2017年05月24日


土師守/著 (新潮社) 2002年 (単行本は1998年)
1,400円+税


【動機】
絶歌』 を読んで興味を持った。



【所感】
少年法の意義について、問いかけている。

実際に被害に遭い、少年法のおかしな点を身をもって体感されているので、その言葉は重い。


被害者の父には三重の苦しみがあった。
まず、息子を無残にも殺された苦しみ、
次に、マスコミにさらされる苦しみ、
そして、逆に犯人じゃないかと疑われる苦しみ。




【概要】
「おじいちゃんのとこ、いってくるわ」ドアの閉まる音がして、淳は家を出ていきました。これが、私たち家族と淳との永遠の別れになってしまいました―。1997年5月に起きた「神戸連続児童殺傷事件」。14歳の少年に我が子を奪われた父が綴る鎮魂の手記。眼を細め見守った息子の成長から、あの忌まわしい事件の渦中の出来事、そして「少年法」改正に至る闘いまでを、被害者遺族が詳細に描く。(「BOOK」データベースより)


淳 (新潮文庫)
淳 (新潮文庫)
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土師 守
新潮社
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【抜粋】
●布団を敷くにしても、淳は家族のぶんまできちんと敷いてくれるのです。妻が時々、代わりに敷くと、自分で全部やり直し、自分が決めた並べ方になおすほどの徹底ぶりです。(p.25)

☆自閉症かな。テレビとかではあまり報じられなかったけど。



●淳はただ単にピースとピースをあわせているのではなく、自分の頭の中に入っている絵に照らしあわせてピースの位置を探し、その上でピースとピースをあわせているということがわかりました。
 これはあとになって知った言葉ですが、いわゆる “直感像素質” というものだったと思います。(p.30)

☆少年Aだけじゃなく、淳君も “直感像素質” を持っていた。事件のカギを握るかも。



●1997年5月24日、土曜日、午後1時40分。
 私たち夫婦は今のソファーに腰を掛け、テレビを見ていました。(p.33)

☆事件から今日でちょうど20年。



●そういう姉も家に入ってすぐに、電話番を引き受けてくれていたのでした。
 その姉が、留守中のそういった出来事を私たちに話しおわった後、
「いったい、あのAさんいう人は何んやのん? みんなが心配して淳を捜しにいっているというのに、その家の留守番をしながら、たまごっちをふたつも持ち込んでたんよ」(p.60)

☆事件当初から少年Aを疑っていたようである。



●私たちの精神状態を全く忖度せず、土足で気持ちを踏みにじるような質問を浴びせかけ、彼らは強引に写真やコメントをとろうとしてきました。(p.162)

☆今はやりの「忖度」である。

こういうときこそ忖度が必要なときだろう。
純粋に被害者の情報が欲しいというのを飛び越えて、被害者を怒らせてネタにしようというのはやりすぎだ。



●一切の取材をお断りしていましたので、各社、あの手この手で渡したとのコメントや写真・映像を撮ろうと近づいてきました。(p.163)

☆一切の取材をお断りしていたので、少しでも情報が欲しくてあの手この手で取材しようとしてきたのかもしれない。

この国ではマスコミを敵に回すと、悪者になってしまう。



●被害者は、お金がなければ、自分たちの権利を守り、保護してくれるような弁護人を頼むことさえできません。(p.173)

☆被害者よりも加害者の保護に重点を置いたシステムだと言える。

お金のない被害者は二重にも三重にも苦しむことになる。



●少年法の基本的な精神には私も賛同しています。非行を犯した少年の保護、更生を考えることは重要なことだと思います。しかしながら、被害者が存在するような非行、特に傷害、傷害致死や殺人などの重大な非行と、他の軽微な非行とを同列に扱うことは許されることではないと思います。
 憲法では、裁判は公開が原則です。被害者がいないような非行の場合は、状況も加味して非公開でも良いと思いますが、当然のことながら被害者の存在するような非行の場合は、少なくとも被害者側には公開すべきだと思いますし、被害者側は知る権利があると思います。(p.178)

☆確かにその通りだと思う。

どこまで改善されたか調べてみたい。



●悲しみの底に深く沈んだ被害者や憤怒に震える遺族の姿を知るところから更生ははじまるのではないでしょうか。(p.186)

☆マスコミが被害者の姿を映すのは本来、そういう意味もある。





【アクションプラン】
・神戸事件をきっかけに、少年法や被害者の人権意識はどう変わったのか調べてみたい。




【Amazonレビューより】





【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
少年事件や少年法について考えるきっかけに。




【結論】
14歳以下なら全員無罪にするのではなく、場合によっては(凶悪な犯罪の場合は)大人と同じように罪に問える、とするだけで、14歳のうちに犯罪をしておこうとする昨今の風潮は防げるのではないか? 抑止力につながると思う。

 

【関連ニュース】
淳君へ元少年Aへ、父守さん20年の思い 神戸児童殺傷
http://digital.asahi.com/articles/ASK5C0185K5BPIHB029.html?rm=356#Continuation


淳 (新潮文庫)

 
 
posted by macky at 23:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 体験記・手記 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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