【政治】 の記事一覧
2019年10月11日
北朝鮮化する韓国
『北朝鮮化する韓国』
呉善花/著 (PHP) 2017年
1,100円+税
【動機】
北朝鮮にすり寄り、国際的に孤立して行く韓国。韓国はこのまま消えてしまうのか?
【所感】
読みやすい文章。
マスコミが全く伝えない韓国の真実がそこに書かれていた。
今まで何度も手を差し伸べてきた隣国だが、その手を振りほどき、破滅への道へ進もうとしている。
金大中時代からの反日教育で、韓国人は恩を仇で返すことが一番だと徹底的に教育されたようだ。
教育というのは大事だというのが改めてわかる本。
韓国はしたたかな北朝鮮にいずれ飲み込まれていくだろう。いまだに韓国には北朝鮮は楽園だと思っている人がたくさんいて、哀れである。
【概要】
韓国に「従北朝鮮(従北)」派と言うべき文在寅政権が誕生した。朝鮮半島情勢が緊迫化するなか、なぜ多くの韓国国民は文在寅支持を表明したのか? そもそも韓国国民は、北朝鮮に軍事的な脅威を感じていないのか?
我々には、その背景と今後の動向がなかなか見えてこないが、著者によれば、もはや韓国全体が「北朝鮮化」していると見るべきであり、韓国の「反日」は止まらないことを心しなければならないという。
韓国の「北朝鮮化」の背景等については本書に譲るとして、我々が最も心しなければならないこととは何か。まず、欧米の政治家やジャーナリストには、日本よりも韓国の主張が多く刷り込められていることを我々は知るべきで、日本は国を挙げて国際社会に向けて正しい情報発信をしなければならない、と著者は強調する。そして外交レベルの話では、こうクギを刺す。韓国が経済援助を求めてきても、最低限の条件として日韓合意の履行を求めるべきだ、と。(Amazonより)
【抜粋】
●日本であれば、徹底的に批判される人がいるとしても、一方的な批判に終始することなく、少なからず擁護する人も出てくるものです。しかし韓国では、まずそのようなことが起こりません。
あれだけ朴槿恵を熱狂的に支持していた国民も、朴槿恵をつぶそうとして、徹底的に叩きました。正か邪か、善か悪かの二者択一しかないことがよくわかります。(p.64)
☆日本人と韓国人は全く違う。
●日本人が、「お互いを理解するために、意見の違いを認めましょう」と言っても、多くの韓国人が聞く耳を持たないのはそのためです。(p.65-66)
☆韓国は本質的に独裁国家。日本は独裁国家になりえない。
●韓国人でも、外国生活を長く送った者の中には、そうした人が少なからずいるものです。(p.69)
☆と言う事は、日本に長年住んでいる韓国人は日本人に近い考えなのかも。
●国連が慰安婦問題と取り組むようになったのは、1992年2月に韓国の挺身隊協議会が国連本部で、在日韓国人の人権活動家が国連人権委員会で、それぞれ慰安婦問題をアピールしたのが始まりです。
これには、日弁連(日本弁護士連合会)の戸塚悦郎弁護士が強くバックアップしていました。戸塚氏は同年2月17日に国連人権委員会で日本軍慰安婦問題を「人道の罪」と位置づけ、国連の介入を求める発言をしています。 (p.161-162)
☆戸塚悦朗について調べてみたら、中国共産党のエージェントのようだ。
★★性奴隷を広めた戸塚悦朗は中国のエージェント
https://blog.goo.ne.jp/dankaidamyutaka/e/ab4eb93d3a634d20a1b70f3c5d121293
●また日弁連会長(当時)の土屋公献氏も、日本軍慰安婦問題を「性奴隷制」の問題として取り上げるように国連人権委員会に働きかけていました。(p.162)
☆会長まで売国奴とは。日弁連って中共のスパイがたくさん入り込んでいるのかな。
●国連人権委員会という名称からして、いかにも世界的な権威ある機関のようですが、その実態は民間政治活動家の寄り合い所帯です。国連にはいろいろな理事会と委員会がありますが、理事会は国家で構成されているのに対して、委員会は民間組織で構成されているのです。(p.163)
☆国連人権委員会があやしい組織だということはよくわかった。
【アクションプラン】
−
【Amazonレビューより】
−
【この本が愛読書の有名人】
−
【関連ブログ】
−
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
韓国のことをもっと知りたい時に。
呉善花/著 (PHP) 2017年
1,100円+税
【動機】
北朝鮮にすり寄り、国際的に孤立して行く韓国。韓国はこのまま消えてしまうのか?
【所感】
読みやすい文章。
マスコミが全く伝えない韓国の真実がそこに書かれていた。
今まで何度も手を差し伸べてきた隣国だが、その手を振りほどき、破滅への道へ進もうとしている。
金大中時代からの反日教育で、韓国人は恩を仇で返すことが一番だと徹底的に教育されたようだ。
教育というのは大事だというのが改めてわかる本。
韓国はしたたかな北朝鮮にいずれ飲み込まれていくだろう。いまだに韓国には北朝鮮は楽園だと思っている人がたくさんいて、哀れである。
【概要】
韓国に「従北朝鮮(従北)」派と言うべき文在寅政権が誕生した。朝鮮半島情勢が緊迫化するなか、なぜ多くの韓国国民は文在寅支持を表明したのか? そもそも韓国国民は、北朝鮮に軍事的な脅威を感じていないのか?
我々には、その背景と今後の動向がなかなか見えてこないが、著者によれば、もはや韓国全体が「北朝鮮化」していると見るべきであり、韓国の「反日」は止まらないことを心しなければならないという。
韓国の「北朝鮮化」の背景等については本書に譲るとして、我々が最も心しなければならないこととは何か。まず、欧米の政治家やジャーナリストには、日本よりも韓国の主張が多く刷り込められていることを我々は知るべきで、日本は国を挙げて国際社会に向けて正しい情報発信をしなければならない、と著者は強調する。そして外交レベルの話では、こうクギを刺す。韓国が経済援助を求めてきても、最低限の条件として日韓合意の履行を求めるべきだ、と。(Amazonより)
【抜粋】
●日本であれば、徹底的に批判される人がいるとしても、一方的な批判に終始することなく、少なからず擁護する人も出てくるものです。しかし韓国では、まずそのようなことが起こりません。
あれだけ朴槿恵を熱狂的に支持していた国民も、朴槿恵をつぶそうとして、徹底的に叩きました。正か邪か、善か悪かの二者択一しかないことがよくわかります。(p.64)
☆日本人と韓国人は全く違う。
●日本人が、「お互いを理解するために、意見の違いを認めましょう」と言っても、多くの韓国人が聞く耳を持たないのはそのためです。(p.65-66)
☆韓国は本質的に独裁国家。日本は独裁国家になりえない。
●韓国人でも、外国生活を長く送った者の中には、そうした人が少なからずいるものです。(p.69)
☆と言う事は、日本に長年住んでいる韓国人は日本人に近い考えなのかも。
●国連が慰安婦問題と取り組むようになったのは、1992年2月に韓国の挺身隊協議会が国連本部で、在日韓国人の人権活動家が国連人権委員会で、それぞれ慰安婦問題をアピールしたのが始まりです。
これには、日弁連(日本弁護士連合会)の戸塚悦郎弁護士が強くバックアップしていました。戸塚氏は同年2月17日に国連人権委員会で日本軍慰安婦問題を「人道の罪」と位置づけ、国連の介入を求める発言をしています。 (p.161-162)
☆戸塚悦朗について調べてみたら、中国共産党のエージェントのようだ。
★★性奴隷を広めた戸塚悦朗は中国のエージェント
https://blog.goo.ne.jp/dankaidamyutaka/e/ab4eb93d3a634d20a1b70f3c5d121293
●また日弁連会長(当時)の土屋公献氏も、日本軍慰安婦問題を「性奴隷制」の問題として取り上げるように国連人権委員会に働きかけていました。(p.162)
☆会長まで売国奴とは。日弁連って中共のスパイがたくさん入り込んでいるのかな。
●国連人権委員会という名称からして、いかにも世界的な権威ある機関のようですが、その実態は民間政治活動家の寄り合い所帯です。国連にはいろいろな理事会と委員会がありますが、理事会は国家で構成されているのに対して、委員会は民間組織で構成されているのです。(p.163)
☆国連人権委員会があやしい組織だということはよくわかった。
【アクションプラン】
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【Amazonレビューより】
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【この本が愛読書の有名人】
−
【関連ブログ】
−
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
韓国のことをもっと知りたい時に。
2019年09月01日
ユダヤが解ると日本が見えてくる
『ユダヤが解ると日本が見えてくる』
宇野正美/著 (徳間書店) 1986年
720円+税
【動機】
『ユダヤが解ると世界が見えてくる』 の続き。
【所感】
30年以上前に書かれたとは思えないほど。
ここに書かれてあることは、今ではすっかり常識とされてるが、当時はセンセーショナルだっただろうな。
【概要】
円高の隠された狙いは、日本空洞化だった! アメリカ流出したカネと企業は絶対に戻って来ない。ユダヤの日本撃滅戦略の実体を解明! (「BOOK」データベースより)
【抜粋】
●「600万のユダヤ人が殺されたという数字の根拠は、第二次世界大戦前、ヨーロッパにいたユダヤ人の数から戦後そこに残ったユダヤ人の数を引いたものです。それが600万なのです」
私はそれに対して、「病気や爆撃で死んだ人もあるでしょう。またアメリカに渡った人だってあるでしょう」というと、彼は、
「数字などどうでもいいではありませんか。私たちがやられた、ということが問題なのです」と強い語調で返事を浴びせかけたのである。(p.202)
☆南京大虐殺と一緒でユダヤ人の虐殺も捏造だろう。
【アクションプラン】
・宇野さんの動画をたくさん見よう。
【Amazonレビューより】
−
【この本が愛読書の有名人】
−
【関連ブログ紹介】
−
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
『ユダヤが解ると世界が見えてくる』を読んだら合わせて読みたい。
宇野正美/著 (徳間書店) 1986年
720円+税
【動機】
『ユダヤが解ると世界が見えてくる』 の続き。
【所感】
30年以上前に書かれたとは思えないほど。
ここに書かれてあることは、今ではすっかり常識とされてるが、当時はセンセーショナルだっただろうな。
【概要】
円高の隠された狙いは、日本空洞化だった! アメリカ流出したカネと企業は絶対に戻って来ない。ユダヤの日本撃滅戦略の実体を解明! (「BOOK」データベースより)
【抜粋】
●「600万のユダヤ人が殺されたという数字の根拠は、第二次世界大戦前、ヨーロッパにいたユダヤ人の数から戦後そこに残ったユダヤ人の数を引いたものです。それが600万なのです」
私はそれに対して、「病気や爆撃で死んだ人もあるでしょう。またアメリカに渡った人だってあるでしょう」というと、彼は、
「数字などどうでもいいではありませんか。私たちがやられた、ということが問題なのです」と強い語調で返事を浴びせかけたのである。(p.202)
☆南京大虐殺と一緒でユダヤ人の虐殺も捏造だろう。
【アクションプラン】
・宇野さんの動画をたくさん見よう。
【Amazonレビューより】
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【この本が愛読書の有名人】
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【関連ブログ紹介】
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【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
『ユダヤが解ると世界が見えてくる』を読んだら合わせて読みたい。
2019年03月21日
ユダヤが解ると世界が見えてくる―1990年「終年経済戦争」へのシナリオ
『ユダヤが解ると世界が見えてくる―1990年「終年経済戦争」へのシナリオ (トクマブックス)』
宇野正美/著 (徳間書店) 1986年
720円+税
【動機】
10年以上前に読んでいて読みかけだったので続きを読んだ。
【所感】
この本に書いてる知識は、ある一定以上の年齢だと常識となっていることなのだろう。
あまり口には出さないけど。暗黙の了解というか。
この本が書かれた4年後くらいに日本はバブルが崩壊している。
当時絶好調だった日本の沈没をここまで予言していた人は少ないのでは。
1991年にソ連が崩壊、イスラエルにソ連が攻め込むというシナリオは無くなった。
しかし、形を変えて今も続いているとみるべきか。
どうしてこのような本が当時書けたんだろう。
著者は昭和17年生まれ。(1942年生まれ)
1986年の本だから、当時44歳。
44歳でこれだけの本が書けるなんて何者なんだろう。
著者の略歴を見ると、「中東問題研究センター」を立ち上げ、主に旧約聖書を研究している。
やはり、中東を詳しく見ている人は情報力がすごいと感じる。
ユダヤという視点で見ると、中国が今後どうなるのかも見えてきそうだ。
つまり、ユダヤ問題は差別問題ではなく、フレームワークなのだ。
【概要】
円高・ドル安は仕組まれていた!それは、1960年、金本位制復帰・世界大恐慌への序幕にすぎない。“砂上の経済大国・日本”を狙い撃ちする「裏国家」=ユダヤ世界戦略の実体!(「BOOK」データベースより)
【抜粋】
●名古屋かソウルかの闘いは、実に大きな問題をはらんでいたといわざるを得ない。ソウル開催の決定は1981年秋だったが、1980年に韓国は成長率マイナス5.2%という、戦後はじめてのマイナス成長を体験し、「漢江の奇跡」とまでいわれた急成長もこれまでかと危ぶまれていた。(p.86)
☆ほぼ名古屋開催が決定的だったのに覆されたらしい。
【アクションプラン】
・続いて、 『ユダヤが解ると日本が見えてくる―「空洞化日本」をユダヤが手中にする時 (トクマブックス)』 を読む。
【Amazonレビューより】
・5つ星のうち4.0 ホワイトハウスでも問題視された、1986年バブル期の「大」ベストセラー1冊目。確かにトンデモ本だが、全てを否定すべきもない。 2017年12月5日
1986年バブル期の「大」ベストセラー。忘れられ(消され?)つつありますが、懐かしいですね。後にイスラエルに留学・在住するユダヤ研究家の親友に勧められ購読。確かにトンデモ本だが、全てを否定すべきもない、が私の感想です。ユダヤ差別本としてホワイトハウスでも問題視されましたが、逆に言うと一部は正鵠を射ているのだと当時感じました。あれから30年経た結論として、問題点を踏まえ読めば、無知な大学生であった私には、得るものも大きかった、という印象です。
まず良い点。(1)あくまでも結果として、日本のバブル崩壊とその後の衰退(米国経済の復活)は当たっています。(世界大恐慌もリーマンショック時には、思わず本書を想起しましたが、当たらなくて良かったです。笑)論理は別として、あの絶頂のバブル期に日本の危機を指摘できたことは、評価できると思います。(2)ユダヤがここまで力を持っているか否かは別として、ユダヤという強力な勢力があることは、ビジネスマンであれば否定できないでしょう。藤田田氏はじめ多くの国際識者の証言もあります。それを大袈裟な表現に問題はあるにしても、日本に知らしめた意義はあるでしょう。(3)よくある陰謀論の本としては、まずは楽しめます。
問題点。(1)ユダヤ差別と言われれば否定できず。(2)極端な聖書観、ノストラダムス、ハルマゲドン的な終末観が大前提としてあり、その意味で論理はトンデモ本です。もちろん未だ実現していません。(3)リーマンショック等では一時議論もありましたが、結果として、現状、金本位回帰も実現していません。
なお、本書は「大」ベストセラーとなり、その後も「ユダヤが解ると日本が・・」「・・・時代が・・・」等々、シリーズが続きましたが、基本的な内容は変わりません。その意味で、まずは、記念すべき一冊目の「・・・世界が・・・」から読むべきでしょう。(麻ヶ嶽城主・鈴木源内さん)
☆そうか、大ベストセラーとなったのか。
それで、この本に書いてあることが、ある一定以上の年齢の人がなぜかみな知ってると感じたわけだ。
【この本が愛読書の有名人】
−
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
是非はともかく、現代社会に生きる上では必読書。
(ところどころ、間違った記述も見られるので鵜呑みはできないが)
宇野正美/著 (徳間書店) 1986年
720円+税
【動機】
10年以上前に読んでいて読みかけだったので続きを読んだ。
【所感】
この本に書いてる知識は、ある一定以上の年齢だと常識となっていることなのだろう。
あまり口には出さないけど。暗黙の了解というか。
この本が書かれた4年後くらいに日本はバブルが崩壊している。
当時絶好調だった日本の沈没をここまで予言していた人は少ないのでは。
1991年にソ連が崩壊、イスラエルにソ連が攻め込むというシナリオは無くなった。
しかし、形を変えて今も続いているとみるべきか。
どうしてこのような本が当時書けたんだろう。
著者は昭和17年生まれ。(1942年生まれ)
1986年の本だから、当時44歳。
44歳でこれだけの本が書けるなんて何者なんだろう。
著者の略歴を見ると、「中東問題研究センター」を立ち上げ、主に旧約聖書を研究している。
やはり、中東を詳しく見ている人は情報力がすごいと感じる。
ユダヤという視点で見ると、中国が今後どうなるのかも見えてきそうだ。
つまり、ユダヤ問題は差別問題ではなく、フレームワークなのだ。
【概要】
ユダヤが解ると世界が見えてくる―1990年「終年経済戦争」へのシナリオ (トクマブックス)
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宇野 正美
徳間書店
売り上げランキング: 49,442
徳間書店
売り上げランキング: 49,442
円高・ドル安は仕組まれていた!それは、1960年、金本位制復帰・世界大恐慌への序幕にすぎない。“砂上の経済大国・日本”を狙い撃ちする「裏国家」=ユダヤ世界戦略の実体!(「BOOK」データベースより)
【抜粋】
●名古屋かソウルかの闘いは、実に大きな問題をはらんでいたといわざるを得ない。ソウル開催の決定は1981年秋だったが、1980年に韓国は成長率マイナス5.2%という、戦後はじめてのマイナス成長を体験し、「漢江の奇跡」とまでいわれた急成長もこれまでかと危ぶまれていた。(p.86)
☆ほぼ名古屋開催が決定的だったのに覆されたらしい。
【アクションプラン】
・続いて、 『ユダヤが解ると日本が見えてくる―「空洞化日本」をユダヤが手中にする時 (トクマブックス)』 を読む。
【Amazonレビューより】
・5つ星のうち4.0 ホワイトハウスでも問題視された、1986年バブル期の「大」ベストセラー1冊目。確かにトンデモ本だが、全てを否定すべきもない。 2017年12月5日
1986年バブル期の「大」ベストセラー。忘れられ(消され?)つつありますが、懐かしいですね。後にイスラエルに留学・在住するユダヤ研究家の親友に勧められ購読。確かにトンデモ本だが、全てを否定すべきもない、が私の感想です。ユダヤ差別本としてホワイトハウスでも問題視されましたが、逆に言うと一部は正鵠を射ているのだと当時感じました。あれから30年経た結論として、問題点を踏まえ読めば、無知な大学生であった私には、得るものも大きかった、という印象です。
まず良い点。(1)あくまでも結果として、日本のバブル崩壊とその後の衰退(米国経済の復活)は当たっています。(世界大恐慌もリーマンショック時には、思わず本書を想起しましたが、当たらなくて良かったです。笑)論理は別として、あの絶頂のバブル期に日本の危機を指摘できたことは、評価できると思います。(2)ユダヤがここまで力を持っているか否かは別として、ユダヤという強力な勢力があることは、ビジネスマンであれば否定できないでしょう。藤田田氏はじめ多くの国際識者の証言もあります。それを大袈裟な表現に問題はあるにしても、日本に知らしめた意義はあるでしょう。(3)よくある陰謀論の本としては、まずは楽しめます。
問題点。(1)ユダヤ差別と言われれば否定できず。(2)極端な聖書観、ノストラダムス、ハルマゲドン的な終末観が大前提としてあり、その意味で論理はトンデモ本です。もちろん未だ実現していません。(3)リーマンショック等では一時議論もありましたが、結果として、現状、金本位回帰も実現していません。
なお、本書は「大」ベストセラーとなり、その後も「ユダヤが解ると日本が・・」「・・・時代が・・・」等々、シリーズが続きましたが、基本的な内容は変わりません。その意味で、まずは、記念すべき一冊目の「・・・世界が・・・」から読むべきでしょう。(麻ヶ嶽城主・鈴木源内さん)
☆そうか、大ベストセラーとなったのか。
それで、この本に書いてあることが、ある一定以上の年齢の人がなぜかみな知ってると感じたわけだ。
【この本が愛読書の有名人】
−
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
是非はともかく、現代社会に生きる上では必読書。
(ところどころ、間違った記述も見られるので鵜呑みはできないが)
2018年09月26日
これが日本経済の邪魔をする「七悪人」だ!
『これが日本経済の邪魔をする「七悪人」だ! (SB新書)』
橋洋一/著 (SB新書) 2018年
800円+税
【動機】
テレビで著者を見かけて興味を持った。
【所感】
消費税を上げると景気が悪くなるのが明らかなのになんで上げようとするんだろうとずっと不思議に思っていたら、
景気を上げたくない(むしろ不況の方が喜ばしい)人たちがいるというのは目から鱗だった。
【概要】
2012年末から始まったアベノミクス。メディアでは、アベノミクスの評価に対して様々な意見が飛び出しており、国民は、本当に日本経済がよい方向に向かっているのか判断のつかない状況が続いている。元財務官僚の著者によれば、じつは、日本経済の足を引っ張り、復活への道を阻もうとする者たちがいるという。マスコミ報道のウラに隠された、日本経済の完全復活を阻む者たちの「正体」を一切のタブーなしですべて暴く!(「BOOK」データベースより)
【抜粋】
●「株式は譲渡されない」としか書いていない。新聞の最大の既得権益といえるだろう。
日刊新聞紙法は、一般的には知られていないというだけで、新聞社の人間ならだれでも知っている法律だ。(p.53)
☆新聞社は譲渡制限があるため、オーナーが変わることはないらしい。
絶対に買収されない仕組みになっている。
読売新聞のナベツネ氏があれだけの権力を持てるのも、この法律のおかげらしい。
●欧米の政治的な基準では、リベラル政党がなによりも目指すべきは「完全雇用」が達成されている社会である。
完全雇用とは、働く意思とその能力のある人が全員就業している状態のことで、経済学では、完全雇用は金融政策によって実現できるとされる。
実際の政策は、もちろん金利の引き下げだ。これは経済学の基本中の基本である。(p.84)
☆こういうのが出てきたら経済学のテキストで確認したい。
●そもそも、「リベラル」とはどういうものなのか。
・・・(中略)・・・
政治的な用語として使われる場合は、「自由主義」あるいはそれを支持する人たちのことで、 “右” の「保守主義」と “左” の「社会・共産主義」の “中間” に位置する政党および支持者を指す言葉である。(p.85)
☆リベラルって革新のイメージだったけど、本来は中間だったのか。ということは、私はリベラルのようだ。でも今の日本でリベラルと言うと、左とか革新とか言われる。
●リベラルという言葉から、「公平さ」という意味を連想する人も多いかもしれない。それは、こうした自由主義を標榜する政党の、社会的な公平・公正さ、多様性を重視する政治姿勢が起因していると思われる。(p.86)
☆本来のリベラルは自由主義なのに現状は左派になっている。
なぜこうなっているかと言うと、ソ連崩壊で社会・共産主義は絶滅種になっているから国内の左派は絶滅危惧種化を避けるためにリベラルにならざるを得なかったそうだ。
つまり、 もともと左中右とあったのだが、左が無くなったので、中がどちらかと言えば左になったという感じか。隠れサヨクもリベラルとなっている。
世界的な意味でリベラル政党と呼べるのは実は自民党というのもおもしろい。
●日本的「リベラル」とは、つまるところ、「リベラル=護憲」というイメージのことだ。日本国憲法を改正させないことを目的とする政治勢力を、リベラルと呼んでいるのである。・・・(中略)・・・
だが、明らかに、このリベラル=護憲という図式はおかしい。
憲法改正を否定するか肯定するかは、政治的に左か右かということと、まったく無関係だからだ。(p.88)
☆小池都知事が「リベラルを排除します」と言っていたのもこの意味だったようだ。
●もし、「集団的自衛権は行使しない」とでも表明しようものなら、同盟国との同盟関係を弱め、かえって、戦争が生じるリスクを高めることになる。(p.115)
☆憲法を改正して集団的自衛権を明文化できれば安倍さんは戦後首相で最大の功績となるかもしれない。
アベノミクスとかは些細な事。集団的自衛権が本丸だろう。
それを阻止するためにモリカケ問題とかをでっちあげられて攻撃されてるんだろうけど。
もし、安倍さんが憲法改正を諦めて今後も集団的自衛権が行使できないことが決まったら
その時点で中国との戦争リスクはグッと高まるだろう。
●いまの自衛隊の戦力では、海外に部隊を派遣して軍事作戦を行う「戦力投射」の能力はなく、侵略戦争は絶対にできない。(p.118)
☆集団的自衛権を認めると、日本が戦争に向かうという意見があるが、実際は逆で、(アメリカとの同盟が強くなり)防衛コストを安く抑えられ、(アメリカとの同盟が強くなることで)戦争に巻き込まれる可能性が低くなり、戦争を仕掛けにくい体制になるそうだ。ちなみに、「戦力投射」能力がないので日本が侵略することはないが、中国はそれをわかった上で、そして韓国は何もわからずに「日本が侵略しようとしている」と言って反対しているらしい。
●時の政権の安定度をはかるバロメーターがある。
「青木の法則」だ。自民党の元参議院議員である青木幹雄氏が唱えたとされる法則だ。
具体的には、「内閣支持率+与党第1党の政党支持率が50%を切ると、その政権が倒れる」というもの。内閣支持率+与党支持率の合計は、「青木率」と呼ばれている。(p.124)
☆だいたい青木率が60%を切ると危険信号のようである。
●なぜ財務省は財政再建につながる経済成長を否定するのか。経済成長をして税収が増えれば、財務省にとっても喜ぶべき事態であるはずだ……。
実は、経済が良くなることを財務官僚は望んでいない。官僚は雇用の心配がなく、給与カットも民間ほどではない。官僚の中の官僚である財務官僚は、経済が悪くなっても相対的に地位向上になることを知っている。(p.161-162)
☆これが財務省が消費税増税を進めたがる理由だそうだ。
本当に日本を良くしたいと思っている官僚はいないのかな。
【アクションプラン】
−
【Amazonレビューより】
−
【この本が愛読書の有名人】
−
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
日本経済が良くなると困る人たちがこんなにいるという話。
橋洋一/著 (SB新書) 2018年
800円+税
【動機】
テレビで著者を見かけて興味を持った。
【所感】
消費税を上げると景気が悪くなるのが明らかなのになんで上げようとするんだろうとずっと不思議に思っていたら、
景気を上げたくない(むしろ不況の方が喜ばしい)人たちがいるというのは目から鱗だった。
【概要】
2012年末から始まったアベノミクス。メディアでは、アベノミクスの評価に対して様々な意見が飛び出しており、国民は、本当に日本経済がよい方向に向かっているのか判断のつかない状況が続いている。元財務官僚の著者によれば、じつは、日本経済の足を引っ張り、復活への道を阻もうとする者たちがいるという。マスコミ報道のウラに隠された、日本経済の完全復活を阻む者たちの「正体」を一切のタブーなしですべて暴く!(「BOOK」データベースより)
これが日本経済の邪魔をする「七悪人」だ! (SB新書)
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橋 洋一
SBクリエイティブ
売り上げランキング: 85,105
SBクリエイティブ
売り上げランキング: 85,105
【抜粋】
●「株式は譲渡されない」としか書いていない。新聞の最大の既得権益といえるだろう。
日刊新聞紙法は、一般的には知られていないというだけで、新聞社の人間ならだれでも知っている法律だ。(p.53)
☆新聞社は譲渡制限があるため、オーナーが変わることはないらしい。
絶対に買収されない仕組みになっている。
読売新聞のナベツネ氏があれだけの権力を持てるのも、この法律のおかげらしい。
●欧米の政治的な基準では、リベラル政党がなによりも目指すべきは「完全雇用」が達成されている社会である。
完全雇用とは、働く意思とその能力のある人が全員就業している状態のことで、経済学では、完全雇用は金融政策によって実現できるとされる。
実際の政策は、もちろん金利の引き下げだ。これは経済学の基本中の基本である。(p.84)
☆こういうのが出てきたら経済学のテキストで確認したい。
●そもそも、「リベラル」とはどういうものなのか。
・・・(中略)・・・
政治的な用語として使われる場合は、「自由主義」あるいはそれを支持する人たちのことで、 “右” の「保守主義」と “左” の「社会・共産主義」の “中間” に位置する政党および支持者を指す言葉である。(p.85)
☆リベラルって革新のイメージだったけど、本来は中間だったのか。ということは、私はリベラルのようだ。でも今の日本でリベラルと言うと、左とか革新とか言われる。
●リベラルという言葉から、「公平さ」という意味を連想する人も多いかもしれない。それは、こうした自由主義を標榜する政党の、社会的な公平・公正さ、多様性を重視する政治姿勢が起因していると思われる。(p.86)
☆本来のリベラルは自由主義なのに現状は左派になっている。
なぜこうなっているかと言うと、ソ連崩壊で社会・共産主義は絶滅種になっているから国内の左派は絶滅危惧種化を避けるためにリベラルにならざるを得なかったそうだ。
つまり、 もともと左中右とあったのだが、左が無くなったので、中がどちらかと言えば左になったという感じか。隠れサヨクもリベラルとなっている。
世界的な意味でリベラル政党と呼べるのは実は自民党というのもおもしろい。
●日本的「リベラル」とは、つまるところ、「リベラル=護憲」というイメージのことだ。日本国憲法を改正させないことを目的とする政治勢力を、リベラルと呼んでいるのである。・・・(中略)・・・
だが、明らかに、このリベラル=護憲という図式はおかしい。
憲法改正を否定するか肯定するかは、政治的に左か右かということと、まったく無関係だからだ。(p.88)
☆小池都知事が「リベラルを排除します」と言っていたのもこの意味だったようだ。
●もし、「集団的自衛権は行使しない」とでも表明しようものなら、同盟国との同盟関係を弱め、かえって、戦争が生じるリスクを高めることになる。(p.115)
☆憲法を改正して集団的自衛権を明文化できれば安倍さんは戦後首相で最大の功績となるかもしれない。
アベノミクスとかは些細な事。集団的自衛権が本丸だろう。
それを阻止するためにモリカケ問題とかをでっちあげられて攻撃されてるんだろうけど。
もし、安倍さんが憲法改正を諦めて今後も集団的自衛権が行使できないことが決まったら
その時点で中国との戦争リスクはグッと高まるだろう。
●いまの自衛隊の戦力では、海外に部隊を派遣して軍事作戦を行う「戦力投射」の能力はなく、侵略戦争は絶対にできない。(p.118)
☆集団的自衛権を認めると、日本が戦争に向かうという意見があるが、実際は逆で、(アメリカとの同盟が強くなり)防衛コストを安く抑えられ、(アメリカとの同盟が強くなることで)戦争に巻き込まれる可能性が低くなり、戦争を仕掛けにくい体制になるそうだ。ちなみに、「戦力投射」能力がないので日本が侵略することはないが、中国はそれをわかった上で、そして韓国は何もわからずに「日本が侵略しようとしている」と言って反対しているらしい。
●時の政権の安定度をはかるバロメーターがある。
「青木の法則」だ。自民党の元参議院議員である青木幹雄氏が唱えたとされる法則だ。
具体的には、「内閣支持率+与党第1党の政党支持率が50%を切ると、その政権が倒れる」というもの。内閣支持率+与党支持率の合計は、「青木率」と呼ばれている。(p.124)
☆だいたい青木率が60%を切ると危険信号のようである。
●なぜ財務省は財政再建につながる経済成長を否定するのか。経済成長をして税収が増えれば、財務省にとっても喜ぶべき事態であるはずだ……。
実は、経済が良くなることを財務官僚は望んでいない。官僚は雇用の心配がなく、給与カットも民間ほどではない。官僚の中の官僚である財務官僚は、経済が悪くなっても相対的に地位向上になることを知っている。(p.161-162)
☆これが財務省が消費税増税を進めたがる理由だそうだ。
本当に日本を良くしたいと思っている官僚はいないのかな。
【アクションプラン】
−
【Amazonレビューより】
−
【この本が愛読書の有名人】
−
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
日本経済が良くなると困る人たちがこんなにいるという話。
2015年09月22日
世界政府アメリカの「嘘」と「正義」
『世界政府アメリカの「嘘」と「正義」』
青山繁晴/著 (飛鳥新社) 2003年
1,300円+税
【概要】
本書ではアメリカの「嘘」だけではなく、日本人が誤解しているアメリカの「公正さ」も正確に分析し、これからさき日本がアメリカとどう接していけばいいのかを、あくまでも具体的に現実的に、提示している。(「BOOK」データベースより)
【動機】
青山さん、最近テレビで見かけなくなったなぁ。
【所感】
映画「パールハーバー」の感想部分は必読。
【抜粋】
●オーストラリアは、イギリスから島流しならぬ「大陸流し」された囚人たちが、造った国である。(p.49)
☆囚人たちが造った国というとインパクトがある。
オーストラリア人のルーツは囚人 - みんな違ってあたりまえ
http://hirokoliston.blogspot.jp/2012/08/tv.html
こちらのブログでわかりやすく解説されていた。
●英国はアメリカと同じキリスト教プロテスタントの国と言いながら、実際の歴史は対照的だ。
アメリカは、プロテスタントのなかでも、清教徒、ピューリタンという「変わり者」、今風に言えば原理主義に近いような厳密な立場をとる人々が、イギリスに居づらくなって船で脱出して造った国である。(p.59)
☆アメリカの方が自由だという印象があったけど、違うのか。
そういえば、イギリスもプロテスタントだったなぁ。
●ノルマン人がブリテン島に本格的に上陸してきたのが、1066年。つまり海賊が陸に上がっただけですよね。それとあまり変わらない時代にこの国では、紫式部が源氏物語を書いていたんですよ。(p.61)
☆そういえば、以前、池上彰さんの「137億年の物語」でもイギリスのロイヤルファミリー(王室)はフランスのウイリアム1世、つまりデンマークのバイキングが作ったと解説しててそうだったのかと驚いたことがある。
ウイリアム1世はイギリスにフランスの宮廷文化や狩りの文化などを持ち込んだ。
王族や貴族がフランス語を使っていて、庶民は英語の原型のようなものを使っていたが、これが15世紀ごろに今の英語になったようだ。
世界史の教科書を読むと、
9世紀には、ゲルマン人の一派であるノルマン人(ヴァイキング)が北欧から移動を開始した。10世紀初めに北フランスで成立したノルマンディー公国、11世紀後半にブリテン島を征服して成立したノルマン朝、ロシアの起源とされる9世紀のノブゴロド国などは、いずれもノルマン人のたてた国である。
と書いてある。
要するに、フランスもイギリスもロシアもみんなノルマン人(ヴァイキング)が作ったということだ。
●仕事がら世界の多くの国の政府当局者と接してきて、もっとも公正なのは疑いなくアメリカ人であった。(p.84)
☆イギリス人に本音をぶつけても本音が帰ってくるのは2年後だったり、ドイツ人はこちらのいうことに徹底的にメモを取り、それを組織的に検討した後で本音を言うかどうか通告してきたり、フランス人はメモもとらず、本音も言わないし英語も苦手、と各国それぞれ違っていて面白い。
アメリカ人は本音で接すれば本音で返ってくる。日本の外交官僚はそれが分ってないからアメリカ人に「彼らはいつも建前で話すから、こちらも本当のことを言う必要を感じない」と言われてしまうそうだ。
●アメリカ空軍の青森県・三沢基地にいる戦闘機F16ファイティング・ファルコン、沖縄県・嘉手納基地にいる戦闘機F15ストライク・イーグルは、ふだん何を任務にしているのだろう。(p.92)
☆これは2003年当時の話だが、防衛庁の上級幹部研修で受講生に聞いたら誰も答えられなかったそうだ。
答えは、イラクを爆撃しに行っている。
ちなみに、今のIS(イスラム国)との戦いでも同じように拠点として使用されているそうだ。
米軍三沢基地に配備されている戦闘機がISの空爆に参加ー安保条約にも違反した勝手な基地の使い方を日米双方に抗議します - Afternoon Cafe
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-2114.html
安保条約で日本を守るためとは言いながら裏では他国を攻撃してたのか? ・・・とまでは言うつもりはないけど、イスラムからしてみれば、日本も攻撃に参加している(我々を殺すために日本からやって来ている)と見られているということは知っておきたい。
ところで、F-15ってイーグルじゃないのかな。
ストライク・イーグルはF-15Eのはず。
(「戦闘国家」というゲームで得た知識)
ちなみに対地能力を削ったF-15Jというのが日本用に作られているらしい。
●そして店主は「ジャパンはなぜ、アラブを爆撃するんだ」と私に顔を近づけて聞いた。(p.103)
☆アラブ人からは、日本人も攻撃に参加していると思われている。
●「イラクにはオイルがあり、北朝鮮にはオイルがない。イラクには味方がなく、北朝鮮にはある」(p.124-125)
☆アメリカ(当時のブッシュ政権)がイラクを攻撃して、北朝鮮を攻撃しない理由。
北朝鮮には味方があるというのは、北朝鮮を叩けば中国が出てくるということか。
●「テキサスが世界なのかい」
「おお、もちろん、テキサスは世界の中心さ、わがブッシュ・アドミニストレーション(政権)にとってはね」(p.128)
☆テキサス、つまりロックフェラーが世界の中心だと言っている。
ちなみにブッシュはテキサス出身である。
●イギリスに居づらくなった清教徒たちが海を渡り、未知の大陸で牧場の塀ひとつ造るにも皆で相談してきた歴史が、そうさせていることは、先に詳しく書いた。(p.209)
☆ピューリタンについてもっと調べてみよう。
アメリカの民主主義の原点がここにある。
【アクションプラン】
・世界史をもっと勉強したい。
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
日本はどこに向かえばよいのか考える時に。
2014年12月16日
ぼくらの祖国
『ぼくらの祖国』
青山繁晴/著 (扶桑社) 2011年
1,600円+税
【概要】
きみは祖国を知っているか。あなたは祖国を知っていますか。「祖国」を知らない受験生、教師、親たちへ。「祖国」を震災で知った新しい日本人へ。(「BOOK」データベースより)
北朝鮮拉致事件、福島原発、硫黄島、メタンハイドレードなどなど
青山さんがテレビでよく語っていることが網羅されている。
【動機】
テレビでよく青山さんを見かけるが、本はまだ読んだことがなかったので手に取ってみた。
【所感】
テレビで見る迫力がそのまま伝わって来た。
文章なので背景なども分りやすい。
青山さんが硫黄島にこだわっていた理由がようやく分かった気がする。
不統一の文字はこだわりの部分なのでツッコミたくないけど、やっぱりちょっと読みにくい。
【抜粋】
●ぼくは身体が丈夫なたちで、病気らしい病気の経験がなかった。
しかし震災が音もなく近づいていた2011年の冬から早春にかけて、まず尿管結石の激痛が起こり、報道テレビ番組の生放送でプロデューサーが痛み止めの座薬を持って見守るなか、どうにか、ふつう通りに語った。
その痛みが続くなか講演先で肺炎となり、重症化して右肺が真っ白になっているレントゲンを見せられた。・・・(中略)・・・
そのころすでに癌の告知を受けていた。・・・(中略)・・・癌の告知から37日が過ぎてから日程をあけることができて、手術を受けた。
癌はごく早期だったが、大病院の副院長は、転移を避けるために腸を大きく切り取った。立派な成功手術だった。(p.54-55)
☆震災の1か月前にも大きな病気を患い、手術後も腸閉塞を起こしながら講演に飛び回っていた青山さん。
震災が起きたときも、講演に向かう途中の新幹線の中だったそうだ。
その当日に、現地に入ることを決断していたという。
●福島第一原発までおよそ50キロ圏内の地域から見ていった。
ところが、すでにそのあたりで、人間が絶えて、いない。ちょうど桜が満開で、何事もないかのように咲き乱れている。
政府が避難を薦めたのは、20キロ圏内であり、その時点では30キロ圏内が「屋内にいて下さいね」という地域だった。
☆政府が避難を薦めたのは20キロ圏内なのに、50キロ圏内で人の姿が無かったという。政府を信用していないことが伝わってくる。
●菅直人首相は3月12日の午前7時11分に自衛隊ヘリで、この福島第一原発に降り立ったが、それは安全な免振重要棟に短時間、立ち寄っただけで、ほんとうの現場把握はせず、すぐ「逃げるように帰った」(幹部作業員)
これはベント(排気して圧力を下げること)をはじめ作業を遅らせただけであった。(p.118)
☆この判断ミスが大きなトラブルを巻き起こしたと言われている。先日の総選挙で菅元首相は小選挙区で落選した。(ちょうどこのあたりを読んでいるときに、比例でゾンビのように復活当選した)
●「海上自衛隊の硫黄島部隊と言いながら、ほんとうは救難ヘリが二機いるだけですね。海上防衛のプロに申して恐縮ながら、この硫黄島のすぐ南方に沖ノ鳥島があります」 士官は、頷いた。
「そこには、中国海軍がずっと仕掛けてきていますね。・・・(中略)・・・海上自衛隊のように、中国海軍をほんとうは上回る実力があれば、やれることはもっと根本的に沢山あります」
士官は、今度は深く頷いた。
「やがて中国海軍は空母を保有します」
「そうですか、やはり、そうですか」(p.184-185)
☆自衛隊がここに戦闘部隊を置くのは戦争を起こすためではなく、戦争を起こさないためである。中国は空母で沖ノ鳥島をうっかり破壊することも考えられる。救難ヘリ二機では守れない。
【アクションプラン】
・硫黄島の映画を観てみたい。
父親たちの星条旗 [DVD]
硫黄島からの手紙 [DVD]
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
「子どもに本当の日本を教える本が見つかりません」という声が届いたことが胸に響いて、この本を書こうと思ったそうだ。
【結論】
この本を読んであらためて青山さんのすごさ、偉大さがわかる。
同じ時代に生きていることをうれしく思う。
(141216 読了)
2013年10月24日
日本の「黒幕」200人
『日本の「黒幕」200人』
別冊宝島編集部/編 (宝島社) 2009年
457円+税
【概要】
黒幕は、権力を操る。黒幕は、信念を持つ。黒幕は、人を動かす。黒幕は、日陰を好む。黒幕は、暴力を持つ。黒幕は、カネを使う。黒幕は、情報を握る。黒幕は、いくつもの顔を持つ。黒幕は、実力者である。黒幕は、静かに動く。そして黒幕は、何も語らずに去る。フィクサー、政界、財界、メディア、官僚、相場師、暴力団、右翼、左翼、思想家、検察、芸能界、総会屋、格闘技、占術家、大富豪……完全保存版「陰の実力者」総登場。本書は、時代を動かした影武者たちの記録です。(「BOOK」データベースより)
本書は、2009年1月に刊行した 『別冊宝島1580号 日本の「黒幕」200人』 を改訂し、文庫化したものである。
【動機】
日本の黒幕について網羅的に勉強したい。
『日本「黒幕」列伝』 がおもしろかったので、その続きとして。
【所感】
基本的なことはひと通りわかるようになった。
【抜粋】
●笹川 VS 田中の水面下の戦いは、“昭和の川中島合戦”といわれるぐらいすさまじいものがあったと伝えられる。(p.13)
☆この戦いがのちのロッキード事件に繋がるといわれる。
●ロマンを語り、誰も考えつかないような事業計画を描くことには天才的な才能があったという。彼の口車に乗せられた有名財界人や政治家の名前は枚挙にいとまがないほどだ。(p.45)
☆昨年末に密かに韓国に移送され、先日仮出所した許永中。イトマン事件では3000億円もの大金が闇に消えた。
●「この国の医療保険制度を悪い方に悪い方に引っ張っているのは、厚生官僚たちと日本医師会のボス連中どもだ!」(p.132)
☆先日、選挙違反の疑いで日本最大の医療グループ徳洲会の理事長を辞任した徳田虎雄が常日頃から言ってた言葉。
●父・晋太郎の無念を晴らそうと、熱心な支持者が「晋三を総理にしてください」と山口から池口のいる鹿児島まで毎月祈願にやってきたという話も伝わっている。(p.162-163)
☆安倍首相が何かと頼りにしている最福寺法王・池口恵観。朝鮮総連本部購入で話題に上がってた和尚さんである。落札したものの資金が調達できず、結局、再入札で落札したのはモンゴルの企業「アバール・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー」。背後に誰がいるのかがもっぱら最近の話題となっている。
●福岡の市電(福博電気軌道)経営に参加するや、翌年には九州電気を設立するなど順調なスタートを切った。 (中略) 松永は東京進出のために子会社、東京電力を作り、東京電燈と覇権争いを演じた。(p.228-229)
☆この東京電力は現在の東京電力とは別会社らしいが、現在の東京電力も松永安左エ門が作ったらしい。
【アクションプラン】
・山崎豊子 『不毛地帯』 を読みたい。
・これをきっかけにもっと勉強したい。
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
日本の黒幕についてざっと押さえておきたいときに。
入門書としてもピッタリ。
2013年07月12日
小沢一郎の日本をぶっ壊す
【概要】
田中角栄をオヤジと呼び、金丸信のかたわらで永田町政治のすべてを目撃した男、小沢一郎。自衛隊への入隊を希望した少年期、弁護士を志した青年期を経て政治家になった男は、日本をどう変えるのか…。ロッキード事件の表裏、自民党からの離党、偽メール問題までを徹底取材。「政治のプロ」に信頼される理由を明かす異色ドキュメント小説。(「BOOK」データベースより)
この本が書かれたのは2006年の8月。
小泉人気に陰りが見え、自民党の人気が衰え始めた頃である。
その1年後の2007夏の参院選で自民党は惨敗をし、ねじれ国会となる。
【動機】
小沢一郎関連本を読みあさっていたので。
【所感】
小沢さんに関する本はいろいろあって、だいたいひと通り読んだが、中でもよくまとまっていて抜群におもしろい。
【抜粋】
●「いや、国連軍への参加は、集団自衛権ではないんですよ」
「えっ? というと……」
「たとえば、二国間で同盟をつくっているとする。仮に、その一国が外から攻められたときに、同盟関係にあるもう一国が武力行使する。それが集団自衛権です。ただ、国連加盟国であるイラクが、同じく加盟国のクウェートを攻め、国連が武力行使をしてもよいと決議したとき、それは集団自衛権ではない。全く別のもの、つまり集団安全保障なんです。(p.334-335)
☆現在の憲法は集団自衛権を認めてないが、集団安全保障だと憲法を変えなくても自衛隊は参加できるという意見。
●「四十九歳という、おれの年齢があるからな。若くして出れば、上の人たちの出番をなくしてしまう。そうなると、怨念が生まれる。(p.343)
☆金丸さんから何度も説得されたのに総理のイスを断ったのは、宮澤喜一や渡辺美智雄に気兼ねしたのかもしれない。
●のちに、小沢が、自分を党首にするようにとか、組織名簿をつくってあるといった噂も流れた。しかし、それは、誰かが無責任に書いて渡したペーパーを、責任感の無い記者がただおもしろがって書いたにすぎない。(p.472)
☆小沢ほど私利私欲なく日本のためにやってきた政治家で180度評価が違う人はいない気がする。もちろん、この本に書かれていることが全て本当だという前提だが、どこで大きくミスったんだろう。
●「菅さんが総理になれる器だと思う? 民主党というのは、右から左までゴッタ煮。松下政経熟出身のお坊ちゃん、お嬢ちゃんが政治ゲームをしているところっていうイメージがあるのよねぇ。そんでも、自民党と対立できるのは、民主党しかないけどさ」(p.499)
☆民主党政権が生まれる前の話である。今振り返ってみれば、田中真紀子さんは、口は悪いけどけっこう本質を突いている。
●「いっちゃんが民主党に入ったから、政権交代の可能性が出てきた。ただ、どれだけの人が落ちこぼれずについていけるかしらね。それに、いっちゃんには欠点がある。自分で総理になろうとしないこと」(p.500)
☆そういえば、今まで何度も総理になれるチャンスはあったのに、一度も自分から総理になろうとはしなかった。
【アクションプラン】
・手嶋龍一 『外交敗戦』 を読む。
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
小沢一郎ってマスコミのイメージが悪いけどほんとに悪い人なの?ってときに。
生い立ちからよくわかる。
【結論】
この本を読むと、小沢を嫌ってるのが2種類いることがわかる。
マスコミに躍らされている人と、本当に悪い人だ。
2013年05月14日
日本「黒幕」列伝
【概要】
2005年6月に刊行された別冊宝島1150号 『昭和・平成 日本「黒幕」列伝』 を改定したもの。
“戦後最大の黒幕”と呼ばれた児玉誉士夫をはじめ、37人の黒幕が登場している。
【動機】
政治を勉強していたらいわゆる黒幕と呼ばれる人たちがたくさん出てくるので
一度、網羅的に勉強しておこうということで。
【所感】
知らない人もたくさんいて、勉強になった。
こういう勉強をもっと小さい頃からやっていれば
世の中のことがもっとよくわかってたと思う。
【抜粋】
●祖父は小学生の矢次に中国の古典籍「四書五経」を厳しく教えた。八次(注:矢次のこと)は小学校しか出ていない。しかしこの幼時の教育が、のちに東大出の官僚や陸大出の軍人らエリートたちと5分以上に渡り合う明晰な頭脳と巧みな弁舌を育てたと思われる。(p.130)
☆国家主義者・矢次一夫を育てた教育法。
【アクションプラン】
・これをきっかけにもっと勉強しよう。
・「四書五経」も早く終わらせたい。
【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
裏と表は車の両輪。バランスよく勉強しないといけない。
2013年05月08日
三宅久之の書けなかった特ダネ
三宅久之の書けなかった特ダネ (青春新書インテリジェンス)
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三宅 久之
青春出版社
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青春出版社
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【概要】
「今、私が書き残しておかなければ永久に歴史の闇に埋もれてしまう事実がある」―鳩山一郎、岸信介、田中角栄…そして小沢一郎、時代をつくり変える政治家の器とは何か。(「BOOK」データベースより)
副題は、「昭和〜平成政治、25の真実」
【動機】
たかじんのそこまで言って委員会やTVタックルなどで大活躍していた三宅さんの遺言ともいえる本。
【所感】
三宅さんしか知り得ないようなことがたくさん出てくるが、
それを公表したところで世間があっと驚くようなことでもなく、
そういう意味では、いわゆる特ダネっぽいのは無かった。
政治記者から見た政治の舞台裏という感じで気軽に読める。
あと思ったのは、三宅さんはご自身が関わったことは深く知っているが、関わってないことはあまり知らない、あるいは触れない。ご自身の見聞きしたことをとても大切にしているお方だと感じた。つまり、あくまで三宅さんにとっての真実であって、どこまで本当なのかは想像するしかない。
【抜粋】
●渡邉は岸―池田時代を通じて副総裁だった大野伴睦と極めて親しかった。しかし、彼は大野からビタ一文、カネをもらったことはなかったと筆者は信じている。(p.6)
☆ナベツネさんと大野伴睦の関係もおもしろそうだ。
●総理総裁であり選挙対策本部長の池田がこういった。
「最後の最後だが、本部長である私の趣味を一つ聞いてもらえんだろうか」
「何でしょうか」
「私の趣味としては田中六助君を追加公認してもらいたい」
すると、副総裁の大野伴睦が手を挙げた。
「それでは選対副本部長のワシの趣味も一つ、どうか聞いてもらいたい。私の趣味は中川一郎君だ」
中川は当時、大野伴睦の秘書を務めていた。(p.42-43)
☆政治というのはおもしろいなぁ。ちなみに田中六助も池田勇人の秘書である。
●夕方になって緒方が出てきて、一緒にいた日経新聞の越智勝幸記者と筆者を手招きして、
「これから銀座に食事に行くが、よかったら一緒に来ないか」
と声をかけられた。
今もあると思うが「ハゲ天」という天ぷら屋で、緒方は酒を呑みながら親父と雑談し、筆者らに「上天丼」をご馳走してくれた。(p.46)
☆三宅さんが副総理番をしていたときの話。(吉田内閣の)副総理・緒方竹虎は朝日新聞社の編集局長、主筆、副社長を歴任。新聞界で神格された人物だという。鳩山一郎の最大のライバルでもある。たまたまこの前、「ハゲ天」という天ぷら屋を見つけけど、値段が高くて入らなかったのだが、そういうエピソードを知っていたらちょっと入ってみたくなる。
●この剛直で不器用な池田を首相の座に就け、「寛容と忍耐」を旗印に、安保で荒廃した人心を、「あなたの給料が二倍になります」と所得倍増、高度成長路線に切り替え、民心を掌握していったのは大平正芳、宮沢喜一、黒金泰美らかつての秘書官グループと、伊藤ら心酔者による献身的なバックアップがあったからにほかならない。(p.59)
☆ 『戦後政治史』 を見ても、 <池田自身と、前尾繁三郎、大平正芳(のち首相)、宮沢喜一(同)ら側近達が演出した、みごとな転換であった。> と書かれてある。列記している人物はちょっと違うけど、側近達のバックアップがあったのは大きい。大平、宮沢などは首相になってからよりもこのときのほうが活躍してるかもしれない。
●早坂茂三は著書 『宰相の器』 (クレスト社)の中でこう書いている。
『「頂上を極めるためには敵を減らすことだ」――こう私に言ったのは、恩師・田中角栄である。時に角栄は四十四歳の大蔵大臣、 (中略) 人の好き嫌いはするな。誰に対しても一視同仁。 (中略) 他人のために汗を流せ。できるだけ面倒を見ることだ。手柄は、先輩や仲間に譲れ。損して得を取れ。ドロから逃げるな。進んでドロをかぶれ。 (中略) 「それを長い間、続けていれば敵が減る。多少とも好意を寄せてくれる広大な中間地帯ができる。大将になるための道が開かれていく。頂上を極めるには、それしかない」』と。(p.63)
☆田中角栄の天下取りの戦略。
●佐藤をもっとも嫌った大野伴睦は前年の64(昭和39)年5月に死去、政敵河野一郎は65(昭和40)年7月死去、煙たかった池田勇人も同年8月死去するなど、佐藤にとって手強かった政治家は相次いでいなくなった。(p.70)
☆大野伴睦がもっと長生きしていれば、佐藤の前に総理になっていたのだろうか?
●田中派結成に当たって、田中がねらいを定めたのは参院である。 (中略)
もともと参院の全国区選出議員は組織、団体の代表という色彩が強く、選挙区選出議員は衆院の複数の派閥の後援会組織に選挙運動を依存しているので、特定の派閥色の強い議員は比較的少ない。 (中略)
田中派(木曜クラブ)に参院議員が多かったのは竹下派(経世会)にも引き継がれ、小沢一郎が92(平成4年)の会長争いで小渕恵三に敗れたのも、自民党参院のドンと呼ばれた青木幹雄が竹下の指示で参院を小渕でまとめたためといわれた。(p.118)
☆参院不要論も出ていて、あっても無くても変わらないようなイメージをもたれているが、参院を制した者が勝つという結果になるのもおもしろい。角栄はそれを見切っており、戦略的に参院にウェイトを置いていた。小沢が小渕に敗れたのも、参院を竹下が握っていたから。
●総裁選で田中が勝つためには、弱小派閥ではあったが三木、中曽根両派の協力が不可欠だった。この両派は協力の条件として、「日中国交回復」政権公約に入れることを要求した。(p.121)
☆角栄といえば、日中友好が思い浮かぶが、三木、中曽根の思惑だったのか。
●「明日、正式に裁定が伝えられた時、三木先生“身に余る重圧で、直ちにお引き受けすることは即答しかねる”と、いったん裁定を椎名副総裁にお返し願いたい、というのが椎名先生の意向です」(p.136)
☆椎名裁定は三木武夫が断るのが前提だったとは知らなかった。それをあっさり受け入れた三木さんのしたたかさ。でも、そんな形で三木さんが首相になっても足を引っ張られるのはわかっていそうなものだけど。うーん、権力欲なのかな。
●52(昭和27)年の総選挙で政界返り咲きをねらうが、ちょうど鳩山派の軍師として政界復帰を期した三木武吉と選挙区で鉢合わせることとなる。 (中略) はじめに立った福家が三木のことを暗に指して、
「戦後男女同権となったが、この選挙区には妾を三人も連れてきている不徳義漢が立候補している。このような男を当選させてはならない」
次いで立った三木はこう演説した。
「只今、フケ(福家)ば飛ぶような男が吾輩のことを指して妾が三人いるといったが、これは大間違い、正しくは四人であります。彼女らは戦時中、東京が空襲で住めなくなったので、 (中略) これがけしからんというのであれば、どうぞ吾輩を落としていただいても結構です」
場内から万雷の拍手を浴びて、選挙結果は三木が一意当選、福家は最下位の六位で落選した。(p.156-157)
☆「政界の怪物」と呼ばれた福家俊一について。というより、三木武吉を引き立てるようなエピソードだ。ちなみに、『戦後政治史』 によると、三木武吉や大野伴睦らは自民党を実質的に作った人たちである。初代総裁は鳩山一郎がすんなり選ばれたが、これは鳩山の最大のライバル緒方竹虎が急死したためである。
●それ以来、選挙で圧勝することが中曽根首相の悲願だったが、大平内閣当時の80(昭和55)年、衆参同日選挙で自民党が両院で大勝したことが脳裏にあったことは間違いない。86(昭和61)年6月22日に予定される参院選挙に合わせて、衆院選挙を行う体制づくりに取り組んでいた。(p.189)
☆いわゆる「死んだふり解散」である。
衆参同日選挙は今年の安部政権でも行われる可能性がある。
まさに歴史は繰り返す。「一票の格差」問題で違憲との判決が出てるところまでそっくりだ。
このあたりの歴史を丹念に拾っていけば、未来が予測できるかもしれない。
●ところが国会閉幕日の5月22日、坂田衆院議長裁定の形で定数一人増となる公職選挙法の改正が成立。その定数増の周知期間が30日間という付則のため、事実上その30日間は首相の衆院解散権がしばられる形となった。(p.190)
☆要するに、5月22日に改正法案が成立。そこから30日間(公布の日から起算)、つまり6月20日までは総選挙の公示ができない。よって衆参同日選挙ができない(参院選の予定日は6月22日。衆院選の公示は12日前まで、つまり6月21日に公示した場合、早くても7月3日なので)ということだが、ならば参院選の選挙日をもっと後にしてしまおう、参院の任期満了はいつ?ってわけである。
●実は同日選に意欲を示す中曽根首相、後藤田官房長官らは自治省選挙局と綿密に日程を検討した結果、参院選の投票日を改選議員の任期満了となる7月7日の1日前、6日に設定し、衆院を6月1日から5日までの間に解散すれば、一ヶ月間の周知期間もクリアして、同日選は可能との結論を得ていたのである。(p.190)
☆結局、6月2日に解散している。(6月21日衆院選公示、7月6日同日選)。「6月1日から5日までの間」というのは、何の期間だろう? ちょっと調べてみたけど、これは不明。解散から40日以内なので5月27日からではないのか? ある程度死んだふりして不意をつかないといけないから解散をできるだけ遅らせるという意味かな? では6月6日の解散だとなぜダメなのか? 三宅さんの真意は?
ちなみに、この時の大勝で中曽根さんは自民党総裁の任期を2年から3年に延ばし、長期政権を築いた。
●さきがけの武村が河野に難色を示し、河野首班が壊れたことになっているが、実は休憩をとって河野が幹事長の森善朗に党内の意向打診を頼んだ。すると、経世会、なかでも会長の小渕恵三が絶対反対を表明した。これで河野が断念したのが真相である。
小渕は河野を指して「ロッキード事件で自民党が一番苦境にあった時、自民党の歴史的指名は終わったと後足で砂をかけるように離党した。河野首班なら本会議での首班指名選挙に同調しないこともある、と強硬姿勢だった」という。(p.196)
☆参院で社会党が惨敗したにも関わらず、村山首相続投となったわけだが、
その後、橋本首相の跡継ぎを決めるときも、河野は総理になれなかった。
松田賢弥 『闇将軍―野中広務と小沢一郎の正体』 (講談社)で、野中さんは
<――河野(洋平)はどうか。
「ない。自民党は彼を認めない」>
と言っている。そして結局、小渕首相が誕生した。
「洋平さんは自民党総裁になりながら唯一総理になれなかった悲運の政治家だといわれたが、衆院議長になって野党の信頼を得て史上最長の議長職を務めた。これは政治家冥利に尽きる人生ではないか。人間万事、塞翁が馬である」と締めくくっている。河野一郎番で洋平氏を学生の頃から見ている三宅さんならではの暖かい言葉である。
【アクションプラン】
・今年の国会閉幕は6/26。そこから24日〜30日後の日曜日と言うと、7/21。(2013年1月28日に召集された第183回国会は、同年6月26日までの150日間)。ということで、7/21に参院選が行われる予定だが、衆参同日選挙をシミュレートしてみたい。逆算していけば、近々大きな動きがあるだろう。 →済(130509)
【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
三宅さんが好きな人全員に。