2018年09月20日

生物・化学・核テロから身を守る方法

生物・化学・核テロから身を守る方法
アンジェロ・アクイスタ/著 (草思社) 2003年
1,800円+税


【動機】
阪神電鉄で50代男性がシートに座って火傷をするという事件が先日あった。

化学テロだと思うが、液体の正体は何だったのか?



【所感】
この本を読んで、一番近いのは「ルイサイト」かな。

あるいは、この本には載ってないが、強アルカリの水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)か。





【概要】
NY市の危機管理の専門家が、いま実際に使用されうるすべてのテロ兵器の特徴から対処法・治療法まで、小児や妊婦の場合、地下鉄や飛行機の中で発生した場合も含めてくわしく解説する。これを知っていれば被害は最小限に食い止められるかもしれない。この時代に生きる人の必携の書。(「BOOK」データベースより)


生物・化学・核テロから身を守る方法
アンジェロ・アクイスタ
草思社
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【抜粋】
●1990年5月以降、アメリカ農務省が積極的に査察を行ってきたが、アメリカでは狂牛病のウシは発見されていない。疾病対策センターは、アメリカでクロイツフェルト・ヤコブ病変異体の発生例がないか監視しているが、これまでのところは一件もない。(p.63)

☆ということは、アメリカ産牛肉は安全なのか??

なんで今までアメリカ産牛肉は危ないといって避けられてたんだろう??




●ルイサイトはDNAの活動機能を妨げ、まず個々の細胞(皮膚細胞や胃の内壁)を瞬時に殺してしまう。・・・(中略)・・・
 ルイサイトは急速に発症する。液体に触れてから、通常10〜20秒以内に刺すような痛みが襲う。2〜3分以内にその痛みは強まり、うずくようになる。5分を経過すると、酸による火傷に似て、壊死した皮膚が灰色に変わり始める。・・・(中略)・・・
 普通の衣服では、糜爛剤の攻撃から身を守ることはほとんど不可能である――糜爛剤はゴム製品にさえ浸透する。(p.138-144)

☆ルイサイトの場合、マスタードガスに比べて傷が深く、組織が壊死する割合も高いという。

被曝したと思われたら、たとえ症状が現れてなくても、衣服を脱ぎ、大量の水で洗い流すこと。ただちに汚染除去が行われなければ、皮膚の損傷は防げない。


こういうテロが増えると、やられたと思って急いで服を脱いだら、「猥褻物陳列罪」で捕まった!という事件が増えそうだな。







【アクションプラン】




【Amazonレビューより】






【この本が愛読書の有名人】





【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
2020年の東京オリンピックなどに備えてテロから身を守りたいと思ったときに。


posted by macky at 23:59 | Comment(0) | 災害・サバイバル | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月25日

太陽熱を利用して真水を得る方法

先日、佐野三治 『たった一人の生還―「たか号」漂流二十七日間の闘い』 を読んだが、海で27日間も漂流していた著者は水の確保に苦労していた。


柘植久慶 『サバイバル・バイブル―これを知っていたら絶対助かる』 を読むと、


夏の晴天の日だとしたら、喉が渇いて仕方なくなる。だがどんなに苦しくても、海水だけは口にしてはいけない。あとで死ぬような渇きが襲う。麻薬と同じで最初の一口がいけないのだ。
 こんなときに氷砂糖の一袋でも持っていたら心強い。喉の渇きをやわらげ、気持にゆとりを持たせてくれる。(p.109)



と書いてあった。

やっぱり海水を口にしてはいけないようだ。


氷砂糖といえば、乾パンには氷砂糖がいくつか入っているなぁ。




また、ジョン・ワイズマン 『SASサバイバルハンドブック〈新装版〉』 を読むと、太陽熱を利用した蒸留器の作り方が書いてある。

直径90センチ、深さ45センチの穴を掘り、真ん中に水を集める容器を置く。全体にシートをかけ、石をのせて真ん中を垂らす。太陽熱でシート下の空気と地面が暖まり、水分が蒸発する。シート下の空気下の空気中の水分が飽和状態になるとシートの内側で凝結し、シートを伝って容器に落ちる。
(中略)
24時間で最低55ccの水が取れるだろう。(p.31)


火を使わなくてもいいので、

このやり方を覚えておけば、漂流したときとかに役に立つかも。



救命ボートの備品に蒸留器具があるが、間に合わせでも蒸留装置が作れる。海水あるいは尿の入った容器にフタをして、水に管を差し、容器に火をかける。管のもう一方の端は密閉した缶に差す。この間は管から出てきた蒸気を冷やすため、水の入った容器の中に入れておくとよい。蒸気を逃さないように、継目は泥や濡れた砂でふさぐ。(p.32)



ちなみに、尿と海水は、そのままではどちらも飲めないが、蒸留すれば飲料水に使える。
海水なら飲み水だけでなく、貴重な塩も手に入る。

 
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2015年10月21日

福島原発事故

福島原発事故
安斎育郎/著 (かもがわ出版) 2011年
1,500円+税


【動機】
人形峠ウラン鉱害裁判』 で安斎先生が紹介されていたので。



【所感】
東日本大震災以降、ニュースなどで色々と原発の事を言ってたけど、この本を読むまでは原発のことを何にも知らなかったんだなと思った。



【概要】
福島原発事故による放射能災害は何を示したのか?「原発安全神話」を批判し続けた放射線防護学者が放射線と原発の原点からエネルギー政策を問い直す。(「BOOK」データベースより)

東日本大震災から約2か月後に出版されている。



福島原発事故
福島原発事故
posted with amazlet at 15.10.21
安斎 育郎
かもがわ出版
売り上げランキング: 55,063





【抜粋】
●今からおよそ半世紀前、私は東京大学工学部原子力工学科の第一期生でした。学生実験の課題の一つに、多量の放射線を浴びせたネズミが手足を痙攣させながら死んでいく過程を観察する衝撃的なレポート課題がありました。動物愛護の観点からは、教育目的の実験とはいえ、残酷です。学生たちは、放射線は目には見えないが、確かに存在し、生体を傷つける魔性を秘めていることをイヤというほど実感させられました。(p.1「まえがき」より)

☆目に見えないのに、確実に存在していて、生体を傷つけるというのは怖い。



●私は放射線測定器をもってただちに東海村に赴き、JCOの堀際から村役場の方向に遠ざかるにつれて放射線のレベルが下がる系統的な傾向を確認、「関口宏のサンデーモーニング」などで報告していました。(p.39)

☆手品をやっていた先生が原子力研究の第一人者だとは知らなかった。



●1.放射線とは何か(p.56)

☆ここから放射線についてとてもわかりやすく説明されている。




●このように、放っておくと勝手に放射線を出して別の原子に変わってしまうような性質のことを「放射性」といいます。別名「放射能」ともいいます。放射線を出す能力という意味ですが、放射性と放射能は同じ意味です。(p.59)

☆放射性と放射能は同じ意味だったのか。まぎらわしい。



●昔はベクレルという単位はありませんでした。「ベクレル」はフランスの物理学者アントワーヌ・アンリ・ベクレルという人の名前を取って単位にしたのですが、それが採用される前は「キュリー(Ci)」という単位が使われていました。これも、マリ・スクロドフスカ・キュリー夫人の名前を取ったもので、ラジウムの放射能を発見した人です。(p.60)

☆ラジウムを1グラムもってくると、その中で1秒間に何個のラジウム原子が放射線を出して別の原子に変わりつつあるかということを基準にして、1グラムのラジウムがもっている放射能のことを1キュリーといった。1秒1発=1ベクレル。1キュリー=370億ベクレル。




●原発労働者が白血病で死んだが、死亡診断書の病名は違っていたなどという遺族の声を一再ならず耳にしますが、それらが根も葉もない噂と言うのなら、原発労働者の疾病統計や死亡統計をきちんと明らかにすべきでしょう。(p.75)

☆偶然、昨日、初の労災が認められたようだ。

原発事故:白血病の作業員に初の労災認定
http://mainichi.jp/select/news/20151021k0000m040081000c.html
毎日新聞 2015年10月20日 20時56分(最終更新 10月21日 06時46分)

 厚生労働省は20日、東京電力福島第1原発事故の廃炉作業に従事し、血液のがんである白血病にかかった40代男性の労災を同日付で認定したと発表した。第1原発事故後の作業で被ばくした作業員のがん発症で労災を認めたのは初めて。原発事故から今年8月末までに福島第1原発で働いた作業員は4万人を超えているが、廃炉の完了は見通せない状況で、被ばくに伴う労災申請が今後増加する可能性がある。





●核分裂反応を起こさせるのには、スピードの遅い中性子(「熱中性子」と呼ばれます)が好都合なのですが、核分裂で生まれたての中性子は「高速中性子」と呼ばれるものすごいスピードのものです。高速中性子は速すぎて、核分裂を起こす能率がたいへん悪く、核分裂を起こさせるためには、生まれたての中性子を水などの触質中でウロウロさせ、エネルギーを失わせてスピード・ダウンさせてやる必要があります。その間にウランの燃料が入れてある原子炉から外部にもれていくものもありますし、水の分子を構成している酸素や水素の原子に無駄食いされてしまうものもあるので、核分裂で生まれた中性子がたとえ3個あっても、首尾よく次の核分裂を起こすのに都合のよいスピードにまで減速される中性子は減ってしまいます。しかし、平均して一個が生き残れば、核分裂は持続的に起こることになりますので、このような場合を「臨界状態」といいます。(p.85-86)

☆「臨界」ってよく目にするけど、そういうことだったのか。
ちなみに、生き残る中性子が1個を超えると「超臨界」の危険な状態になるらしい。中性子が核分裂で生まれて次の核分裂を起こすまでの時間は、1000分の1秒〜10万分の1秒ぐらいの短時間で、生き残る中性子が平均して1個以上になると、あっという間に核分裂が増大して爆発的なエネルギーを出しかねないという。



●1964年、アメリカは、それまで軍事用として国有化してきた濃縮ウランを特殊物質民有化法によって民有化し、世界の原子力市場に向けて原発通商戦略を積極的に展開、濃縮ウラン需要を拡大し、その長期供給保証を通じて自国の政治的・戦略的立場を強化する政策を強力に推進しました。それは、アメリカが圧倒的優位を占める戦略貿易であり、核兵器生産のためのウラン濃縮の余力を活用して、実質的に核軍備競争のコストを緩和する道でもありました。(p.128)

☆何年分も供給契約ができているばかりか、アメリカ以外からの濃縮ウランの混焼には上限を設けて制限が課せられているそうだ。



●70年代は、日本政府が電力企業と結びついて原発建設の批判を圧殺しながら強力に推進した時期でした。こうしたなかで、地域住民・弁護士と連携して原発政策批判に取り組んだ私は、当時、反体制的イデオローグとみなされました。その結果、私は東大の医学部の助手時代に、尾行・差別・ネグレクト・威嚇・懐柔など、さまざまなアカデミック・ハラスメントを受けたのです。(p.149)

☆原発に反対してそんな激しいアカデミック・ハラスメントを受けていたなんて全く知らなかった。
もう一つのライフワークである疑似科学批判や「人はなぜ騙されるのか?」といったものが専門かと思っていた。




【Amazonレビューより】
・隠すな、嘘つくな、過小評価するな 2011/5/30
震災後1カ月後の4月11日に安斎先生の講演を聞いたが、ほぼその内容が納められている。
「隠すな、嘘つくな、意図的に過小評価するな」「最悪に備えて、最善を尽くせ」との先生の言葉に為政者たちが耳を傾けていてくれれば、今の福島の混乱はもう少しましではなかっただろうか? 震災当初の嘘が現在露見し、国民の生命をいかに軽んじていたかが暴露されている中、先生の主張を無視するのではなく聞いていて検討してくれていればと思う。
巷にあふれだした原発災害を取り扱った本の中で、震災後に出た最初の書き下ろし本である。現在の状況からすると少しずれている部分もあるが、震災後2カ月の時点では一番信頼できる本であった事は重要である。
結局、原発問題は70年代から何ら解決してなかったと改めて知る書でもある。(Hさん)




【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
原発の基礎を知りたいというときに。

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2015年05月09日

放射能 地震 津波 正しく怖がる100知識



放射能 地震 津波 正しく怖がる100知識
河田恵昭、小出裕章、坂本廣子/著 (集英社) 2011年
1,000円+税



【概要】
家庭に一冊、家族を守る防災マニュアル。(「BOOK」データベースより)

パート1は放射能について。パート2以降は震災マニュアル。



【動機】
防災マニュアルを乱読中。



【所感】
様々な情報がコンパクトによくまとまっている。




【抜粋】
●放射性物質の原子は陽子と中性子のバランスが悪く、とても不安定。安定した状態になろうとして、放射線を出す。α線から中性子線まですべての種類の放射線を出すものもあれば、1種類だけ出すものもある。(p.9)

☆放射性物質のエネルギーってそこからきてたのか。



●放射性物質は不安定で、安定した別の物質に変わろうとしたときに放射線を出します。こうした放射性物質の「核」に向かって中性子を打ち込むと、安定した別の物質になって放射能を失ったり、半減期がずっと短くなったりする効果が考えられます。しかし、核燃料を燃やした後にできる「死の灰」などには、とてもたくさんの種類の放射線物質が混ざっています。そこに中性子を打ち込むと、もともとあまり放射能をもっていない物質が逆に強い放射能をもてしまうようなことが起こります。一つひとつの種類ごとに放射性物質を分別することができればいいのですが、今のところ、そこまで厳密に死の灰を「ふるい」にかける技術はありません。(p.38)

☆現在の技術では放射能を持つゴミを無害化することはできないので、とりあえず埋めておき、技術革新を待つ。




●ラジウム温泉など、低い線量によるわずかな被曝は、かえって健康にいいと言う「放射線ホルミシス」という仮説があります。一方で、わずかの線量でもそれに応じたリスクがあるとする「しきい値なし直線仮説」にもとづけば、そんなことはありえません。放射線の影響は、放射線を浴びていない細胞にまで伝わる「バイスタンダー効果」も確認されています。このホルミシス効果はごくまれに確認されている例もありますが、放射線の影響を受けて体の防御機構が活発に働き、それが結果的に体を活性化しているのではないかと言う考えもあって、やはり仮説の域を出ていません。(p.42)

☆ラジウム温泉は昔から不思議だったのだが、ちょっと体を傷つけることによって修復させてより強くする効果を狙ったもののようだ。わずかな量でも害が溜まっていくという「しきい値なし直線仮説」もあり、ラジウム温泉についてはまだ解明されてないところが多い。

ラジウム温泉付近の住民にがんが多いかどうかとか調べたらわかりそうなものだけど、昔からあるのに目立ってないということは悪影響はあまりないのかもしれない。



●甲状腺はホルモンをつくるために、放射能のないふつうのヨウ素を使っていて、ヨウ素をたくわえておくタンクのような働きもしています。ヨウ素は、日本人が日常的に食べている昆布などにも含まれているため、日本人は外国の人に比べて、甲状腺にたまっているヨウ素の量は多いのです。しかし、満タンにはなっていないので、放射性ヨウ素もここに集まってきてしまいます。安定ヨウ素剤は、先回りして甲状腺をヨウ素で満タンにして、放射性ヨウ素がたまらないようにしようというものです。(p.67)

☆安定ヨウ素剤は「ヨウ化カリウム製剤」とも呼ばれ、錠剤や粉薬、シロップなど、さまざまなタイプがある。





【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
放射能について一通り学んでおきたい時に。

posted by macky at 14:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 災害・サバイバル | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月06日

大災害に備える! お金の危機管理ハンドブック

大災害に備える! お金の危機管理ハンドブック
方波見寧
光文社
売り上げランキング: 1,384,033


大災害に備える! お金の危機管理ハンドブック
方波見寧/著 (光文社) 2011年
1,000円+税



【概要】
現金、保険、ローン、相続…いますぐ確認しておきたいお金の問題。緊急時には、お金にアクセスできなくなる・ケガや病気をしたら、どこから費用は捻出されるか?大災害のために働けなくなったらどうするか?家やクルマが津波に流されたらどうする?生命保険にきちんと入っているか?いまこそ相続について話し合おう。これまで考えることを避けてきたリスクに、正面から向き合うための1冊。(「BOOK」データベースより)


著者は大手証券会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとしてアメリカの数々の賞を受賞したリック・イーデルマン氏に資産形成の極意を学び、2001年に株式会社イーデルマン・ジャパンを設立した方波見寧さん。



【動機】
東日本大震災から4年が過ぎ、
地震などの災害に対して日頃から備えておこうということで。


【所感】
災害だけじゃなくて、お金のことについて一通り押さえておきたいことがたくさんあった。

コンパクトによくまとまっている。

震災直後にこのような本が出せるのがすごいと思った。



【抜粋】
●「ガソリンを満タンに入れたかったけど、急なことで手持ちがなかったから、少しだけ入れた」という声が聞こえてきました。(p.16)

☆何時間も並んでガソリンスタンドに入って、手持ちのお金が少ししかなくてちょっとしか入れられなかったら不安だろうな。
災害というのは本当に突然だと改めて思った。

災害時、ATMもしばらくは使えないことが多い。


●手元資金=「キャッシュ・リザーブ」の計算法
(中略)
お金の危機管理の観点から、「預金口座」は最低限6か月分の支出相当額を「キャッシュ・リザーブ」として確保しておくべき保管場所と考えられます。(p.29-30)

☆「キャッシュ・リザーブ」は6か月分を目安とする。


●通常、「キャッシュ・リザーブ」の保管先としては、銀行預金、郵便貯金、証券会社のMMFなどが考えられますが、先ほどから説明していますように、災害直後の数日間〜1週間程度の復旧期間には、金融機関の自分の現金にアクセスできない可能性があるわけです。そこで、

 1〜3か月分の“たんす預金”が必要となってきます。(p.32)

☆「たんす預金」の目安は1〜3か月分。


●財布の中に常に5万円程度は入れておくことが必要です。(p.33)

☆ここまでやれば万全。



●1995年の阪神淡路大震災では、1793億円もの義援金が集まりましたが、被災者数も膨大であったために、全壊世帯への平均分配金は70万円であり、それだけで生活を立て直しておくには無理があったのも事実です(新潟県中越地震では380万円でした)。(p.35)

☆これは知らなかった。70万円しか分配されなかったのか。

これからの防災・減災がわかる本』 を見てみると、<義援金の配分は、罹災証明に従って行われます。阪神・淡路大震災では約1800億円の義援金が集まりましたが、あまりにも被災家庭が多かったために、全壊した世帯でも約40万円しか配分されず、一部損壊の場合は支給対象外とせざるを得ませんでした。> と書いてある。どっちが正しいんだろうか。



●最近のテレビCMでは、医療保険ばかりが目立ちますが、公的保険としての健康保険はカバー範囲が広いため、さらに追加してまで加入するほど、民間の医療保険は重要ではありません。
 民間の医療保険の必要性は、“先進医療を利用したい”など、健康保険でカバーできない分野を補完するためか、個室を利用するなどの快適さを求めた“差額ベッド代”などを捻出するためということですが、

 介護の場合には、公的保険の“漏れだらけ”ということなのです。

 民間の介護保険は、加入年齢が早いほど保険料が安くなり、終身タイプではその保険料が一生涯続きます。(p.57-58)

☆保険の選び方のポイント。



●「週刊東洋経済」(2011/4/16号)の報道によれば、自動車保険の地震、噴火、津波特約の付帯率はなんと1%以下ということです。(p.83-85)

☆ほとんどの人が地震特約を付けていない。
つまり地震で車が被害を受けても保険が適用されない。


●加入率は1994年には全世帯の9%でしたが、現在では全世帯の23%がなんらかの形で地震保険に加入しているといわれています。(p.83-85)

☆地震特約を付けてないと地震で被害を受けても保険が適用されないというのはよく言われているが、
それでも住宅の地震特約は約4分の1しか入っていない。
その原因は保険料が跳ね上がるからだとか。



●資産に債券を含める理由
3月11日以降の2週間では、ほとんどの投資信託が値下がりした中で、国債などの債券へ投資していたものだけが値上がりしていたことがわかっている。日本では、ゼロ金利の影響もあって、国債の利回りは非常に低いため、債券はあまり魅力のある資産とは考えられていない。しかし、今回の大震災のような不測の事態においては、全資産の一部として債券を持っていると、全体の値下がりを中和するだけでなく、リバランスの核としても利用できたことがわかる。

 なお、ここでいう債券とは、いろいろな債券へ投資している投資信託を購入することを指している。投資信託であれば、いつでも売買が可能なので債券ファンドの一部を売却することも可能である。

 一方で、個人向け国債では、いろいろな債券を有しているわけではないし、一部を即座に売却すると中途解約金を取られたりするので、リバランス戦略には利用できない。(p.149)

☆債券というのは投資信託のことなのか。
預金、株、債券の割合は、3分の1ずつがいいとしている。
株が下がって債券が上がったとき(目安としては10%の上下)は、債券を売って株を買ってバランスを3分の1に戻すとよい。




【評価】
評価:★★★★☆(3.8)
こんな人に、こんな時におすすめ:
震災に備えてお金の不安もクリアしておきたい時に。



【結論】
医療保険は公的な健康保険で意外とカバーできるが、介護保険は薄いので民間で補完しておく。

 
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2015年03月18日

にげましょう

にげましょう 特別版 災害でいのちをなくさないために
河田惠昭
共同通信社
売り上げランキング: 119,010


にげましょう
河田惠昭/著 (共同通信社) 2014年
1,800円+税



【概要】
1分1秒が生死を分ける巨大災害。防災の第一人者が教える、いのちをつなぐ避難のタイミング。にげることは生きること。好評の既刊に「地震編」を増補した特別版!(「BOOK」データベースより)


色々な災害から逃げるタイミングを学ぶ。

「いつ逃げるか? 今でしょ!」

がわかる本。



【動機】
地震などの災害に対して日頃から備えておこうということで。


【所感】
子どもに読み聞かせるような絵本。




【抜粋】
●1分以上も続く地震の揺れを感じたら津波がやってくると考えなければなりません。津波警報や大津波警報が発令され、避難勧告や指示が出てからでは遅すぎる場合があります。 (中略) そして6時間は避難した先で待機しましょう。(p.24)

☆地震が起きて、1分以上の長い揺れを感じたら津波に注意!



●大雨が降っているときは、とりあえず2階で生活するようにしましょう。なぜなら、土砂災害で犠牲になる人は、圧倒的に1階で亡くなっています。平屋住まいの人は、避難勧告が出たらすぐに避難しましょう。(p.102)

☆土砂は建物の1階部分を突き抜けるので、2階へ避難しておく。



●その結果、総合的に最も危険な災害は、原子力発電所の事故、次いで地震の揺れを伴う近地津波、それとほぼ同じなのが高潮になりました。(p.119)

☆地震や津波、あるいは原発事故といった災害の危険度の認識はだいぶ高まっているが、高潮もかなり危険なのは意外だった。



●避難すれば災害や事故から助かることを生存避難といいます。避難しないばっかりに、みすみす命を失う人や健康を害する人がどんどん増えています。どうして人々は避難しないのでしょう? それは、災害や事故の恐ろしさが実感できないからです。一度経験した人は、早く避難することの大切さをよく知っています。でもわかったときにはもう遅いという場合が多いのです。(p.120)

☆災害の恐ろしさを知った時にはもう遅いというのは怖い。本書を著した動機の部分である。



●洪水や土砂災害の起こるようなどしゃ降りの雨の中では、身体がぬれるでしょう。でも避難をためらってはいけません。雨が小降りになったら家を出ようと考えているうちに浸水が始まって、逃げられなくなることがとても多いのです。(p.120)

☆大雨の中、避難するのは大変だ。それでも、避難をためらってはいけないという。



●気温が下がるとなかなか雨はやみません。なぜなら、気温が低くなると、水蒸気は雨になりやすいからです。だから、夕方から降り始めた雨は、夜中にやむことはほとんどありません。とてもひどい雨になりやすいのです。だから川のはんらんは夜中に多いのです。(p.121)

☆そういえば、夜中に雨が上がることってあまりない気がする。





【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
子どもに読み聞かせるような絵本が欲しい時に。

小学校の教室とかに置いておくと良さそう。

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2015年03月13日

地震の時の料理ワザ―グラッと来てもあわてない!防災袋に必携!!電気が復旧するまでの1週間



地震の時の料理ワザ
坂本廣子/著、まつもときなこ/画 (柴田書店) 2006年
950円+税



【概要】
限られた状況、食糧で生き抜くための料理技。(「BOOK」データベースより)


【動機】
地震などの災害に対して日頃から備えておこうということで。



【所感】
災害の時の非常食なのになんだか凝った料理が多い。
もっとシンプルでおいしそうな料理が欲しい。



【抜粋】
●ふとんのかぶり方
夫と私は写真@(10頁参照)のように、うずくまる姿勢でふとんをかぶりました。娘も私の友人も、仰向けにふとんをかぶったため、どちらも舞台の緞帳がおりるように一瞬で真っ暗になったそうです。
 いくら腹筋を鍛えたとしても、仰向けに上から押さえられると、起き上がるのはとてもむずしいのです。しかし、背から起きるのは楽にできます。もし就寝中に地震になったなら、ぜひ「正しいふとんのかぶり方」を思い出してください。(p.9)

☆たしかに、うつ伏せでうずくまっていると起き上がりやすいけど、どうなんだろう?
もし、それでも起き上がれなかった場合、この体勢って意外ときつくて数分くらいしかもたないような気がする。


●家を離れる時に気をつけること
<通電火災をさけるために>
 まず電気のブレーカーを落とします。停電後に通電したとき、思いがけない通電火災が起きることがあります。地震でどうなっているか分からないので、まずは、ブレーカーを落としておきましょう。(p.19-20)

☆電気のブレーカーを落として避難場所に向かう。「ガスの元栓をしめる」というのも忘れやすい。


●すいとん
ごはんの代わりに簡単につくることのできるのが、すいとん。 (中略) ボールを使わずポリ袋で練り、袋のはしっこを切り、絞り出すと、太いうどんみたいにもなります。水の代わりに牛乳でといて、カルシウムを摂りたいもの。(p.67)

☆意外と簡単そう。いざというときのために作ってみようかな。
ボールを使ったときはスプーンですいとんのタネをポタポタと落としていく。
すいとんがプリプリになるまで煮る。



●きりぼし大根のマヨあえ
切干大根は水でもどすだけ。煮なくたっていいんです。
食物繊維、カルシウムがいっぱいの優れもの!(p.82)

☆どのくらい持つんだろう?
試しに作ってみようかな。



●<野菜を生で保存する>
 ほうれん草、小松菜などの葉もの野菜は、濡れた新聞紙に包み、ポリ袋に入れて立てておく。このとき口は閉じないようにする。(p.104)

☆ほうれん草って常温でいいのか??

ちょっと調べてみた。

食品の保存方法
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/article/food_hozon.html

こっちだと冷蔵庫の野菜室。


ほうれん草の調理
http://www.ho-rensou.com/knowledge/cooking.html

こちらは何日持つかは書いてないけど
常温でもよさそうだ。


ちなみに、普段はすぐに茹でて小分けにして冷凍している。

鍋用の春菊とかは冷蔵庫にそのまま入れてたけど
立てておいた方がいいみたい。
あるいは常温で濡らした新聞紙に包んで立てるか。
鍋をやるとしたら冬だし。


●<乾燥のもどし>
 干しシイタケなどを少量だけもどすのは面倒なもの。そこで、ひたひたの水に浸し、約1分間加熱してしばらく置いておけば、もどっています。(p.114)

☆ナマクラ流だと軸を取ったシイタケを手で砕きながら直接入れるのでさらに簡単。



【アクションプラン】
・紹介されているワザを1つくらいは身に付けてみたい。
→きりぼし大根のマヨあえを作ってみた。まあまあかな。(150326)

・普段からいろいろな料理に挑戦しておくと、いざというときに役に立つ。



【評価】
評価:★★☆☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
震災というよりアウトドアや普段の料理のアイディア集として。
(「防災袋に必携!!」と書いてあるが、防災袋に入れるような本ではない)




【結論】
普段できないことは、いざというときもできない。

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2015年03月12日

スーパー都市災害から生き残る

スーパー都市災害から生き残る
河田 惠昭
新潮社
売り上げランキング: 822,113


スーパー都市災害から生き残る
河田惠昭/著 (新潮社) 2006年
1,200円+税



【概要】
阪神・淡路大震災の現場を徹底調査した防災学者が伝授するサバイバル全戦略。(「BOOK」データベースより)


【動機】
東日本大震災から4年が経ち、
地震などの災害に対して日頃から備えておこうということで。


【所感】
全体的に国レベルの話が多い。

個人でできるサバイバル術としては、
特に第2部の第1章から第2章あたりを読んでおきたい。



【抜粋】
●一般の人が災害に遭遇するのは稀ですから、うまく対処できないのは当然でしょう。われわれの現場体験(=冒険)から生まれた暗黙知を共有して頂くことが、災害多発時代に身の安全を守る技術を生みます。(p.4)

☆災害に関する暗黙知の共有が本書の目的である。



●今、岩手県釜石市で津波防波堤が建設されていて、竣工予定金額は1千250億円と巨額です。わたしがこの問題をつつくと、国の防災関係者には嫌な顔をされるのですが、 (中略)
 国による施設の整備を伴う防災事業は、一度スタートしたら止められません。釜石湾口防波堤事業が動きはじめたのは1978年ですから、もう25年以上前。計画段階では、釜石市が今のように寂れるとは、想像できなかったのでしょう。
 今、1千250億円あれば、何ができるでしょうか。衛星を介した津波計と地震計のブイを海中に設置するのに1基10億円もかかりませんから、全国に100基以上設置可能です。釜石の町だけを救う防波堤とは価値が違います。(p.78)

☆釜石市は過疎化が進んでいるので巨額の防災事業は効率が悪いという趣旨だが、せっかく巨額を投じて建設していたのに東日本大震災ではほとんど役に立たなかったそうだ。


●防災は、既得権では対応できない領域です。たとえば、よく無駄と言われますが、孤立する集落が点在する中山間部において、高速道路の建設は生命線ですから、過疎という状況は同じでも、防災上の価値はとても高い事業です。(p.80)

☆既得権益や無駄を省き、できるだけお金をかけずに効率的な防災対策、たとえば、町を復旧する際に地面に土盛りをして数十センチ嵩上げしたりすることなどが必要。



●木造の家は、ノコギリ一つで解体できます。どんな重い家具でも、裏板などの薄い部分から壊すことができるものです。 (中略) 阪神・淡路大震災が早朝起きたため家族全員が揃っていたケースが多かったにもかかわらず、全員無事に避難所に逃げてしまい、その後、救命活動に従事した成年男子は3割だけだったといいます。どの場所にいても、自分と自宅が無事で、家族の安否確認が済んだという心配事の少ない男性は、ぜひ「共助」に向かって下さい。(p.120)

☆ノコギリ一つで解体できる。こういうのも知っておくと何かの役に立つかも。


●枕元に何を置いて寝るか
よく、工具や薬が入った防災袋、懐中電灯、スニーカーが枕元に備える3つの道具と呼ばれています。しかし、まとめて袋に入れておくことは、あまり意味がありません。 (中略) 夜中に地震が起こり、停電で真っ暗の中、探そうとするだけで大変で、あるべき用品が無いという心理的なショックを考えると、かえって逆効果です。 (中略)
 わたしは、引き出しの取手などに紐でくくりつけた懐中電灯を、各部屋に一つずつ用意しておけばいいと考えています。 (中略) 懐中電灯が全部の部屋に用意してあれば、どんな非常時でも1個くらいは見つかるでしょう。すべて、アバウトな感じで対処するのがコツです。 (中略)
 重要な習慣として挙げられるのは、年末の大掃除など区切りを決めて、毎年1回、電池を換えることです。(中略)
もう一つの必需品は、携帯ラジオです。100円ショップで売っているAMラジオで充分ですから、何個でも用意しておいてください。ラジオも、懐中電灯と一緒に電池を交換します。(p.132)

☆災害を意識していたわけじゃないけど、各部屋に懐中電灯は置いてある。真っ暗な中でも手に取れることが大事。電池を毎年換えるというのも斬新なアイディアだ。電池はよく液漏れするのでいざというときに使えないのでは困る。お金はかかるけど、毎年電池を入れ換えていると安心だ。ラジオも何個でもというところがおもしろい。非常用にどのラジオがいいかなぁって考えていたけど、もっとアバウトな感じで考えよう。ちなみに、非常用持出袋の中に入れてあるラジオは、電池を抜いて、新品の電池を一緒に入れてある。



●JR博多駅の辺は元湿地帯で雨水が集中する場所です。さきほどの愛知県西枇杷島町などと同じで、今は、ビルが並びコンクリートで舗装されて、湿地帯だった面影もありませんが、土地の特性は変わりません。(p.151-152)

☆昔、湿地帯だったところは要注意。



●全国の地方自治体は豪雨の想定の上限を1時間50ミリに想定しており、それ以上降れば下水が溢れます(大阪市の一部では60ミリ)。50ミリ以上の雨が降ったら必ず、マンホールや下水が逆流して、道路に浸水が始まるというわけです。平日のビジネス・アワーに1時間に50ミリ以上雨が降れば、低地や窪地は水に浸かり自動車で帰れなくなります(p.153)

☆1時間に50ミリ以上という目安を覚えておけば、いざというときに役に立ちそうだ。



●日本最大の被害をもたらした津波は、2万2千人が亡くなった明治29(1896)年6月15日の三陸沖津波です。この年には小さな地震が続いて起きていて、多少の揺れでは逃げなくても大丈夫という油断が生まれていました。津波を呼んだ夜7時半の地震も震度が3か2だったのです。

 しかし、震源地は岸から200キロも離れた深海にあり、地上では小さな揺れが5分も続く典型的な津波地震(ぬるぬる地震ともいう)でした。地震の30分後に津波が来て、最大の津波は高さ38m。峠を越えて山から水が落ちてきたといいます。当夜、三陸沖沿岸で集落の家の中に残っていた人はみな亡くなりました。(p.154-155)

☆津波が怖いのは、昔来たということはまた来る可能性があるということだ。
小さな揺れが5分も続く典型的な津波地震(ぬるぬる地震)という言い方は初めて知った。



●標準的なコンクリートの製法はセメント1、砂2、砂利3。中で1番値段が張るのはセメントですが、厄介なのはセメントの規定量を半分にしても、コンクリートは固まるということです。素人が外から見たくらいではわかりません。地震の後で調査すると、アルメニアの国営アパートは、セメントが極端に少ないしゃぶしゃぶのコンクリートでできていました。(p.171)

☆しゃぶしゃぶのコンクリートという言い方をするのか。
外から見ただけではわからないというのは怖い。
セメント1、砂2、砂利3。昔よく船でコンクリートを作っていたけど、こんな配分があるのは知らなかった。
硬さを見ながら適当に作ってたかも。



●平成の市町村大合併が、国策として大々的に進められています。 (中略) 行政の区割りが変わるということは、歴史のある地名が無味乾燥な記号に置き換えられてゆくことを意味します。 (中略)
 地名における「龍」という字は、土砂災害を意味します。昔の人は、鉄砲水や崖崩れを、空からドラゴンが降りてくると見立て、「龍」の字を当てました。(p.174)

☆昔の地名には意味があり、災害に備えよというメッセージが込められているので
消えてしまうのはもったいない。


●1999年7月21日の新宿集中豪雨で、ビルのオーナーが地下室で溺れ死にました。その地名が「落合」。「落」は、雨が降ったら水が流れてきて集中する土地のことです。
 2005年9月4日の杉並・中野の善福寺川の氾濫による浸水の場所は、「落窪」。「窪」は窪地を意味して、ここも水が溜まり易い土地です。あるいは「荒」という字も同じように災害に縁のある文字です。荒川は昔、よく氾濫しました。最近、渋谷も雨が降るとよく水が溜まるそうですが、「谷」の字がそれを暗示しています。(p.175)

☆このような地名を見るとピンとこないといけない。


●1999年6月29日、博多から広島まで、約6時間の間隔でどちらにも水害をもたらした集中豪雨が西日本を襲いました。広島の安佐南区でも土砂災害が起こって死者が出て、町の町内会長さんが、こんな話をしていました。「私たちの町には荒谷川という川が流れていて、水難橋という名前の橋がかかっています。名前に 『難』 という字がついている。引っ越してきた時は、なんでこんな不吉な名前がと思いましたが、祖先が危険な場所だと教えてくれていたのですね」と。「荒谷」と「水難」が揃っていますから、これは強力です。(p.176)

☆安佐南区といえば、昨年も大きな土砂災害があったばかりだ。


●「今切」という地名も全国にいくつかあります。 (中略) 浜名湖に「今切」というところがありますが、これは湖岸が決壊した歴史があることを意味します。それ以外にも「今切」は各地にあって、徳島県の防災センターを訪問したら、横を流れているのが今切川でした。
 わたしが「いい場所に防災センターを建てました。ここは昔、川が切れたから今切川という名前なのです」と話し始めたら、聴衆は大笑いでしたが、冗談ではありません。このような特殊な名前は、洪水の常襲地帯を意味します。(p.176)

☆ウィキペディアを調べてみると、 <明応7年(1498年)に起きた大地震(明応地震)やそれに伴う津波により、浜名湖と海を隔てていた地面の弱い部分(砂提)が決壊し現在のような汽水湖となった。この大災害は舞阪から弁天島を分け、その津波により村全体が引っ越したことから村櫛(現在の浜松市西区村櫛町)という地名が付くほどであった。また気賀の地震の神社の様が流れ着いた(元は新居の神様)など、記録や伝承が残る。
この時に決壊した場所は今切(いまぎれ)と呼ばれ、その後は渡し船で往来するようになった。今切は文字通り「今切れた」という意味である。この今切の渡し(いまぎれのわたし)は東西交通の難所として広く知られたが、現在では鉄橋や道路なども通り安全に往来できるようになっている。>

とあった。浜名湖は、もともとは淡水湖だったようだ。



●どの土地でも、代々住んでいる人は風土と歴史をよく知っています。村の庄屋さんの家は、だいたい安全な場所に造ってあるものです。 (中略) 不吉な地名ほど残すべきです。(p.177)

☆災害が起きた時に、そういえば以前ここは「○○」と呼ばれていたというのはよくある話だ。




●1999年8月にトルコ大地震の被災地を視察したのですが、ある町の救援物資の集積場で、世界中から送られた古着などが詰まった段ボールがどう扱われているのか、実態を見てしまいました。
 あまりいい話ではないですが、被災者の方々は自分の欲しいものだけを選んだら後は道路の上に捨ててしまいます。トルコのような途上国でも、もう、自分の好みに合わないものは着ない時代です。日本でも、似た光景は何度も目撃しています。(p.187-188)

☆救援物資を送るのが迷惑ということもあるのか。そういえば、被災地では大量のゴミが出るという話も聞いたことがある。「救援物資は被災地を襲う第2の災害」と呼ばれているそうだ。送ったものがすべての人にいきわたって被災者の笑顔につながっていると思っていただけに、これは考えさせられる。

マスコミも、救援物資を送ろう!って呼びかけるだけじゃなく、ほとんどの人が知らずに送っていると思うのでこういう現実をもっと報道すべきだと思った。




【アクションプラン】
・地名についてもっと詳しく知りたい。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
スーパー都市災害から生き残りたいときに。



■関連サイト
広島土砂災害 あふれる支援物資が山積みになり「第二の災害」が問題に

【東日本大震災】被災者が語る「いらなかった支援物資」…穴の空いた鍋、寄書、千羽鶴など

 
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2015年03月11日

これからの防災・減災がわかる本

これからの防災・減災がわかる本 (岩波ジュニア新書)
河田 惠昭
岩波書店
売り上げランキング: 113,366


これからの防災・減災がわかる本
河田惠昭/著 (岩波書店) 2008年
780円+税



【概要】
家で、学校で、外出先で、もし災害に遭ったら? 年々、大災害が増加し、被害も拡大しています。いつどこで災害に遭っても命と財産を守れる「減災」社会に変えていくにはどうしたらよいか。災害のメカニズムを知り、適切な危機管理能力を身につけ、みなさんが自分で考えて行動できるようになるための一冊。(「BOOK」データベースより)



【動機】
東日本大震災から4年。

地震などの災害に対する備えを日頃からやっておこうということで。



【所感】
ジュニア新書というだけあって、わからない語句も丁寧に解説していて読みやすい。



【抜粋】
●原子力施設については、1999年の東海村JOC事故が起きてずさんな実態が明らかになりました。何とバケツの中でウラン溶液を撹拌していたという信じられない話でした。(p.14)

☆バケツで撹拌なんてあったかなと思って調べてみたら、「被曝治療83日間の記録」というのが出てきた。凄まじい。


●同国で1970年に起こったサイクロン災害では、実に高潮で25万人、腸チフスやコレラなどの感染症で25万人が死亡しました。これがきっかけとなって、旧東西パキスタンの間で独立運動が勃発しました。被災した東パキスタン(現在のバングラデシュ)に対する西パキスタン(現在のパキスタン)の援助が不十分であったというわけです。(p.31)

☆災害がきっかけで国が分かれたのか。知らなかった。
宗教だけでまとまろうとした国の破綻」を見ると、もともとはインドとして一つだったところをイギリスが植民地支配する上で三つにわけたらしい。それまで反イスラムでインドを応援していたのに、ガンジーが反英を唱えて独立戦争を起こしたのがきっかけで、今度はイスラム側に回り、結果的に東ベンガル州(のちの東パキスタン、さらにのちにバングラデシュ)ができた。インドとパキスタンは核兵器を巡っていまだに争いが続いている。


●フィリピンのピナツボ火山噴火災害では、二十世紀最大の火山噴出物を記録し(約1億立方キロ)、その微細なエアロゾルが地球全体を覆ったために、1992年の夏は世界的に冷夏になったほどでした。(p.31)

☆そういえば、日本でも1993年は記録的な冷夏で米不足などが起きたが、それの原因がこれだったのか。
ちなみに、1994年以降は大規模な冷夏が無い。大規模な噴火が起きていないからだとも言われている。



●雨が降るメカニズムは単純です。 (中略) 気温が下がるとこの飽和蒸気圧が小さくなります。すると、上限の値を超えた分の水蒸気が液体、すなわち雨に変わります。
 これが大雨になるかどうかは、まず、暖かくて十分湿気を含んだ空気がどれくらい長期にわたって一定の方向から吹き続けるかによります。みなさんは「長崎は今日も雨だった」という歌謡曲をご存知でしょうか。この曲名はあながち嘘ではありません。 (中略)
 東シナ海を台風がゆっくりと北上していると想像してください。そうすると南の海上の温かくて湿った空気が暖気団となって台風の進行とともに、長崎県をめがけて吹き付けるようになります。長崎県は海岸近くまで急峻な山が迫っているところです。ですから、風速が大きければ暖気団はすぐに上昇して気温が下がり、東シナ海に面する長崎市や佐世保市が豪雨に見舞われる可能性が大きくなります。一方、風速が小さければ暖気団が山に衝突しても上昇速度が小さいため、なかなか気温が低くならず、内陸の諫早市上空付近まで達してから豪雨が降ります。(p.58)

☆そういえば以前、九州を一周したとき、長崎に入ると雨が降り出し、前も見えないくらいの豪雨になって、長崎を抜けて佐賀に入るとぴたりとやんだのを思い出した。



●万が一すでに浸水しているところに車で突っ込むと、30センチ以上の浸水深では乗用車は簡単に浮いてしまいます。道路上を水が流れていたら、人も車も流れと直角方向に避難することが基本です。(p.60)

☆よく言われるのが、マフラーが浸かったらアウト。
だいたい30センチくらいかも。



●台風は中心に向かって反時計方向に吹き込みますから、台風が対象とする地域の西側を通るほうが高潮が大きくなります。なぜなら、台風の東側では、進行速度が風速の増大に寄与するからです。たとえば、東京湾で大きな高潮が発生する場合は、台風が神奈川県を通過する場合に起こります。(p.101)

☆よく言われるように、台風の東側は風が強い。なので台風が自分が住んでいるところのどちら側を通るかはいつも注目している。東へどんどんそれていくと、全体的に被害は少ない。




●地震で停電した場合、プッシュホンタイプのデジタル電話はかからなくなります。しかも、携帯電話の中継基地のバッテリーは最長三時間しかもたないことがわかっています。そうなると、電話も使えなくなります。(p.117)

☆停電しても使えるということで最近、昔ながらの黒電話が注目されている。

ちなみに基地局のバッテリーは技術の進化で現在は24時間くらいはもつようになっているらしい。



●東南海、南海地震が起こって震度五弱程度以上の揺れが教室を襲ったとき、生徒は運動場に避難するように学校は指導しているのでしょうか。そこは津波が来ないところでしょうか。 避難のルールを作ったら、それを文化のレベルまで上げなければなりません。津波常襲地帯の三陸地方には「津波てんでんこ」という言い伝えがあります。津波が来るときには、誰のことも考えずすぐに逃げなさいという意味です。とても悲しい内容ですがこれは災害文化です。(p.215)

☆「津波てんでんこ」は、東日本大震災の時によく耳にした言葉だ。



●弱点やマイナスを見つけるために、災害のときは防災訓練を、受験勉強のときは模擬テストを受けるのです。テストは自分が何を理解していないかを教えてくれます。防災訓練も、失敗したら、なぜ失敗したのかを考えることが大切です。(p.224)

☆防災訓練の目的は、失敗することで何が足りないかがわかること。





【アクションプラン】
・『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』 を読んでみる。 →読了(150319)




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
防災について知りたいジュニアから適切な防災対策を施そうとする公共団体まで幅広く。

 
posted by macky at 23:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 災害・サバイバル | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月10日

震災マニュアル

震災マニュアル―震災サバイバル読本 (2006年最新版) (危機管理シリーズ)

フォーバイフォーマガジン社
売り上げランキング: 1,563,602


震災マニュアル―震災サバイバル読本 (2006年最新版) (危機管理シリーズ)
(フォーバイフォーマガジン社 ) 2006年
1,429円+税



【概要】
地震大国ニッポン、知恵と知識で命を守ろう! 地震の備え、役立つ防災・避難用品、対処法等を紹介。いざという時に役立つ災害マニュアル。2006年版では、特に公共交通機関や高層ビルなどの具体的な災害対策を詳細に紹介。(「MARC」データベースより)


【動機】
東日本大震災から明日でちょうど4年。

地震などの災害に対する備えを日頃からやっておこうということで。



【所感】
9年前の本なのでちょっと古いけど、
一通りは押さえておきたい。



【抜粋】
●厚手のポリ袋はポリタンクの代わりや、防寒ポンチョ、さらに段ボール箱に取り付けてトイレの代用にするなど、工夫次第でさまざまに使用でき、大変役に立ちます。(p.52)

☆ポリ袋を持出袋の中に入れておこう。


●避難所生活では、燃料、照明、小型コンロ、テント、寝袋などのアウトドア用品が大変役に立ちました。愛車にアウトドア用品を積んでいた人の多くは、それらを利用して公園や小学校にテントを張り、急場をしのぎました。(p.53)

☆一人用のテントが部屋にあるので、車に積んでおこう。


●クルマの中は冷暖房完備ですから、避難中でも少しは快適かもしれません。ただし、水分補給と足の運動を心がけないとエコノミークラス症候群が原因で命を落とす危険があります。(p.123)

☆そういえば、クルマの運転席で寝ていると、起きた時よく足が棒のようになっている。血が滞っているのだろう。
クルマの中で足を低い位置に置いたまま、あるいは狭い空間で体を曲げたまま長時間過ごすと、血の固まり(血栓)ができて血管をふさぎ、脳血栓や心筋梗塞などを引き起こす危険があるという。




【アクションプラン】
・非常用持出袋の中身をリストアップしておく。




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
震災に備えて何かをやっておきたいというときに。

 
posted by macky at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 災害・サバイバル | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする