当の金額が大幅に下がってしまったんだ。・・・(中略)・・・第二ステップ完了やオンサイトの収束宣言して避難区域の縮小をし、早く住民を帰宅させ、賠償金も減らしオフサイトの収束をさせたい思惑なんだろうね。表向きは住民のためだけど、裏には様々な思惑があるんだろうな。(p.141-152)

☆政府(当時の野田政権)が「収束宣言」したことによって、現場でいろいろな影響が出ている。
実際の生の声を聞くと、その場しのぎの対応がいかに多くの人を振り回していたかがわかる。


ちなみに2013年3月13日、安倍首相は原発事故収束宣言を撤回した。



●オイラの知る限りでは日当12,000円前後くらいで、月30万円前後が普通と思うでし。原発作業のみの下請け作業員はなんの保証も補償もないんでし。かといって他の仕事を見つけるのも難しい状況なのです。(p.228)

☆原発作業員の給料。日当5万円とか言われていたけど、実際はピンハネされたりしていたようだ。



●建設業界だって、いまだに西の西成、東の山谷でその日限りの仕事募って朝バスに乗せていく光景は昔と変わらずあるし。オイラ川崎で見た時ビックリしたもん。去年の紅白じゃないけど、ヨイトマケの世界は今現在もあるんだ。(p.314)

☆ 『餃子の王将社長射殺事件』 にも書いてあったけど、西成から日雇い労働者をたくさん連れてきているようだ。







【アクションプラン】
・『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)』 を読んでみたい。





【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
原発作業員の生の声が聞きたい時に。




【結論】
いかに現場の作業員に気持ちよく働いてもらうかが大事。

作業が危険でキツイことが問題なのではない。キツイけど国のためにやっているという使命感を削がれていることが問題なのだ。

 
posted by macky at 23:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 体験記・手記 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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