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2019年11月29日

戦後史の正体

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)
孫崎 享
創元社
売り上げランキング: 1,372


戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)
孫崎享/著 (創元社) 2012年
1,500円+税



【概要】
元外務省・国際情報局長が最大のタブー「米国からの圧力」を軸に、戦後70年を読み解く。(「BOOK」データベースより)

日本の戦後史をアメリカを軸に、「対米追随路線」か「自主路線」かで分けて論じている。


【動機】
堀江貴文 『刑務所なう。2』 を読んだ時に、
『ダ・ヴィンチ』 という雑誌が紹介されていたので、読んでみたら
三宅裕司さんがオススメしていた。


【所感】
高校生でも分かるように書いたというだけあってわかりやすい。

ここまで書いていいのかと思うことも多く、
おもしろくて一気に読んでしまった。



【抜粋】
●重光外相は、降伏文書に署名した9月2日のわずか2週間後、9月17日に外務大臣を辞任させられています。
「日本の国益を堂々と主張する」。米国にとってそういう外務大臣は不要だったのです。求められるのは「連合国最高司令官からの要求にすべてしたがう」外務大臣です。それが吉田茂でした。重光が辞任したあと、次の外務大臣は吉田茂になります。戦後の日本外交の歴史に置いて、「自主路線」が「対米追随路線」にとって代わられる最初の例です。(p.44-45)

☆一般的に評価の高い吉田茂もこの通りバッサリ。



●米国で外交・軍事面でもっとも重要なポストは、国務長官と国防長官ですが、このふたりに劣らず重要なのが国家安全保障担当の大統領補佐官です。つねに大統領のそばにいて、ときに国務長官と国防長官よりも重要な役割を演じます。いちばん有名なのはキッシンジャーでしょう。
 ブレジンスキーはカーター大統領時代、国家安全保障担当の大統領補佐官として辣腕をふるった人です。最近でもオバマ大統領の選挙で外交顧問をつとめ、オバマ大統領から「もっとも卓越した思想家のひとり」とよばれています。(p.51)

☆大物がずらりと並ぶ。ブレジンスキーといえば地政学の人かな。 『地政学で世界を読む―21世紀のユーラシア覇権ゲーム』 を早く読みたい。



●一方、その後もニクソン大統領の佐藤首相への報復は継続します。
 そのひとつが尖閣諸島に対する米国の態度です。(p.254)

☆今、中国との間で尖閣諸島が問題になっているけど、その発端が
ニクソン大統領の佐藤首相への報復だったとは驚きだ。
1970年の繊維問題が未だに尾を引いている。



●こうして、日本では、「田中首相は石油で独自外交を展開したから米国にやられた」というのがほぼ定説になっています。
 私はこれには疑問をもっています。(p.261)

☆それよりも、日中国交正常化が大きいという。アメリカからしてみれば、ニクソン訪中の果実を横取りされたということだ。それでロッキード事件を仕掛けられたという。中国に近づきすぎるとアメリカにやられるというパターン。これは橋本龍太郎もそうだという。二つある「虎の尾」の一つ。ちなみに、もう一つの「虎の尾」は、沖縄の基地問題。



●レーガンは政治的にはタカ派です。
 ソ連を「悪の帝国」とよび、軍備拡張戦争をしかけました。ソ連はレーガンの軍備拡張路線に引きこまれ、結局経済がついていけず、国家の崩壊につながったと考えられています。(p.194)

☆そういえば、ソ連の崩壊とバブルの崩壊は時期が重なる。ソ連が崩壊した時はそこから20年以上も日本が不況になるとは思わなかったなぁ。しかもその原因の一つがソ連の崩壊だったなんて。(ソ連が崩壊したことでアメリカの敵がいなくなり、日本はアメリカの仮想敵国になってしまった)

あと、ソ連は勝手に崩壊したイメージがあったけど、実際はレーガンが戦略的に潰したのか。



●つまり九〇年代半ばには政治家レベルでの対抗は少なくなったということです。だからあとは抵抗を続ける官僚機構をつぶせば、米国の思うようになるというのが、アマコストの考えです。
 こうしたアマコストの考えに応じるかのように、日本国内では官僚たたきが激しくなりました。1998年に起こった「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」といわれる大蔵省接待汚職事件はその典型でした。この事件が大きく報道された結果、官僚イコール悪というイメージが国民のあいだに定着し、省庁再編で大蔵省は分割されてしまったのです。(p.326-327)

☆やっぱりそうだ。薄々感じていたことだが、官僚は悪というイメージはアメリカが植え付けたものだったのか。



●ここで指摘して起きたいのは、占領期以降、日本社会のなかに「自主派」の首相を引きずりおろし、「対米追随派」にすげかえるためのシステムが埋め込まれていると言うことです。
 ひとつは検察です。なかでも特捜部はしばしば政治家を起訴してきました。この特捜部の前身はGHQの指揮下にあった「隠匿退蔵物資事件捜査部」です。終戦直後、日本人が隠した「お宝」を探しだしGHQに差しだすのがその役目でした。したがって検察特捜部は、創設当初からどの組織よりも米国と密接な関係を維持してきました。(p.369)

☆これは恐ろしいことだ。
検察がでっち上げをよくやるのもアメリカのためということらしい。
そして、もう一つは報道だという。たしかにマスコミに叩かれている人が悪い人ばかりとはかぎらない。
裏にアメリカの意向があることは確実だ。

安保闘争にしても、アメリカの言いなりになる岸信介に対してのデモというのが一般的だが、
実際は、岸がアメリカに対抗しようとしたので、アメリカがデモをやるように仕向けた。

などなど、この世の中はマスコミのイメージとは逆なことが多い。




●福田首相が辞めた理由(p.)

☆私がこれを知ったのは2009年9月24日頃。

ウィキリークス 2010年11月

この本は2012年8月10日なので

それよりもだいぶ前に知っている。

どこからの情報なのか?

ソースとして本が挙げられていたので読んでみたい。
( 『「大恐慌」以後の世界/多極化かアメリカの復活か』浜田和幸著/光文社刊 )

ちなみに、福田首相が辞めたのは2008年9月24日。
つまりちょうど1年後に真相を知ったことになる。




【アクションプラン】
・パーッと速読しただけなので、また時間のある時にじっくり読みたい。





【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
高校生にオススメ。
もちろん高校生だけじゃなく、戦後史について勉強したい人にもオススメ。



(131219 読了)
posted by macky at 21:42 | Comment(0) | 歴史 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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