
『ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)』
ロジャー・フィッシャー、ウィリアム・ユーリー/著、金山宣夫、浅井和子/訳
(三笠書房) 1989年
【概要】
副題は、「イエスを言わせる方法」
ハーバード大学交渉学研究所で開発された交渉術。
原則立脚型交渉術とよばれるもので、双方の主張の利点に焦点を合わせようとするものである。
その方法は、できるだけ共通の利益を見出し、利害が衝突する場合は、
どちら側の意志からも独立した公正な基準に基づいて結論を出すことを勧めている。
【動機】
心理学を勉強したいと思い、手に取った。
【所感】
結局は言い方次第、交渉次第。言い方によって結果は全く違ってくる。
ならば言い方、決まり文句などをひたすら覚えればよい。
そのまんま東こと東国原元宮崎県知事もその著書 『人生を劇的に変える東国原式勉強法』 で言っていた。
「あいさつは決まってるから覚えればいいんです」と。
【抜粋】
●他の戦術と違い、相手がこの戦術を見破っても、けっしてこちらに不利にはならない。むしろ交渉しやすくなる。相手も本書を読んでいれば、それだけ交渉はうまくいくにちがいない。(p.12)
☆Win-Winの関係を目指す。
●ところが、実際はその逆をしがちである。扱いにくい難問があると本能的にそれをいちばん後回しにしようとする。「お膳立てが全部すんでから局長に会いに行こう」というふうになるのである。(p.56)
☆説得したい相手をはじめから会議に参加させておく。
●相手方に「もし私が間違っていたら訂正してください」と言うのは、当方の率直さを表わし、もし訂正がなければ、当方の状況説明を相手が受け入れたことを意味する。(p.93)
「もしかしたら私は間違っていて、本当は二フィートの基礎で十分かもしれません。しかし二フィーとであろうが五フィートであろうが、私が望むのは、・・・(後略)」(p.142)
☆これも覚えておきたい言い方の一つ。相手に意見を言うときなどに使える。
●「100パーセント間違いなく、ですか?」
「そう、100パーセント間違いありません」
「それなら、万一のときに備えて一項加えてもかまわないでしょう。・・・(後略)」(p.222)
☆弁護士はこのように口がうまくないとダメだろう。子どもの頃から口ゲンカは苦手だったから向いてないかな。
●日本人のポーカー・フェイスは、もっぱら能面的無表情のワンパターンである(アメリカ人のポーカー・フェイスは、相手を誤らせるために心の中と違う表情をすることに重点がある)。(p.248)
☆そういえば、ポーカー・フェイスというと喜怒哀楽をオモテに出さないというイメージがある。
【アクションプラン】
・決まり文句やあいさつなどをたくさん覚える。
・この本で学んだ交渉術を実際に試してみる。
【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
(121229 読了)