2019年04月26日

堺屋太一の「平成三十年」を平成三十一年に読む 『平成三十年』

平成三十年
堺屋太一/著 (朝日新聞社) 2002年
1,600円+税


【動機】
平成が終わるのでその前に 『平成30年』 という本を読もう。

平成31年の今読めば当たってるか検証できるかも。




【概要】
「当たったこともあれば、外れたこともある。だが、時代の雰囲気は見事なまでに当たった」
―― 堺屋太一

堺屋太一さん【追悼】 重版を決めました! !

1997年からの約1年間、『朝日新聞』に連載された近未来小説。
20年以上も前、平成9年の地点から 平成三十年の日本を予測して書かれました。

もちろん、細かい数字など、当たっていない項目も多いのですが、
堺屋さんの言葉通り、時代の雰囲気はおそろしいほどに当たっています。
堺屋さんの『先見の明』はやっぱりすごかった!


【内容】
(上) 何もしなかった日本
1ドル=300円、ガソリン代1リットル1000円、消費税は20%へ―。
平成30年(2018)の日本はまだ何も“改革"できないでいた!
インフレと不況、少子高齢化と高失業、国際収支の大幅赤字が加速する日本の窮状を救う道はあるのか?“警告と提言"の大ベストセラー

(下) 天下分け目の「改革合戦」
日本改革会議が結成され、国家再生への端緒が開かれる。
産業情報省大臣・織田信介は、官房長の明智三郎、企画課長の木下和夫らとともに、国を二分する改革合戦に打って出るが。
日本は先端国として甦ることができるのか? 緻密な予測で描く近未来巨篇、堂々の完結。(Amazonより)


平成三十年 (上) (朝日文庫)
堺屋 太一
朝日新聞社
売り上げランキング: 3,242





【抜粋】
●20年前に比べて消費者物価が約三倍になっているのだから、木下の給与は21世紀はじめの手取り年収800万円、月給40万円強にしか当たらない。その上に、消費税が12%、燃料税、酒たばこ税、自動車税など、お金を使うたびにかかる税金がある。(p.10)

☆20年前に比べて消費者物価が約三倍。もうこの前提から違っている。3倍どころか、むしろデフレで下がっている。基本的な前提が思いっきり外れているので、忙しい時間を割いてまでもうこれ以上読む必要もないだろう。





【アクションプラン】




【Amazonレビューより】
・5つ星のうち5.0 日本の将来を真剣に考えさせられる。 2003年2月21日
平成30年に私は44歳。この本の主人公である木下氏とほぼ同じ年代で、いわゆる団塊ジュニア世代です。それだからこそ15年後の日本の状況がどのようになっているのかに興味があります。少子高齢化という必ず訪れる現実にどのように対応していくのか?規制の緩和はどこまで進んでいるのか?など興味は尽きませんが、この本ではこれらの疑問に対する答えを漏れなく用意しています。平成30年ではなく来年にでもこれらの規制緩和を行ってほしいと切に感じました。(平和さん)





【この本が愛読書の有名人】





【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
パラレルワールドのフィクションとして、暇なときに読む。
(平成30年は外れたけど、さらに10年後はどうか? 可能性がゼロではない。その時は著者の先見力が先に行き過ぎたという事で評価を改める必要がありそうだ)

どっちにしても、「平成30年」というタイトルだからと言って、急いで読まないといけない本でもなさそうだ。


 
posted by macky at 20:05 | Comment(0) |  -経済小説 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月30日

日本永代蔵

新版 日本永代蔵 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
井原 西鶴
角川学芸出版
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新版 日本永代蔵 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
井原西鶴/著、堀切実/訳注 (角川学芸出版) 2009年
1,124円+税



【概要】
本格的貨幣経済時代を迎えた江戸前期の市井の人々の、金と物欲にまつわる悲喜劇を描く経済小説。舞台は日本全国に及び、商売成功の方法を述べた実用書の面もあわせもつ当時のベストセラー。成功談と失敗談の双方を描きながら、金銀万能の世相を活写して、町人生活の諸相をあぶり出す傑作。読みやすい現代語訳、原文と詳細な脚注、版本に収められた挿絵とその解説、各編ごとの解説、全体についての総解説で構成する決定版!(「BOOK」データベースより)


【動機】
本屋で見かけたので。

ビギナーズクラシックスかと思っていたら
角川ソフィア文庫だった。

日本最初の経済小説。



【所感】
とりあえず現代語訳の所だけざっと読んでみた。

全6巻、合わせて30編が収められているが、どれも示唆に富む話ばかりで惹きこまれる。

気になったものはさらに解説なども読んでみたが、なかなか詳しくて好印象。



【抜粋】
●今どき後家を立て通すというのは、夫の死んだあとにたくさんの金銀家財があって、それをものにしたい欲心から、女の親類が意見して、まだ若盛りの女に無理やりに髪を切らせ、気乗りのしない仏の道をすすめ、亡夫の命日を弔わせるという場合である。ところが、こんな場合は、必ず浮名が立って、家に古くから使っている手代を旦那にするといった例は、所々で見かけることである。(p.30)

☆こういう見方もおもしろい。



●中国人相手の投資は大胆でなければできないことで、先き行きの見込みが立たないことではあるが、中国人は実直で、口約束にたがうようなことをしないし、絹織物の巻物の巻口と奥口との品質を変えるようなことをせず、薬種にまやかし物を入れることはなく、木は木、銀は銀という具合にきちんとして、何年取引しても変えることがない。(p.79)

☆昔の中国人は実直だったのか。いつから変わったんだろう?

ひょっとして当時の中国人は流れ着いて今の台湾人なのかもしれない。



●中国人は心が落着いていて、家業にもあくせくせず、琴・碁・詩・酒などの風雅な楽しみに日を暮らし、秋は水辺に遊んで月見をし、春は海棠の花咲く山を眺め、三月の節句前の収支決算期とも気づかずにのん気にしているのは、世渡りに無頓着な唐人の習わしで、なまじっか日本でこの真似をする人があるとすれば、とんだ愚か者ということになる。(p.96)

☆ここでも中国人を褒めている。江戸時代は中国人はのんびりしていたのか。
今でも農村部とかだとのんびりしてるだろうけど、それにしても
最近は中国人の悪い話しか聞かないので、こういう話は新鮮な気がする。



●包んで置いた金子は一両も増えはしますまい。働きのある小判を長櫃の底に入れて置いて、長い間世間をお見せにならないというのは、商人気質とはいえません。(p.126)

☆お金を大事にしまっておいても一銭も増えないので損だというわけである。
確かに一理あるが、いざというときに使える余裕資金があるというのも大事だと思う。
どちらにせよ、いかに効率的にお金を働かせるかがポイントとなる。



●普通の町人は金銀をたくさん持っていることによって、世間にその名を知られるのである。これを思うと、若い時から稼いで、分限者としてその名を世に残さないのは残念なことだ。家柄や血筋にかまわず、ただ金銀が町人の氏系図になるのである。たとえ大職冠藤原鎌足の血筋を引いているにしても、町屋住いの身で貧乏だったら、猿まわしの身にも劣るのである。とかく町人たるものは大きな幸福を願い、長者になることが肝要である。分限者になるには、その心を山のように大きく持ち、よい手代を捉えることが第一の条件である。(p.136)

☆こういうことをもっと学校とかで教えないといけない。
藤原鎌足がここで挙げられているのも興味深い。

ちなみに、銀二、三百貫目から五百貫目までを金持ち、銀五百貫目以上を分限者、銀千貫目以上を長者というそうだ。


「銀1貫=約220万円」

とすると、金持ちは4億4000万円〜11億円、分限者は11億円、長者は22億円となる。

ついでにいうと、金千両=銀60貫=1億3200万円。



【アクションプラン】
・また時間のある時にじっくりと読んでみたいと思う。



【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
商売の原理原則を知りたい時に。

posted by macky at 20:15 | Comment(0) | TrackBack(0) |  -経済小説 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする