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2015年12月14日

水木しげる: 鬼太郎、戦争、そして人生

水木しげる: 鬼太郎、戦争、そして人生 (とんぼの本)
水木しげる、呉智英、梅原猛/著 (新潮社) 2015年 (初出は2010年)
1,600円+税


【動機】
水木サンの本を乱読中。



【所感】
あまりの充実ぶりに思わず出版社を確認してしまった。

新潮社だった。

水木サンのファンなら垂涎の内容である。



【概要】
南方戦線で左腕を失った青年は、やがて右腕一本で妖怪から戦争まで、あらゆる“異界”をまざまざと描きだす―。戦後マンガを体現する巨匠のメジャーデビュー50周年、終戦70周年にあたり、少年マガシン版『墓場の鬼太郎』と戦記ものの集大成『総員玉砕せよ!』からそれぞれ1エピソードを丸ごと原画で特別掲載。作品と人生が両方わかるQ&A、梅原猛と意気投合の初対談もオモチロイ。あまりに大きすぎて意外に知らない水木しげるの全体像が、この一冊に!(「BOOK」データベースより)


2015年。亡くなる4か月前に発行された本。



水木しげる: 鬼太郎、戦争、そして人生 (とんぼの本)
水木 しげる 呉 智英 梅原 猛
新潮社
売り上げランキング: 22,793




【抜粋】
水木 さっきから不思議に思って見てるんですけど、髪の毛は抜けないですか?(p.16)

☆思わず笑ってしまった。

水木サン、梅原さんの話も聞かずにフサフサの髪の毛ばかり見てる(笑)

それにしても、この梅原猛さんとの対談がすごくおもしろい。

この対談がきっかけで 『水木しげるの古代出雲』 が描かれたようだ。



水木 私の若い頃は、だいたい20歳で戦争に行くでしょう。死ぬでしょう。そのために18、19の頃に出来るだけ本を読んだんです。哲学書とかをやたらに。戦争行って死ぬ前にと思って、いろいろ読んでいて、ゲーテに当たったんです。考えていることが多少、私に似ているということから、ゲーテばっかり読んでいた。とくにエッケルマン(エッカーマン)の 『ゲーテとの対話』 というやつを、暗記するほど読んどった。(p.16)

☆水木サンの愛読書が 『ゲーテとの対話』 というのは有名な話だけど、暗記するほど読んでいたとは。



梅原 私はゲーテはあまり読まないで、ニーチェを耽読しましたね。まず中学で読み、高等学校になると原語で読んだ。

水木 私もニーチェは読みました。あの頃はニーチェが大いに流行っていたんじゃないですか、若い者の間でね。(p.16)

☆ニーチェも読んでみたいな。



●実家のすぐ前が境港の船着き場。船好きの重少年には、絶好の写生ポイントだった。二等駆逐艦が入港したこともあるという。この水彩画は1936年(昭和11)、14歳の年のもの。(p.70)

☆これは驚いた。

そこにはまるでモネのような見事な水彩画が描かれていた。

14歳でこれを描いたのか。まさに少年天才画家だ。



●Q この紙芝居時代に初めて鬼太郎が登場するんですよね。

A 原画は残っていませんが、その通りです。紙芝居画家になって4年目、例の鈴木勝丸さんから、戦前の伊藤正美の紙芝居「墓場奇太郎」という因果モノの存在を教えられ、こういう不況の時代にはこんなストーリーが受けると助言されるんですね。そこでタイトルを流用して「墓場鬼太郎」を完成させました。しかし、もともとはこの伊藤版の「奇太郎」にも前身があって、それは江戸時代の怪談話「飴屋幽霊」です。詳細は省きますが、要するに墓の中で出産した赤ん坊のために、女の幽霊が飴を買って与えていたという話で、舞台となった京都の六道の辻には今も、「京名物 幽霊子育飴」という看板が出ている。(p.84)

☆鬼太郎がもとをただせば六道の辻の「飴屋幽霊」だったなんて。知らなかったなぁ。




【アクションプラン】
・『ゲーテとの対話』 を読む。

・『ツァラトゥストラはこう言った 』 を読む。




【Amazonレビューより】
・「墓場の鬼太郎 夜叉」「総員玉砕せよ!」(抜粋)、そして、梅原猛さんとの対談が目玉です!!! 2015/9/9
 その内誰かがレヴューしてくれるものと思っていましたが、今だ誰もレヴューされないので、私が・・・・・・・・。
 水木さんは、紙芝居画家、貸本漫画家として、長く雌伏の時を過ごしていましたが、
 1965年「別冊少年マガジン」夏休み特大号の「テレビくん」でメジャー誌デビューを果たし50周年、
 また、水木さんが左腕を失うことになった戦争が終結して70周年、ということで、本書が企画されました。
 いろいろ盛り沢山の内容ですが、目玉は、「少年マガジン」1965年掲載「墓場の鬼太郎 夜叉」、戦記物の集大成「全員玉砕せよ!」(抜粋)
 の写真複製による原画の掲載、そして、梅原猛さんとの対談ということになると思います。
 ページをめくると、先ず、水木先生の手の写真、次は、「ゲゲゲの鬼太郎」、「悪魔くん」、「河童の三平」の3大人気作の見開き原画、
 そして、梅原猛さんとの対談です。このお二人、年齢も近く、結構似た者同士のようです!!
 次は、「墓場の鬼太郎 夜叉」の原画掲載、呉智英さんが選ぶ、必読!傑作ベスト10・・・これも原画の一部が掲載されています・・・・・、
 そして、水木しげるQ&Aと続きます。水木さんは、手塚治虫さんの受けていないこと、また劇画グループと接点がないこと・・これはどうかな?・・、 
 で結果として、独自の世界を切り開くことになりました。しかしその裏には、資料収集等の努力の蓄積があったことは言うまでもありません。
 さらに本書では、若かりし頃の画、デッサン、自画像等も掲載されています。
 最後は、「総員玉砕せよ!」(抜粋)の原画で締めくくられています。
 本書を読めば水木さんの大まかな姿が浮かび上がりますし、写真複製の原画が多く収録されていますし、
 値段は少しはりますが、水木さんのファンは必読だと思います!!(Nさん)




【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木サンのファンも、最近水木サンを知ったという方も。





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posted by macky at 23:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・コミックス | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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