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2018年07月28日

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記
松本麗華/著 (講談社) 2015年
1,400円+税


【動機】
地下鉄サリン事件などを起こしたオウム死刑囚らが先日、死刑執行されたのを機に読んでみた。



【所感】
あれほどの事件なので本を書くことに対して反発も多いだろうが、

著者ならではの境遇、著者にしか書けない視点がたくさんあったと感じた。

謎の多いオウム真理教。オウム事件を裏から垣間見ることができる貴重な体験記。



この本によると、麻原彰晃という教祖を利用してお金儲けをしようとした母・松本知子。

麻原の本はほとんど彼女が書いていた。

麻原が逮捕されると、今度はアーチャリー(著者)をまつりあげて教団を存続させようとした。

教団が存続する限り、資金は枯渇しない。



サリン事件を起こしたのは、村井と井上死刑囚。

裁判では麻原彰晃に全責任を追わせるシナリオがあって、

それに邪魔になったから村井を殺したのだろう。


立場によって見える世界がまったく違っているのがおもしろい。


ちなみに、選挙に出た時、負けるから出ない方がいいと言った人物がいた。唯一、尊師にズバズバと意見が言えた上祐氏だ。

結局、それがもとで左遷されてしまい、ロシアに飛ばされてしまった。

その結果、地下鉄サリン事件にはかかわらずに済んだ。





【概要】
オウム真理教が起こした地下鉄サリン事件から20年。あの頃、教祖・麻原彰晃の後継者としてメディアを賑わせた、ひとりの女の子を覚えているだろうか。
アーチャリー正大師、当時11歳。社会から隔絶された地に育った彼女は、父の逮捕後も、石もて追われ、苦難の道を歩んだ。アーチャリーとしてではなく、松本麗華として、これまで歩んできた「オウム」「父」「わたし」のすべてを明かすことに決めた。
本書は、父の逮捕の日から止まっていた時計を、自らの手で動かそうとする苦闘の記録である。(Amazonより)


止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記
松本 麗華
講談社
売り上げランキング: 12,306




【抜粋】
●次姉に「麗華は昔、ちょっと自閉的だったよね」と、ときどき言われます。
 確かにわたしは人とコミュニケーションを取るのが苦手で、外の世界とどのようにコンタクトを取ったらいいのかわかりませんでした。恐る恐るコンタクトを取ろうとすると、決まって失敗しました。(p.34)

☆ツイッターを見てもわかるが、コミュニケーションが苦手のようだ。



●実際、DV被害者、被虐待児、精神疾患、発達障害、パーソナリティー障害など、社会で生きることがつらい人が少なからずオウムにはいたのです。(p.37)

☆よく、「普通の人がなぜ・・・」「オウムに入ったばかりに人生がくるってしまった」っていうが、実際は問題のある人が多かったようだ。オウムが社会的弱者の受け皿となっていたようだ。社会で居場所が無かった人がオウムで居場所を見つける。そういうことはあまりマスコミは報じないから、普通の人を無理やり勧誘してオウムは怖いところだというイメージがあった。



●父から強制捜査の時は「絶対抵抗するな。抵抗したら射殺されるから」と言われました。そのときにイメージしたのは、多くの信者たちの死体が並ぶ外国の新興宗教「人民寺院」の集団自殺の写真です。以前、父は説法で、アメリカの宗教団体が国家の弾圧を受けて潰されてしまったが、あくまでも表向きは集団自殺した形で公表されていると言っていました。(p.73)

☆集団自殺って、たいていは大量虐殺なのか。



●村井さんは、ヘリが上空を舞えば「尊師、米軍がサリンを撒き始めました!」というように、機種の確認もせずに父に伝えました。(p.92)

☆尊師を煽っていたのかな。

そういえば、麻原彰晃には被害妄想癖があって米軍にサリンを撒かれてるってよく言ってたみたいだけど、目が見えないから確かめようがなくて村井や井上の偽情報を鵜呑みにしていただけなのかも。ようするに、この二人に操られていたと。そういう見方もできる。



●因果応報を、教団ではカルマ(業)の法則と呼びました。よいことをすればよい結果が、悪いことをすれば悪い結果が返ってくるというものです。(p.108)

☆麻原は最初は無実を訴えていたけど、だんだん悪いことをしたから悪い結果が返ってくると思って耐えきれずに精神が崩壊したのだろう。



●魂は死(その生の終わり)を迎えると、バルド(仏教では、死んだ後、次に生まれ変わるまでには最長49日あると言われています。その生まれ変わるまでの期間をオウムではチベット仏教で使われる「バルド」という言葉で表しました)に入り、このバルドにおいて魂の次の転生先が決まるそうです。教団内で、父はバルドにおいて道案内ができる存在と位置づけられていました。(p.108)

☆49日で生まれ変わる。7/6から49日は8/24頃。何か動きがあるかも。



●他にも短期間のアルバイトをいくつかおこない、わたしは1年間で約65万円、留学に十分だと思うだけのお金を貯めることができました。(p.187)

☆麻原の三女だとばれるとバイトをクビになったりしたそうだ。



●のちに八年ぶりに話す機会のあった村岡さんは、当時はわたしが裏からいろいろと指図をしていると思っていたが、後でよく考えると母が支持を出していたのだということがわかった、と言っていました。母とよくやり取りしていた村岡さんでさえわたしが支持を出していたと思っていたのですから、他の正悟師たちが勘違いするのもやむを得ないかもしれません。ましてやほかの教団の人、マスコミなどは推して知るべしです。(p.202)

☆誰の名前を出せば信者が一番言うことを聞くかよくわかっている。さすがだ。
おかげで、ほとんどの信者はアーチャリーの指示だと思って動いていたようである。



●わたしは自分の未熟さから、わたしの名が母にどれだけ利用されているのかに気づくまで、時間がかかりました。父はどうだったのでしょうか。父は目が見えず、書類を見ることも現場を見ることもできません。父との会話は、父のそばにいる少数の人に「独占」されます。「独占」した人は、「尊師の指示」と言い、下の人を動かしていくのです。(p.269)

☆結局、傀儡とみてたわけか。実際はどうなんだろう。ほかの本もいろいろ読んでみたい。



●ご遺族の大山友之さんの 『都子聞こえますか―オウム坂本一家殺害事件・父親の手記』 や、被害者でもあり、ご遺族でもある河野義行さんの 『妻よ!―松本サリン事件を乗り越えて (新風舎文庫)』、地下鉄サリン事件被害者の会著 『それでも生きていく―地下鉄サリン事件被害者手記集』、また被害者の方の声を集めた村上春樹著 『アンダーグラウンド (講談社文庫)』 を拝読しました。事件がなければ、傷つくことのなかった方たちの生の声は、わたしの心をえぐり、1ページ1ページ涙を浮かべながら読みました。おつらいだろうとは想像していましたが、当事者の声は、想像以上に大変な被害者の方たちの現実をわたしに突きつけました。(p.284-285)

☆遺族の本も読んでみたい。




【アクションプラン】
・四女、松本聡香の 『私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか ~地下鉄サリン事件から15年目の告白~』 を読んでみたい。

・8/24頃、オウム後継団体などのテロなどに警戒する。



【Amazonレビューより】





【この本が愛読書の有名人】





【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
大量死刑執行の報道でオウム事件に関心をもった人。




【関連動画】
岡田斗司夫ゼミ8月30日号 対談松本麗華(アーチャリー)「週刊文春の突撃公開取材」
https://www.youtube.com/watch?v=EZwEtMJIOYI


☆この動画を見ると、普通っぽい人だ。
でも、ものすごく芯の強さを感じる。
普通だったらひっそりと生きたいだろうに、それすらもできないから開き直るしかない。
とくに「麻原彰晃より有名になりたい」というところに強さを感じた。
可能性はあると思うので、ずば抜けていい方のベクトルに向かうことを望む。



posted by macky at 23:11 | Comment(0) | 体験記・手記 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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