TOP健康 >記憶力を強くする

2016年12月24日

記憶力を強くする

記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
池谷裕二/著 (講談社) 2001年
980円+税


【動機】
海馬―脳は疲れない』 を読んで興味を持った。

ワーキングメモリを増やしたい。

ボケないためには何をしたらいいか?



【所感】
記憶力についての基礎知識が得られた。うまく実生活に生かしたい。



【概要】
タクシーに乗って行き先を告げると、たいていの運転手は地図を見ずに車を走らせる。彼らの頭の中には複雑な地図がすべて入っているようで、その卓越した記憶力には驚かされる。

本書は、そんなタクシー運転手の記憶力を脳科学的に解析したマグワイヤの研究の紹介から始まる。その興味深い研究の結果、タクシー運転手の脳のある部分が一般の人よりも大きく、しかもそれはベテランの運転手であるほど大きいという驚くべきことがわかった。

よく年をとると記憶力が衰えるといわれるが、この研究は成人した後であっても鍛えれば記憶力がよくなることを示している。しかし、そうは言っても成人して年齢を重ねるごとに記憶力が落ちていくのを感じるわけだが、脳科学は脳の構造にあわせた3つの「記憶の仕方」があることを教えてくれている。それは(1)何度も失敗を繰り返して覚える、(2)きちんと手順を踏んで覚える(易しいものから難しいものへ)、(3)まずは大きく捉え、最初から細部にこだわらない、である。年齢と共に「丸暗記」する能力は衰えていくが、この方法を用いれば記憶力は鍛えられる。

本書は記憶に関する脳科学の興味深い研究を、歴史に沿ってわかりやすく紹介している。また「テストの直前に詰め込み勉強をするなら徹夜するよりも早起きして勉強した方が良い」「テストの前に風邪薬を飲むと記憶していたものが思いだしにくくなる」など、記憶力に関するアドバイスもかなり具体的だ。

文章も読みやすく、必要な生化学や脳科学の基礎知識もわかりやすく解説してあり、記憶のみならず広く脳科学に興味を持っている人にお勧めできる。(Amazonより)






【抜粋】
●「天才的」と思える能力は、一般的に、潜在的な「手続き記憶」が基盤になっています。手続き記憶が天才を作るわけです。(p.219)

☆基礎の反復練習が大事ということ。



●手でげんこつを作って頭を軽くコツンと叩いただけでも、そのたびに数千個もの神経細胞が死んでしまうのです。(p.25)

☆ダウンタウンの松ちゃんは昔と変わらず今もおもしろくてお笑い界のトップに君臨しているといっても過言ではないが、浜ちゃんにツッコまれすぎて将来ボケてしまわないか心配だ。



●老人に見られる痴呆症のおよそ半分は、血管が詰まってしまったことが原因なのです。(p.26)

☆残りの半分はアルツハイマーなど。



●脳は使えば使うほど神経細胞が増えるという事実です。脳を鍛えることで記憶をつかさどる神経細胞を増やすことができるというわけです。(p.28)

☆年を取って記憶力が低下したというのは間違いらしい。単純に使ってないだけ。年を取ってからも脳は使えば鍛えられる。若い時よりもむしろ経験が豊かな分、ネットワークが密になる。



●度忘れしてはいけない知識に関しては、ときおり人に説明してみるなど、エピソード記憶として保存するための努力を忘れてはいけません。(p.202)

☆引き出したいときに引き出せる(すぐに使える)記憶に変えるには、人に説明するのが一番いいらしい。



●海馬はLTPを使って情報の取捨選択(獲得)を行い、完成した記憶を側頭葉に保存(固定)する(p.253)

☆約1ヶ月くらい海馬で取捨選択され、そこで必要と判断された記憶が側頭葉という “記憶の倉庫” に送られ長期記憶となる。
つまり、1ヶ月以内に復習しておけば、これは大事な知識だと判断させることで意識的に詰め込める。




【アクションプラン】
・『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』 も読んでみたい。

・『進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線』 も読んでみたい。

・記憶の定着のために、1日6時間以上眠る!



【Amazonレビューより】
・学者ではない自分に記憶の仕組みを科学的に理解させてくれる本 2006/9/19
だいたい記憶力について、関心をもつきっかけは、自分が「もの覚え」が悪くなったなとか、どうして、あの人は色々と覚えているんだろうとか、そういったことがきっかけになって、「手っ取り早く覚える方法は無いかな?」と考えて、まず、「記憶術」や「記憶法」に関連する書籍を読み始める。そして、記憶術などの書籍を読んで、実践してみても、なかなかうまく活用できず、今度は、「記憶の本質って何だ?」と記憶自体に疑問を持ち始め、記憶に関係する書籍を読み始める場合が多いと思う。
かく言う自分も、このステップを経て、「記憶力を強くする」にたどり着いた。この本は、どのような経過で脳がものごとを記憶していくかということに焦点を絞って、脳が記憶していく仕組みを書いているので、私みたいな経過をたどってから、読む者にとっては、役に立つ。
この本を読んでから、あらためて「記憶法」や「勉強法」の本を読み返すと最初に読んだ時よりも内容の理解が促進される。

「最新脳科学が教える 高校生の勉強法」は、「記憶力を強くする」をやさしく書いているので、勉強法に役立てる目的なら、「最新脳科学が教える 高校生の勉強法」を、記憶の仕組みをさらに詳しく理解したいなら、「記憶力を強くする」を読めば良いと思う。(トッコさん)


・良書だが・・・ 2007/2/28
この本を読んだあとに「進化しすぎた脳」「海馬」も併せて読んだのですが、そちらがあまりにも素晴らしい内容だったので本書の価値が下がってしまいました。

“記憶力を強くする”というタイトルのわりにはそのことに特化されていないので、専門知識のない人が気軽に読むならあとの二冊の方がいいと思います。

というのも、本書の中身の半分くらいは脳が記憶をするメカニズムについての話で、専門用語が多くあまり興味をそそられない箇所も幾分あったからです。

それでも内容は充実していますし、興味のあるところだけとっても充分楽しめるので、記憶のメカニズムについて科学的なところからしっかり勉強したい人には文句ない内容だと思います。(Amazonのお客様さん)




【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
最近、物忘れが多くなったという時に。
記憶力を強くしたいときに。




■関連記事
海馬 その1

海馬 その2 【脳のネットワーク】

海馬 その3 【脳の役割】

海馬 その4 【側坐核】

脳の仕組みと科学的勉強法

 
posted by macky at 19:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック