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2017年04月02日

元少年Aの殺意は消えたのか

元少年Aの殺意は消えたのか 神戸連続児童殺傷事件 手記に見る「贖罪教育」の現実
草薙厚子/著 (イースト・プレス) 2015年
1,300円+税


【動機】
絶歌』 を読んで興味を持った。



【所感】
更生プログラムは意味がないというのがよくわかる。




【概要】
元東京少年鑑別所法務教官が手記の行間から読み解く
「更生システム」の落とし穴と発達障害の可能性

なぜ『絶歌』は「2500日」を描かなかったのか。


私はすぐに本を手に入れると一気に読み始めた。当時の取材内容を思い出しながら、冷静に、かつ慎重に読み進めていったのだが、しばらくたっても自分のなかに残っている疑問符が句読点に変わることはなかった。最も国民が知りたがっている、矯正教育を終えて社会に出てからの「空白の11年間」を埋めるものが、どこにも見当たらなかったのだ。止まっていた私の時計の針が突然、動き出した。(「はじめに」より)


元少年Aの殺意は消えたのか  神戸連続児童殺傷事件 手記に見る「贖罪教育」の現実
草薙厚子
イースト・プレス (2015-08-19)
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【抜粋】
●Aの矯正教育は彼が「ワトソン」と呼ぶ医師を含む二人の精神科医の鑑定結果を前提にプログラムされたものだった。(p.30)

☆つまりだましてやろうと演技をして、すっかり騙された精神科医の先生の診断結果に基づいて矯正プログラムが組まれたのである。なのでまったく意味のない矯正プログラムであったということだ。



●以前から精神科医は少年事件の精神鑑定において広汎性発達障害と診断することについてきわめて消極的な姿勢をとってきた。 (中略)
 その理由としては、先天的な障害は「責任能力の有無」に深くかかわり、その後の審判や処遇に大きく影響するからである。(p.145)

☆アスペルガー障害と診断されてしまうと罪が軽くなる、または無罪になってしまうから。
だから本当はアスぺが原因の事件なのに、それを表に出せないでいる。
それと他のアスぺ患者も偏見を持たれてしまうというのも理由の一つであろう。

アスぺだと無罪という今の法律自体がおかしいのであって、
まあ無罪でもいいけど、こういう事件を起こした人は更生プログラムは意味がないので与えず、
一生隔離しておくべきだ。



●しかし、2004年に起こった「佐世保小六女児同級生殺害事件」をはじめ、翌年の2005年10月に静岡県伊豆の国市の16歳の女子高校生が母親に劇物のタリウムを少しずつ飲ませ、苦しむ様子を記録してブログに公開していた「静岡タリウム少女母親毒殺未遂事件」、さらにこの翌年の2006年6月、奈良県の名門私立高校に通っていた16歳の少年が自宅に火をつけて家族三人を殺害した「奈良エリート少年自宅放火殺人事件」では、加害者にすべて広汎性発達障害の診断結果が出たのである。(p.148)

☆気持ちの悪い事件だな。

調べて見ると、ブログの内容が出てきた。

タリウム母親毒殺未遂事件の女子高生容疑者が綴った日記の内容
https://plaza.rakuten.co.jp/hontoeiganopage/diary/200511030002/


7月30日
唐突だけど、僕は酒鬼薔薇少年が好きではありません。自作の詩だという「懲役13年」は、神曲等の有名な詩を切り貼りしただけの代物ですし。


ちょっと少年Aについて触れている。






【アクションプラン】




【Amazonレビューより】
・これから社会が考えるべきテーマ 2015年8月23日
2013年からアメリカ精神医学会の基準が、DSMー5になり広汎性発達障害ではなく、アスペルガー障害などを自閉症スペクトラム障害と言うようになった。この本の中では、広汎性発達障害と書かれているが、最後にそのことが記述されていた。今までADHD(注意・欠陥多動性障害)とPDD(広汎性発達障害)という違う病気を「発達障害」とくくってしまうのはどうかなと思っていた。しかし、2013年からは全く別の病気ということになった。最近で言えば、長崎の高一の事件、名古屋の女子大生の事件も加害者は「自閉症スペクトラム障害」ということになる。この本の中では、自閉症スペクトラム障害(PDD)と犯罪はイコールではないと何度も書かれている。しかし、何故、突然、「普通の人」が事件を起こしてしまうのか。手記を遺族の了解無しに書いてしまうことはもちろん、お父さんの涙とダフネ君の涙が一緒だと思っている元少年Aは、確かに人の感情を読み取ることができないことが分る。しかし、このような人間は社会には沢山おり、学校の教室にも何人かはいる。周りがその人の特徴を理解していないと、「こいつ、変だ」とイジメられたりしたことにより憎しみを持ち、人間関係が上手くいかなくなり、何らかの事件が起こってしまうというのがある。この本の中に書かれているように「早期発見」「早期認知」「早期治療」が一番大事だと思う。教育現場においでも、教師は分っているために、医療機関に診てもらうことを促すが、「うちの子は違う」と認めたくない保護者も多い。その気持ちは理解できるが、放置したままでは解決にならない。社会がもう少しこの「自閉症スペクトラム」の特徴を理解し、早期に気づき、支援していけば、社会は変わっていくのではないだろうか。とにかく悲惨な少年事件はなくなって欲しい。この本は本当に分りやすく、特に、少年Aの手記を買う気が起きず、読めなかった人用かもしれない。その人たちにむけた本のように感じた。(ノブさん)

☆現在では、「広汎性発達障害」と言わず、「自閉症スペクトラム障害」というそうだ。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
絶歌』 を読み解きたいときに。

 
posted by macky at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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