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2015年11月05日

息子は死んだ

息子は死んだ―嶋橋原発被曝労災認定までの記録
嶋橋美智子/著 (新読書社) 2013年 (初出は1999年)
1,600円+税


【動機】
先日、福島原発で労災が認められたので。

これからどんどん増えていくだろう。


原発には負けられない 息子の白血病死を告発する母」を読んで興味を持った。




【所感】
こんな事件があったなんて知らなかった。

これを書いた親御さんの勇気に脱帽。



【概要】
1993年放射線被曝労働の結果、長男伸之の死亡に関して労災申請。1994年申請認められる。(Amazonより)



息子は死んだ―嶋橋原発被曝労災認定までの記録
嶋橋 美智子
新読書社
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【抜粋】
●私が放射線被ばくの恐ろしさを知ったのは息子を亡くしてからです。フォトジャーナリスト、樋口健二さんの本には原発で働いて体を悪くした方々の怨嗟で満ちあふれています。どの方も国の基準値以下です。年間50ミリシーベルトではなく、体を悪くするまでで50ミリシーベルト前後浴びているのです。
 労災第一号となった福島第一原発の方も40ミリシーベルト位でした。もちろん個人差はあります。でも、50ミリシーベルトというのは人が「1年」で浴びてよい人工放射線の限度ではなく「一生涯」の誤りではないかと思うのです。(p.48)

☆樋口健二さんの本を読んでみたい。



●89年10月から始まった通院もいよいよ最後が近づきました。普通ならば入院させて早く治してほしいと思うものですが、白血病は逆です。いよいよ危ない時期にさしかかったと医者が判断した時が入院です。病院は病を治す所だけではないのです。死を看取る所でもあるのです。(p.74)

☆白血病の場合は、いよいよダメなときに死ぬために入院するのか。しかも本人は至って元気だという。まさに死ぬために病院に入るようなものだ。



●大学病院という所は医者の養成所です。患者側から見ると、病気を治す所というよりは医学生の勉強教室です。熱が出ても血液が出ても、まず体重を測り血液を採取し検査します。心電図やら検尿やら、まず検査です。そして病棟の医者は週に一度来るだけで異常がなければカルテで指示をするだけで患者の脈もとりません。インターンに任せきりです。(p.79)

☆大学病院って実験場所みたいなものなのか。こわっ!

満足な医療が受けられなかったという不満や不信感みたいなものが文章を通してたくさん伝わってくる。



●全労協というのは、全労連にも連合にも属さない組合の全国組織です。組合としては一番熱心に署名に取り組んでくださいました。
 自治労連は自治体職員、県庁や市町村に働く人々の組合で共産党系の組合です。その全国組織は全労連です。もう一つ、自治体職員の労働組合がありまして自治労といいます。昔でいうと社会党系の組合で全国組織は連合になります。連合は自治労のように旧社会党を支持する人達と旧民社党を支持する人達とに分かれています。ややこしいですね。(p.158)

☆自治労連は共産党系で、自治労は旧社会党系。名前が似ていてややこしい。「〜連」ってつくのは共産党系が多い気がする。署名集めとかでも共産党が主体となってやると他の党は嫌がるそうだ。



●樋口健二さんとも講演を何回かご一緒させていただきました。熱血漢で独特な樋口節といいますか、人を引き付けて離さない語り口です。 (中略)
 さらにロックフェラー財閥のゼネラル・エレクトリックの沸騰水型原子炉の技術を三井物産と丸紅が東芝と日立を通して東京電力などへ売り込んでいること。モルガン財閥のウエスチング・ハウスの加圧水型原子炉の技術を三菱商事が三菱重工経由で関西電力などに売り込んでいること。つまり、旧財閥の三井、三菱を頂点に商社や重電産業、電機メーカー、プラントを傘下におさめ、これらの企業群は広告料という形でマスコミに影響力を行使する。これが原発を推進させている社会的な構造である」と説明されました。(p.173-174)

☆そういえば、板垣英憲 『ロスチャイルドの世界覇権奪還で日本の<<政治・経済権力機構>>はこうなる』 にも、 〈日本の原発は、米国の核戦略のなかに組み込まれている〉 と書いてあった。核兵器の原料となるプルトニウムの製造を日本に任せて日本を「プルトニウム製造工場」に仕立て上げてきたわけだ。





【アクションプラン】
・樋口健二 『闇に消される原発被曝者』 を読んでみたい。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
原発で働くということや白血病について知りたい時に。




■関連記事
沸騰水型と加圧水型の違い

福島原発事故
 
posted by macky at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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