2019年11月22日

ハーバード流交渉術

ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)
ロジャー・フィッシャー、ウィリアム・ユーリー/著、金山宣夫、浅井和子/訳
(三笠書房) 1989年


【概要】
副題は、「イエスを言わせる方法」

ハーバード大学交渉学研究所で開発された交渉術。
原則立脚型交渉術とよばれるもので、双方の主張の利点に焦点を合わせようとするものである。

その方法は、できるだけ共通の利益を見出し、利害が衝突する場合は、
どちら側の意志からも独立した公正な基準に基づいて結論を出すことを勧めている。


【動機】
心理学を勉強したいと思い、手に取った。


【所感】
結局は言い方次第、交渉次第。言い方によって結果は全く違ってくる。
ならば言い方、決まり文句などをひたすら覚えればよい。

そのまんま東こと東国原元宮崎県知事もその著書 『人生を劇的に変える東国原式勉強法』 で言っていた。
「あいさつは決まってるから覚えればいいんです」と。


【抜粋】
●他の戦術と違い、相手がこの戦術を見破っても、けっしてこちらに不利にはならない。むしろ交渉しやすくなる。相手も本書を読んでいれば、それだけ交渉はうまくいくにちがいない。(p.12)

☆Win-Winの関係を目指す。


●ところが、実際はその逆をしがちである。扱いにくい難問があると本能的にそれをいちばん後回しにしようとする。「お膳立てが全部すんでから局長に会いに行こう」というふうになるのである。(p.56)

☆説得したい相手をはじめから会議に参加させておく。


●相手方に「もし私が間違っていたら訂正してください」と言うのは、当方の率直さを表わし、もし訂正がなければ、当方の状況説明を相手が受け入れたことを意味する。(p.93)

「もしかしたら私は間違っていて、本当は二フィートの基礎で十分かもしれません。しかし二フィーとであろうが五フィートであろうが、私が望むのは、・・・(後略)」(p.142)

☆これも覚えておきたい言い方の一つ。相手に意見を言うときなどに使える。



●「100パーセント間違いなく、ですか?」

 「そう、100パーセント間違いありません」

 「それなら、万一のときに備えて一項加えてもかまわないでしょう。・・・(後略)」(p.222)

☆弁護士はこのように口がうまくないとダメだろう。子どもの頃から口ゲンカは苦手だったから向いてないかな。



●日本人のポーカー・フェイスは、もっぱら能面的無表情のワンパターンである(アメリカ人のポーカー・フェイスは、相手を誤らせるために心の中と違う表情をすることに重点がある)。(p.248)

☆そういえば、ポーカー・フェイスというと喜怒哀楽をオモテに出さないというイメージがある。



【アクションプラン】
・決まり文句やあいさつなどをたくさん覚える。

・この本で学んだ交渉術を実際に試してみる。


【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:



(121229 読了)
posted by macky at 23:48 | Comment(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月14日

分析心理学・自我と無意識 (まんがで読破)

分析心理学・自我と無意識 (まんがで読破)
ユング/著 (イースト・プレス) 2011年
552円+税


【動機】
齋藤孝の天才伝1 ユング』 を読んで興味を持った。



【所感】
「この人間の根本の問題をどのようにして現代社会へと組み込んでいくか…

ここに私の生涯の仕事が明らかとなったのだ」


ユングが錬金術の研究に没頭していくところがおもしろい。

全ての意味を解明するためにユングは10年もの月日を費やした。

一語一語を辞書のように書き出していき、気がつけば大量のノートでいっぱいになっていたという。





【概要】
精神科医のユングは、フロイトが創始した「精神分析学」に共感し、交流を深めた。が、志向の違いからフロイトと決別したユングは、「無意識」の、より幅広い解釈の必要性を感じ、生涯をかけて無意識の探求へと乗り出す。人間の心理を解明し、また神話や錬金術、心霊などにまで、幅広い解釈をもたらした、ユング心理学がよくわかる2冊を漫画化。(「BOOK」データベースより)



分析心理学・自我と無意識 (まんがで読破)
ユング バラエティアートワークス
イースト・プレス
売り上げランキング: 56,904





【抜粋】
●「我々のやっていることはアメリカ人のためにだってなることだ。なのに彼らはちっともそれを理解しようとしない」

「あなた方の宗教は自分たちのためだけではないと…?」

「そうだ」

「我々は宗教で毎日父なる太陽が天空を横ぎる手伝いをしている」

「これは我々のためだけではなく全世界のためなんだ。もしわれわれが宗教行事を怠れば10年かそこらで太陽は昇らなくなるだろう」(p.97)

☆傍から見れば無意味な事に見えるけど、全世界のためにやってると思ってる人が一番幸福なのかも。(この場合、その行為が本当に役に立つかどうかは関係ない)



●物質エネルギーに電気や光・熱といった種類があるように、欲動をエネルギーと考えるならば、心理学者がすべての本能を性欲や権力といった概念に制限するのは不適切だと考えていたのだ。(p.143)

☆欲動は抑え込むべきものではなく、エネルギーそのものである。



●たしかに自分自身の影を見ることは難しいことかもしれません。ですが、影はあらゆるところに投影されているのです。例えば他人のある部分が嫌いだとかイライラするといった状態におちいったとき、人は自分の内面の影を他人に投影して見ているといえます。(p.166)

☆人の行動にイライラした時こそが自分の内面を知るチャンス。それがすなわち自分の影の部分であるという。




【アクションプラン】
・自分の生涯をかけてもいい仕事を見つけて、10年くらいそれだけに没頭したい。

・〜したい!という欲望をもっと出してエネルギーに変えていきたい。




【Amazonレビューより】
・名探偵ユング 2011/11/16
イーストプレスの「まんがで読破」シリーズは、
古典と現代人の架け橋として秀逸な作品が多いけれど、
漫画になっていることでややこしくなっている作品も幾つかありました。

しかしこのユングは―、
原書2冊をユングの伝記に盛り込んだ全く新しい作品であるにも関わらず、
漫画の描写、物語の組立て、ユング心理学の核、いずれもバランス良く統合され、
漫画の著者の、原書に対する想いが伝わってくるようでした。

フロイトと決別した時期から晩年までのユングの思想が、
どのように移り変わっていったのか、
時代の背景と、ユングの心象風景が共に、時代を追って描かれているので、
ユング心理学の入門書として、とてもわかりやすいです。

わかりやすいけれど、まだまだわからないことだらけなのは、
この本がユング心理学の深さをうまく表現できているからでしょう。
(わからないけれどきっとそうに違いない!)

ユングがフロイトと決別してから、独りで真理を追求していく姿は、
まるで推理小説の名探偵が真犯人・事件の真相を追っていく姿のようで、
ほとんどユングの脳内で起こっていることなのに、物語に迫力がありました。
個人的に―、名探偵コナンと重なって見えました。

コナン「そうか!わかったぞ!」
ユング「見つけた…!とうとう見つけたんだ!」

コナン「こ、これは…、青酸カリ!?」
ユング「こ、これは…、あの夢で見たマンダラ!?」

物語の妨げになるような詳しい解説はないので、
本書だけではやはり理解の限界があります。
さらに理解を深めるなら、同じくユング心理学入門として優れている、
ナツメ社の『図解雑学ユング心理学』を合わせて読むと、
双方の難解な箇所が相互に、ある程度補完できると思いました。

本書の完成度に感動したので友人に貸したところ、
さっぱりわからないとのレスポンスがあったので、
先にそちらの予備知識があったことが、
物語を存分に楽しめた理由でもあったかもしれません。

しかし、ユングに少しでも興味がある人なら、
間違いなくオススメです。(Kさん)
 




【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
ユングについて知りたい時に。入門書として。



【結論】
錬金術こそ過去の神話から未来の心理学へと続く架け橋。

 
(160110 読了)
posted by macky at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月15日

齋藤孝の天才伝1 ユング

齋藤孝の天才伝1 ユング
ユング―こころの秘密を探る「ヴィジョン力」 (齋藤孝の天才伝)
斎藤孝/著 (大和書房) 2006年
1,400円+税


【動機】
子どもの教養の育て方』 を読んでユングに興味を持った。



【所感】
齋藤孝氏が独自のツールを使ってユングを切り込んでいく。



【概要】
人間の心に潜む無意識の世界を切り拓いた知のカリスマ。これでわかった!これ1冊でユング通。(「BOOK」データベースより)



ユング―こころの秘密を探る「ヴィジョン力」 (齋藤孝の天才伝)
斎藤 孝
大和書房
売り上げランキング: 834,523




【抜粋】
●12歳のユング少年は学校からの帰り道に、友達から小突かれて頭を打ちます。そのとき瞬間的に「もう学校へ行かなくてもよい」とひらめき、「ひきこもり」になってしまうのです。(p.25)

☆「もう学校へ行きたくない」ではなく、「もう学校へ行かなくてもよい」というのがおもしろい。
そしてこの「引きこもり」の時期に神秘の世界に没頭したことで、のちに人間の心の秘密を解き明かすカギを見つけ出す思想家へと飛躍することになる。



●そもそも、フロイトとユングは両極端な個性でした。モダン都市・ウィーンでユダヤ人として育ったフロイトと、スイスの片田舎で自然に囲まれて暮らしたユング。(p.28)


●ふつうは、子どもの頃に持った好奇心を捨てながら大人になっていきます。しかし、ユングはある好奇心が次の好奇心を呼び込み、連なって一生を構成していきます。好奇心の鎖がどんどんつながっていくのです。(p.38)


●その自己への深層への旅を可能にしたのは、ユングの並はずれたヴィジョン力です。空想や夢想を、映像として、はっきりヴィジョンとして見る力がユングの場合はとくにすぐれていたのです。(p.40)


●ふつうは、いわゆる理性を取り去ることで、そうした無意識的世界が噴出してくると考えるかもしれません。しかし、実際は逆で、ユングは、理性的な判断力を無意識的世界を切り開く道具にしているのです。(p.48)



●学べるポイント @自分の武器をよく知って徹底して使い続ける(p.50)

☆これはまさに著者の斎藤氏があてはまるだろう。自分の強みを活かして徹底的に使い続けている。そして我々はその恩恵を受けられるのである。

自分の武器は何か。それを見きわめて徹底して使い続けたい。



●その違いは、フロイトが夢をあくまでも個人の無意識の世界のものとしてとらえるのに対して、ユングは、夢は、個人の無意識だけでなく、人類のコンプレックスなどの総体、集合無意識というとらえ方をするからです。(p.78)




【アクションプラン】
・自分の武器をよく知って徹底して使い続ける。




【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
ユングの入門書として。

 
posted by macky at 16:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月02日

他人を支配する黒すぎる心理術

他人を支配する黒すぎる心理術

サンクチュアリ出版
売り上げランキング: 8,915


他人を支配する黒すぎる心理術
マルコ社/編 (サンクチュアリ出版) 2013年
1,300円+税



【概要】
★「人を操る」とは「良好な人間関係を築くこと」につながるのです★
人間関係の悩みを解決して、円滑なコミュニケーションを行なう方法のひとつに、心理学をベースにしたコミュニケーション法が存在します。
心理学的見地から、相手の表情やしぐさ、行動を分析して心理状態を把握し、コミュニケーションに役立てる心理術のなかでも、相手を「支配する」(=操る)心理術にフォーカスしたのが本書です。
コミュニケーションとは言い換えれば「操り合い」のこと。心理学をベースにした心理誘導に役に立つ考え方や具体的なテクニックを学ぶことで、コミュニケーションスキルは大きく向上することでしょう。そう、「人を操る」とは「相手との良好な人間関係を築くこと」につながるのです。
本書では人を操るための心理学や心理テクニックを紹介するために、「心理学」「心理術」の専門家への取材を敢行。心理学の基本や相手の心を透視(見抜く)技術について紹介するとともに、メインコンテンツでは相手の行動や心理を自分の意図した方向に誘導する心理術を紹介しています。

★本書の特徴★
point 01:心理術の類書があるなかで、相手を「操る」心理術に特化した内容に。
point 02:テクニックを羅列した心理術本ではなく、前提となる心理学の基本も説明しながら、具体的なテクニックまで紹介。
point 03:A5版の版型を活かして、適宜解説イラストや挿絵を掲載。文字だけでなく、視覚的にも読みやすい構成に。
point 04:心理学・心理術を専門とする複数の識者への取材をもとに、学術的な裏付けのある構成・テキスト内容にすることで、信頼感のある内容に。(Amazonより)


【動機】
心理学に興味があるので。


【所感】
影響力の武器』 をもとにしている感じ。

影響力の6つの武器に加えて、「利得最大の原理」と「公平性原理」を追加している。



【抜粋】
●現代の科学的な心理学が誕生したのは19世紀末のことです。心理学の父と呼ばれるドイツの哲学者・生理学者のヴィルヘルム・ヴントが、ドイツのライプツィッヒ大学で心理学実験室を開設したのが、そのはじまりとされています。
・・・(中略)・・・
ヴントはそれまで哲学者が扱ってきた人間の心の働きに関する研究に自然科学的な手法を取り入れ、生理学者の立場から「実験」と「観察」を用いて実証的に心を探求する「実験心理学」を実践したのです。(p.14-16)

☆心理学の父・ヴントは「実験心理学」を実践した。



「人間の心は生まれたときから様々な概念があらかじめ備わっている」という生得観念の立場をとった古代ギリシアの哲学者プラトン。「人間の精神は生まれた直後の状態では完全な白紙であり、成長・学習によって様々な働きを習得する」と考えた、プラトンの弟子であるアリストテレス。ふたりの立場は対照的ですが、それは現代の心理学にも影響を与えているといわれています。(p.14)

☆プラトンとアリストテレスで心理学に関して逆の立場だったことが興味深い。




●逆に女性をほめる場合には、成果や結果をほめてもあまり効果はありません。基本的に男性よりも女性の方が疑り深いので、能力をほめたとこで猜疑心を抱かれることも。それより、相手の行動や行為そのもの、つまり結果よりもプロセスをほめるほうが効果的です。
 例えば、仕事でがんばった女性をほめるときは、「今月の営業成績トップだね」という言葉よりも、「いつも遅くまで残業してるよね」「お客さんへの心配りが細かいね」といった言葉をかけてあげるほうが、その女性はすごく喜ぶことでしょう。(p.83)

☆たしかに男性は、「いつも遅くまで残業してるよね」と言われると、「その割には成果が少ないね」と皮肉に受け取ってしまう。
女性と男性の違いがよく出ていておもしろい。



●悪い出来事はより悪いイメージを、よい出来事はよりよいイメージをふくらませます。つまり謝罪やクレーム対応など悪い状況では、メールや電話は使わないほうが無難だということです。・・・(中略)・・・
 逆に、ハッピーな知らせやロマンティックなささやきはメールや電話で伝えるほうが、より感情の盛り上がりを生みます。(p.87)

☆ハッピーな知らせってメールよりも電話や直接会ってって思ってしまうけど、逆なのか。



●夫に家事に協力的になってもらいたいなら、手伝いをしてくれたあとに「ありがとう。重いものを持つのはつらいから、とても助かるわ」などと、ことあるごとに行為をほめる言葉を相手に投げかけることを繰り返すだけでいいのです。(p.92)

☆たしかにこのように言われるとまた手伝いたくなる。

やってくれないときに責めるのではなく、ちょっとでもやってくれたときにチャンスとばかりにほめるのがポイント。



●アメリカの社会心理学者レオン・フェスティンガーは、労働者は労働が苛酷であればあるほど、安い賃金でも満足しやすいということを実験で証明しています。(p.102)

☆これはすごい。苛酷なのに賃金が低いと、「自分が楽しいからやっているんだ」と思い込ませようという心理が働くらしい。
このブログが続いているのも楽しいから(楽しいと思い込んでいるから)だろうな。



“小さなお願い” に対しては、要求を受け入れてしまいやすく、そうした要求を受け入れてしまったことで、新たな要求にも「YES」と答えてしまいがちです。これは、自分自身の行動や態度は一貫したものとしていたいという「一貫性の原理」が心のなかで働くからだといわれています。
 この心理作用を利用して、小さな要求から大きな要求まで受け入れてもらえるようにするテクニックが「フット・イン・ザ・ドア」と呼ばれる心理テクニックです。(p.149)

☆一つお願いを聞いてもらったから、もう一つお願いするのは気が引けるなと思うことがあるが、心理学的に言えば、そういうときこそチャンスというわけである。
たしかに、そういう場面では拍子抜けするほど要求が通ることがある。




●アメリカの心理学者エリオット・アロンソンは、馴染みの薄い人からの賞賛や評価は、身近な人や親しい人からの賞賛よりも強く感じられると考えました。(p.180)

☆逆だと思ってた。馴染みの薄い人からの評価の方が賞賛を感じられるのか。これを「アロンソンの不貞の法則」というらしい。新しい職場などですぐに解けこむためにはピッタリの法則だ。

そういえば、馴染みの薄い人から突然ほめられると、強く印象に残っているものだ。
逆に言えば、馴染みの薄い人をほめたときも、相手の印象に強く残るわけで、
馴染みが薄いから感情を抑えて控えめにほめようとか思ったりするけど
せっかくなので思いっきりほめた方がいいということになる。



【アクションプラン】
・女性は結果や能力ではなくプロセスをほめろ!

・馴染みの薄い人にも思い切って賞賛してみよう。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
心理学の入門書として。

 
posted by macky at 23:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月26日

人を洗脳する賢者の黒い言葉

人を洗脳する賢者の黒い言葉 (ぶんか社文庫)
内藤 誼人
ぶんか社
売り上げランキング: 142,396


人を洗脳する賢者の黒い言葉 (ぶんか社文庫)
内藤誼人/著 (ぶんか社) 2010年 (単行本は2007年)
571円+税



【概要】
賢者たちが残した、人間の愚かさや汚さにまつわる「黒い」言葉にこそ、数々の知恵が詰まっている。人を意のままに操る「洗脳術」、どんな相手も虜にしてしまう「対人術」、スイスイと出世する「組織術」、人生をバラ色に変える「人生術」、あらゆる場面も切り抜ける「処世術」、地位や栄誉を勝ち取る「成功術」…世界の名言をもとに、世渡りの秘訣、人間関係のコツ、意識改革法など、他人と自分をうまく操るテクニックを紹介。(「BOOK」データベースより)

悪魔的な名言集。

2007年11月にぶんか社より刊行された 『人を操るブラック洗脳術―相手を「理解」「予測」「コントロール」する!』 を改題、文庫化したもの。


【動機】
心理学を勉強中。


【所感】
さらりと読めるが、ところどころなるほどと思うところがある。



【抜粋】
●「なるほど、そういう視点もありましたか」などと驚いて見せたりして、都合のいい返事はしてみるものの、指図に従うことはめったにないのである。(p.229)

☆指図に従う必要はないそうだ。「やり過ごし」というテクニック。仕事ができる人が共通して使っているらしい。いい返事をした後は、自分の発言にとらわれて後からでもついつい従ってしまうが、こういうところを割り切れる人ができる人なのかもしれない。



●お客さんから質問されたら即答する、これが基本だ。
・・・(中略)・・・
 人間はすばやい返答を受けると、心理的に信頼を感じる。(p.231)

☆そうだったのか。間違っててもいいからなるべく早く答えるようにすれば信頼される。たしかにそれは言えるかも。



●学生の答えは平均33.9日だった。
 しかし、現実には、55.5日もかかったのである。(p.235-236)

☆何日でできるかと言われればたいてい甘く見積もってしまう。最悪のパターンも想定しておく。 『時間管理術』 で学んだ三点見積り法を利用してみる。

三点見積法については、こちらに詳しく書かれている。

プロジェクトマネジメント ワンポイント講義
http://www2.odn.ne.jp/scheduling/SCM/Onepjmgt4.html

三点見積法は、確率的変動に基礎をおいている。同じ作業を繰り返し行なっても、所要時間にはいろいろな幅がでる。そこで、所要時間の「最善値(=最短期間)」「最悪値(=最長期間)」「最頻値(=その期間でおわる頻度が最も高い値)」の三種類の数字を見積もる。そして、
 推定所要時間=(最善値+最悪値+4×最頻値)÷6
という式によって、所要時間を求める。





●その結果を読み取るためにはある程度の統計学の知識が必要だ。パス解析、決定係数、有為水準といった用語を知らないと、何が何なのか、さっぱりわからないであろう。(p.240)

☆ちょうど今、統計学をやっているのでここを読んだとき「おっ」と思った。タイミングがいい!



【アクションプラン】
・統計学をもっと勉強してみる。

・「やり過ごし」というテクニックをマスターする。

・日頃から読書などを通していろいろなケースをシミュレーションしておく。



【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
他人と自分をうまく操りたい時に。
それがお互いにとってプラスになる。

 
posted by macky at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月04日

「たった一言」の心理術―あなたの人生は「この言葉」で決まる



「たった一言」の心理術―あなたの人生は「この言葉」で決まる
多湖輝/著 (三笠書房) 2007年
533円+税



【概要】
言い方次第で、良くもなれば悪くもなる。



【動機】
印象は言い方次第なのでは?ってことをなんとなく思っていたので。



【所感】
全ては言い方次第。ならば言い方を勉強しない手はない。

豊富な例で楽しく読める。

無意識にやっていて、もっとこうすればよかったかなって思ってたことが、
実は心理学的に間違ってなかったということが多かった。



【抜粋】
●人間は、自分の要求や願望が、そのまますんなりと受け入れられてしまうことに対し、心のどこかで罪悪感をもっている。 (中略) 「おい、さすがに疲れたろう。今日は早く帰って寝るか。それとも、もう一日がんばってみるか」などと言ってみる。(p.30-31)

☆これは無意識に使ってるかも。

逆に、罪悪感もよくわかる。すんなり要求が通った時とかはわざわざ自分から妥協案を提示したりしてしまう。


●こうして会話がとぎれることを、心理学では「却下効果」と呼んでいる。 (中略) 人との対話で、相手に満足感を与えるには、相手の価値判断を受け入れ、それに従って話を進め、質問者になることである。(p.47)

☆これも無意識にやっている。


●「なるちゃん、低いほうは?」(p.80)

☆こういう言い方はよくしている。心理学的にも有効な言い方だったようだ。

「低い方をたたきなさい!」と命令形にしないことがポイント。


●「そうだ、そのとおり。多湖はじつにいいところに気がついた」(p.102-103)

☆間違いを指摘したら逆に褒められて有頂天になっている。まさにうまい切り返しと言えよう。「そんなことはない」と即座に反論するのは愚の骨頂だという。これはわかっててもとっさにやってしまうので気をつけたい。


ちょうど似たようなシチュエーションの動画を見つけた。

→ 世にも奇妙な物語 第181話「23分間の奇跡」


攻撃したつもりが逆に取り込まれていくのがよくわかる。



●嫌いになった恋人と別れるのは造作もない。たとえば、いっしょに食事をするたびに、「何を食べる?」と聞けばよいのだ。(p.145)

☆そういえば、いつも「何食べたい?」って聞いてたけどダメなのか。迷っていたらさらに「早くしてくれよ!」と催促すれば完璧らしい(笑)



【アクションプラン】
・もっともっと心理学を研究してみたい。



【評価】
評価:★★★★☆(3.5)
こんな人に、こんな時におすすめ:
褒めてるつもりがなぜか相手を怒らせてしまったり、
同じことをしているはずなのになぜあの人はいつも人から好かれるのだろう?
そんなことを感じた時に。

posted by macky at 20:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月27日

ヤクザ式一瞬で「スゴい!」と思わせる人望術

ヤクザ式 一瞬で「スゴい! 」と思わせる人望術 (光文社新書)
向谷 匡史
光文社 (2012-09-14)
売り上げランキング: 164,459



【概要】
ビジネス、そして人生で成功を収めるには、一人でも多くの支持を集め、組織を動かすための“人望力”が不可欠。人望を得る最強のスキルを身につけたいなら、“タフ・ネゴシエーター”で人間関係のプロであるヤクザに学べ!
本書では、週刊誌記者としてヤクザを長年取材してきた著者が、豊富な事例とともに天下無敵の“人たらし”のノウハウを伝授する。(「BOOK」データベースより)


【動機】
本屋で見かけて。

同じことをやっても、言い方次第で結果がまるで違うと感じていたので。

以前から「ヤクザ」の「人望術」には興味があったので、まさにドンピシャのテーマ。



【所感】
あぁ、たしかにこう言われれば感激してしまうなぁ。。。

小手先のテクニックではなく、どう言えば相手が喜ぶかをもっと徹底的に考えようという感じで、このスキルを身に付けることは一般社会でも大いに必要となる。

書き方もうまい。実際に同じことをやったら全く違う結果になる可能性もあるけど、実話だから妙に説得力がある。



【抜粋】
●「おれの使い古しで悪いな」(p.20)

☆親分が若い衆に愛用の高級腕時計をプレゼントするシーン。
人望のある親分だと、このようにへりくだっている。
これが二流の親分だと、「おう、この時計をやるぜ。百や二百万じゃ買えねぇんだから大事にしろよ」と言ってしまう。



●「だから経営トップや上司たる者、賞罰の権限を手放してはならない。社員や部下は罰を恐れ、賞を喜ぶのだ」
 と、中国の思想書 『韓非子』 は説く。
 これは紀元前三世紀、帝王が天下を治める要諦として韓非が著したもので、権力の扱い方とその保持について書かれている。ちなみに、かの秦王政は本書を熟読して中国最初の皇帝(始皇帝)になったと言われ、一般的に「強者の管理学」とも呼ばれる。(p.75)

☆嫌われまいとして賞だけを与えればナメられるということ。賞罰の権限を持たない中間管理職は、それとなく匂わすだけでもよい。例えば、「理事長が、おめぇらのことをホメてたぜ」など。こうすることで、賞罰に間接的に関わる存在になれる。



●思うままに生きて人望を得られるほど大人社会は甘くなく、人望は、演出という人間関係術の延長線上にあるものなのだ。(p.79)

☆時には演技も必要。怒鳴りつけた後で、「あの子のためだ。誰かがガツンと叱ってやらなきゃな」と言って感激させたり。ここまでくると、怒ったり大笑いしたり、全て演技のように思えてくる。人生に必要なのは演技力なのかもしれない。

でもこれは難しいなぁ。演技が下手だとただのテレ隠しのようにも見えてかっこ悪いだけだし。



●褒めるときは二人きり、叱るときはみんなの前(p.92)

☆褒めるときは、みんなの前では褒めず、二人きりのときに、「いつも叱ってばかりいるが、本当はおめぇがいちばん可愛い」とやる。
みんなの前だとこのような殺し文句が使えない。


●関東の某組織で、本部長だったQ氏が跡目を継いで組長になった。Q氏を兄貴と呼んで親しくしていたZ組員は、これからは狎れた口はきけなくなる。それがヤクザ社会だ。 (中略) 現実には、「いままでどおり兄貴と呼んでいい」と言われて鵜呑みにはせず、「組長」と呼ぶものだ。しかもZ組員は感激と同時に、「オレは別格扱いされている」という自慢から、この話をあちこちで吹聴して歩いた。(p.101)

☆三国志とヤクザ組織って似たところがあるかもしれない。そう思ったらヤクザ社会に親しみがわいてきた。



●「あら、親分さん、いらっしゃい!」
 ママの弾んだ声で、K君が弾かれたように立ち上がるや、
「お疲れさまです!」
最敬礼したところが、
「おいおい、バカでかい声を出すんじゃないよ。お客さんがたに迷惑だろう」
と言ってから、親分は連れ立って入ってきたカタギの社長を振り返って、
「客に迷惑をかけるなって、いつも言ってるんですがねぇ。困ったもんです」(p.135)

☆ここかもしれない。私に欠けていたものは。
つまり、「バカでかい声を出すんじゃないよ」と怒られたら、次からは「バカでかい声」を出せなくなることである。
(せっかくバカでかい声で挨拶したのに、恥をかかされた)・・・と感じてしまう。
つまらぬプライドに邪魔されて大切なことを見失うところであった。


●私の知る限り、ビジネスマンでこのことに気がつく人は少ない。ゴマをするのは一対一のときで、上司が客と一緒のときは遠慮している。逆なのだ。客と一緒にいるときこそ、上司が自慢ネタにできるようなパフォーマンスをするべきなのだ。(p.137)

☆人にどれだけ貢献できるか。自分のことだけしか考えない人と、上司のために何をしたら貢献できるかを考えている人では行動がまるで違う。そして当然、「気がきく」部下の方が上司にかわいがられる。いくら能力主義の世の中だといっても、能力だけでは出世できない。



●「あいつの紹介じゃ、俺が安くなっちまうから」(p.139)

☆これもすごい話だけど、すんなり納得できそうな話。
誰に紹介してもらうか。これがすごく大事。



●「馬」――すなわち、カミさんに取り入るのが出世の早道となる。(p.161)

☆「将を射んと欲すればまず馬を射よ」
「まず、本丸から攻めろ!」とは対立するようにもみえるが、
どっちも結局、敵の弱点を見つけてそこを集中的に攻めろ!ってことかな。




物事は刻々と変化していきよるからな。いちいち気にせんかてええがな。(p.184)

☆直感で即座に判断を下す。普通は判断を間違えるのが怖くてなかなか即断は出来ないが、物事は刻々と変化していくから判断が間違っててもそれほど気にしなくてもいいという。それよりも迷いを見せないことの方が大事。どんな事態になっても、ハナから織り込み済みという顔をする。



【アクションプラン】
・自分の体裁ばかりを気にしていたが、どうすればもっと相手に貢献できるかを一番に考えたい。



【評価】
評価:★★★★☆(4.5)
こんな人に、こんな時におすすめ:
もっと人望が欲しいというときに。
ここに抜粋した他にも為になるところがたくさんあった。
この本に書かれてあることが全て自然に実践できていたら、
人望がある人に違いない。

posted by macky at 23:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月20日

影響力の武器 実践編

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣
N.J.ゴールドスタイン/著、S.J.マーティン/著、R.B.チャルディーニ/著、安藤清志/監訳、高橋紹子/訳
(誠信書房) 2009年


【概要】
『影響力の武器』の六つの原理を実社会で活用した50余りの事例を、ユーモアを交えて描く心理学書。


【動機】
『影響力の武器』を読んだので、その続編ということで。


【所感】
アメリカっぽいユーモアが散りばめられているが、そんなに面白くはない。なんというか、オヤジギャグを聞かされたときのような気まずさが残る。

前著『影響力の武器』の実践編なので、前著を読んでいればこれはあの法則だなとかそういういう楽しみ方が出来る。


【抜粋】
●昔からの格言に次のようなものがあるが、この話はそのよい例といえるだろう。 <あなたが恩を施してあげた人よりも、あなたに恩を施してくれた人のほうが、頼みを聞いてくれるものだ> (p.79)

☆ベンジャミン・フランクリンの逸話から。気に入らない相手から信頼を得るためには、頼みごとをする。ここにも一貫性の法則が働いていて、嫌いだと思っていたけど、助けてあげたということは実は嫌いじゃなかったのかと思ってしまうようだ。「あの人には色々してあげたのに何も返ってこないなぁ」というときには、逆に何か頼みごとをするのもいいかもしれない。私もそうだが、やっぱり人は役に立てたと思うとうれしいものである。そういえば周りを見ても、人にいろいろしてあげている人よりも、人に色々してもらってばかりでいつも感謝の気持ちでいる人のほうが好かれている気がする。



●頭の切れるリーダーは、自分の立場を明らかにする前に、必ずほかのメンバーの考えを聞きます。そうすることで、耳障りの良い意見ではなく、チームの本当の考え、意見、見方を確実に知ることができるからです。(p.105)

☆私も無意識に、自分の考えを言う前にどう思うか尋ねるようにしていたが、結局これを避けようとしていたのかもしれない。つまり自分の意見に影響されていない意見が聞きたかったのだろう。


●鏡を置くのが難しい場合は、ほかにも鏡のような効果を生む方法が二つあります。まず、社会心理学者のエド・ディーナーらの研究では、相手の名前を尋ねることで同様の効果が得られることが示されています。つまり、子どもでも従業員でも、名札を付けるようにするのが、より好ましい振る舞いを促す下準備というわけです。次に、科学者のメリッサ・ベイトソンらの最近の研究によると、シンプルな目の絵を壁に掛けるだけでも、社会的意識の高い行動を周囲に促す効果があるといいます。(p.196-197)

☆確かに、名札が付いていると、それだけで信頼感が高まるものだ。驚いたのは、目の絵を掛けるだけでその場に誰かの目が光っているような効果があるということだ。


●人は概してほかの大勢と同じ行動をとるという見方に基づき、最初の二つのワークショップでは、参加者にそのワークショップで本当にいいと思うところを一つ書き出してもらい、そうした好意的なフィードバックを大きなポスターの形にして、それ以降のイベントで壁に貼り出しました。そして、毎回研修の開始前に、参加者にポスターを見て、そのプログラムに対する同僚たちの評価を知ってもらうようにしました。最初は、そんな単純なことでうまくいくのか半信半疑だったのですが、効果は大変なものでした。(p.249)

☆社会的証明、さらに、コミットメントと一貫性。形だけでも効果があるということ。これを生かして、自分の目標などを書き出して毎朝見るといいというのもうなづける。他にも、他人の評価が書かれてあるとそれが社会的証明につながるので、いいアピールポイントになる。


【アクションプラン】
・目の絵の効果を確かめてみたい。

・人にしてあげるよりも、頼み上手になりたい。


【評価】
評価:★★★☆☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
『影響力の武器』を読んだあとで、実例から学びたいときに。
posted by macky at 21:12 | Comment(6) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月06日

影響力の武器

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ/著、社会行動研究会/訳(誠信書房) 2007年


【概要】
情報化社会で入ってくる情報量が増えるほど
それに対処するためにますます自動的な反応をしてしまう。



返報性: 人はお返しをせずにはいられない。

コミットメントと一貫性: 人は一度決めたことや自分で言った言葉、書いた言葉の通りに行動しようとする。たとえそれが本心じゃなくてもだ。

社会的証明:  人は自分に似ている人のマネをしようとする。周りがやってるから正しいことに違いないという思い込み。サクラ。

好意: 人に好かれるためには、賞賛すること。いいニュースばかりをもたらす。身体的魅力はハロー効果を生じさせる。自分と似た人に好意を感じる。快適な環境の中で接触を繰り返すことによって好意を高める。

権威: 権威や肩書きには盲目的に従う。

希少性: 残りわずか!期間限定!・・・など、希少価値をもたせる。


この6つの影響力の武器について、例を交えて解説している。その威力はすさまじい。
策略で相手をはめるのはズルいことだと思ってたのが間違いであったことに気付かされた。
むしろ円滑なコミュニケーションに必須のスキル。


【動機】
心理学を勉強してみようと手に取った。


【所感】
スーパーで食べ物を試食販売している人は
6つの影響力を駆使していると言えるかもしれない。

試食はまさに返報性を期待してのものだし、(人によっては試食したら買わないといけないと思う人もいる)、
試食の品を渡すときに簡単な質問(たとえば○○は好きですか?など)をすればコミットメントを引き出すことができ、
周りで同じように試食している人が一人でも買えば、自分も買うのが正しいことだと思い(社会的証明)、
店員さんができるだけ好意をもたれるように接客し、
その品物自体に「○○さんオススメ」や「○○さん直伝の味」などと書いてあれば権威になる。
どんどん売れて残りわずかになると、ますます人は欲しくなる(希少性)。

個人的には、「コミットメントと一貫性」と「社会的証明」の項目が興味深かった。



【抜粋】
●最初の好意が小さなものでも、お返しとしてもっと大きな好意を引き出すことができるのはなぜなのでしょうか。重要な理由の一つは、恩義の感情が明らかに負担を感じさせるものであるということです。私たちの多くにとって、恩義を受けている状態というのはとても不快なものです。ずしりと肩に食い込むこの重荷を下ろしてみたいという気にもなります。(p61)

☆こちらが全くお返しを期待せず好意でやっても相手からしたら負担を感じて不快になることもある。このバランスがコミュニケーションの難しいところ。


●「拒否したら譲歩」法は、こちらの望みどおりに人びとを同意させるだけでなく、実際にその要求を実行し、将来も要請があれば志願するように仕向けるようです。なぜこのテクニックを使うと、騙されて承諾した人がもう一度承諾するようになってしまうのでしょうか。・・・(中略)・・・譲歩をされた人はそのお返しに自分も譲歩をする傾向があります。しかし、譲歩という好意に二つの副産物があることはあまり知られていませんし、私たちも検討してきませんでした。取り決めに対してより大きな責任を感じることと、それに満足感を抱くことです。(p81)

☆確実に断るような大きな要求を出して、相手がそれを拒否した後、それよりも小さな、もともと受け入れて欲しいと思っていた要求を出す。これを「拒否したら譲歩」法、またの名を「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」という。相手も影響を与えて(例えば値段を下げさせたと思って)満足しているというのがおもしろい。


●しかし、セーラは以前にも増してティムに夢中です。選択を迫られたことによって私にはティムしかいないことがわかった、セーラはそう言っています。(p100)

☆これには驚かされた。「結婚をしたっていいし、なんだったら酒もやめる」と迫られて、恋人を棄ててティムを選んだのに、その選択の前提となっていたはずの条件が何も満たされたなったにもかかわらず、彼女は幸福になった。(コミットメントと一貫性)


●「僕は今夜はお金を払うつもりはなかったんだ。・・・(中略)・・・だけど、君の友人が話し始めたとき、お金をすぐに払った方がいいと思った。そうしなければ、家に帰って彼の言ったことをまた考え始めてしまって、そうしたらもう決して申し込まなくなるって思ったんだ」(p108)

☆心理学を勉強していたら、「えー?そんなことが起こるの?」ということがある。この件もまさにそうだ。不眠症が治るなどの怪しいセミナーに参加してるときに質疑応答で矛盾点を追求したら指導者が行き詰ってしまった。その直後、申し込みが殺到したというのである。


●そこには取り消しのきかない文章として行動が記録されているので、自分が確かにしてしまったことと一貫性を保つように信念や自己イメージを変えてしまったのです。(p128)

☆書いた言葉には生命が宿る。たとえ疑ってても本当になる。中国人が捕虜となったアメリカ人に中国(共産党)に好意的なことを書かせることによって徐々に意識改革させていった方法がおもしろい。いかにも中国らしい。自主的に書くことを拒否した場合には、既にノートに書かれてあることを書き写すだけでも効果があった。こんなに簡単に意識改革できるのなら、成功をイメージさせるような文章(たとえば、「私は成功する」など)を毎日書き写すだけでもすごい効果がありそう。頭の中でただイメージするのと、実際に書くことにこれほどの違いがあったのかと驚かされた。(p128)


●フラタニティが、市民サービス活動を加入儀礼に取り入れることを拒否したのも、中国人が価値あるものよりもささやかな賞品を選んだのも、まったく同じ理由からだと思います。自分の意思で行った行為であることを参加者が認めることを望んだのです。(p151)

☆賞品をささやかなものにすることによって、賞品に釣られてそれをやったのではなく、自分から進んでやったと思わせる効果がある。新人いじめは、苦労してその組織に溶け込んだということで組織の価値を高める効果がある。つまり、「何かを得るために大変な困難や苦痛を経験した人は、同じものを最小の努力で得た人に比べて、自分が得たものに対して価値をおくようになる」。


●「すみません、今、あるコンテストに参加しているんですが、勝つためには、まさにあなたのような美しい女性の助けが必要なんです」。・・・(中略)・・・「何てことなの。この男にキスして、さっさとここから立ち去ろう」。・・・(中略)・・・厄介なことに、男はキスの後でこうたたみかけてきたのです。「キスがお上手ですね。でも、私が本当に参加しているのは雑誌の定期購読者を何人獲得できるかを競うコンテストなんです。あなたは積極的な方ですよね。この雑誌の中に興味があるものはありませんか?」(p178〜179)

☆たたみかけるのが大事。一度小さなコミットメントをしてしまうと、人は一貫性を保ちたいという気持ちから二番目の要求にもあっさりと応じてしまう。(この事例の場合は要求は通ったけど後から後悔させているので使いどころに注意)


●車の運転手は突然ハンドルを切って立木や対向車に突っ込むこともできます。(p233)

☆事故死の何割くらいが自殺なのだろうか。自殺記事の後に、交通事故が跳ね上がるという(3〜4日後が最も多い)。その中には自殺も多く含まれているのでは?という推察。自殺が大きく報道されることによって、同じような境遇の人の自殺を誘発させるのだとか。(社会的証明)


●いかなるリーダーでも、集団の全てのメンバーを一人の力で完全に説得できるものではありません。しかし、強力なリーダーなら、集団のかなりの割合の人を説得できると考えてよいでしょう。そして、集団のかなりの数のメンバーが納得したという生の情報が、それ自体、他のメンバーを納得させるのです。したがって、最も影響力のあるリーダーというのは、社会的証明の原理が自分に有利に働くようにするためには集団の状況をどう整えればよいのかを知っている人なのです。(p247)

☆「社会的証明」をうまく使えるのがリーダーの資質かも。全員を納得させる必要はない。

●ジョーンズが霊感を受けたように見えたのは、まさにこの点なのです。彼の優れたところは、人民寺院の共同体をサンフランシスコの都会から赤道に近い南米の僻地に移すことを決めた点にあります。そこは、不確かさと極度の類似性という条件がそろっていたので、他のどこよりも社会的証明の原理を自分のために操作することが容易な場所だったのです。・・・(中略)・・・群れの心理を操ることは容易なことです。何人かのメンバーを自分が望む方向に向けておきさえすれば、残りの人々はおとなしく、そして機械的に従うものです。(p247)

☆大勢の前で講演をするときでも目の前にいる2、3人に話すようにすればいいとよく言われるが、それも同じことだろう。大勢の中の一人に反論されるんじゃないか?と思ったら怖くて何もしゃべれないけど、実際はそんなことはなく、その他大勢は機械的に従うだけというのはシンプルかつ的確だ。


●純然たる賞賛は、それが正確でなくても効果を持ちました。好意的な評価は、それが真実であれ偽りであれ、そのお世辞を言う人に対して等しく好意を生じさせたのです。(p283)

☆間違っててもいいからとにかく褒めろ。そうすれば人に好かれる。徹底的に褒めろ。(あまりに露骨だとかえって反感を買うが)。望ましくない評価は与えてはいけない。(その人の成長のためにはプラスかもしれないが、嫌われるかもしれないリスクを犯してまで言う必要は無い)。つまり、お世辞は思っている以上にとても有効なのである。


●あなた自身の経験を思い出していただきたい。もし、あなたが正しい答えを知っているのに教師が誰か他の児童を指したとすると、あなたはおそらく、その子どもが間違った答えを言って、自分の知識を示す番が回ってきたらいいのにと願ったことであろう。もし、あなたが名前を呼ばれたのに間違ってしまってしまったり、競って手を挙げることができなかったならば、おそらく答えを知っていたクラスメートを妬み、怒りを感じることであろう。(p287)

☆これはとてもよくわかる。子どもの時を思い出すと、答えを知っているのにわざと知らないふりをしていた。それは本能的に妬みを避けようとしていたのだろう。でも、知っているのに知らないふりをするというのは結構ストレスなんだよね。失敗した子どもが成功した子どもに対し嫉妬や不快の念を覚える教育システム。


●接触によってもたらされる親密性は強い好意を生み出すのが普通ですが、接触に不快な経験が伴う場合には逆効果になってしまうということです。(p295)

☆ただ機会を増やせばいいというわけでも無い。


●人間には、不快な情報をもたらす人を嫌う傾向があります。たとえ、その人が悪い知らせの原因ではないとしてもです。その知らせと結びついているというだけで、私たちの嫌悪感を刺激するのです。(p301)

☆できるだけ、いいニュースだけを人に話すようにする。悪いニュースは自分からは振らないようにする。あの人はいつも悪いニュースを運んでくると思われるのはまずい。


●改善しつつあった経済的・社会的状況が急激に悪化の方向に転じたときに、革命は最も起こりやすくなるそうです。(p405)

☆人は失いゆくものに対して、より価値を求める。(実質的には価値は全く変わらないにもかかわらず)
そういえば、残り1つとかになったら高くても慌てて買おうとするけど、レジで並んでるときに、
その商品が大量に入荷されたらもうちょっと安くなるまで待とうとする。
子どもに反抗されたかったら、気まぐれに自由を与えればよい。


●最後に笑ったのは、誰もが欲しがったものを手に入れ損なった者である。(p418)

☆競売で値がつりあがるのは、自分のものと思ったものが失われるという恐怖を味わっているからである。敗者が勝者のように見え、勝者が敗者のように見えるからおもしろい。


●私の弟リチャードは学生時代、承諾誘導の方策を駆使し、たいていの人がこの単純な点を見過ごしてしまいがちなことを巧みに利用して金を稼ぎ、自活していました。実際、この方策というのが実に効果的で、金を稼ぐために週末にほんの数時間働くだけで、残りの時間は勉強に当てることができたのです。(p422)

☆その方法というのが、誰かが新聞紙上で売り出した中古車を数台買っておいて、それに洗車をして、翌週末に決められた額だけを上乗せして新聞を通して売りに出すというもの。彼は三つのことを知っておく必要があった。第一に車についての十分な知識、第二に、買い手の感情を刺激するような新聞広告の書き方、そして第三に、希少性の原理の使い方。リチャードは三つの全てをどうすればよいか知っていたという。
優れた広告を書く術を知っていたので、日曜の朝には見込みのある買い手からの電話がひっきりなしにかかってくる。来てもらう時刻を約束するのだが、これをすべて同じ時刻にする。この策略こそが、後で承諾を引き出すための布石になる。

●たいていの場合、最初の見込み客が現れ、車をいろいろ調べ始めます。そして、汚れや欠陥を指摘したり、値引きする気はあるのかといったり、車を購入する際の一般的な手順を踏んできます。しかし、二人目の買い手が駆けつけるに至り、その場の心理が一転します。他者の出現によって、その車を入手できる可能性が突如として制限されてしまうのです。たいていは最初に来ていた者が、うかつにも競争心を燃え上がらせ、「ちょっと待ってくれ、俺の方が先に来ていたんだ」と、自分に買うかどうかを決める優先権があることを主張します。(p422〜423)

☆二人目が現れるだけで立場が逆転しているのがよくわかる。


【アクションプラン】
・「「みんなの意見」は案外正しい」という本は社会的証明に関する本であろうか。一度読んでみたい。

・「若きウェルテルの悩み」を読む。(「ウェルテル」効果:とくに若年層は自殺報道の影響を受けやすい。これも社会的証明の一つである)  →読了(120420)

・「影響力の武器 実戦編」を読む。 →読了(120720)


【評価】
評価:★★★★☆
こんな人に、こんな時におすすめ:
知り合いにはあまり薦めたくない本。こっそりと読みたい。

そんなバカな。私だったら引っかからないなぁ、と思うようなこともたくさんあった。
でも、私が引っかからないといってみんなが引っかからないとは限らない。
ついつい、自分に置き換えてそんなのは通用しないと思ってしまうけど、
世の中の人って意外と自分が思っているよりアホなのかもしれない。
という冗談はさておき、この本に書かれているようなことは
自分がモノを売る側に立ったときだけでなく、日常生活においても役に立つであろう。

でも、ここに書かれてあることを全て鵜呑みにすることは、それこそ権威に盲目的に従うことに他ならない。
posted by macky at 23:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする