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2016年01月11日

悪魔くん(貸本版)

悪魔くん―貸本版

悪魔くん―貸本版
水木しげる /著 (チクマ秀版社) 2007年 (初出は1963年)
1,960円+税


【概要】
水木サンの無名時代の貸本である。
原版(三分冊のセット)は数年前にヤフオクで40万円くらいで取引されていたようだ。
本書はその完全復刻版。

水木サンが貧乏のどん底時代に描かれたもので
貧乏に対する怒りを作品にぶつけている。



悪魔くんはいろいろあってわかりにくいが、
amazonで詳しい方が整理されていたので参考にしたい。

 「悪魔くん」には次の4シリーズがあります。

1 貸本版「悪魔くん」 … 結末に寂しさの漂う仕上がりです。「悪魔」が最も頼りない。(悪魔くんの名は松下一郎)

2 悪魔くん復活「千年王国」…悪魔くんが復活する部分がラストに書き加えられます。悪魔は野獣っぽく 強そうになっています。集英社、汐文社版は全3巻。

3 「がんばれ悪魔くん」…悪魔くんに山田真吾という本名がつき、アニメ風の子供キャラクターになります。悪魔の姿は前2シリーズのヤモリビトになり、メフィストと名前が付きます。魔力「絶対零度」はこのシリーズから。全2巻。

4 最新版「悪魔くん」…テレビアニメ化されたものを水木プロでコミック化した物です。悪魔くんのキャラがさらに丸顔になり、悪魔はメフィストジュニアに変更します。また、十二使徒のキャラがはっきりし、必殺技も持ちます。全3巻。

 その他:長編「ノストラダムスの大予言」でも主要キャラクターをつとめます。

 今回の復刻は、1の内容のものです。「水木しげる貸本傑作大全2」や朝日ソノラマの「貸本漫画傑作選」に収録されたことがあります。




『悪魔くん世紀末大戦』 の巻末の解説でもわかりやすくまとめられている。

 山田慎吾こと“悪魔くん”と悪魔メフィストが妖怪・怪物・悪魔・怪獣を毎回やっつけるテレビ版は、「少年探偵団」「風小僧」のような東映少年ドラマの系譜に連なる作品で、水木しげるワールドとは無縁。

 少年マガジン版は、第一部がテレビ化を意識しすぎ、第二部は貸本作品「火星年代記」のリメイクにすぎない。

 少年ジャンプ版(『悪魔くん千年王国』)は東考社版を底本としつつ、エピソードを膨らまして完結させているが、途中、大阪万博などが絡み、連載当時の「現代性」を出そうとするあまり、却って水木作品の「超時代性」と融合せず、木に竹をついだような印象となってしまっている。

 その点、最初の貸本版――東考社版には、水木しげるの「素」が出ているところが素晴らしい。




「がんばれ悪魔くん」と少年マガジン版が同じものかな。

要するに、大きく分けて、貸本版とテレビ版と少年マガジン判と少年ジャンプ版(千年王国)の4つがあり、
その中の貸本版をもとにして新たに描かれたのが 『悪魔くん世紀末大戦』 である。




【動機】
水木サンの著書を乱読中。


【所感】
誤字がやたらと多い。

(全く同じ内容で
校正したものが角川文庫にあります)→ 『貸本まんが復刻版 悪魔くん  (角川文庫 み 18-16)』2010年


小学2年生なのに大人よりもはるかに頭がいいという設定はおもしろい。
古代の魔法書などを紐解いたりして設定は凝っているが、
それらを生かしきれてないのはもったいない気がした。

そもそも大金持ちの社長の息子である悪魔くんが貧乏人を救いたいと思うようになった動機付けが弱い。世の中を恨んでるわけでもなさそうだし。何のために悪魔を呼んでいるのかわからないまま終わってしまった。

もともと5巻の予定が、不人気のため3巻で打ち切りになったため中途半端な感じはぬぐいきれない。




最大の敵のあまりにあっけない最期に思わず笑ってしまった。

主人公ですらあっけなく死んでしまう。


●人生ははかない・・・・・・

人間はたいていどんな力を持っていても、あのカラスのようにもろく死んでゆくのだ。

そして死んだら生は永遠にかえってこない・・・・・・

自分というものは永久にかえってこないのだ。


この命のある間、人生は楽しまねばウソだ・・・・・・

そのためにはまず金がなくてはいかん・・・・・・

それともうひとつ重大なこと、すなわち自由がなくては。

「悪魔くん」の束縛から逃れなくては。(p.380-381)


☆印象に残ってるのがこの部分。

人生は短いから、生きている間をもっと楽しもうと。

このマンガに出てくる人はみなあまりにもあっけなく死んでゆくが、
そこには命の儚さというメッセージが込められている気がする。



さらに詳しく知りたいって方は、
こちらのブログもオススメです。

日本人とユダヤ人と悪魔くん - マガジンひとり
http://blog.goo.ne.jp/wag18470/e/06068e2b7750b0a1ec6d1d5477c253d3




【アクションプラン】
・『悪魔くん千年王国』 を読む。(十二使徒が全て揃うらしい)

・ゲーテ 『ファウスト』 を読む。

・『薔薇十字の覚醒』 も読んでみたい。



【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
水木サンのファンの方。
魔方陣、カバラ主義、パラケルスス、バラ十字会、八仙などに興味のある方。


「すると 『魔方陣』 を解くためには・・・・・・」

「カバラしかありません」

「 『カバラの術』 では解けなかったんだ」

「そんなはずはありません」

「太古に悪魔みずからが悪魔を呼ぶ鍵としてカバラを示したといわれているが・・・・・・。数千年にわたるカバラの研究から何物も生まれてはいないではないか」

「では 『ゾハルの書』 は」

「ハハハ 『光輝(ゾハル)の書』 はただ 『地球上にもっとも重要なものが隠されている。それは何千年か後に東方の島国に神童が生まれるまでは隠されるに違いない』 という予言をしたというだけのことだ」

「 『魔法大全』 は」

「『魔法大全』 は専門的ではない。私はむしろ 『創造(イエジラ)の書』 に秘密が隠されていると思う」

「ゲロゲロ」

「あきらめるのはまだ早い。エジプトのツタンカーメン王の墓所から五頁分発見されている。それだけではない。ソロモン王の墓所から六十九頁分出ているはずだ。それと残りは印度の古代寺院の地下室に粘土板(タブレット)に刻まれて出てきている」

「現在一頁分も残っていないといわれているが」

「数千年前 『死ぬことのできぬ男』 という名前の者が、日本がまだヤマタイ国といわれていた頃、密かに渡って全文を粘土板(タブレット)に刻んで地価に埋めたといわれている。だから昔の著名な悪魔の使徒は密かに日本に渡来して皆日本で死んでいる。それは 『魔方陣』 を解くものは 『創造(イエジラ)の書』 しかないことを物語っているのだ」





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posted by macky at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・コミックス | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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